もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

「太陽目線法」を伝授します。
〜 日本酒の家呑みレポート&本日の1曲、時々メガネ警察〜

◤やまとしずく - 純米吟醸 直詰生原酒 28BY ── dಠಠb「この酒にオレが与えるキャッチコピーは、ズバリ<偉大なる凡酒>だ」#Fresh, Fruity, Women 



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 1994年に秋田県内の有志酒販店と共に立ち上げた出羽鶴酒造の別ライン「やまとしずく」です。HPによると「米も水も特定地域のものだけを使用し、地域性と個性のはっきりした美味しい酒を造ることがやまとしずくのコンセプトです」とのこと。実は既に昨日 (3/7) に呑んでますので、これは後記的な前説。

 先日「自然酒」を買った時に適当に同梱したんだけど、ニゴリの「ユキノヤマト」とどっちを買うか迷ったものの、初めて呑む銘柄なのでニゴリは回避した──GA!──結果的には両方買っとけばよかったと少し後悔。先に言っておくと☆4.5です。

yamatoshizuku_jungin_jikazume28by3.jpg 去年の味ノマチダヤ試飲会 (右上の写真をクリック) で出羽鶴の「秋田米じゃないシリーズ・晴田 (せいでん) 」の五百万石が結構良くて、今年は買うかなあと思ってたんだけど、先に「やまとしずく」になってしまった。ちなみに「晴田 五百万石 直詰め (直汲み) 」は6月リリースの「夏酒」扱いの模様。

 調べるの面倒だからさっき販売元に電話したんだけど、「出羽鶴酒造」と「刈穂酒造」で造った酒を工場に運んで瓶詰めしたり出荷したりするのが「秋田清酒 株式会社」ということみたいね。オレがマチダヤ試飲会で話した写真の紳士は秋田清酒の人なのかな。 なんでも「イタリアから輸入したシャンパン用の直汲みマシン」を日本酒用にカスタマイズしたというエピソードを面白おかしく話してくれたんだけど、これのおかげで今まで7〜8人でやってた直詰め作業が2人で可能になったと喜んでた (笑) 。しかも「2人」と言っても、実際には見張りというか、すべてマシンがオートメーションでやってくれるらしいので、超ラクなんだって。たぶんこの直詰めも自慢のカスタマイズ・マシンがせっせと瓶詰めしたのだろう。

 転入生のコメント欄が少しザワついたけど (笑) 、どうやらオレが買った店のHPに記載されていた「日本酒度:−6、酸度:1.7」という数値はガセで、正しくは蔵元アナウンスの「日本酒度:+2、酸度:1.8」で間違いないと思う。それでも十分に甘みを感じた。ただ、相変わらず酸は足りてなかったけど (笑) ──2017/5/2追記▶︎今HPを見たら「日本酒度:−2、酸度:1.5」に変更されてるね。当時の印象としてはこっちに近いので、オレが呑んだモノはこの数値だと思う。ちょうど記事との整合性も取れてるし。

 でも、呑んだ後にHPを見たらミネラル成分が豊富な湧き水を使用していることが分かり、この腰の強いフラつかないストラクチャーについては合点が行った。水の硬さは感じなかったけど、「町田酒造の直汲みシリーズ」とか「謙信 五百万石 生」なんかで感じる、可憐なフルーティネスを得る代償としての「堅牢さのほつれ (フラつき) 」が明らかに少なかった。だから☆4.5

 スペックは地元の農家が栽培した「秋田こまち」の磨き55、「秋田酵母 No.12」使用の、直汲み生原酒です。実は訳あって、条件のあまり良くない2日目も呑めることになったけど、そこに関しての劣化についてはグレーディングに考慮しません。オレの中では昨日で呑み終えた酒という認識です。一応、後で更新はしておくけど。

 それでは、昨日のオレの浮かれっぷりをとくとご覧ください。




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 ▲ワイングラスの中で踊ってるオレをイメージ。撮影ミスではない。

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 ▲最後の一杯でこの気泡。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【316】やまとしずく 純米吟醸 直詰生原酒 28BY <秋田>

出羽鶴酒造 株式会社 (瓶詰・貯蔵・販売は秋田清酒株式会社) :http://www.igeta.jp


Moukan's tag:




yamatoshizuku_jungin_jikazume28by4.jpg 立ち香──全体には穏やかな発散レベル。清楚にトーン抑えめのフルーティネス。クドさはない。もちろん「ドッカンファイヤー」の先読みもない──これ大事。あえて言うなら、透き通ったニュアンスの爽やかなメロン。奥で心地良い青々しいタッチも探せるが、酸不足により、完全なる「青リンゴ」にはなってない。とはいえ、美酒の先読み、キテマス。これはダークホースか。

 期待です──。


yamatoshizuku_jungin_jikazume28by5.jpg はい、旨い。キメの細かいガスもちゃんとしっかりあるね。強すぎず弱すぎず、ちょうどいい塩梅。さすがはイタリア直輸入の、自慢のカスタマイズ直汲みマシーン (笑) 。酸は足りてないけど、これは何も考えずにガブガブ呑める、全く小難しくない酒。最近呑んだ中で一番近いのは疑いようもなく「謙信 五百万石 生」だけど、オレは「やまとしずく」の方が好きだな。香りのトーンは淡いけど、甘みはちゃんとあるよ。それこそカロリーオフなダイエット・シュガーのようなライトな甘さ。やはりオレの直感は正しかった。こういう流れでダークホースが爽快にゴールしてくれると気分的にスゲえ贔屓目になる (笑) 。

yamatoshizuku_jungin_jikazume28by6.jpg 2杯目──。

 うまいうまい、全く問題なく旨いよ。まるで☆4.5のお手本のような酒。口どけ抜群の、サックリとした、たおやかなジューシイ感。飛び上がるほど旨いわけじゃないし、オレの感性の扉を覚醒の宇宙に向かって大きく開放するような作品としての強度はないけれど、ハズレの酒がつづいた後にこれを呑めば間違いなく笑顔になれる。

 液性に硬質さは感じないけど、優しい凝縮感があるので、「謙信」や「町田酒造」のようなフラつきがない。ワイングラスだとガスが飛ぶだろうから、グイ呑みでガブガブやるのが楽しいお酒でしょう。


yamatoshizuku_jungin_jikazume28by7.jpg 果実感はどうだろう。まあ、上質なラムネ (サイダー) 感もありつつ、記号化された、まるでイラストのようなメロン感もありつつ、露骨にリンゴやブドウはないけど、足腰の強い果実感があるので、意外にダレない。イイ時の「風の森」のようなケレン味や、神懸かった時の「篠峯」のような天才性はないものの、この酒としては満点です。全く文句はない。このレベルの酒が毎日安定して呑めればばどれだけ幸せだろう。

 いいですよ。☆5はポテンシャル的にリーチできないけど、ある意味、☆4.5の満点酒。もしもこの中にこの酒を呑んだ人がいるなら、こう考えてくれて一向に構わない。これを極限まで激ウマにしたのが26BYの「ろくまる八反──だと。酸の明度と光彩をギラギラとブライトに、鮮やかでエネルギッシュなフルティーネスの発散、力強い堅牢なストラクチャーを支える輝ける硬質な液性と心地良いミネラル感──「やまとしずく」の五味のダイアグラフを3目盛りほど外側に向かって押し広げると26BYの「ろくまる八反」が出来上がる。

 だからオレの中では26BYの「ろくまる」のソフト・ヴァージョン的なカジュアル感があって、こうした感傷的なノスタルジーも高評価を支える大きな要因になっていることは正直に告白しておこう。「ろくまる」自体は「篠峯」のソフト・ヴァージョンだから、実質的にこの「やまとしずく」は「篠峯のダブルソフト」かもしれない (笑) 。最後にもう一度だけ言わせて──ヘロキはクソ。


yamatoshizuku_jungin_jikazume28by8.jpg 数値だけど、日本酒度「−6」は明らかにガセ (笑) 。呑み慣れてくると徐々に甘みは後退してガス由来のジョワジョワした苦みも顔を出すけど──このザラつきに心地良いミネラルを感じる瞬間があるが「篠峯」や「長陽福娘」に比べれば優しいレベル──、代わりに甘露のような光沢感のある黄金色の旨みのBodyも膨らんで来るから、こうしたストーリー性 (感じ方の変遷) は逆に楽しいし、これが家呑みの醍醐味だとは思う──やべっ、水を一滴も呑んでなかった。

 もう残り少し──スゲえペースで呑んでる。

 これは嫌みや皮肉ではなく、この酒にオレが与えるキャッチコピーは、ズバリ「偉大なる凡酒」──というものだ。まさに「究極の旨すぎない酒」。だから、もしも「1週間、同じ酒を呑みつづけろ!」とナイフで脅されたなら、最近の酒であれば、オレはこれを選ぶかもしれない。

 でも酸は足りてねえーなあ。これが足りて来ると明確に「青リンゴ」になって「ろくまる山田錦 26BY」のようなニュアンスを得ることもできるだろうけど、「ろくまる」よりも軽いから、1週間呑みつづけるならこっちを選ぶかも。

 オススメです──特に同梱で迷った時は (笑) 。えっ? 今週末、友人宅でホームパーティーだって? だったらコレ持って行きなさい。

yamatoshizuku_jungin_jikazume28by10.jpg 最後にワイングラスも試しておこうかな──。

 やっぱ、酸、足りてねえーなあ (笑) 。でも、甘みが潜ると少しだけゴツっとした旨みの輪郭を感じれるようになって、このライトレベルの「舌上根性焼き」的なアクセントに「酸度:1.8」が効いてるのかなあという感じ。相変わらずフラつきはギリギリ抑えられてる。まあ、もうちょい分かり易いフルーツ感は欲しいけどな。正直、今は☆4──開けたてのオレのアガっぷりはガセか (笑) ? それでも「謙信」よりは全然イイと思う。香りの発散レベルは穏やかだけど、足腰は意外に強い。程良い渋みのアクセントがあるので、ピザやケンタッキーにも合うと思うよ。☆4.5でフィニッシュしておきます。ただし、「篠峯」や「ろくまる」であれば、このレベルなら☆4止まりね。あくまでも「やまとしずく」が持つポテンシャルとして満点という評価付けです。




 moukan1973♀が小指を立てて途中参戦!
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 ▲moukan1973♀はオレから「やまとしずく」の感想を聞いていない状態。



 ♡☺♡「なにこの酒、『へと』?」──dಠಠb「やまとしずくじゃ、ボケっ!」──♡☺♡「あきたしゅ、こまち?」──dಠಠb「秋田、酒こまち!」。

 まさかブログを意識してウケを狙ってねえだろうな (笑) 。しかし、周辺に漂う何ともイラつくこの感じは決してギャグではないようだ。「あきたしゅ、こまち」は仕方ないとして、「へと」はヤバイだろ (笑) !

 ♡☺♡「ナニコレ、旨いじゃん。誰しもに好まれる味。苦くも渋くもなく。果汁か! 甘い。嫌いな人はいない味。今様の好まれる味だよ」──ちなみにmoukan1973♀は「ジュースみたいな酒」の場合「果汁か!」と叫ぶ傾向にあるが、この酒はそこまで果汁感があるわけでないので少し注意が必要。


moukan1972♂





 空き瓶調査隊
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 これを書いてるのは今の時制 (3/8) 。うわっ、結構香るね。ある意味「たかちよ」並みに甘いぞ。これだけだと「日本酒度:−6」に感じてしまうかもしれない。結構派手に華やかフローラル。これ、ガスが抜けて2〜3日経つと、スゲえデレデレした酒になると思うので、早めに飲み切った方がいいかもしれない。逆に甘党の人は初日のガスは見送って3日目からが本番か。結構熟れ熟れなトロピカル感がある。これは意外だ。空き瓶はドッカンファイヤーです。でも奥で確かにミネラルを感じるわ





── 2日目。



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 ▲あまり知られてないけど、実は「チーズビット」と「おさつスナック」は同じ生産ラインなので、これらが同じ時期に店頭に並ぶことはない。春夏が「チーズビット」、秋冬が「おさつスナック」と、それぞれが期間限定生産。そしてオレは「おさつスナック」を一生食わなくても全く悲しくならない人間である。



 訳あって、あまり良くないコンディションなので参考まで。

 ガスは〝ほぼ〟消えた。この状態だと結構ミネラリー。渋み&苦みのビシっとした整列感がある。甘みもあるけど、同時に辛みもある。意外にデレデレにはならず、むしろ甘辛くなる感じは「町田酒造」なんかの劣化曲線と同じ。腰の強さは感じるけどな。まあ、720mlを初日で呑み切るのが吉でしょう。

「やまとしずく」はまた何かを買うと思う。「無個性」だとも「インパクトが弱い」とも思わない。水原希子がジーンズに白いキャミを着ていたら、服だけ見れば「無個性」で「インパクトが弱い」かもしれないが、たとえ横に「インパクトのある服」を着た「個性的」なきゃりーぱみゅぱみゅが並んで立っていたとしても、目立って見えるのは間違いなく水原希子。そういうこと。


moukan1972♂










日本酒 やまとしずく 出羽鶴 晴田

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To マイルドさん



毎度です。

なんかいちいち程良い酒でしたね。
取り立てて個性的な酒ではないですが、近頃は個性の押し売りでバランスを欠いてる酒ばかりなので、ふと癒されます。全く文句はないですね。


──「うおー!」とは、なりませんが、「おっ!」となりました。 久しぶりに、気分爽快ですね。 これはこれで満点、ってのがいいですよねー。

ちゃんと身の丈にあった無理のない酒質というか、丁寧にちゃんと普通にマトモな酒を造ってる感じが好感度高いですね。実際、これをマズイと言う人はあまり想像できないですよ。


──そしてモウカンさん、「優しい凝縮感」・・・・・さすがです! 私も感じていましたが、なんと表現していいものかわからず、 モウカンさんの表現力に感嘆です。

そこまで露骨なミネラルは感じなかったんですが、口の中の収まりの良さがありましたね。後追いでHPを見たら、やはり仕込み水はミネラル豊富なようで、このガシっとした腰のある液性はミネラル由来だったんだなーと。硬水蔵のような激烈な軋みや収斂性はないですが、程良いミネラル感で五味を手仕舞う流れはあると思います。


──そして「26BY ろくまる八反」は、 想像もつかないほどすごかったんですねえ。。。

「ろくまる八反26BY」はキャッチーなフルーティネスもあって分かりやすく旨いんですが、「篠峯」印の「八反50生」の26BYは更に最高でしたね。去年の暮れに呑んだ2年熟成は酸が強烈な「点」になってビビりましたが、

◤篠峯 - 純米吟醸 八反50 無濾過生原酒 26BY
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-599.html

フレッシュ・コンディションは「而今ナニソレ」の銘品だったと思います。まあ実際、僕が「而今」を飲んでも全く驚かないのは26BYの「篠峯」を飲みまくっていたからなんですよ。

今季は看板商品の「純大 雄町50 中取り生」が26BY以来の明利系&協会9号のダブル酵母 (今季は「Type-M」という商品名) として復活したので少し期待です。☆4.5が点灯したら即買いの合図です。できれば☆5は行って欲しいですが、そこはどうでしょう。。。


──いやー、良かったです。 福島日本酒の「当たり屋」が続いていたので(笑)

今日は「福島リベンジ」を果たしましたよ (笑) 。
記事にするのは木曜になると思いますが、これ、凄い酔いますね。
そうです、あれです。。。

旨いですが、手懐けるのに少し苦労しました (笑) 。僕の中ではツルツルライトな「昇龍蓬莱 槽場直詰め」という感じです。ALC.度数が高いので、チロリに氷を入れて薄めて飲みました。


2017.03.08 Wed 22:54
Edit | Reply |  

Name - マイルド  

Title - No title

こんばんは

「へと」(笑)これがハズレだったら「へと」になっていたかもですね(笑)


「うおー!」とは、なりませんが、「おっ!」となりました。
久しぶりに、気分爽快ですね。
これはこれで満点、ってのがいいですよねー。

そしてモウカンさん、「優しい凝縮感」・・・・・さすがです!
私も感じていましたが、なんと表現していいものかわからず、
モウカンさんの表現力に感嘆です。

そして「26BY ろくまる八反」は、 想像もつかないほど
すごかったんですねえ。。。

いやー、良かったです。
福島日本酒の「当たり屋」が続いていたので(笑)
2017.03.08 Wed 20:20
Edit | Reply |  

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