もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 ようやく今夜私はひとり。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤黒澤 - 生酛 純米 直汲み生原酒 仕込48 黄ラベル 28BY ── dಠಠb「黒澤としては必ずしも買いではないものの、ド頭に小さな果実感があって、一瞬だけキラリと光る部分がないわけじゃない」#Fruity, Spicy 








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 現在、我が家の冷蔵庫に7本 (うち1800mlが5本) もある黒澤 (くろさわ) です。はじめて呑んだ「生酛 純米 直汲み生原酒 Type 7」は堂々の☆5で、熟成により☆6にリーチする可能性もあるという逸材。記事を読んで買って呑んだ読者さんの中にはイマイチだった人もいたようですが、我々夫婦にとっては「米鶴 山廃純米大吟醸」に次ぐ28BYの傑作。決して万人ウケするチャンチャン・フルーティー酒ではないけれど、そこまで奇怪で近寄りがたい酒でもないので、もう買えないとは思うが、居酒屋で見かけたら是非。案外、長野の酒屋なんかにはシレっと残ってそうな気もする。

 ちなみに我々夫婦、実は食べ物の好みがほとんど同じで、特にそれほど好きでもない料理に関してはピタリと意見が合う (笑) 。オレは基本的に好き嫌いがないので、どんなに有名になっても『とんねるずのみなさんのおかげでした・食わず嫌い王決定戦』には出れないという悩みがあるのだが、それでも好んでは食べない料理 (食材) というのはいくつかあって、そういうモノを我が家では「一生食べなくてもいい (悲しくない) 」という表現を用いて説明していて、たとえばオレが中華料理屋に行って死ぬまで自分からは頼まないモノ──それは酢豚。豚肉も酢も野菜も炒めモノも好きだけど、甘酢全般は特に好きじゃないのと──みたらし団子は大好き──、なにより、デカめに切ったタマネギを炒めることの意味がわからん。「牛丼」や「豚の生姜焼き」の中のタマネギは好きだが、「酢豚」の中のタマネギだけは許せん (笑) 。細かい部分だと、ブロッコリーは調理方法によっては案外イケる口だが、カリフラワーは一生食べなくてもいい。これもmoukan1973♀とピタリと意見が合う。唯一意見が合わないのは洗濯物の畳み方くらいだろう。



 ▼顧問杜氏の中澤礎氏と現杜氏の黒澤洋平氏。

 photo: さくほ町民キッチン



 さて、今回は3月リリースの直汲み三兄弟 (赤黄青) の中から、2人の読者さんがそれぞれ赤と青を呑んだみたいなので、ここは一つ共同作業の意味合いも込めて、我が家では黄色ラベルを開けることにしました。本当は12月リリースの「Type-9」を先に開けるつもりだったんだけど、これまた別の2人の読者さんが「Type-7よりインパクトが弱い」という趣旨のコメントをくれたので、9号系の酵母だし、熟成耐性も強いと思うので、こちらは最短でも秋まで引っ張ることにしました。どうせ「ひやおろし」は進んで買わないし、秋が深まったら開けますわ。

kurosawa_jikagumi_yellow28by3.jpg 最後に補足というか訂正を。「黒澤」には「YSP (洋平スペシャル) 」という酒があるんですが、どうやらこれ、3月の「直汲み三兄弟」が火入れされた季節商品のことを言うみたいなんです。「青=夏酒」「赤=ひやおろし」「黄=やわらか (お燗向け商品) 」にそれぞれ発展するようで、いわば「直汲み三兄弟」はそれらの原材料というわけ。一部の酒屋の販売ページに使用酵母が記載されてますが、蔵元が「非公開」と言ってるので、ここでは記載しません──マイナーチェンジしてる可能性もある。「直汲み三兄弟」の共通スペックは「麹米:美山錦、掛米:ひとごこち、磨き65、直汲み生原酒」です。

 長くなりましたが、それではいただきます。今日は1合ほどの軽い味見です──この前に「房島屋」と「ろくまる雄山錦」を少しずつ飲んでいる。




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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【354】黒澤 -くろさわ- 生酛 純米 直汲み生原酒 仕込48 黄ラベル 28BY <長野>

黒澤酒造 株式会社:http://www.kurosawa.biz


Moukan's tag:




kurosawa_jikagumi_yellow28by4.jpg 直汲みの割りには開栓時の「プシュ〜♪」がないな。前回は720mlのスクリューキャップだったから分からなかったけど、マニアックなことを言わせてもらえば、この銘柄の1800mlは少し栓が緩い。もしやガスは旅に出てるのか?

 立ち香──とりあえず「Type-7」とは全くの別物。液面が静かなこの段階だと、フルーツというよりはカルアミルク系のニュアンス。赤い果実はない。ややミルキーだが、幸いなことに「お花畑」はない。ところがグラスに注ぐと果実香が出てきた。ややビターなトロピカルさ。甘酸のコントラストはそれほどエネルギッシュではないものの、なかなかイイ感じだ。

 さてと──。


kurosawa_jikagumi_yellow28by5.jpg やはり先読み通り、ビター&ハーブな味わい。乳酸 (ヨーグルト) っぽさは感じない。ガスは〝ほぼ〟ないと思う。相変わらず異次元に軽いな〜。「青」の感想で読者さんも触れてたけど、この「黄」に関しても、もうちょい味が出ててもいいとは思うけど、これはこれかな。甘くないバナナにカカオパウダーをまぶした感じもありつつ、それでも最後はギュっとしたタイトな酸──ただし「果実的な酸」ではなく「ミネラル成分による、ややチョークなニュアンスの酸」──がすべてを引き取る流れ。粉っぽさと紙一重な部分もあるし、これを「草=ハーブ」と捉えるかによって印象は大きく変わるだろう。やや〝はんなり〟した「あべ」的なバナナ感という言い方もできるかもしれない。

 それでもやっぱ好きだな。正直「Type-7」の方が遥かに旨いけど、速醸の「牛乳お花畑」よりは遙かにマシ。液性も味曲線も十分に美しいよ。ただ、ジュースとしての魅力 (喉や内臓ではなく舌や鼻で感じる要素) はそれほどじゃない──少なくともこの時点では。

 負け惜しみで言うわけじゃないけど、ちゃんと「黒澤」を感じつつ、それぞれのスペック違いも明白に楽しめるところは好意的に受け入れられるな。米や酵母が変わっても味が大して変わらん銘柄が多い中、これは明白に「Type-7」との違いを感じさせてくれる。

kurosawa_jikagumi_yellow28by6.jpg 徐々に甘みが伸びてくると、個人的には、なんか「露葉風」の酒で感じる味と香りが顔を出す。アプリコット (杏) 様の甘酸なんかに近いニュアンスにビターさが加わるというか。それでも草っぽさはあるな。一瞬でもいいから、ド頭にもう少しジューシイな果実的ふくらみは欲しい。そこよりも味曲線の滑走路 (最終段階の手前) におけるチョークなミネラル感 (繊維質な苦み=気分はヤギ) ばかりが気になる時間帯が徐々に増えてくる。ちょっと苦いけど、ストラクチャーにおける見晴らしの良さで飲めてしまう──というのは単なるオレの贔屓目か (笑) 。

 DE、旨みの立体構造だけど、あまり生酛 (非速醸) っぽさは出てないような気がする。ペラさと表裏の軽さというか、旨みがグニュっと潰れる、あの素敵な脳内信号としての「噛んでる感の錯覚」がないというか。それでも「黒澤」らしい個性は出てるし、苦もなく呑めるから、ひとまず☆4を付けておくけど、黒澤バージンを捧げる酒として少し役不足であることは否めないだろう。






 1973チャレンジ!!!
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kurosawa_jikagumi_yellow28by8.jpg ♡☺♡「あああ、香りはバナナ? 甘みの先読みアリ。ほんのりアル感」──「あああ、結構辛いねえ。味わいはバナナです。旨いやん。旨い! わりと──ていうか結構ドライ。カカオビターな感じでオトナにはいいんじゃね?

 dಠಠb「DE、は?
 ♡☺♡「4
 dಠಠb「MJK (マジか)
 ♡☺♡「合ってるでしょ?





── 2日目。


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kurosawa_jikagumi_yellow28by10.jpg 立ち香──ようやく「らしい酸」が伸びてきた。赤いベリーが出現。バナナは後退したなあ。これはアップグレードあるか!? 

 多少は酸味が増したが、含むとさして変わらん (笑) 。今日もしっかり苦い。それでも魅せられる要素はあるなあ。チョークなミネラル感が少し過剰だけど、力強い凝縮感で押し切るから、同じチョークでも「モダン仙禽 雄町 無ろ過生原酒 27BY」よりは全然いい。Type-7のような「奇跡の軽さ」はないけど、それでも「ただ苦いだけの速醸チャンチャン酒」よりは口の中の収まりはいい──でもビシバシと苦いです。

 そりゃ贔屓目ですよ、イチオシ銘柄ですから──しかし中川のドラ息子はアホ面だな (笑) 。あんま冷たすぎない方がいい。あとでレンジ燗もやってみよう。


kurosawa_jikagumi_yellow28by13.jpg ワイングラスで──。

 香りはパーフェクトに甘酸っぱい感じでオレ好みなんだけどねえ。杏っぽさもありつつ、スモーキーでダークカラーなルックもありつつ、そこに優しいフローラル感も静かに漂う。

 さて、どうだろう──。

 やっぱ冷たすぎない方がいい。徐々にボンタン飴ライクな柑橘系の酸が出てきた。マーマレード的な苦みもありつつ、フルーツ換算だと小夏っぽいというか。常温付近もいいかも。

 お燗で──。



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 お燗で楽しむにはまだ早いけど、悪くはないかな。甘みがまだまだ足りてない。この段階だと甘さ控えめのドライフルーツな味わいが全面に出る。しかしこれ、行く行くは火入れされて「やわらか」というお燗向け商品になるんだけど、ここからどういう変化を見せるのだろう。「この生酒が火入れされて◯◯◯という商品になる」みたいな事前アナウンスはあまりないから、それはそれで興味ある。





── 3日目。


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kurosawa_jikagumi_yellow28by16.jpg 立ち香──香りはいいんだよね。甘辛いジンジャーエールな感じというか、草っぽいハーブアロマというか、そこに黄桃やマンゴーのような南国フルーツなニュアンスが重なるんだけど、甘酸の伸びは穏やかなので、ガツンとしたフルーティネスの発散はない。

 Type-7より酔うので、チロリに小さな氷を入れて──。

 ♡☺♡「旨いよね・・・でも最後の苦みがねえ・・・残念。これさえなければ☆4.5


kurosawa_jikagumi_yellow28by17.jpg 今日もしっかり出てるチョークなミネラル感。2日目の記事でも触れたけど、去年呑んだ酒の中で一番チョークを感じたのは「モダン仙禽 雄町生」だけど、あれは甘いからイヤな感じだったけど、これは甘くはないから呑めちゃう。ド頭に小さな果実感、コアにテンションのある酸──ここまで完璧なんだけど、怒濤のチョークがフルーティネスを強引にフォールド──1、2、3!──、まあ、この苦みとどう向き合うかだろうね。

 ♡☺♡「ああ、一瞬甘い、まさに最初だけ

 少し割り水すると薄めのピーチ感が出てくる。チョークな味の滑走路も少し優しい塩梅に。

 ♡☺♡「少し薄めた方がいい!

 まあ、苦いと言いつつ、それでも呑めちゃうんだけどね。

 ビール〆──。



 ◤HEIWA CRAFT/平和クラフト PALE ALE/ペールエール <和歌山>
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 薄いな。なんか「ほうじ茶」みたいな香り (笑) 。軽くていいけど、リピはないかな。でも、ワンテンポ遅れて柔らかい甘みが膨らんでくるあたりは優しいタッチで、〆にはいい。香りの発散力は全然。泡のキメは細かくエレガント。「ペールエール」を呑んでるという充実感はないものの、キレイでスマートな飲み口は「紀土」らしさの表れなのか。





── 4日目。



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 立ち香──「仙禽 赤とんぼ」的なトロピカル感が出てきた。全体のアプリコットな感じも赤とんぼ的。もちろん「赤とんぼ」ほど強烈なエネルギーはないけど (笑) 。

 少し割り水して──。

 ♡☺♡「まあ、食中には完璧だよ。キリっとドライで。若干の苦みアリだけど許容

kurosawa_jikagumi_yellow28by21.jpg ぼちぼちまとめておくかな。結論を言えば「黒澤」としては必ずしも買いではないものの、ド頭に小さな果実感があって、一瞬だけキラリと光る部分がないわけじゃない。ただし、終始チョークなミネラル感 (少し粉っぽい苦み) と向き合うことになる。「バナナ&ミネラル」という括りでは「あべ」なんかよりは造りの良さを感じるが、Type-7と比べると明らかにフルーティネス不足で、尚且つ、オレの求める非速醸 (生酛) としては少し重い。やや透明度に欠ける液性で酸の輝きも今ひとつではあるが、酒質は強く、4日目でも全然劣化しないあたりは評価できる。

 一定以上のWell-Madeさは実現されているし、なにより「黒澤」としての意思は感じるので、☆4でフィニッシュしておくけど、最初に飲むべき「黒澤」ではないことは確かだと思う。それでもドライでスマートに苦い酒が好きな人もいると思うので、そういう飲み手がこの酒に高い評価を与えたとしても驚きはしない。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 生酛 山廃 黒澤

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 大頭頭さん



毎度です。


──黄色、うちの近所の特約店では仕入れているにも関わらず、赤が残っているうちは出さないようで、まだ店頭に出してくれないんですよ。

なんというジラシ攻撃 (笑) 。赤と青はまだ飲んでないですが、Type-7との比較で言えば、黄色はチョークなミネラル感が前面に出た、少し苦味にアクセントのある酒質ですね。ド頭の1秒の中には素敵な果実味もあるんですが、全体としては苦いです。

大頭頭さんがどこまで許容できるのかは興味あります。ま、うちら夫婦は何だかんだで飲めちゃったんですけど、もう少しわかりやすい果実的な酸っぱみがあってもいいかなとは思います。


──前回今回ともに四合瓶を買いましたが、二回目はガスが少なかったです。 二日目のために栓を強めに締めたら、スクリューキャップが壊れてしまいました・・・。 やはりご想像通り、栓の品質がいまいちですね。 とはいえ、二瓶目も旨かったです。

一升瓶はスクリューキャップじゃないので、逆に720mlの方がガスが残ってるかもしれませんね。黄色の1800mlはガスは〝ほぼナシ〟です。Type-7の720mlは感じれるレベルで残ってましたね。あと、直汲みは個体差あります。

青を飲んだ読者さんはかなりドライ派なんですが、それでも「もうちょっと味が出てもいい 」と言っていたので、実は「赤がアタリ」なのではないかと思ってます (笑) 。青とType-9は少し寝かせて、赤と純吟&特純を先に開けてみようと思います。

黄色もまだまだ硬いので、買ってしばらく2〜3ヶ月くらい寝かせてもいいかもしれません。「黒澤」全般に言えることだと思いますが、黄色も酒質は強いと思います。


2017.04.27 Thu 00:49
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Name - 大頭頭  

Title - 黄色も気になります。

もうかんさんこんにちは~。

黄色、うちの近所の特約店では仕入れているにも関わらず、赤が残っているうちは出さないようで、まだ店頭に出してくれないんですよ。

てことで先週、また赤を買って呑みました。
前回今回ともに四合瓶を買いましたが、二回目はガスが少なかったです。
二日目のために栓を強めに締めたら、スクリューキャップが壊れてしまいました・・・。
やはりご想像通り、栓の品質がいまいちですね。

とはいえ、二瓶目も旨かったです。
2017.04.26 Wed 17:58
Edit | Reply |  

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