もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 ようやく今夜私はひとり。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤米鶴 - 辛口純米 超しぼりたて生 28BY ── dಠಠb「これが矢崎智一氏プロデュースの28BYスピンオフ第一弾!」#Fresh, Fruity, Dry 



検索ワード:


 静かな前説にしようかな──ヒソヒソ。かつては「かっぱ」でお馴染みの米鶴でしたが、今は違うんです──ということが、最近の様々な研究によって徐々に解明されて来ました。ひとまず当ブログでは、オレが勝手に「矢崎スペシャル」と呼ぶ商品を中心に扱っていきます──オレが勝手に言ってるだけなので、酒屋にそう説明しても伝わらない場合があります。


yonetsuru_karakuchi28by4.jpg 今回の「辛口純米 超しぼりたて生」はその第一弾 (2016年11月) になります。第二弾 (2016年12月) が「生酛純米 中取り生 仕込み22号」で、第三弾 (2017年1月) が泣く子はオマル、飲んだ子は黙る、飲んでない子は困る「山廃純米大吟醸 中取り生」で、これには28BY初の☆6を付けました。そして本日3月28日、第四弾の「純米吟醸 超しぼりたて生」が降臨します──エリアによっては明日!?

 矢崎智一氏は27BYより「一喜/甲子」でお馴染みの「飯沼本家」から「米鶴酒造」に移籍しました。そこで自分プロデュースのお酒を幾つか任されており、これらのお酒は彼自身が「一喜」時代に世話になった特約店を中心に自ら営業/案内をし、限定流通されています──今はまだ全国20店舗ほどの扱いだそう。

 というわけDE、逆に従来からの「米鶴」販売店での扱いは少なく、主に千葉エリアを中心とした「一喜/甲子」の特約店に並んでいることの多いお酒です。裏のラベルには「杜氏:須貝智」と書いてあり、どこにも「矢崎智一」の名前はありませんが、間違いなくこれは矢崎氏が中心になって手掛ける「新生版・米鶴」で間違いありません。以下に梅津社長が醸造中に特約店に送ったレポートを引用します。


木川屋商店のHPより

 この企画は代表銘柄「米鶴」の酒造りに醸造課から様々な技術的チャレンジを試み、 それを地酒専門店限定でご案内する企画です。

 従って、安定した酒質というよりは、積極的なトライ&エラーを前向きにサポートしていただきたく 提案させていただくととらえていただければ幸いです。




yonetsuru_karakuchi28by3.jpg スペックは、麹米:出羽の里、掛米:出羽きらりの磨き60、「日本酒度:+8、酸度:1.8〜1.9、酵母:協会701号」です。法律的に「原酒」を名乗れる範囲の最低限の加水にとどめ、無濾過のお酒を揚げ桶から直接手詰しているので、まあ「直汲み無濾過生原酒」という理解でいいと思います。

 オレが「辛口」を謳ってる酒を買うのは珍しい事だけど、最近は吐き気を催す「牛乳酒 (華やかサイボーグ吟醸) 」ばかりが目につくので、むしろ気分的にはこういう酒を待っていたところではある。「高めの日本酒度で果実的な甘みの出てる酒にハズレなし!」という法則がオレに中にあったりするので、そういう意味でも一応は期待しておこうか。ちなみに今のところ「矢崎スペシャル」に720mlの存在は確認されていません。




yonetsuru_karakuchi28by1.jpg

yonetsuru_karakuchi28by2.jpg
 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【334】米鶴 -よねつる- 辛口純米 超しぼりたて生 28BY <山形>

米鶴酒造 株式会社:http://yonetsuru.com


Moukan's tag:




yonetsuru_karakuchi28by5.jpg
 ▲「ちくわと油揚げのパクチーサラダ (写真右) 」は完全オリジナルなので検索しても出てきません。たぶんないけど、超暇になったらレシピを公開します。



yonetsuru_karakuchi28by6.jpg 立ち香──完全に好き系の透き通った白ブドウ様の香りがエステル (セメダイン) 的なエナメル質のテカりの中から突き抜けてくる。スペックは後から知ったけど、完全に7号系の香り。「風の森」なんかもそうだし、最近では「黒澤 Type-7」もそうだけど、我々おじさんとおばさんは「7号系フルーティネス」が徐々に好物になりつつあることを切に感じる。エレガントな洋ナシや青リンゴなんかもうっすら。香りの発散レベルは穏やかで、時折メントールなアル感も浮いてくるので、飲み手によってはここでつまずく可能性もあるかもしれないが、もはやオレにとっては「クリスタル・フルーティー」以外の何物でもない。

「而今」で盛り下がった土曜の借りを返す──。

 ♡☺♡「セメダイン大盛り。結構薬品チックだねえ。ブドウの感じもあるんだけど、後半のセメが強い。こういうタイプって温度が上がると変わるっけ? ガスは少しある」──ケっ、このトーシローが!

 どけどけ!──。


yonetsuru_karakuchi28by7.jpg あ、これは好きだ。ガスはわずかに残ってる程度。たしかに辛口だけど、液性にはポヨみ (ユラユラとした弾力性) もあり、そこに程良いフルーティネスが節度ある輝きを放ちながら絡みつく──まるでガラス表面にフルーツ光彩が反射するかの如く。

 眼下に広がる輝きのフルーツ氷河を越えて、メントールな風を切って苦みの滑走路を駆け抜けると、たしかに跳ね返りにはカァーっとしたアル感とセメダイン的バク転があるものの、一部の「萩の鶴」や「東洋美人」なんかで感じる鋭いキレ上がりよりは爽やかというのがオレの印象──つまり「ロックで呑みたい」とは決して思わないキレ感と言えばその程度が伝わるか。「旨辛フルーティー」好きには側に置いておきたい1本と言えるんじゃないだろうか。少しワシャワシャした優しいミネラルの余韻も静かに。

 バカ舌Queeenを厳しく諭す──dಠಠb「だからさあ!」うんぬん。

yonetsuru_karakuchi28by8.jpg
 ♡☺♡「結構ブドウだよね、果物で言うと。ドライフルーツ系の渋みも感じるけど、最初の一杯より今のが全然いい。而今より格段に旨い。クイクイ行っちゃいますよ、みなさん。でも軽くはない。Bodyもしっかりあるのよ
 dಠಠb「だからそれが液性における〝ポヨみ〟じゃん
 ♡☺♡「そうか。それがBodyか

 ああ、でも「山廃」との連続性はちゃんとある。あっちの方が過激にクリスタルだけど、ほぼ予想通り。もうちょい軽いカナート思ったけど、やはりこれが速醸らしい「味の情報量」なんだろうね。実際「この酒が『山廃』だったらもっと最高だったんだろうなあ」という印象はある。おっと徐々にネリネリと甘みも出てきた。

 ♡☺♡「ああ、でも呑んじゃうね、これ。ちゃんと味もある。最初はクイクイ系と言ったけど、意外に呑み応えがあるというか、あんたの言う〝ポヨみ〟もあるから。でも、而今よりも格段に旨い。だって、呑みたいと思うもんね──『おかわり!』って

 ワイングラスで──。

yonetsuru_karakuchi28by9.jpg いいですね。こっちの方がガスを感じるな。基本的なバランスは「甘苦辛いクリスタル・フルーティー」という感じだけど、苦みや渋みの蕾からワンテンポ遅れて溢れ出るネリネリと舌に纏わりつく甘みの表情はまるでサクマドロップの──子供の頃それが出ると避けていた──ハッカ味のよう。 (※日曜の下書きを清書しているのでコメ欄からのパクりではありません・笑)

 ♡☺♡「旨い! 完全にこなれてきた。でも、こないだの山廃より時間をかけて飲む感じだよね?
 dಠಠb「だからあっちは山廃だから軽いのよ
 ♡☺♡「結局そういうことだよね? 今思ったよ。こっちは山廃よりクイクイ系じゃない。あっちはもっと飲むスピードが早かったもん
 dಠಠb「だから軽いんだよ、山廃は」──家でも基本シツコイ。

 たしかに渋茶けたフルーツ感も時折あるかな。「ドライフルーツ」までは行ってないと思うけど、やや渋めの紅茶みたいなニュアンスというか。跳ね返りのアル感は「辛口」だけあってしっかりだけど、温度が15℃を超えてくると、むしろ「甘い」と感じる時間帯の方が多くなる。酸は足りてるね。「明治CHELSEA ヨーグルトスカッチ」的な。

 オレが今まで呑んできた酒で言うと「酉与右衛門 純米 直汲み 亀の尾60 無濾過生原酒 27BY」を女性的に柔らかくした感じだろうか。味そのもので言えば「至 純米 搾りたて本生 (加水タイプ) 28BY」なんかを洗練させた感じとも言えるし、液性のポヨみにフォーカスすれば「黒龍 吟十八号 生貯蔵」みたいなルックもある。

 まあ、なんだかんだで呑んじゃう。最後に「貴 新酒 特別純米 直汲生60 28BY」に足りない要素を全て持っている酒とまで言っておこう。やや贔屓目の☆4.5です──いや、そもそも贔屓のための「0.5」だということは既に説明済みのはず。





──ちょっと寝酒に一杯。


yonetsuru_karakuchi28by12.jpg



 温度が上がってくると甘みが膨らんでBodyも豊満に。セメダイン経由のエナメル系フルーツとしての青リンゴ、マスカット、ラムネ。そして今、スゲえジューシイ。跳ね返りはそれほどでもなく、土の壁に投げたボールがグチャっとめり込む感じで、渋みの中からメントール系の辛みの煙を立ち上げて爽快にフィニッシュ。まあ、好きですね、最近の「華やかサイボーグ吟醸 過剰ミネラル 無理だマジ 28BY」に比べれば遥かに。

 黒龍「吟十八号」よりモダンでケレン味もあるし、そうね、これと地続きの「至」なんかよりはwell-made。淡麗辛口がモダンな領域へ飛翔したニュアンスも探せると思うし、オレもようやくここへ来て「辛口の酒」に新しい未来を感じれるようになったと思うわ。今年は少し意識して追うかな、辛口ゾーン。人は変われるものだな、『ロッキー4』じゃないけど (笑) 。





── 2日目。


yonetsuru_karakuchi28by13.jpg



yonetsuru_karakuchi28by14.jpg 立ち香──穏やかなライトグリーンなカラーは変わらず。やっぱブドウ様の瑞々しい酸を感じるけど、洋ナシや青リンゴも程良く交錯する。優しいミネラル感の先読みもある──まるでボール紙の表面ようなテクスチャー。

 旨いよ、普通以上に。辛みと苦みは跳ね返りというよりは、アニメ的なケレン味のある演出のように、投げたボールがミットに収まった時にボファっと立ちこめる煙系ミネラルの中で登場 (笑) 。それでも今日は少し苦みも増してるかなー。食中酒としての距離感はすごくいいけどね。ガスはもう残ってない。淡麗だけどBodyもしっかり。時折なにかの隙間から湧いて来るクリスタルなフルーティネスの断面に出会うと幸せな気持ちになれるものの、これが安定して捕まえられない──まるで夏の夜のホタルの光のように儚い──たしかにそこにいるはずなのにホタルそのものは見えないという切なさ。

yonetsuru_karakuchi28by15.jpg チロリタージュ──。

 いいですね。ある意味で「前時代的なRSでキュっと一杯の延長系」だけど (笑) 。それでもグダグダのヤヤドツ酒 (ややドッカンファイヤーな酒) を呑んだ後ということもあり、まるで飽和状態の淡麗辛口ブームの中から突如現れた「十四代」の時と似たようなメリハリある差異を個人的に瞬間的に仮想追体験してるというか。味も香りも出すぎのドッカンファイヤー全盛にあって、こうしたモダン辛口酒は逆にアヴァンギャルドだと思うな。「十四代」は淡麗辛口の中から出てきた芳醇なフルーティー酒で、これはドッカンファイヤーの中から出てきたドライなフルーティー酒。ちょっと今このタイミングで「本丸」を確認したいなあ。誰か今ここに持って来いよ (笑) !


yonetsuru_karakuchi28by17.jpg それでもちょっと2日目は苦いかなー。ベストは昨晩の寝酒コンディション。それでも辛口ジューシイなんだけどね。ワイングラスに移行しようか──。

 やっぱコレかな。ネリネリとした甘みも奥から湧いて来るし。全体には苦くて辛いけど、なんか呑めちゃうなあ。でも少し重いかなー。このバランスなら、もっと軽くていい。つうか、このタッチを表現するなら、速醸イラネ。山廃でやろうよ。あと、この味わいであるなら、ますます720mlサイズは必要だと思う。そうすりゃ同じ値段の白ワインに勝てるのに。やはり一般的に1800mlはハードル高いんだよ。この変化具合であるなら、開栓2日目状態を外で呑む気はしない。ガスも抜けてるし。

 まあ、何度も言いますけど、ひとまず「矢崎スペシャル」の傑作は今のところ「山廃純米大吟醸 中取り生」ですね。

 そういや、オレとは少しコンディションの異なる2日目を呑んだmoukan1973♀によると──なぜ異なるのかの説明は省くが──、♡☺♡「2日目の方が旨い! クイクイ呑んじゃった!」だって。たぶんオレが寝酒で呑んだコンディションに近かったんだろうな。

 ☆4.5を付けておきますが、歴然と明白に「辛口」なので、イマドキの甘旨酒に痺れてる飲み手には薦めません。そういうのに疲れたオトナたちの息抜きに。夏場ならロックなんかもいいかもね。加水してALC.15度くらいがちょうどいい気もする。


moukan1972♂moukan1973





 空き瓶調査隊
yonetsuru_karakuchi28by19.jpg



 フルーツどこー? つうか、小さじ半分くらい残ってたので、それが老ねた匂いしか感じれない (笑) 。なんか軽く炙ったスルメイカみたいな匂いがするんだけど・・・。



日本酒 米鶴

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To おみずさん



毎度です。


──なかなかの良酒だったようで買い逃しちゃって後悔してます。

さすがに「山廃」とは違い「果実的な実体感 (Body=味幅) 」はファットですね。ま、速醸には速醸の良さがあるんですが──ふくよかな果実感とかまさにそう──、それでも「山廃」のゴクゴク感と全く疲れないクリアな酒質を我々夫婦は支持しますね。

その意味で、この「辛口」は、ちょっとエレガントでフルーティーなオトナの食中酒と言った感じです。11月の「超しぼりたて」状態の方が逆にスイスイ飲めたかもしれません。今の時期だと液性にポヨみがあり、割りと味が乗ってましたので、ガブガブ&スイスイは飲めないです──そうやってるとすぐに酔います (笑) 。


──本日発売の純吟は購入しましたのであわせてゆっくり飲みたいなと思ってます。 あ、あと黒澤も注文しました。 モウカンさんと自分の味覚の擦り合わせをしてみたいです!

そういや、お互い「高ちYO離脱組」でしたね (笑) 。「黒澤」はイイですよ!──と書こうとしたら、

──それと週末に菊鷹の蔵内熟成26by山廃本醸造無濾過生を開けましたが熟成分がコクになっている感じで酸と旨味のバランス良くスペック以上の美味しさでした。

って、「菊鷹」の熟成山廃がイケるんなら余裕で楽しめますよ。むしろ「黒澤」が軽くてキレイで拍子抜けするかもしれません──軽いけど薄くはないです←ココ重要。ていうか、「菊鷹」の「山廃本醸造無濾過生」は僕が密かに狙いを付けてる商品なんですが、おかしいなあ、誰にも言ったことないのに (笑) 。おみずさんとはコアな部分で嗜好を共有できそうですね。

というわけDE、引き続き「菊鷹」レポートお待ちしてます。僕もそろそろエントリー予定です。
2017.03.28 Tue 14:35
Edit | Reply |  

Name - おみず  

Title - 純米

なかなかの良酒だったようで買い逃しちゃって後悔してます。
生もと、山廃早く飲まないとーって思ってますが要らない飲み会があってゆっくり飲めてません。。。
本日発売の純吟は購入しましたのであわせてゆっくり飲みたいなと思ってます。
あ、あと黒澤も注文しました。
モウカンさんと自分の味覚の擦り合わせをしてみたいです!

それと週末に菊鷹の蔵内熟成26by山廃本醸造無濾過生を開けましたが熟成分がコクになっている感じで酸と旨味のバランス良くスペック以上の美味しさでした。
語彙が貧困なので上手く伝えられませんが(笑)
菊鷹は年初から色々買って貯めているのでそのうち開けてみたいと思います。
2017.03.28 Tue 12:51
Edit | Reply |  

Add your comment