◤山本 - 和韻 純米吟醸 ワイン樽熟成 27BY ── dಠಠb「旨くはないが、チャレンジ酒としての果敢な挑戦と失敗──ここは評価したい」#Wine Oriented 





 photo: WINE SHOP Les Bourgeons



 またしても、山本の和韻 (わいん) です。全く同じラベルで「生原酒」「火入れ」「ワイン樽熟成」の3種類があって、今回は「ワイン樽熟成ヴァージョン」です。なんでもモンラッシェの樽で約半年熟成させたそうで、でもさ、そんなこと言われてもオレ、そもそもモンラッシェの偉大なる白ワイン、呑んだことねえし (笑) 。


yamamoto_wain_taru27by3.jpg 前回は6月に飲んで☆5だった生原酒の売れ残りを見つけて買って呑んで酷い目に遭いましたが、今回も特に期待はしてません。まさか同じBYに3回も「和韻」を呑むことになるとは、少し血迷ったな、オレ (笑) ──というのは冗談で、本当は28BYの「篠峯」に向けて、少し「木香耐性」を付けておこうという狙いがある。生か火入れかの違いがあるにせよ、一応は同じ酒の「木香有り」と「木香無し」なわけだし、全く無駄な体験になるわけでもないだろう。それに試験醸造 (チャレンジ酒) じゃないか。

思いついたことは、失敗してもいいからどんどんやれ!」というのがオレの基本的な考え方──だからこそ失敗する勇気すらない「外ケ濱 - 純米吟醸 TREIZE」に激しい憤りを感じたわけだ。不味い時はちゃんと不味いと正直に書いてあげますから──酒屋の代わりに。




 ▼6月に呑んだフレッシュな生原酒ヴァージョン。
 


 ▼12月17日に呑んだ劣化した生原酒ヴァージョン。
 



 この「和韻」は蔵元のイベントに参加した酒屋 (10店舗) だけが扱いを許された試験醸造酒で、ブルゴーニュ地方のシャルドネ種を使用したワインに使われる酵母に秋田の新酵母「UT-2」をブレンドして酸っぱくなり過ぎるのを抑えているところがミソ。ラベルには未記載だけど、使用米は「秋田産・酒こまち」、数値は生原酒の「日本酒度:−3.0、酸度:2.0、ALC.:14」に対して、「日本酒度:−5.0、酸度:2.5、ALC.:15」みたいね。これ、熟成により発酵が進んでALC.度数が上がったってことなのか?




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 ▲特にSMAPに思い入れはないが、中居くんとキムタクとは1972年生まれの同い年。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆

【262】白瀑 -しらたき- 山本 和韻 (わいん) 純米吟醸 ワイン樽熟成 27BY <秋田>

白瀑・山本合名会社:http://www.shirataki.net


Moukan's tag:




yamamoto_wain_taru27by4.jpg 立ち香──、なんかオモれー。日本酒の木桶や木香とは違う。これはワインとかブランデーとかウイスキーで感じる、まるでカブトムシやクワガタが寄ってきそうなタイプの、甘スモーキーな樽香。これが強すぎて、まるで日本酒的なフレイヴァーを探せない (笑) 。とりあえず飲んでみるわ。

 ギャグか (笑) 。チャレンジ失敗!!!

 ぐい呑みは渋くてダメだ。リーデルだと、まあ一応は飲めるようにはなる。結構、舌にビリビリ来る辛み、これなんだろうね。タバコみたいな渋みもあるし──オレは44年の人生で一度も喫煙したことないけど──、やっぱワイン的な酸が全く足りてないから、余韻はデロんと甘ったるく感じる。日本酒的なフルーティネスが樽香にレイプされるかのような、この凶暴性──やっぱ「日本酒」程度のBodyと酸じゃモンラッシェ樽に負けるわ (笑) 。どうせワイン樽で寝かせるなら、振り切ったバランスの酸っぱい酒じゃないとダメだな。





 ▲どのさとみちゃんがいいかなー。裸がいいなあ (セクハラ) 。



yamamoto_wain_taru27by5.jpg 言葉は汚いけど、似合う似合わないを全く無視して石原さとみと同じ服を着れば自分も可愛くなれると信じてやまないブス的な背伸びイズムと同じ。モンラッシェの樽で寝かせればモンラッシェ風になるか──なるわけねえだろ (笑) !

 捨てます──いや、洋食の料理酒になるか。

 でも、果敢にチャレンジした結果だから仕方ないわな。ミッドナイトブルーは何がやりたいのか全くわからんミステリー酒だったから、ムカつく気持ちも少なからずあったけど、これに関しては特に汚い修辞の連射砲をこれ以上放つほどのムカつきはない。

 甘い酒は樽熟成には向かないということが分かりました。それは「ちえびじん」や「廣戸川」に木香が似合わないのと同じ。





── 2日目の昼と夜。



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 昼間──さすがに昼間は確認程度。瓶内の液面からは樽香はさほど発散しておらず、日本酒的な果実味──何かの果物の味が抜けてブチャっとした甘みを出しつつ、やや酸化した感じ──も初日の夜よりは明らかに出てる──GA!──グラスに注ぐと、もう瓶内の液面からは露骨な樽香が。

 含むと、やっぱ旨くはない。無駄に甘いんだな。甘口のワインから果実味を削いだらどうなるよ──それ、くわなりヤバイだろ (笑) 。

 食前酒として (今) ──ほう、☆2は回避できそうなくらいには飲めるようになってきた。少し酸にムキっとした張りが出てきたことが飲めるようになった最大の理由だと思うが、相変わらず、全体には甘い。樽香は少し落ち着いて、旨みを縁取る (コーティングする) ブットい茶色い線と認識できるくらいの脇役感は出てきた──GA!──それでも特に旨い酒ではない。これさあ、普通にPure Blackとかのシッカリ酸っぱい山本で樽熟成やった方がいいんじゃない? ま、そのへんのことは造った本人が一番わかってると思うので、オレがブツクサ言うのは野暮だろう。

 普段は飲みながら記事の本番書きはしないけど──今、パソコンの前でやっすいQBBのチーズ (嫌いじゃない) をアテに飲んだりしてるけど、これ、逆に食中に甘みが増すタイプなので、ワイン酵母でワイン樽熟成だからと言って洋食なんかに合わせても、ますます甘くなって、正直、酒単体の方がマシな感じもする。やっぱワイン樽熟成をやるなら、ある程度の酸味は必須。




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 さて、評価はどうするかな。味わい的には☆2でも別にいいんだけど、やはり、チャレンジ酒としての果敢な挑戦と失敗──ここは評価したいので、☆3でフィニッシュしておこうか。実はまだ半分ほど残ってるので、適当にチビチビやりつつ、洋食系の料理酒にでもしますかね。

 あのね、この酒は「飛び道具」としては凡庸だけど、飲んだオレの記憶にそれなりの爪痕を残してはくれた。そこは「外ケ濱 - 純米吟醸 TREIZE」とは真逆と言えよう。「TREIZE」は大声で「マズい!」と言うほどの個性もない代わりに、チャレンジ精神の放棄という意味においてクソ酒だったわけだが、「和韻 ワイン樽熟成」は責任を持って「旨くない!」と叫べるが、チャレンジ精神の熱意に押されて酒に深入りするモチベーションをオレに与えてくれたという意味においては、必ずしもクソ酒ではない。結果、同じ評価です。

 取扱店の連中はちゃんと山本氏に正直な感想を言った方がいいと思うよ。そういうことが廻り回って自分の店に利益をもたらすわけだから。過保護な親じゃないんだから、いちいち熱意や努力を汲む必要はない。熱意や努力なんて、あって当たり前だろう。それくらい、オレですら、少なからずあるわ。あ、「努力」はねえか、特殊能力の持ち主だから (笑) 。


 山本とは全く関係ないけど、獺祭、やっちまったな。普通は虫が入ると栄養価が増すんだけどな。





 なにより、回収対象のロット (同じ日に瓶詰めした酒) が9,300本もあることに驚いたわ。日々どんだけ造ってるんだよ。そりゃ虫の一匹のくらい、混入するわ (笑) 。


moukan1972♂






日本酒 山本

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To まるめちさん

毎度です。


──「甘い酒は樽熟成には向かない」というのは少々早計とも思います。 というのは、「貴醸酒のオーク樽熟成」というジャンルが日本酒業界には存在していて

いつも振れ幅のあるアシストありがとうございます。そうか、「貴醸酒」があったか (笑) 。

少し付け加えると、「ワイン酵母の甘口酒」という意味ではあったのだけれど、言葉足らずでした。これ、生原酒のフレッシュ・コンディションは凄くよかった。普通、ワイン酵母の日本酒って「酸っぱいだけ」になりがちなんだけど、これはダブル酵母なので、日本酒的な甘みもしっかりあって、そのバランスがとてもよかった。

だけど、火入れでBodyがスリムになると、酸が樽香に負けて、なんか上っ面の甘みだけがベタっと浮いてしまう──つまり、甘酸による果実味を感じない。やっぱ、ワイン酵母の日本酒をワイン樽で寝かせるなら、力強い酸のコアは欲しいところ。そういう意味です。「ワインの偽物」感が凄く出ちゃったように思う。

なんというか、「山本」という銘柄属性として、やはり「酸の出方」は他の酒よりも芯があると思ってるんだけど、「和韻」はワイン酵母を恐れるあまり、なんとなく、そこへの遠慮というか、ビビリがあったように思う。生原酒ではそれがイイ感じにバランスを取れてたんだけど、この樽熟成ヴァージョンではそれが仇になったというか。

いずれにしても、「これぞチャレンジ酒」という様々な成果を見せてくれたことは楽しかった。

「満寿泉」の「貴醸酒オーク樽熟成」ね。よしよし、これで次回矢島の同梱候補がまた一つ増えたと (笑) 。

いつもありがとうございます。
2016.12.29 Thu 02:53
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Name - まるめち  

Title - 

あのコメントだけでは何なのでこちらにも(笑)
実は最近鳳凰美田ワインセルの26BY(約2年熟成)を飲んでおり、その上でモウカンさんの和韻27BYの記事を読んで思っていたのです。
「あれ、もしかしてワイン酵母利用の日本酒って、ワインと違ってそもそも熟成に向かないんじゃね?」と(笑)
明らかに甘味旨味が細って酸味が立つんですよね…、おそらく各蔵も試行錯誤の段階と思いますが、現状あまり期待できない領域ではあります。
(ただ、鳳凰美田がしっかり熟成テストしていたのは流石と思いますね)

一方、「甘い酒は樽熟成には向かない」というのは少々早計とも思います。
というのは、「貴醸酒のオーク樽熟成」というジャンルが日本酒業界には存在していて、実際満寿泉のそのお酒は外飲みしたときに非常に個性的かつ旨かった記憶があるので…(最近矢島酒店でも売ってたんですが、若干高めなので見送ってしまいました)
最近新政(陽乃鳥)も類似スペックを出してましたが、それは満寿泉や達磨正宗が既に通った道のようです、新政は本当秀才肌というか、一種保守的な性質も強く感じますね。
そういう意味では、山本は真の意味でチャレンジングなのかも…、ちょっと暴走しすぎな気もしますが(笑)
2016.12.29 Thu 02:15
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