もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

「太陽目線法」を伝授します。
〜 日本酒の家呑みレポート&本日の1曲、時々メガネ警察〜

【旅行記】諏訪のサンジュリアン邸を訪ねて <04>:5月19日 (金)「膝と膝と膝と絶景」 



あらすじ〜日本酒ブログの筆者であるオレ (moukan1972♂) と妻 (moukan1973♀) の二人で、当ブログの名物読者であり、筋金入りのワインコレクターでもあるサンジュリアンさんの御宅を旅行がてら訪問した際の、心のアレコレと現実のモロモロを、特に旅行好きでもないオレがそこそこ本気を出して書き綴った旅行エッセイ。



 【注意】※↓これは「魔の山」ではありません。
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 ▲野辺山高原の平沢峠の駐車エリアからの景色。「北岳3193m。富士山に次ぐ二番目に高い山です」──サンジュリアンさん談。




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EP-04:5月19日 (金)「膝と膝と膝と絶景」

▪︎オレも3歳の頃だったら軽く登れたと思います。





DSCN7332.jpg 事前に山樹里暗 (さんじゅりあん) さんから「うちの3歳の孫でも登れるような軽いハイキング・コースですから」と聞いていたのでmoukan1973♀にもそのまま伝えていたし、彼女の場合は、ここ数年は毎年、職場の「ガールと呼ぶにはあまりにも頑丈でガタイのいい年齢的にも元ガールな山がる友人」の企画で高尾山ハイキングをしているし、それに加えて本来であれば、実はまさに同じ日に、これも最近恒例の上高地ハイキングに彼女たちと一緒に出掛けていたはずなのだ。


シャンパン飲みたい つまり、moukan1973♀は年に2回ほど軽い山登りをしているので、山樹里暗的糞爺々 (さんじゅりあんのくそじじい) が「高尾山の七掛けですよ」と言ったとき、彼女はとても気楽な気持ちになったはずで、すでにハヤる心は山頂の絶景を通り越して空彼方まで飛んで行き、まるで仕事帰りの疲れたサラリーマンが更に疲れる満員電車に揺られながら帰って今夜飲む予定の日本酒のことを考えながら心でニヤニヤするのとほとんど同じパッションをダブル・オッパイ (両胸) の中に抱えていたことだろう。


 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい!(セピアな回想風音響処理)


 まずは車で「野辺山高原 平沢峠」というエリアまで移動した。ここには駐車スペースやトイレがあり、この日は平日の金曜ということもあり、車はほとんど停まっていなかったが、GW中は次から次へと車が入って来たという。山ジュリアンさんは「飲み物を買ってくるの忘れたな」と言っていたが、オレがお茶のペットボトルを持っていると、「このへんはトイレの手洗いの水でも普通に飲めますよ」と教えてくれた。さすがは「高原の美味しい水」である。それでも人の言うことをそのまま信じない腐った性格のオレが飲む前に一度手に収めて水の香りを確認したことは言うまでもない──うん、たしかに問題なく旨い。



平沢峠map

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 ▲セカジュリアン (せっかちなサンジュリアン) さんは「写真は戻って来てからクタクタに疲れてる顔で撮ればいいんじゃない?」と急かしたが、結果的に登る前に撮影しておいてよかったと思う・・・。 (photo:007)


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 ▲これでデカい紙袋を2〜3つ持って地下鉄に乗っていたら間違いなく不審者にしか見えないmoukan1972♂。しかしmoukan1973♀は旦那のレアなキャップ姿にエラく萌えていた。






 とにかくオレが今思うのは、「NHKスペシャル」や、かつての「水曜スペシャル」などの探検や冒険企画における最大の功労者であり主役は、

 自分自身は姿の映らないカメラマンである

ということだ。というのも、ここから先の我々のライトだがハードなアドベンチャーを収めた写真がほとんど残っていないのである。つまり、オレは山ジュリアン隊長の背中を追うのと、遅れを取るmoukan1973♀の現在地を確認するのに忙しくて、ゴツゴツしたデカめの石が足元にゴロゴロ落ちてるその急な山道の粗暴な表情をカメラで撮影する暇さえなかったのだ。

 山ジュリアン隊長はデカい図体を左右に揺らしながら巧みにバランスを取り、後ろから見てると、まるで近所の暇なジジイが昼間から酔っ払って千鳥足で商店街をウロウロしているようにしか見えないのに、どんどんと先を行く。気づくと5m、10mと離されていく。

「そうでしょー! いつもそうなんです。わたしのことも平気でおいていくんです!」──サンジュリアン夫人談。


 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい!


 きっとmoukan1973♀はつい30分くらい前に自分がこんなことを言っていたことすらまるで覚えていなかったであろう。「どこが高尾山の七掛けだよ・・・」と彼女は言った。



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 ▲こうして撮影できるということは、ここがまだ平坦でラクな道であることの証左である。しかしそれでも既に腰にダメージが来ている。「アングル的にケツもデカく見えるし脚も短く見えるからコレはやめて!」──moukan1973♀談。



 山ジュリアンさんも途中で何度もこちらを振り向き、その距離の差が彼の中で一定以上広がると、彼自身も少し足を休めてオレたちが追いつくのを待っていてくれた。「もうすぐラクな道になりますから。うちの3歳の・・・ (以下、省略) 」

 しかしながら山ジュリアン隊長の言う通り、徐々に急な坂もなくなり、足元のデカい石の数も少なくなってきたようだった。オレが「これはいわゆる一つの〝カリブの海賊パターン〟だな」というと「わかるぅー!」と、さっきまで喋る気力すら失っていたmoukan1973♀が笑ったのだから、きっと道は険しさを少し緩めてくれたのかもしれない。つまり、東京ディズニーランドの「カリブの海賊」のうように、スリルは最初に訪れて、中盤以降は「流し」という展開なわけだ。

「もうすぐです」──隊長はGWにも登っているので、足取りも慣れたものである。何でもないアシックスのスニーカーと手ぶらな出で立ちで颯爽と先を行く。オレはこの時点ではそこまで膝にダメージはなかったのだが、「モーカンさん、それはたぶん下りの時のダメージじゃないですか? ヤワだなあ」と糞ジジイが言ったのは翌日の、たしか諏訪神社の入り口付近でのことであった。






 なんとか絶景ポイントに到着。
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 ▲とにかく旅のペースを掴めぬままここまで来たので、あまりイイ写真が残ってない。 (photo:008)


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 ▲富士山が見えることもあると言うが、今日はなんとなく薄い雲も多かったので、見れず。それでもイイ天気です。 (photo:009)



 おそらくこの時、彼女の頭には再びあのフレーズが山びこのように木霊していたであろう── 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! 早くシャン飲みたーい! しかしながら、そんな彼女の夢想について山の神ジジリアンが気にかけることなどは一切ない。



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 ▲まるで「学校の山・ハイパー版」のような「なんちゃってピラミッド」のような飯盛山 (めしもりやま) 。登山好きの間では有名なスポットで、先ほど軽く触れたmoukan1973♀の職場の山がる友人も、後日「いつか登りたいんだよねえ」と言っていたそうである。



「あれが飯盛山 (めしもりやま) です」と山の神ジジリアンが言った時、オレの脳裏にまず浮かんだのは「鍋島」の「飯盛直喜」のことだが、ここでその話題に触れるのは空気が不味くなるからやめておこう。それにしても山の上は日を遮るものが一切ないから暑い。オレも途中からはTシャツ1枚になっていた。さらに「せっかくここまで来たんだから登りましょう」と山の妖怪ジャンジュリガンが言った時、オレの記憶が正しければ、たしか横にいたmoukan1973♀は「えっ!? まだ登るの!?」という顔をしてこちらを見ていた──ような気がする。

 これだけ景色が広大なパノラマだとイマイチ距離感が掴めないのだが、実際に歩き出すと面白いように飯盛山がどんどん近づいて来てくれるので安心した。途中、少し幅の狭い道があり、下を見ると「世界一怖いダンボールそりのコース」のような斜面が広がっていて、もしもここで転んだらオレはどうなるのだろうと思っていたら、山の死神ドクモリアンは、

「モーカンさん、このまま転がっていけばすぐに清里駅に着きますよ」

と言った。



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 ▲山の死神ドクモリアンお薦めの「清里駅」までの近道コースがこちら。


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 ▲なんだかんだで意外に近い。


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 ▲GWの頃はまだここまで新緑カラーな景色ではなかったらしい。 (photo:010)


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 ▲山の元帥ボスジュリアンはそれでも常に先を行く。頂上まであと少しだ。


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 ▲「最初が一番ツラかった・・・どうしようかと思ったよ・・・」──moukan1973♀談。


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 ▲まるで家の近くの河原を散歩してるかのような散ジュリアンおじさん。 (photo:011)


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 ▲この日のために買ったオレ史上最も高価なスニーカー「Meindl Piemont GTX Braun Orange」のフィット感は最高です。しかし紐をキツく締めすぎたせいで翌日以降は足の甲が・・・。少なくともこの段階ではmoukan1973♀に「オレだけマトモな靴だぜイエ〜イ!」などと自慢していた。池袋西口の「好日山荘」で購入。moukan1973♀の付き合いで行ったらまんまと気に入ってしまい・・・。


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 ▲まるでセザンヌの風景画のよう。 (photo:012)


セザンヌ2
 ▲Paul Cézanne「Mont Sainte Victoire」


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 ▲俺称「鍋島山」






 山の素人であるオレは「下りはラクだろう」などと思っていたわけだが──実際、来た道の逆を歩くわけだから、下りも最初は緩やかで道も素直で、すっかりシャチベーション (シャンへのモチベーション) を取り戻したmoukan1973♀を酒の神シャンジュリアンも「これだけ歩けばシャンが美味しく飲めそうですね。本当はひとっ風呂浴びてビールなんか良さそうだけど、今日はやめておきましょう」などと煽る。聞けば噂の3歳の孫は本と図書館が大好物の極端なインドア派らしく、その彼をなんとかおだててこの山を登らせたと言う。「プライドの高い子なんで『こんなのも登れないのか〜?』とケシかけて、できたら『すごいすごい』とおだててなんとか登らせましたよ」

 徐々にハイキング序盤で苦戦したハードな坂とアドベチャーな石ゴロ道が、今度は真逆の負荷をオレたちに与えながら再登場する──まさにこれは1時間遅れの山道的往復ビンタ。相変わらず暴走熟年ハシジュリアンはスイスイと軽やかに先を行くし──「チンタラ歩くの嫌いなんですよ」──、オレはと言えば、このあたりから徐々に膝への負担が蓄積していったのだろう。それはまるで予め膝に仕掛けられた〝油断という名の爆弾〟に少しずつ火薬が忍び込んでいたかのようである。moukan1973♀が意外と無理をせず遅れながらもマイペースについてくる。オレは少し無理をしてジジイの真似事をして軽やかに歩こうとしたのがいけなかったのだろうか。無駄な力みが更なる火薬を膝の爆弾に忍ばせてしまったようだ。

「予定通りですね。これで帰って、4時にはシャンで乾杯です」
「やったー!」
「・・・ (膝が・・・) 」


moukan1972♂



つづく



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※更新スケジュールは未定ですが、記憶の永続性には限りがありますので、少しずつでも毎日UPする予定です。


Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

ありがとうございます。

なかなか読み応えありますね。都内の酒屋でも簡単に買えるようになるといいんですが、新宿の伊勢丹が正式に扱いを始めてほしいですよ。読んでると飲みたくなりますね (笑) 。うちの在庫は3本ですが、週末に缶チューハイ大好きな♀が遊びに来るので、まずはペールエールで乾杯です。

2017.05.29 Mon 15:06
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Name - サンジュリアン  

Title - 伊勢角屋ビール

毎度です。

モーカンさん一押しに伊勢角屋の栄枯盛衰物語 連載されてます。
地ビールブームでやりだしたが苦労した様です。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/170417/bsc1704170700001-n1.htm
2017.05.29 Mon 14:07
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Name - moukan1972♂  

Title - To kappa1970♂さん

毎度です。

登り始めの何分かは凄く足場が悪くてデカい石がゴロゴロあり、下手すりゃ足首がコキっとイク感じで力みましたが、サンジュリアンさんはデカい図体を左右にジャッキー・チェンの酔拳のように揺らしながらバランスを取ってスイスイと登って行きましたね。空から見たら三人が同じグループで登山してるようには見えないでしょうね。それぞれ10mずつ間隔のあいてる時間帯もありましたよ (笑) 。

下りは日本酒の話をしたり雑談をしたりと少し余裕ありましたが、登りの前半部分の石ゴロ道が下りで再登場して一気にヤレれましたね。膝はもう完全に治りましたが、問題は5/20ですね。怪我人のように歩いてましたよ (笑) 。山ジュリアンのオジサマは次の日も元気でした。

2017.05.29 Mon 08:09
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Name - サンジュリアン  

Title - コレでも大学時代ワンゲルでした

カッパさん

お久しぶりですね〜
北岳は残念ながら行ってません。名古屋から身延から入って塩見岳と聖岳に行きました帰りは千頭〜大井川鉄道経由で帰りました。覚えているのは水場が無くて苦労した事と、雷鳥の親子を見つけた事かな。

Mじゃあないですが、優しい弱Sですよ。

カッパさん赤ワイン飲みましたか?もし我家に来たら、モーカンさんに出したより高い(旨いか如何かは別)赤ワイン飲ませますよ。
2017.05.28 Sun 22:45
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Name - kappa1970♂  

Title - 10変化の罵詈雑言と2言の攻防

■mokanさんの発した罵詈雑言
山樹里暗
山樹里暗的糞爺々
山ジュリアン
セカジュリアン
糞ジジイ
山の神ジジリアン
山の妖怪ジャンジュリガン
山の死神ドクモリアン
山の元帥ボスジュリアン
散ジュリアン
酒の神シャンジュリアン
暴走熟年ハシジュリアン


■サンジュリアンさんの毒
「モーカンさん、このまま転がっていけばすぐに清里駅に着きますよ」
「チンタラ歩くの嫌いなんですよ」


、、、
いやー、オモロイ。オモロすぎ。笑笑笑。

mokanさんが散々罵詈雑言(ジャブ)を浴びせたにもかかわらず、
「チンタラ歩くの嫌いなんですよ」(カウンター)の一言。
knockoutです!

こうも対照的なお二人が、ハイキングしているシチュエーション、絵面が最高にシニカルです。

しかし、サンジュリアンさんは本当にドSですよね。無意識にクールというか。

サンジュリアンさんは北岳には登られたのでしょうか?
超高速ペースで北岳に登って、高山病にならない体質ならば、正にジーザス!

久しぶりに、大爆笑させていただきました!

連載続編心待ちにしております。
2017.05.28 Sun 22:18
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