◤モダン仙禽 - 山田錦 無濾過生原酒 ── ♡☺♡「断言します、今回の出来栄えは9年間に渡る『仙禽』の醸造において、最高傑作と呼んでも過言ではありません──by 薄井一樹」#Sweet, Clear, Women, Wine Oriented 


╰ 【001-074】の記事はfacebook時代のモノを加筆/再構成 (一部キャラ変) して書かれたものです。


 わたしの大好きな仙禽です。昨年、うちの旦那が26BYのTOP5に入ると絶賛した山田錦生ですが、蔵として山田錦を復活させてから2年目の造りになります。27BYからは商品名の頭に〝モダン〟という冠が付きましたが、コンセプトやスペック自体は26BYと同じです。どうやら〝クラシック仙禽シリーズ〟との対比を強化したようです。

 さて、今年も年一限定の、この季節がやって来ました。転入早々の転校という意味でも異例──常に冷蔵庫に20本以上の日本酒をプールしているわたしたちにとって、買ったその日にその酒を飲むことは極めて異例ですが、既にドロップされてから1ヶ月ほど過ぎていますので、ジラさず開けてしまいます。



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 bottle size:720ml



【062】モダン仙禽 -せんきん- 山田錦 無濾過生原酒 27BY <栃木>

(株) せんきん:http://www.meimonshu.jp/senkin


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 先ずは、造った本人、元ソムリエにして、元TVチャンピオン「驚異の利き味バトル!舌先味覚王選手権」準優勝者にして、ほこ×たて「神の舌を持つ男」にして、仙禽の若き11代目である薄井一樹氏の渾身コメントからどうぞ。(ていうか、当時わたしたち、普通にこの回の「ほこ×たて」をTVで観てたんですが、日本酒にまるで興味がなかったので、まさか彼が仙禽の社長だったとは気に留めていませんでした・・・)



(誤字/脱字/一部推敲したくなるようなリズムの悪い文体は原文のまま)

「ドメーヌ・さくら山田錦」と謳い二年目の栃木県さくら市産の山田錦ですが、やはり仕込み水と同水脈の田圃で育った山田錦は、本場兵庫県の特等米よりも仙禽との相性は良い。同じ生育環境との相性に勝るものはありません。そして仙禽唯一無二の「水」と純粋に向き合って仕上げた、エレガントなフレーバーとクリア酸味、厚みのあるジューシー感。これが山田錦の特徴です。

 photo: 酒の槙戸天狗堂 天狗の酒ブログ
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 断言します、今回の出来栄えは9年間に渡る「仙禽」の醸造において、最高傑作と呼んでも過言ではありません。昨年より酒質を向上させることを第一優先とし、細かな設計の変更を行いました。マイナーチェンジと呼ぶにふさわしい内容ですが、汲み水歩合を上げ、繊細で緻密な酒質へと進化しました。アルコール度数も15%となり、よりクリア感を手に入れることに成功。山田錦特有のジューシーさと掛け合って、かつてないアプローチを見せます。今シーズンはほとんどのアイテムを火入れ処理する予定です。27BYも、ドメーヌとテロワールの恩恵を細部にわたるまで発揮したモダン仙禽シリーズの最高傑作、山田錦が始動します。

 白ブドウの華やかな香りが繊細で穏やかに香ります。発散するような香りのエネルギーを持ち、複雑ではありませんが透明感がある澄んだ香りが実に優雅に香ります。口に含むと、緻密で美しい酸が控えめに主張し、透明感あふれる、新鮮な野菜やしぼった果実のようなみずみずしさを思わせます。山田錦特有のジューシーさ、その中心に「水」が生きていて、まるでしぼった果実のような存在感は唯一無二です。私が設計した中において、最も再現性が完璧に仕上がった作品となりました。




 自信に満ちてますねえ。下手に謙遜する人より、これくらい言い切る人の方が清々しいです。熱いです。個人的には上から来られるより下から必要以上に慇懃に来る人の方が信用できないというか苦手なんですよね (笑) 。上から目線上等! 下から目線外道!

 それでは引き続き、うちの旦那の27BYを飲んだ感想をどうぞ。


Moukan1972♂'s 27BY Report 💬

dಠಠb──飲む前から薄井氏のコメントに対して疑い半分な心持ちであったことは最初に告白しておこう。それくらい、26BYの山田錦の生は素晴らしかった。本当にそれを超えることが可能なのか、それが疑念に関する主な感情成分。マジかよという言葉が、連鎖的に何度も頭に浮かんでは消える、その繰り返し。

 さて、26BYとの主な違い。精米に関するスペックは一緒。全量山田錦使用で、麹米の精米歩合が35%(←スゲえ)、掛米のそれが50%。純米大吟醸としても文句ナシのハイスペックで、これを4合瓶1,600円(税抜)で出すというところに、蔵としての気概を感じる。まるで「飲まないヤツはバカだ」と言わんばかりの自信に満ちてる。それくらいお値打ち。

 26BYとの最大の違いは原酒としてのアルコール度数。去年は確か16-17度だったはず。仙禽と言えば、原酒でアルコール度数15以下の酒が主流なんだけど、それらに比べると、17度前後というのは、かなりリッチで濃醇な数値。ところが、27BYの山田錦生は、なんと原酒で15度。これは日本酒としてはカナーリ軽い数値。

 一般的な白ワインが12〜14度なので、それよりは高いものの、そもそも〝米〟は〝果実〟ではないので、ある程度発酵を進めてアルコール度数を稼がないと薄味で水っぽくなってしまう。そこをあえて低アルコールに醸しつつ、芳醇でフルーティーな味わいに仕上げるのは容易ではないわけさ。そういや三千櫻の山田社長も「低アルコールのお酒を造るのって意外に難しいんだよ」と言ってたっけ。26BYの、怒涛の濃醇フルーティーな味設計にヤラれた身としては、原酒15度で本当にそこまでの酒が造れるのかというのが、疑問というか興味の尽きないところだったわけ。

senkin_yamada_nama2.jpg 立ち香は優しめの酸が麗しい白ブドウ様。奥で米由来のハニーでポヨンとした甘ポチャいタッチも感じつつ、木桶仕込みならではのウッディーでザラっとした渋香もほんのり。

 先ずはグイ呑みで利きます。おっ、軽い。26BYとは全くの別物だけど、飲んだ瞬間に仙禽、しかも山田錦と感じさせる明快なコンセプト提示力は流石。丸みのある柔らかい甘みが来て、ツルんと滑りよく、一切のノイズも引っ掛かりもなくアっと言う間にフィニッシュ。仙禽らしい振り切った甘酸はかなり控えめ。味の輪郭を大枠で優しくなぞる程度で、いつものビシっとした白ワイン様のアタック感は皆無。ツルツルでシルキーの極み。仙禽と言うと甘酸の酸が勝ってる印象だけど、生酒ということもあり、これは完全に甘が勝ってる印象だ。

 旨あー。

 原酒15度とは思えないほどに立体的な旨みもありつつ、酒質はどこまでもクリアかつ流麗。節度ある果実感と芳香はどこまでもエレガント。

 断言します、今回の出来栄えは9年間に渡る「仙禽」の醸造において、最高傑作と呼んでも過言ではありません──。

 まあ確かに (笑) 。あんたがそこまで言う気持ちはわかる。ああ、そう。そういうことか。オレは26BYの方が好みだけど、こういうアプローチで来たかあ。

 これね、あえて誤解を生む言い方するけど、〝仙禽から十四代への果し状〟とオレは捉えたな。まさかここへ来て、十四代的なクリアネスを手に入れるとは。たとえば十四代が線の多い写実的なデッサンなら、今回の仙禽は、極力線を削ぎ落とした抽象性の高いデッサン。より少ない線でどこまで美しい花園を描き切るか、そんな感じ。

 26BYとの比較おいては好みが分かれるものの、蔵としての明快なコンセプトはヒシヒシと伝わって来る。これをあんたが正解と言うなら、もはやオレがここでいちいち反論しても仕方ないわな。本人がやり切った言ってるんだから、ここは素直に拍手しようじゃないか。ま、それでもオレは26BYの濃醇タッチな山田錦の方が好きだけど(笑)。

 えーと。東京の桜の開花は21日だって? ちょうど連休最終日じゃん。成城石井で素人スタッフの紋切りコメントを参照に訳のわからん白ワインを1500円で買うくらいなら、黙ってコレ持ってけという話ね。ここで日本酒を紹介するのは今日で62本目だけど、酒が好きで日本酒に少し興味があって、でも何を買っていいのか分からない人は、とりあえず、これで決まりかな。普段ワインを好んで飲んでるような人には〝どストライク〟にハマると思うぞ。

 〝日本酒〟と聞いて頭に思い浮かぶ様々な味や香りや舌触りを全て思い出して、それらを紙にメモする。それからこれを飲む。すると、そこに書かれたメモがなんの役にも立たない事態に遭遇する、そんな酒です。知らないことって素敵じゃないか。未来はどこまでも明るくて、そして開けてる。いいじゃない、羨ましいわ。

 おかわりはリーデルグラスで。悪くはないけど、よりダイレクトに密度の高いジューシーさが伝わって来るのはグイ呑みかな。元ソムリエの薄井氏はワイングラスで飲んでるみたいだけど、オレはグイ呑みの方が好きだ。

 ただしこの酒、問題がないわけじゃない。そう、最初の一口目が一番旨いタイプの酒なのだ。そういう点でも十四代を想起させるわけだが──。




 はい。わたしからは何も言うことはありません。26BYの味まで覚えてるわけないじゃん (笑) 。ですが、27BYも旨い! なんか酸っぱい銘柄だという認識だったんですが、27BYは甘さに振れてるような気がします。この甘ポチャい感じは女子はみんな好きだと思います。




── 2日目。


 やや酸化して凝縮感が出てきました。今日はリーデルがいいです。蔵の27BYの方向性が見えてきましたね。そっち行きますかあ〜。このあと、同じ山田錦で麹・掛け両方共に35%磨きの上位クラスの商品がリリースされるんですが、ここから更なるクリア感を手に入れるのかと思うと今から楽しみです。




── イベントで薄井社長に質問してきました!


 あ、そうそう。仙禽の薄井社長にも訊いて来ました。

「仙禽の山田錦(1,728円)と同じ値段の白ワインで、仙禽より美味しいもの、元ソムリエとして、何かありますか?」──

すると、

合わせる食事にもよりますが」──と前置きした上で、「お酒だけを2つ並べて部屋で飲み比べするのであれば、たぶん負けないと思います」と力強いお言葉。「ただ、太陽の燦々と輝く、風の気持ちいいテラスにいたら、自分はキンキンに冷やした白ワインを選んでしまうかもしれません」とは言ってました (笑) 。

 そこは元ソムリエらしく、両者引き分けに持ち込んだのかもしれません。


moukan1973




💻 関連サイト

【動画 - ほこ×たて】 神の舌を持つ男・仙禽・薄井一樹 (2013/3/10)
【YOMIURI ONLINE】酸味元ソムリエが新風 (2015/8/26)
【TVチャンピオン】 驚異の利き味バトル!舌先味覚王選手権 (2002/6/13)


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