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◤篠峯 - 純米大吟醸 雄町 火入れ 参年熟成 24BY ── dಠಠb「彼女、裸は最高なんだけど、服のセンスがもう一つねえ・・・みたいな (笑) 」#Well-Cured
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この「純大 雄町50」は、まず毎年3月に「中取り生」としてリリースされ、その後で瓶燗火入れされる酒なので、この「29.1.」ロットは、おそらく「27BYシーズン」に解禁になった「24BY仕込みの参年熟成」だと思います。なので、中身が25BYのロットは今シーズンの解禁という流れだと思います。
▼杜氏の堺哲也氏

この参年熟成Verの原料となる「純大 雄町50 中取り生」は「篠峯」を語る上で避けて通ることのできない代表作。逆に言えばこれの旨いヤツを呑んでない人は「篠峯」の何たるかをまるで分かってないとまで言えるほど。22BYより使用米が「備前雄町」から「赤磐雄町」にスイッチ。明利系と協会9号のダブル酵母仕込みが本来的なレシピだが、27BYからはそれぞれがセパレートされ、同時に2種類リリースされた──9号Verは「クラシック9」と銘打たれ、予約限定生産で、主に奈良の特約店しか扱わなかった。堺杜氏に直接訊いたところ、セパレートしたのは「この参年熟成Verを9号単独で仕込みたかった」というのがその理由──秋山の店主もオレが教えるまで知らなかった。ちなみに秋以降に出る「一回火入れVer」の27BYはこれらのブレンド。オレはダブル酵母Verの「中取り生」を25BYと26BYで呑んでいて、去年の暮れには26BYの「勝手に熟成Ver」も呑んで、いずれも堂々の☆7──25BYも26BYに負けず劣らずの驚愕の完成度で、むしろ重厚感や濃醇さは25BYの方が上だったかもしれない。ちょうど2014年の10月から江古田の秋山で扱いが始まったので、25BYは墓参りの帰りに買った──当時はまだまだ経験が浅く、ここで1800mlをリピートしなかったのは痛恨の極み──だって他の人気銘柄がここまで大したことない酒だって、この時は知らなかったんだもの。27BYも2種類呑んだが、特に「明利系Ver」は酷い出来──しかも「クラシック9」とは違い無印表記なので、これが通常Verだと勘違いしてしまう。それはマチダヤ試飲会でも堺杜氏に伝えた。しかしながら、想いが通じたのか、本人もそう感じていたのか、28BYから再びダブル酵母Verが「Type-M」として復活!──それと同時に参年熟成用に9号単独Verもこれからリリースされる模様。何が言いたいかというと、この参年熟成Verは29BYシーズンにリリースされるロット (中身が26BY) でダブル酵母Verは終売になり、30BYシーズンからは27BYに仕込んだ「クラシック9」がその中身になるということ。本当に言いたいことはそこじゃない。25BYと26BYで仕込んだ参年モノは、今年と来年に出るということ──オレが言いたいのはこれ。つまり、本命はこの24BY仕込みではないということだ。おそらく「篠峯」にとっての黄金期は25BYと26BY。特に25BYの「純米吟醸 雄町60 凛々 無濾過生原酒」は鼻血が出るほど旨かったが、やはり、ここでも初心者の経験の浅さ (日本酒にハマって1ヶ月以内) が裏目に出た──最初に引いたカードがたまたま超イイやつだったら、この先にもっとスゲえ酒に出会えると普通は思うはずだろ。だが残念、そうはならず、今に至ると。だから今季は☆6以上の酒はどんどんリピートするし、冷蔵庫が足りなくなれば新しいモノを迷わずもう一台買う。本当は☆3の酒なんていちいち記事にしたくない。一口呑んで捨てたいくらいだが、これも修行だろう──不味くてもその理由を自分なりに分析することは決して無駄な作業ではないし、なにより「差異の体系」を広大にすることくらいには役に立つ。なのDE、黙って5年はこの苦行を続けてみようとは思ってます。前説は以上です。わざと読みにくくしてるのでスルー上等。大事な部分は各自で赤ペンね (笑) 。
誰野川と未知サクラが両方ダメだったこともあり緊急登板。

▼毎年3月に搾る酒の火入れ3年熟成なので、中身は24BY (27BYシーズン発売のロット) だと思われます。あと、22BYからは「赤磐雄町」に格上げしてるので、これは古いラベルの使い回しだと思われます (笑) 。

bottle size:300ml
SAKE GRADE:☆☆☆ (昼間=寝起き) →☆☆☆☆½ (自由な夜)
【326】篠峯 -しのみね- 純米大吟醸 雄町 火入れ 参年熟成 24BY <奈良>
千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp
Moukan's tag:

▲昼の11時過ぎ。オレは寝起きだぜよ・・・。
※当初のシナリオは土曜に720mlを2本開け、日曜の夜はmoukan1973♀が父親と食事だから、オレが残りを一人で呑む予定だったが、両方とも不味かったので、急遽、moukan1973♀が出かける前にこれを開けたのが日曜の午前11過ぎ。オレは寝起きだったけど、moukan1973♀にも飲ませたかったし、仕方なく。記事は二つの時間で書いてます。つまり、寝起きと夜。
立ち香──米が琥珀色にテカるような、典型的な熟香はあるものの、それこそ「神亀」なんかに比べれば穏やかなレベル。バランスで言うと、完全に明利系の香りの方が少し前に出ちゃってる。きっと堺杜氏はこれを嫌がったんだろうな。なんか甘渋いタッチの先読みあり。「ドライフルーツ」ならぬ「ドライフラワー」な感じ。不安です。
RS (れいしゅ) をグイ呑みで軽く味見──。
♡☺♡「苦渋が立ってて、ドライフルーツの香りは全くない。これは・・・あれ??? これはダメだよ (小声) 。なんか木香があるような・・・」
どれどれ。あああ。やっぱ「明利系要素」が邪魔。相変わらずストラクチャーは堅牢だけど、いかんせんオーナメントが美しくない。なんか「長陽福娘 純米 八反錦 秋あがり」を思い出したな。なんかギスギスと硬いな。300mlサイズが問題か。
♡☺♡「そんなこと言うとまた自然酒呑むぞ (笑) ! なんだかんだで自然酒頼みになってる。自然酒が恋しくなるわたしって何!?」
またもや緊急登板・自然酒の4日目!!!

♡☺♡「ま、呑めるよ。ただちょっと水っぽくなって来ちゃったかな。でも意外に優秀。まさに及第点という感じなのよ。他が及第点に届かなかったから。困った時の自然酒頼みになってるという意外な展開 (笑) 。でも、もう一度買いたいとは思わない。ある意味、いいタイミングで開けたかな (笑) 。あると呑んじゃう。そういうのあるよね?」
「なんか砂糖を入れすぎた紅茶みたい」とオレがボソっと言うと、♡☺♡「わかるぅ〜」──無得点。「水っぽい」つうかツルツル。余韻が長くなりすぎちゃったので、凝縮感やキレは後退してるけど、デザート酒としてはいいんじゃないの? それでも綿飴が舌の熱で溶ける時の、あのジュリっとした不思議な焼け感はあるんだよな (笑) 。
自由な夜が来た!──。

最初からチロリータジュ&ワイングラスで──。
まあ、300mlなんで、コンディションもアテにならないけど、昼間よりは全然いい。甘みがスゴく伸びて来たし。あらためて思うが、この酒は冷たいとダメだな。15℃を超えてからが始まりの酒。あとは、寝起きでRSをグイっと一杯の酒ではない──ま、当然と言えば当然だけど (笑) 。
相変わらず、酸、足りてるなー。なんか奥からライムのような (レモンではない) 点の酸も伸びてきたんだけど。口をすぼめて呑むと、実はゴーストレベルのガスも残ってる──グラスにはミクロの気泡が付いてる。これは絶対にチロリータジュからのワイングラスがいい。こういうこと言うと「またかよ・・・」と思われるだろうけど、逆に「三千櫻」がこの酒のwell-made感を間接的に教えてくれたというか、別に普通以上に旨いじゃないか。やっぱ寝起きの空腹で呑むべきじゃないね (笑) 。

☆4.5です。味曲線は「Shuhari 2014」なんかよりも遙かに流麗で、ストラクチャーのスマートネス、甘みに対するエレガントな酸の纏いも格が違う。ただ、いかんせん明利系の香りが邪魔。つまり、ジュースとしての味に問題がある。堺杜氏が「9号単独」でこの酒を造ろうと決断した理由が今わかった。これだけでもオレには収穫。なるほど。せっかく予めお湯を沸かしておいたけど、お燗に移行する前になくなるよ。よかったあ。これがダメだとオレも「不自然男」になっちゃってたから (笑) 。
昼間にmoukan1973♀が、♡☺♡「なんか木香があるような・・・」と言ってたエレメントの正体がわかった。これね、明利系のフローラルな含み香における、少しパウダリーなミルクネスに篠峯的な酸とミネラル感が纏って、渋み要素に乳白なカラーが滲んだ結果だろうね。結果的に「木香」に似た香りが創出されたというか、これは間違うな、moukan1973♀クラスの舌レベルなら。ないないない、木香はない。うーん、オレが去年「ちえびじん」や「廣戸川」で感じた「焚き火」もこうしたプロセスで現出したイミテーション香なのだろうか。

まあ、今ここを見てる95%の読者さんには薦めません。これは味や香りというより、酒の構造や香りのエレメントを自分なりに辿るジャーニー酒ですね。これ、たぶん中身は24BYなんだよなあ。「篠峯」も昔は香りプンプンな時期もあったらしいから、この参年熟成の本番は今年リリースされる25BYヴァージョンからだろうな。オレは「中取り生」を25BY、26BYで呑んでるけど、まあ、最高だし、今思い出しても、ここに明利系の名残は全く感じなかったしな。こりゃ楽しみだ。
今、完全なる常温。ますます邪魔だな、明利系要素。でもwell-madeなエレガンスと点の酸と堅牢なストラクチャーのみでグイグイ呑ませる。彼女、裸は最高なんだけど、服のセンスがもう一つねえ・・・みたいな (笑) 。なのDE、必ずしも味や香りは好きではない。熟味は米の旨みに効いてるけど、どちらかと言うと、オレの場合は甘みを酸で手仕舞う流れにウットリするタイプなので、あまりそこには味覚がフォーカスしないけど、熟香や熟味が苦手な人はスルーでいいと思うよ。フレッシュ&フルーティーな直汲みでも飲んでなよ。

悪くはないけど、やっぱ明利系パートが邪魔かなー。クリーミイな甘やかさの担い手としては一定以上の役割はあると思うけど、やっぱ邪魔なフローラル感はあるし、酸と混ざると益々邪魔に感じる。
ま、この酒はワイングラスでチビチビやりながら15℃付近で呑むのが一番いいかな。20℃を超えると少し甘さにクドさが出るのは、24BYの出来栄え問題もあると思う。26BYの幾つかの酒はこの段階で「紅茶」になるからね。
この参年熟成ヴァージョンは今年と来年のロットに注目しておきます。毎年いつ出るんだっけかな。扱ってる店も少ないんだけど、夏前には出てたような気が。オレもあまり注目してなかったけど、今は全然楽しめるね。これもクソ酒に揉まれて舌を肥やしてきた結果だろう。マチダヤのネットでは「残1」だけど、店頭にはいつでも少量あるので、オファーすれば対応してくれるんじゃないかな。まあでも、本命はこのロットじゃないとは思う。
やや香りに難ありだが、篠峯らしいストラクチャーと酸使いは十分に堪能できる──アナタがバカ舌でなければ。☆4.5でフィニッシュです。
moukan1972♂
空き瓶調査隊

おや? 空き瓶からはスゲえバニラリーな香りが。奥で熟味も探せるけど、全体には清楚にフローラル。フワっとエアリーなパウダーな纏い感。やっぱ上等な酒としての風格を漂わせてるわ、空き瓶からも (笑) 。
Name - moukan1972♂
Title - To サンジュリアンさん
立てて冷やせないと上澄みが飲めませんが、「ろくまる雄山錦うすにごり」は上澄みの方がいいですね。甘みはほとんど酵母に食われてますが、むしろ今のサンジュリアンさんにはドライでいいかもしれません。ストラクチャーの堅牢さは言わずもがなです。ガス凄いです。