【旅行記】諏訪のサンジュリアン邸を訪ねて <08>:5月20日 (土)「ごった煮」 



あらすじ〜日本酒ブログの筆者であるオレ (moukan1972♂) と妻 (moukan1973♀) の二人で、当ブログの名物読者であり、筋金入りのワインコレクターでもあるサンジュリアンさんの御宅を旅行がてら訪問した際の、心のアレコレと現実のモロモロを、特に旅行好きでもないオレがそこそこ本気を出して書き綴った旅行エッセイ。



 オレにとっては何年かぶりのマトモな朝食。
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 ▲ここ20数年は基本的に「1日2食」なので、マトモな朝食は旅行以外ではまず食べない。




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EP-08:5月20日 (土)「ごった煮」

▪︎我々夫婦が前日の夜に話していたこと。




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 ▲お土産のポストカードではなく、オレがホテルの庭から撮影した写真。 (photo:001)



 前日も素晴らしい天気だったが、今朝のこの空を見れば、あれは単に「出来の良い曇り」だったと、不本意ながらも訂正を迫られるかもしれない。それくらいの素晴らしい──徹夜つづきで死にそうな安月給のアニメーター (美術担当) を歓喜させるには十分なほどのベタ塗りな──、まさに絵に描く必要のない青空である。

 昨晩はあれだけ呑んだので、さすがに身体の全てが軽やかというわけではないが、この天気を無駄にしてまでも部屋でゴロゴロしていたいと思うほどには疲弊していなかった。朝は6時過ぎに起きて露天風呂に入った。我々にとって外風呂で欠かせないアイテムの筆頭は「眼鏡」で、これがないと何も見えないので、オレは20数年前に作ったガラスレンズの眼鏡を、moukan1973♀は今は風呂専用の安物を持参したわけだが──風呂の温度程度なら問題ないが、サウナの温度だと、場合よってはプラスチックレンズは歪む可能性がある──、この必要性に気づいたのは旅行経験の浅いオレの方で、それは出かける前日のことだった。

 夜空を見上げながらの露天もいいが、朝の清々しい空がまるで手抜き美術の露天もなかなかだ。この時間に起きることも稀ならこの時間から風呂に入ることも稀ではあるが、この稀と稀のごった煮こそが旅にとっての少し胃もたれする心のご馳走なのだ。それにしてもこの「ごった煮」は少しスパイシーな味付けだ。何か異質な香り、独特の辛みがある。なんだこれは。そうか、膝と足の甲の唐辛子漬けが具に入っているのか。食べ物に関して特に好き嫌いのないオレでも、さすがにこの二つの具は余計だ。もしもシェフに会う機会があれば、勇気を出して文句を言っておこう。






 これはホテルの外で撮影した写真ではない!
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 朝食の席から撮影したものである!
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 ▲日帰りの温泉客がメインなので、宿泊客は少なく、非常にオレ好みのうらびれ感。


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 ▲手前がオレで奥がmoukan1973♀の朝食。



 オレから見て──家族なりの贔屓目を少し添加しても、moukan1973♀は決して苦手なことが多い人ではないが、そうかと言って得意なことが多いわけでもない──そう考えるとオレは全くの逆で、苦手なことと言えば冗談の通じないバカの相手だけで、得意なことは極めて多い。そんな彼女の苦手なことの代表格が「バイキングにおける素早いメニュー選び」ではあるだろう。この日はたまたまオレがカメラを部屋に忘れたので一度戻り、今度はミニオンだけを連れてカメラを忘れたので途中で再び引き返し、なんだかんだで10分はロスしたわけだが、食べ始める前にはオレが追い抜いていた。彼女はこれ以外にもまだ何かを取るようだ。

 稀のごった煮ついでに昔のこそばゆい想ひ出を一つ披露すると、付き合いたての頃 (20年くらい前?) 、たしか歌舞伎町の噴水 (旧・コマ劇前噴水広場、現・歌舞伎町シネシティ広場) 近くのマクドナルドで──なんでここに来たのかは覚えてない──、それぞれがメニューを注文していたとき、何にするかすぐに決められないmoukan1973♀が「ねえねえ、アタシどうしよう???」と訊くので、オレが「そんなことオレにいちいち訊くなよ」と言ったら逆ギレされたことがある。以来、オレは「メニュー選び」に関して、あまり彼女を急かさないようにしてはいる。

 それを思うと、久々の旅行の朝食バイキング前にオレが部屋にカメラを忘れた──しかも二度も部屋に引き返したことは、迷う自分が決して嫌いではない彼女にとって、なんという僥倖 (ぎょうこう) だっただろう。稀のごった煮の具は、こんなところさえ転がっている。




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 ▲部屋に置いてあったフリーの「りんご乙女」は☆4.5。まんまと買いました。


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 ▲「富士見高原 広原温泉 八峯苑鹿の湯」は朝食付き税込で大人1人7,020円 (入湯税150円は別途) とアホ安。


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 ▲食後は軽くホテルの周囲を散策。 (photo:013)






 チェックアウトは10時、朝ジュリアンさんが迎えに来るのも10時という約束である。しかしオレは思う──「ジジイは必ず少し早めに来る」。部屋を9時45分くらいに出てチェックアウトを済ませるためにロビーに行くと、ちょうどガラスの向こうに〝あのお方〟の車が見えた。「ああ、やっぱりあの人、10分前行動の人なんだ」とmoukan1973♀が笑う。チェックアウトは彼女に任せてオレがキングを出迎えに行く。

 前日の夜、moukan1973♀と少し話していたことがある。この旅行には常に小さなサスペンスとミステリーが内在しているわけだが、本日のドライブに、果たしてサンジュリアン夫人は同行するのだろうか。こういうとき、サスペンスとミステリーは放置しておいた方がいろいろと楽しい。だからスゲジューリアン氏には細かいことはあえて訊かなかった。「おはようございます!」──オレは車の窓の向こうを覗き込みながら、快活に──膝の痛みを黙殺して──、朝の挨拶をベタ塗りの青空に投げた。


moukan1972♂



つづく



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※更新スケジュールは未定ですが、記憶の永続性には限りがありますので、少しずつでも毎日UPする予定です。


Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん



毎度です。

ここのところ複数の記事 (出来事) が重なり、なかなか書く時間がなかったんですが、写真も残ってるので、まあ記憶に関しては問題ないと思います。もともと誰でも知覚できる外的現象にはあまり興味ないので──外界に対する認識作業は常に思念的──、記憶がなくてもいくらでも書けるんですが (笑) 。


──さてモーカン♀さんウチの♀と迷うところ似てますなあ〜

これでもだいぶ早くなったとは思います。しかし、なぜ食べ放題なのに一発で決めようとするんですかね。ちょこちょこオカワリすればいいと思うんですが。


──昔アメリカ出張した時に、役員(この親父もせっかち)待たせて5分程遅れて来た後輩、帰国後に課長職外されましたよ。

僕もあやうく待たせるところでしたが、寸前で勘が働きました。サンジュリアンさんは10時10時となんども言っていたけど、9時48分頃に来ましたからね (笑) 。


──りんご乙女 初めて見ました。灯台下暗しカナ?

ま、東京人のほとんどが「東京ばな奈」を買わないのと同じじゃないですかね。

東京ばな奈
http://www.tokyobanana.jp


りんご乙女は以前にmoukan1973♀が職場の誰かの土産で1枚だけもらってきて、そのときは商品名まで記憶してなかったですが、ホテルで食べた瞬間にそれを思い出しました──これ食べたことある、と。そのときも旨いと思ったんですよね。旨いというか、リンゴの生々しいリアル感が結構キャッチーに伝わるので、なかなかの企画力だと思います。

2017.06.09 Fri 16:02
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Name - サンジュリアン  

Title - 10分前

毎度です久々の続きですね〜

5/20はもう随分前だった気がしますね、

さてモーカン♀さんウチの♀と迷うところ似てますなあ〜
私じゃあテーブルの上の食材見えた瞬間に何食べるか80%決まってますが、次女とウチのの♀達は何時も悩んで居ます。長女は食べ物に関心薄いのかパンと果物など一瞬に決めて(ほぼ毎度2-3品)悩みませんけど。

10分前集合 入社した後の研修で最初に言われましたね。
昔アメリカ出張した時に、役員(この親父もせっかち)待たせて5分程遅れて来た後輩、帰国後に課長職外されましたよ。まあ、仕事の進め方も鈍かったんで色々と気に触った様ですので遅刻だけが理由じゃあないでしょうが、昭和時代のルールみたいなものでしょう。

りんご乙女 初めて見ました。灯台下暗しカナ?


2017.06.09 Fri 13:57
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