◤長陽福娘 - 限定直汲み 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 山口9E酵母 27BY ── dಠಠb「なぜか『クリスマスツリー理論』に『酸コラム』と、話がいろいろ逸れますが」#Well-Cured, Dry 



※こちらの記事は『第2回・味クラーヴェ大会』から個別にセパレイト&加筆したものになります。

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 毎度アクセスありがとうございます。

 去年☆7を付けた「限定直汲み 純米吟醸 山田錦50 無濾過生原酒 9号酵母」だけど、今年は早めにドロップされたね。たしか去年は3月だったと思うんだけど。DE、オイオイ! なんか「純米60」よりなくなるの早くねえか (笑) ? 待て待て待て待て待て、最後にもう一度だけ待ちなさいよ!

 dಠಠb「まずは720mlで毒味して1800mlを買うか考えよっかな〜」なんて思ってたら、特に「協会9号酵母Ver」の売れ行きが凄まじいのなんのって・・・。生姜はあるけどショウガないから720mlと1800mlを酵母コンボで4本買いましたよ。まずは720mlを開けて味幅や甘みを確認して、それから1800mlの飲み頃時期を探りたいと思います。特に「山口9E酵母Ver」の方は早飲みしてもスカスカでドライだと思うので、そういうタッチが好きな人以外は慌てて開ける必要はないと思うぞ。

 というわけDE、今回は27BYの1年モノを開けます。宴会状態でワイワイ呑んでたので、途中いろいろ爆笑を誘う面白い事なんかも連射砲のように喋りまくったんだけど、もうあんま覚えてない (笑) 。現実世界でもブログ並みの比喩やレトリックが瞬発的に飛び出すけれど、今回は会話の流れというか、ある種のLIVEケミストリーによる副産物という側面もあったから、今こうして自分一人でいても思い出せない。

 そうそう、これと全く同じ27BYを同じ店でオカワリしたから、味や香りや飲み口の細かい内容は後日再確認するとして、ここでは『酸コラム』に力を入れて書いてみようかなあ、とか。なんか長くなりそうで自分でもイヤだなあ (笑) 。




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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½ (※再飲後に☆5に上がる可能性アリ)

【298】長陽福娘 -ちょうようふくむすめ- 限定直汲み 純米吟醸 山田錦50 無濾過生原酒 山口9E酵母 27BY <山口>

岩崎酒造 株式会社:http://www.fukumusume.jp


Moukan's tag:



chououfukumusume_yamada50_9e27by2.jpg 立ち香──おっ、柔らかスモーキー。さすがにパキーンと輝けるフルーティネスの発散はなく、なんとも落ち着いた佇まい。カルアミルク的な、少しローストされたサラサラな甘み。これ、「長陽福娘の山田錦生熟特有」の、オレの言うところの「和み系」の熟し方。個人的にこの銘柄に求める属性は、五味における、いかにも酸足りてる──まるで度の合ったメガネで世界を見渡した時のようなパキーン!とした「見晴らしの良さ」なんだけど、残念ながら、今回の酒にそれはない。

 カンパーイ──客人は初娘。

 いいっすね。熟成というバイアスがなかったとしても、これは明らかに「協会9号Ver」とはルックの異なる酒質。おそらくこれ、早飲み厳禁タイプだろうね。フレッシュ・コンディションの時は「やや味気なくドライ」な感じだったことが想像できる。

 ガスは「楽しむ」ほどじゃないが「残っていてくれてありがとう」と思えるほどにはある。熟味だけど、「米の旨み」に対して効いてるというよりは、「香りの纏い」として全体にうっすら覆い掛かってるイメージ。新酒コンディションの「キラキラ」が霞んで、靄の中で「しんしん」と、そしてしなやかに、その透けた乳白色の羽衣をフワリと香りに纏うタッチ。「山廃純米」や「マチダヤオリジナル山田錦55生熟」なんかにも通じる「和み系」のフレイヴァーだけど、この純吟の方が嚥下のスムースネスは段違い。

 ド頭のフワっとカルアミルキーな柔らかい甘みが一瞬でほどけた後は、決して余計に旨みは広がらず、ややドライでスベスベの滑走路をスムースに走り抜け、まるで何かの想い出が唐突に頭をよぎるように、着地後の静止した時の中で、後から遅れてカスタードクリーム様の甘みのリフレインが不意に訪れる。これは先に呑んだ「萩の鶴 別撰」とは全く逆のタイミングだ。この、一切の華美とは無縁の、だがしかし流麗かつエレガントで堅牢なストラクチャーは、まるで美しいモミの木のようで、スモークホワイトの霞んだ味や香りのカラーは、まさにそこに降り積もる銀世界のオーナメントと等価の意味と存在だろう。

 客人「芯がある
 ♡☺♡「旨い!


 ここで『酸コラム』を徒然なるままに──。

 先日、たまたま二人の読者さんから「日酒における<酸>というものがよくわからない」という振りがあって (コレコレ) 、そこでも少しツラツラと書いたんだけど、せっかくなので、現時点でオレが考える「日本酒における酸とは何か」について書いておこうと思う

 正式な勉強や学習を積んだわけではないので、教科書的な真偽はさておき、大事なのは「自分自身の豊かな酒ライフの日々」だけだと思うし──カルチャースクールの日本酒講師で生計を立ててる人でもない限り──、まあ、気軽な散文として、過度に鵜呑みにはせず、自らの立ち位置や考え方を見直す小さなノイズくらいに考えてくれれば。

 基本的には、あまり深く考える必要はないと思ってるけど──楽しくなくなるじゃん──、あくまでも二人の読者さんのリクエストに応えることを目的に書いてます。文句のある人はアナタの自説をコメント欄に落として行ってね。人には人の数だけ『独自の酸論』があると思うし。ちなみに貴のゴリは、どこかで「酸」のことを「料理における塩」に喩えてたな。まあ、それもありだろう。


腹が減ったので、つづく






おかわりタイム2

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 まあ、なんだかんだで、これが頭一つ抜けてたかなあという感じ。いろいろ物足りない点もあるけれど、最後は「クリスマスツリー理論」で全てを押し切る力強さがある。客人には初銘柄だったので、ここぞとばかりにガンガン呑ませてやりました (笑) 。おかげで720mlがペロリとなくなりました。


moukan1972♂






日本酒 長陽福娘

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To kappa1970♂さん


毎度です。

陰ながらメルマガの宣伝ありがとうございます。ま、ここはある意味「隠し部屋」なので、地味に参ります。せっかく登録してくれてる読者さんがいるので、バックナンバーは「非公開」に変更しました。SEO対策にはなりませんが、まあ、別にいいかなあという感じです──もうアクセスを増やすことへの執着もなくなりました。

「結」と「残草蓬莱」から変わり始めましたか。それぞれ本命の酒がぼちぼちドロップされますね。「残草蓬莱」のQueeenは28BYが出回りはじめたようです。


──以後は雑味の少ない研ぎ澄まされたクリアな酒質の中での煌めきや、軽微なアクセントとしての青臭さやらハーブっぽさやらの揺らぎに心地よさを感じる今日この頃です。

そうなると「山間」の純吟スペックや「百春」あたりでしょうね。両方とも四谷の「鈴傳」で買えます。あとはこれから出る「克正」の山廃雄町生あたり、一緒に呑んで行きましょうよ。奈良の「登酒店」で同梱すれば他にもいろいろ買えます。


──もっと気温が上昇してきたら「オサレ嗜好」から「マッチョdeドンクサイウマーミ」に返り咲くかもしれませんが!

ま、ブッフェ的にいろいろ飲めばいいと思います。その時の気分や流れもありますしね。そういや、「花邑」の生酒もそろそろですかね。今季はどうしましょうか。「純米」にするか、やっぱり「純吟」にするか、それともスルーするか。5月までは怒涛のRushですね。

2017.02.21 Tue 01:23
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Name - kappa1970♂  

Title - さよならマッチョ

moukanさん

毎度です。レスをいただきまして有り難うございます。

そうですそうです。
メルマガは、ブログと違って「号外」が出て、
MJK! なお得情報が発令しますし、例えば【2017/02.6号】に至っては、本編記事よりも前に発行、しかもライブ感はブログ本編以上という奇跡。(笑)

ブログ本編とメルマガでは、moukanさんのタッチが微妙に違うので、僕的にはツボなんですよね。紅ショウガ的な。
ブログ上からは過去のメルマガを見られなくなったので、よりプレミア感が増しましたし、それを敢えて狙ってますよね?moukanさん!(笑)


さて、酒の好みが変わってきた件ですが、変調のきっかけは、moukanさんがお勧めしてくださった

結 純米吟醸備前雄町生原酒亀口直汲み
残草蓬莱純米吟醸出羽燦々50槽場直詰生原酒

を飲んだ辺りからと自覚しています。

当時は”ボディーが細くて、物足りない・・・”などとコメ欄でぬかした気がしますが、その後

七本槍 純米搾りたて生原酒吟吹雪
川中島幻舞 純米吟醸無濾過生原酒

を飲んでからは、サンジュリアンさんが言われるところの”飲み疲れ”を知ることになり、以後は雑味の少ない研ぎ澄まされたクリアな酒質の中での煌めきや、軽微なアクセントとしての青臭さやらハーブっぽさやらの揺らぎに心地よさを感じる今日この頃です。

もっと気温が上昇してきたら「オサレ嗜好」から「マッチョdeドンクサイウマーミ」に返り咲くかもしれませんが!
2017.02.20 Mon 22:11
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Name - moukan1972♂  

Title - To kappa1970♂さん

毎度です。

同郷酒「雁木」レポートありがとうございます。
「雁木」は以前「新宿 伊勢丹」に蔵元さんが来てたんですが、思えばこの時点で飲んでおけばよかったような。高円寺の「高原商店」でも扱ってますね。僕は三鷹の「碇屋酒店」で純米生原酒の300mlを買って一口飲んだだけですが、確かに第一印象は「あれ? 酸っぱいじゃん」というものでした (笑) 。


──中盤からフィニッシュにかけてはマッチョで鈍臭い穀物の旨味が支配的になり、折角酸味が形成した軸というかフレームをぶち壊す始末。
──気がつけば、日本酒の旨さに開眼して1年が経過しましたが、自分の好みがどんどん変わってきているのを実感しています。


kappaさん、なんか近頃「オサレ志向」になってませんか (笑) ? 「マッチョで鈍臭い穀物の旨味」とか、むしろ好物だったという認識なんですが、今後は少しオススメする酒の見繕いを再考する必要がありそうですね (笑) 。ま、僕自身も去年の後半くらいから──特に年末頃から一気に開眼した感じが自分でもしているので、これは経験を積む過程で必ず生じる変化ではあると思います。


──残念ながら、長陽福娘9E27BYには全く及びませんでした。

これ飲んだんですね!
メルマガ情報もそれなりには役立ってるようで良かったです。
僕自身も「味クラーヴェ」でじっくり飲めなかったので、同じ店でオカワリしました。今週の金曜に届くので、またじっくり飲みたいですね。面白い熟成のし方をするので、いろいろ勉強になる酒だと思います。


──先日、1年前に絶賛した臥龍梅純米大吟醸袋吊り雫酒の同じBYのものを再度買って試してみたのですが、あれ?こんなんだったっけ?とちょっと失望しました。

いやー、僕も25BYの秋〜年末頃はブイブイ言わせてましたねえ。何飲んでも「旨ーい!」みたいな (笑) 。ま、そこでガツンと「ハズレ酒」の存在を教えてくれたのが「鍋島 純米吟醸 山田錦 火入れ 25BY」だったんですが、今思えば──当時はムカついてましたが──、これは逆に感謝ですね。ここからですよ、本当の酒飲み人生が始まったのは。飯盛杜氏と電話で20〜30分ほどサシで話せたことは財産ですね (笑) 。


──好みというのは、難しい問題ですね。 自身の好みすら日々変わってく上、同じ酒でもBYで全然違ってきますし。

kappaさんの場合、僕とは消化ペースも違いますので、これからまだまだ面白いお酒にたくさん出会えると思います。同じ酒でも時間軸で味も変わりますし、ワインのように10年20年スパンでのドラマを楽しむことはできないですが、今年は僕も、下手にブログの体裁などを気にせず、同じ酒をリピートしたり、時間をあけて飲み比べてみたりと、もっと自由に楽しんでいこうと思ってます。幸い、27BYの篠峯なんかはネットでまだまだ買えるので、去年の不出来がどこまで熟成でカバーされてるとか、いろいろ興味は尽きないです。

2017.02.20 Mon 12:09
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Name - kappa1970♂  

Title - 同郷繋がり→鈍臭い

moukanさん

こんばんは。
長陽福娘に対抗?し、同郷の
雁木純米無濾過生原酒槽出あらばしり28BY
を飲んでみました。

ガス無し。微かにおりがらみ。
立ち香マスカット。
含むと甘みと結構な酸味が前面に出てきて一瞬〝お、これは!〟とVIVIDでモダンな色彩の出現を予感させるのですが、中盤からフィニッシュにかけてはマッチョで鈍臭い穀物の旨味が支配的になり、折角酸味が形成した軸というかフレームをぶち壊す始末。
4合を2日で空けましたが、JOは穀物の旨味が前面に出てしまいNG。この酒はRSにおいてポテンシャルを発揮すると感じた次第です。

残念ながら、長陽福娘9E27BYには全く及びませんでした。
来月リリースされる、純米吟醸の槽出あらばしりなら、この鈍臭さが和らぎ、良い塩梅になる気がしていますが、試す気もあまり無く、もういいかなと思う次第。

気がつけば、日本酒の旨さに開眼して1年が経過しましたが、自分の好みがどんどん変わってきているのを実感しています。

先日、1年前に絶賛した臥龍梅純米大吟醸袋吊り雫酒の同じBYのものを再度買って試してみたのですが、あれ?こんなんだったっけ?とちょっと失望しました。

純米のふくよかさを好んできましたが、最近は飲み疲れするので、純米吟醸の細さの方が心地よく感じます。

好みというのは、難しい問題ですね。
自身の好みすら日々変わってく上、同じ酒でもBYで全然違ってきますし。
2017.02.19 Sun 23:38
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Name - moukan1972♂  

Title - To アイオライトさん



毎度です。
お褒め頂き恐縮です。

僕自身は「米の旨みそのもの」に掛かる鼈甲カラーの熟成も嫌いではないです。「神亀」なんかまさにそれですし、むしろそれがなければ「神亀」じゃないですし (笑) 。

ただ、これは少し違いましたね。まさに「纏いレベル」で、むしろ香りの服飾においては諸々が薄着化していて、逆に研ぎ澄まされているとすら言えるかもしれません。ストラクチャーが堅牢なので、その纏いの描写は線画調でありながら、静かに力強いタッチです。

確かアイオライトさん、長陽福娘の「山廃純米」好きでしたよね? おそらく僕が呑んだ山廃純米は1年近く蔵で寝かせてから出荷されたモノだと思うんですが、この純吟の熟味のニュアンスは、これに近いです。ただし、さすがに磨き50、さらに研ぎ澄まされて、「纏い指数」は3割増しです (笑) 。

嚥下の滑らかさはこっちの方が上ですが、全体の味の出方 (五味の発散) はさすがにしとやかです。とはいえ、こちらはヌードに薄手のスケスケなカーディガンを軽く羽織る感じなので、骨格 (モデルの体型そのもの) があられもなく露見されて、逆に五味の輪郭はクッキリするんですね。

なかなか面白い熟成をする酒です。軽いけど硬い、ビビッドだけど柔らかい、そんな感じです。


2017.02.15 Wed 22:03
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Name - アイオライト  

Title - 

どうもです。
熟味に関して

──「米の旨み」に対して効いてるというよりは、「香りの纏い」として全体にうっすら覆い掛かってるイメージ。

この表現は素晴らしいですね。この酒自体は飲んでないんですが、こういうタイプの熟成酒あるある、といった感じですごく腑に落ちました。自分の場合、単に「弱めの熟成」とか、そんな感じの表現しかできないので勉強になります。
2017.02.15 Wed 16:59
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