◤櫛羅 - 純米吟醸 中取り生酒 16BY ── dಠಠb「日本酒単体記事400本目!」#Well-Cured 




 毎度アクセスありがとうございます。


kujira2004_3.jpg 「篠峯」を醸す千代酒造のもう一つの看板銘柄、櫛羅 (くじら) です。最初に言っておくと「16BY」というのは表記ミスではありません

 お陰様で、moukan1973♀のアカウントを乗っ取って書いていたfacebook時代から数えて400本目の日本酒の個別記事になります。約1年7ヶ月で400本 (1年=約235本) なので、CUP酒や同じ酒のリピートなんかもカウントしてるけど、数としてはまあまあかな。

 テイスティング・アプローチにおける日々の変化──「進化」という言葉は好きじゃない──時として「退化」という概念の方がCOOLな場合もある──も激しいし、特にここ最近は味覚的に遠視気味で読む方も大変だと思うけど、もうちょっとだけ (頑張らないように) 頑張ってみるかな。


kujira2004_4.jpg しかしまあ、よくもこんな酒が売れ残ってたもんだ。「旨い」とかじゃなくて、もはや「呑むことそれ自体がイベント」という (笑) 。これ、別に「10年古酒」という企画の商品ではなくて、単なる酒屋の売れ残り。裏のラベルには「18.2」と書いてあるから、16BYの酒を1年熟成状態で17BYシーズンに出荷したということになる。堺杜氏は熟成への理解や探究心を持ち合わせてる人なので、もしかしたら、当時そういう商品としてリリースしたのかもしれない。

 サンジュリアンのヤジが去年の暮れに呑んでるんだよな。普通に楽しめたみたいだけど、そこからさらに半年ほど経過してます。ま、12年選手だから、半年くらいの時間経過なんて、朝焼けのオカマのヒゲヅラよりも変化は少ないでしょう。地元「櫛羅産 山田錦」を50%まで磨いて醸した純米吟醸、無濾過生原酒になります。酵母は今と同じなら協会9号のはず。




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 ▲この子 (浜辺美波) はなかなか気が強そうだ。元カレに変な写真とか暴露されないように気をつけて!




 

 
 ▲流行りの「余命」ジャンル。ま、オレもあと35年くらいで死ぬんだけどね。ついでに言うと、太陽系の寿命も残り55億年くらいだから。あと、近所の (数光年〜数十光年ほど離れた場所での) ガンマ線バーストはいつ起きてもおかしくないけど、これは心配してもショウガナイ。結論:余命ジャンルの映画や小説に触れて泣いてる暇があるなら自分の残りの寿命のこと真剣に考えた方いいと思うよ。もっと泣けるから。生まれてたの赤ちゃんだって「余命70〜90年」と言えるわけでして。誕生パーティーなんか、たかだかそれくらいの回数しかできない。オレが半年で飲む酒の本数より少ないよ。人生何が起こるかわからないし、どんな人生を送るかは人それぞれだけど、最後に死んで終わることだけは全人類共通だからね。日常とは死刑宣告を待つ間のささやかな狂騒のことだよ。さーて、仕方ないから、今夜も酒飲も。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆

【400】櫛羅 -くじら- 純米吟醸 中取り生酒 16BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


Moukan's tag:



※金曜にオレ一人で開けて、moukan1973♀とは日曜の昼間に3日目を飲んでます。まだ半分以上残ってるのでチビチビやります──もったいないし、ある意味で濃い酒だからガブガブ飲むようなものでもない。


kujira2004_5.jpg 立ち香──麦チョコ草ヴァージョン (笑) 。開けたてはそこそこの凄まじい熟香もあるけど、まあ徐々に落ち着くでしょう。最近だとリトマス陽子みたいな感じに近いっちゃ近い。まずは飲んでみよう。

 グラスを2種用意──。


kujira2004_6.jpg グイ呑み──陽子よりソリッド。素直な印象は「12年でこんなもん?」という感じ。ちょっとまだ冷たいな。これは温度が上がった方が楽しそう。一度チロリに酒を戻して、手で少し暖める。オレは常に平熱が高めなので、熱伝導率のいい錫 (すず) だし、1分くらいでそこそこ温くなります──理論的に言えば、これを触って冷たく感じなくなったら体温と同じ36℃くらいになったというわけで。

 あらためてグイ呑み──正直に言うわ。もはやどこにも「篠峯」や「櫛羅」は探せない (笑) 。でも思ってたより重くない。ブっちゃけ、加水ナシの藪烏 (竹雀) の方が重いし呑みにくい。

 ワイングラス──。

kujira2004_7.jpg おっと、サンタリーテ。いいですねえ。これなら「篠峯」や「櫛羅」を感じれる。すごくオイリーなバタートーストのような香りは、まさに「秘伝のタレ」の入ったシャンパーニュと言った感じ。冗談抜きでシャンパーニュの熟したタッチに通じるオイリーさ。そして優しいミネラル感。やっぱ陽子より上だなあ。旨い。もうすごいオイリーな香り。ナニコレ。来ましたよ、ブリオッシュ。色も白ワインやブラン・ド・ブランのような淡いレモン・イエローで、12年モノの熟成酒としては薄い方なんじゃない?

 かつて弟の幼馴染みで我が家にイイ酒を飲みに来たhonshibori1977が♠️☺♠️「なんか鼻がくすぐったい」と評した、あの感じ。そして不思議と疲れない。☆5ですね。


kujira2004_8.jpg すごい事が起きてます。まだ温度が低いということもあるが、あの熟女の陽子がほとんど香らない (笑)──。

 陽子──まだまだ若いなっ! 嘘だと思うだろうけど、スゲえフルーティーに感じる (笑) 。MJKオイっ。そして薄っす。なにこれ。櫛子──もう香りが・・・香りがトースト! あああ、奥で果実味の凝縮感あるねえ。ヤバイこれ。やっぱ超絶サンタリーテ。10年モノの生酒は「マチダヤ試飲会の悦凱陣」以来だけど、あんなの〝ただの老ね酒〟だろ (笑) 。あああ、すごく官能的にオイリー。不快さなんか微塵もなく、まるで鼻毛たちがカールして笑顔になる心地良さ。常温、いいです。

 陽子──細っそー。マジか。やっぱ甘みが少し泳ぐ。ワインの世界ならこれを「余韻の長さ」と言うんだろうけど、日本酒では「ダレ」と言う場合もある。ごめん、この流れだと熟味すら探せない。普通に酸っぱフルーティー。櫛子──こっちも熟成酒ならではの甘みは出てるけど、やっぱ酸のコアの力強さが格上。しかしスゴいね、この香り。まさか陽子が薄く感じるとは・・・。余韻がある程度の長さでスっと消える。この消え方の美しさと言ったら。表面的にはそれ相当に熟してるけど、液性は透明度の高い清冽なもの。ストラクチャーに一切の無駄がなく、まさにスマートなインテリ古酒。





 ここまで来たらやるしかない。
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 すず子──ここまで薄めても一番重いし跳ね返りが強い。舌がジリジリする感じね。櫛子──素晴らしい口どけ。そして軽い。陽子──薄いっ!!!!! すず子──重い!!!!

 今日はもうやめときます。やはり「篠峯 (櫛羅) 」はいろいろな事をオレに教えてくれる。液性における優劣は明白。あなたも見つけよう、あなただけの得意銘柄





── 3日目。

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 ▲本当は日曜の夜にじっくり飲むつもりが、昼間にシャンの残りを飲んでたら、いつの間にか始まってしまった「味クラーヴェ」です。moukan1973♀も同席しています。



 ♡☺♡「うわあ、すごい雑穀感。さすがに熟してるねえ
 dಠಠb「まだ冷たいから。温度が上がってくるとトーストだから

 ♡☺♡「あああ、ここまで古い生酒は飲んだことないけど、想像していたよりもキレイ。最近は個人的に寝かしたモノにあまり興味はないんだけど、これはいいわ。たしかに温度が上がると雑穀感が消えた。香りの印象より、実際に飲んだ方が印象いい

kujira2004_11.jpg 直前までシャンパーニュの残りを飲んでたのに、少なくとも甘さに嫌悪することがないのは、流石は千代酒造と言ったところ。もちろん、これがフレッシュ・コンディションであれば「酸度:1.8〜2.0」はあったはずだけど、今はそこまでの分かりやすい酸っぱみはない。

 15℃くらいを超えてくると、導入部の入りが滑らかになる。舌に優しく甘みが纏わり付いて、鼻からは香ばしい熟成香が抜けていく。ただ、液性そのものはどこまでも清らかで、そこには少しの刺激で割れてしまいそうな繊細な揺らめきとポヨみのある甘みの球体があって、当然、これを球体せしめているのは、この銘柄特有の「酸」であることは明らか。スゥーと甘みが伸びて、まるで昭和の小学生が学期末の大掃除のワックス掛けの後に上履きを脱いで靴下で教室の床の上を勢い良くスゥーっと滑って、突然に摩擦との決闘に敗れて優しい急ブレーキが掛かり、ある地点でピタっと止まる、あのモーションと同じ時間グラフの甘みの退け方だ。スゥーっと勢い良く甘みが伸びて、静かに柔らかくスっと優しい急ブレーキ。着地点には果実味すら感じる小さな点のような酸と、ベルベットな──それに包まれて深い眠りに落ちたくなるような美しくも艶かしいミネラル感。

 別に☆6でも☆7でもいいけど、☆5は不動。





 陽子参戦!!!
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 dಠಠb「これが面白いんだよ。あんだけ熟々だった陽子がまるでフルーティーになるから (笑)
 ♡☺♡「MJK!?
 dಠಠb「マジもマジ。本気まじ男 (マジまじお)
 ♡☺♡「んんんー! むしろ夏にいい。超フルーティー。ナニコレ!? 陽子、うまい!!! 櫛羅はもういいや (笑) 。レモンな感じが夏にいい!

 嘘じゃねえぜ? 今の陽子を誰も大年増の厚化粧だとは思わない。まさに「バナナ&ヨーグルト&レモン」な爽やかフルーティーな酒。ただ、味の見せ場はド頭の2秒に集約されていて、余韻は非常に長く、櫛子のようにスパっと甘みが止まってくれない。少し冗漫なFade Out。そしてミネラル・パートが少し荒々しい。もちろん、他の銘柄に比べれば十分に美しいけど、この比較においてはね。

 ♡☺♡「やっぱ櫛羅、旨いな・・・。たしかに陽子は余韻が少し長すぎる





 スズ子も参戦!!!
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kujira2004_15.jpg ♡☺♡「もういいよ〜、スズ子は〜
 dಠಠb「いいから飲め!!!」(スパルタ)

 今の状態だと「純米」の方が飲める──ていうか普通の酒になってます。「雄町50」はレモンの効力が少し落ちてきて、徐々に「雑穀大王」な側面が顔を出し始めて、今はもう、なんかあんま旨くないレモンティーみたい (笑) 。仕方ないから残りを混ぜたよ。

 そして、セブンイレブンで買ったレモネードで割ってみた。

 ♡☺♡「なんか芳香剤みたいじゃない!?
 dಠಠb「サンポール?
 ♡☺♡「オエえええーっ!!!

 レモンジーナよりはマシだと思うけどな。


moukan1972♂






日本酒 篠峯 櫛羅

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To NTさん



毎度です。

熟成生酒は去年「地酒屋こだま」の店主が見繕ってくれた2年モノを2種類ほど呑んで、そのあまりにキレイな熟成具合に驚いたわけですが、逆に1年とかだと雑味が残ってるんですかね。この12年モノは2口3口と飲み進めて行くうちに、温度の上昇なんかも加わり、静かに舌に馴染んでいく感じですね。最終的には滑らかになり、熟味もそこまで気にならなくなり、純粋に液性そのものを楽しむフェーズに移行します。


──私は、14BY(最初見たとき西暦表示かと思いました)の米鶴の純吟生を呑んだことがあるのですが、シルキーで、上品な甘みに少しのビター感が混じりながら、長く伸びる味わい、老ね感はなく、ちょっと官能的な冷やかさが生酒であることを感じさせてくれました。 

おっと「米鶴」の14BY!!! こりゃスゴイ。
ここの酒も酸があるので、きっとキレイに甘みが伸びてくれるでしょうね。生と火入れの違いは見えにくいんですが、やはり、最後の最後に出現する微かな果実味でしょうね。


──造りの良い生酒を冷蔵で10年も寝かせると、こういう感じになるんでしょうかね。またこういう酒に出会いたいものです。

商品としての「10年古酒」はそこそこ買えたり飲めたりしますが、自分の好きな銘柄の売れ残りとして運良く手に入ったことが楽しいですね (笑) 。自前で10年はちょっと気が長すぎるし、誘惑も多いので難しいですね。そもそも10年後に自分が何やってるかなんて全く想像できないですからね。

2017.07.11 Tue 15:06
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Name - NT(moukan1972♂による転載)  

Title - ヴィンテージ生酒

櫛羅、非常にうまそうですね。 口福感が伝わってきます。 私は、14BY(最初見たとき西暦表示かと思いました)の米鶴の純吟生を呑んだことがあるのですが、シルキーで、上品な甘みに少しのビター感が混じりながら、長く伸びる味わい、老ね感はなく、ちょっと官能的な冷やかさが生酒であることを感じさせてくれました。 

櫛羅の記事を拝見して、似たような感覚かなと思った次第です。 造りの良い生酒を冷蔵で10年も寝かせると、こういう感じになるんでしょうかね。 またこういう酒に出会いたいものです。
2017.07.11 Tue 14:54
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