◤長陽福娘 - 限定直汲み 純米 山田錦 無濾過生原酒 27BY 2本目!── dಠಠb「大事なのは、その女性が47歳になっても変わらずに持っている彼女なりのコアな人間性について語ることじゃないのか」#Well-Cured

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ukumusume_junmai_jikagumi27by2_3.jpg というわけDE、山を飛び、谷を越え、ぼくらの町へやってきた、長陽福娘 (ちょうようふくむすめ) です。サンジュリアンさんに3,000円で譲ってもらいました。去年の2月末に全く同じモノを呑んで☆6を付けてます。今この瞬間に同じ状態の同じ酒が現れても☆6を付ける自信ありますね。

 そして 最近思うのは、オレにとって「篠峯」や「長陽福娘」は「好きな銘柄」ではなく「得意な銘柄」だということ。どうこれ? 結構「新しい表現」だと思って自分で少し感心してるんだけど (笑)。いろいろ合点が行ったよ。なんでいつまでも「旨くもない篠峯」を買いつづけるのかって。それ、得意だからなんだよ。旨かろうと不味かろうと、得意だからその酒についてよくわかるんだよ。だから買うんだよ。得られる情報量が多いんだよ。もはや酒を味で呑んでるだけじゃないんだよ。


ukumusume_junmai_jikagumi27by2_4.jpg 要するに「日本酒」における「得意分野」みたいな (笑) ? 音楽や映画でもあるじゃん。個々の「得意分野」って。たとえば「'70年代ハードロックが得意」と言った場合、名曲だけでなく、クソな曲やアーティストも知ってるわけで、映画もそう。「ホラーが得意」と言ったら、むしろ「どこまでクソなホラー作品を知ってるかの自慢」が始まりそうじゃない (笑) ?

 そういう意味でオレにとって「篠峯」と「長陽福娘」は「得意な銘柄」だと思うわけだ。もはや「好き」とか「お気に入り」とか、そういう素人臭い次元の話じゃない。だいたい誰がどの銘柄を好きだとか、よく考えたらどうでもいいことだよな。知りたいのは「その酒が旨いかどうか」──もしくは「その酒から何が見えてくるのか」だろうし。

 まあ、いいや。ひとまず飲んでみるわ。そうそう、同じ酒の28BYの記事の中で「直汲み」に対する杜氏の考え方など、それなりにマニアックな情報を多数載せてるので、物好きな方は是非リンク先へGO。




 Q)日常で幸せを感じるときは?
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 ▲記事の下書きをせずに日本酒以外の酒を飲みながら飯を食うこと──もちろんそこにテレビは欠かせない。


 


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 bottle size:1800ml



SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【387】長陽福娘 -ちょうようふくむすめ- 限定直汲み 純米 山田錦 無濾過生原酒 27BY <山口>

岩崎酒造 株式会社:http://www.fukumusume.jp


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 ▲冬場は−3℃まで冷えるという秘密の倉庫。



 まずは但し書き──これはサンジュリアンさんから譲ってもらった酒ですが、そもそも彼も売れ残り品を1年熟成状態で去年の暮れに某酒屋から買ってますので、今回の熟成具合と彼の管理状況とを関連づけるつもりはありません。あくまでも今ここにあるこの酒がどういう変化を示しているのかだけを純粋に報告する次第であります。この瓶が保管されていたサンジュリアンさんの秘密の倉庫 (納戸の床下) は、冬場に−3℃まで冷えるらしいので、むしろそこらの酒屋よりも良い環境で冬を越したと思ってます。






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 ▲『歌舞伎揚』でお馴染み「天乃屋」の『古代米煎餅』は穀物由来の複雑味豊かなので熟成純米のお燗との相性が抜群だろうが、別に単体でも旨い。200円以上するケースが多いのでオレは滅多に買わないが、持ち寄りの会にツマミとして持参すれば、食べた人から軽く尊敬されるレベルではあるだろう。☆4.5です。なんなら☆5でもいい。しかしこれ『おこげ煎餅 えび味』もあるのか。見たことないな。



 日曜だし、今日は軽くな

ukumusume_junmai_jikagumi27by2_6.jpg 立ち香──赤茶けたブドウ。明らかなるサンタリーテ (酸、足りてる) の先読み。やや香りに黒ずみは感じるが、酸っぱそうな気配はある。そこそこ熟してると思うが、さて。

 怖れることはない、得意な酒だから!──。

 ♡☺♡「熟してるが、ちょっと木香っぽさを感じる。でも異様にキレがある。ちょっと熟香と木香っぽい感じが気になるが、旨い。ガスはちょっとある」──moukan1973♀には説明したが、これは歴然と「木香」ではない。液の切面に現れる少しギザギザしたミネラル感、そこに熟味の渋みパートが纏って「擬似木香」なタッチを作り上げてるだけ。硬水寄りの仕込み水なので、液の切面が硬く、舌触りにザラザラ感が出るので、熟成由来の甘苦酸の複雑味によって一瞬「木香」っぽく感じるだけ。別に騙されるレベルでもない。



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 ▲写真じゃ分かりにくいけど、色は少し付いてます。


 さて──。

 はい、しっかり熟してます、そして想像以上に甘い。果実的な酸っぱみはないけど、酸は明白に足りてる。まさに視界良好。そして液性には目映い輝き。でも熟してます。オレオとレーズンを一緒に食べてるニュアンスもある。ひとまず☆4.5スタート。ガスも「残っててくれてありがとう」と言えるレベルには残ってる。

 蜜のようなポヨみのある甘みの豊満さもあるし、当然「纏い」としての熟味もシッカリ出てるけど、基本的なストラクチャーに変化はないと言えるんじゃないかな。これは最近「黒澤 生酛 純米 穂積 蔵付酵母仕込 蔵熟生酒 27BY」を通じて逆再生的に得た知見だけど──今までは漠然と「熟成させれば味が膨らむ」とか「甘みや旨みが増す」とか「角が取れる」とか考えていたけど、言ってしまえば、それらはあくまでも「纏い」の部分の話ではあるだろう。


ukumusume_junmai_jikagumi27by2_8.jpg もちろん、そうした「纏い (酒における服装のようなもの) 」が大きく変われば、舌で最初に感じる部分 (ジュース・パート) は熟香と熟味に覆われ、それがその酒の本質 (コア) であると感じることは決して間違った判断ではないが、あくまでもそれはその酒に対する一面的な認識であることは自覚しておいた方がいい──その酒の本質を知りたいのであれば。

 なぜなら、酒には味や香りを纏うためのBodyパート──すなわち液体のストラクチャー (骨格) があり、それをオレは「クリスマスツリー」になぞらえて、ジュース・パートを「オーナメント」、ストラクチャーを「ツリー本体」と比喩したわけだが、その意味で、この1年半熟成状態の「長陽福娘」には「ツリー本体」に大きな変化はないと思うし、千代酒造 (篠峯) の堺杜氏の言葉を借りるなら、熟成によって「ストラクチャとしての酒質の変化がある訳ではない」ということになり、今オレはこの言葉を意義深く実感している最中である。

ukumusume_junmai_jikagumi27by2_9.jpg 過去記事の見解を全て書き直す気力も暇もないが、今後はそういう見地に立って「熟成酒」と向き合うことになると思う。よく考えれば酒が歴然と熟成してるわけだから、纏いの変化は化学的に当然の結果であり、それらをいちいちなぞることは、それこそ27歳の女性が47歳になってシワが増えたとか白髪が増えたとか太ったとか、そういう表面的な──誰にでもわかる属性変化について列挙してるだけであって、その酒──この場合で言えば「その女性」の本質的な部分を語る上ではどうでもいいことではあるだろう──47歳になった彼女と今すぐセックスしなければならないという問題を抱えている人以外は。


ukumusume_junmai_jikagumi27by2_11.jpg 大事なのは、その女性が47歳になっても変わらずに持っている彼女なりのコアな人間性について語ることじゃないのか。「日本酒おける熟成」について語るとき、本当に語られるべき内容はこうした部分にこそあるんじゃないか、少なくとも今のオレはそう思うのである。つまり、熟成によって変化したことを列挙することは、その酒を飲んだ人であれば誰にでも解ける簡単なドリルに過ぎない。そして、オレが簡単なドリルを解くことに意味はあるのか。そんなにドリルの答えが知りたいのであれば、この孤島の外にある、いちいち人に優しいそのブログ内で楽しく答え合わせをやればいい。

ukumusume_junmai_jikagumi27by2_10.jpg 月曜から強めにアクセルを吹かしても疲れるだけなので、つづきはまた明日。ただ一つ言っておくと、初日に関しては「お燗」がよかったかな。逆にタイトになるし、ようやく果実的な酸が前に出てきた感じ。ホロ苦さもあるけど、凝縮感が増す。これは裏のラベルで蔵元が推奨している飲み方ではないので、そういう意味では、熟成によってこの酒の何かが変わったわけだけど、それがなんなのかまでは今のオレには分からない。確実に甘みの輪郭が豊満になってるので、アミノ酸度は増したのだろうか。

 あと、途中、少しだけ「五橋 生酛 純米大吟醸 馨嘉 生酒 28BY」の残りを飲んだんだけど──写真は「黒澤」だけど中身は「馨嘉」──、♡☺♡「木香味の水 (笑) 。スーパー軽い。それでも旨いのは娘だよ」──まさに「木香ウォーター」という (笑) 。3日目がダントツに旨かった。


 最後に。最近飲んだもう一つの「得意銘柄」である「千代 (篠峯) 純米 キヌヒカリ60 無濾過生原酒 26BY」との違いだけど、こちらは2年熟成なのでさらにオーナメント (服装) はおばあちゃんだけど、それでも酸による収斂性は「長陽福娘」よりも更に強烈なので、酒の芯は明らかに「篠峯」の方が強い。とはいえ「長陽福娘」にもフレッシュ時代の液体としての本質的な透明度は残っていて、もはや味の夜空にフルーティネスの流れ星は見えないけれど、酒としての輝き、見晴らしの良さ、液体に美しい輪郭を与える役割としての酸、ここに大きな劣化 (変化) はないと言い切れる。ただし、味も香りもちゃんと熟してます

 実はさっき一杯だけ2日目を飲んだんだけど、一瞬「青い鳥」が横切ったんだよな。これからそれを確かめよう





── 2日目。

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ukumusume_junmai_jikagumi27by2_13.jpg 初日の我々夫婦がこの酒を呑んで頻繁に発した言葉には、似てるが少し意味の違う2つの表現があり──それは「旨い」と「飲める」ではあるが、そのどちらがより多く我々の口から出たかと言えば、それは「飲める」の方であった──やはりこのことだけはここにキチンと書いておくべきではあるだろう。

 そしてジュース・パートがこれだけ熟しているにも関わらず、それでもなぜ「飲める」のかと言えば、それはこの酒の持つストラクチャーの美しさが──コアにおいての透き通った見晴らしの良い液性が、確かにここにあったからに他ならない。結局のところ一連の「嚥下物語」は常に一定以上の快感指数を維持していた──これだけは疑いようのない事実である。どんなにジュース・パートがキャッチーでライトでも飲めないモノは絶対に飲めない。


ukumusume_junmai_jikagumi27by2_14.jpg 立ち香──初日にmoukan1973♀が指摘した「木香」ねえ。はいはいはい。どことなく燻製用の桜チップというかタイヤというか──もしかしてこれをある読者さんは「ゴムっぽい」と言うのか!?──、そんな焦げた要素に「焚き火の幻影」を見たよ (笑) 。これはミネラル成分由来だとは思うが、気になる人にはノイジーなレベルではあるかもしれない。オレなんかは「草」に寄せちゃうから気にしないけど。ま、香りの話はこの際どうでもいいとして──。

 さっき見た青い鳥は何処へ (笑)

 あれえ??? さっきは一瞬だけ「果実の幻影」がオレの味覚の彼岸を横切ったんだよなあ。まあいいさ。ド頭にポヨみのある蜜ような甘みの蕩け。ガスもまだ少し残ってます。まあ最後はビターテイストです。軽く口の中でモグモグさせながら飲むと熟味は和らぐけど、そうすると退けにかけて喉ティンコファイヤーが発火。ま、この1年半熟成は表面的には相当に甘みの纏いを感じやすくはなってるけど、芯ではキレる辛口ではあるんだろうな。ちょっと液の切面にガス成分由来の草っぽい渋みも出てるかあ。熟成した26BYの「篠峯」なんかにもあったね、この少しザラザラしたガス由来のテクスチャー。そしてこれもまた「長陽福娘」的な属性であり、熟成を経ても「変わらないモノ」の一つではあるだろう。

 ワイングラスで──。

ukumusume_junmai_jikagumi27by2_15.jpg 蜜ですなあ。しかしやはり、たとえば「篠峯ろくまる 雄山錦 直汲 無濾過生酒 26BY」なんかに比べると酸は足りてねえーなあ (笑) 。熟味はグイ呑みの方が前に出る。ジュース・パートにフルーティネスを探せないし、そこにコネクトするはずの酸っぱみも後退してる。それでも圧倒的に飲める☆4.5ですね。

 RS返し (れいしゅがえし) は幾分クリスタル。うーん、たとえば「純米吟醸 山田錦55 マチダヤオリジナル生熟成」のように、ここで煮リンゴ様の熟れ茶パートが甘酸スパークすれば☆5にリーチするんだけどなあ。ただこれね、オレもこの店から「限定直汲み 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 山口9E酵母 27BY」を買ってるから知ってるけど、ここは冷蔵庫の温度はそれほど低くはないね。少なくとも氷温ではないし、5℃以下ですらないかもしれない。そういう意味では、これが氷温管理された1年半モノだったら違った表情を見せてくれたとは言えるだろうね。


 纏いは熟れ茶けて幾分ファットに育ってるけど──事実スゲえ甘いし──、それでもストラクチャー (ツリー) そのものが太くなってる感じはしないなあ。むしろRSだと細マッチョなBodyにおばあちゃん服の纏いなので、逆に違和感あって面白いよ。まるで「コンピューターおばあちゃん」みたいなチグハグのモダニティ (笑) 。

 これは一度に空けるのもったいないなあ。というわけで、二代目リトマス酒として長生きさせます。速醸だけど、この見晴らしの良いストラクチャーで足腰フラフラの幼酒 (おさなざけ) のアラをフォーカスしてくれるでしょう──ただし、今の我が家のストックは非速醸率が高いんだよな。



 



moukan1972♂moukan1973






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