◤東鶴 - 特別純米 雄町 荒走り 生原酒 27BY ── dಠಠb「まるでボンタン飴 (笑) 」 




 佐賀の東鶴 (あずまつる) です。はじめて呑みます。読者さんが今の時期に24BYという、あまり参考にはならない熟成ロットを愛飲しているんですが──そこらで普通に手に入るか、そんなもん (笑) !──、こちらは27BY7月出荷の「あらばしり生原酒」です。どうだろう、小さな蔵だし、おそらくは春先に搾ったロットの「おかわり分 (back order) 」だと思います──つまり、そこそこ飲み頃に育っていそう。




東鶴酒造1
 ▲蔵のジンボルである、この風情溢れる煙突は、今は使われていない模様。




 さて、こちらの蔵も、今や現代日本酒の典型的な枕となった、例によって例の如くのアレ、つまりは──

 息子、故郷に帰る──。

から始まった酒です。詳しい事はHPに書いてあるので省略しますが、6代目の蔵元杜氏のデビューは20BYなので、まだまだこれからの銘柄であります。


 生産量は26BYの時点で約200石 (一升瓶換算で20,000本) と極少──ちなみに「だっちゃい (獺祭) 」は社長の目標である10,000石を突破した頃ではないだろうか──27BYはあちこちでよく見たし──ちなみにPart2、同じ佐賀の「にょにょちま (鍋島) 」は遂に1,200石まで増えたそう──そしてアタリのロットはマクドナルド曲線 (放物線) を描きながら激減してるっていう (笑) 。

「東鶴」は徐々に有名酒店での扱いも増えているようなので、すでに地酒フリークスたちの間では覚えのめでたい銘柄かもしれない。味わいに関する事前知識は全くないので、先入観を持たず、素直な気持ちでいただきます。佐賀の地酒だから、多少は甘口なのかな? やめよう、やめよう、そーゆーことを考えるのは。スペックは雄町100%の60磨きの荒走り生原酒。




azumatsuru_omachi_arabashiri27by1.jpg

azumatsuru_omachi_arabashiri27by2.jpg
 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【243】東鶴 -あづまつる- 特別純米 雄町 荒走り 生原酒 27BY <佐賀>

東鶴酒造 株式会社:http://www.azumatsuru.server-shared.com


Moukan's tag:




azumatsuru_omachi_arabashiri27by3.jpg 立ち香は穏やか。鍋島のオレンジを清楚で軽やかにしたようなニュアンスもありつつ、どうだろう、うっすらマスカット、酸は柑橘系カラーなタッチも。甘やかさには水飴みたいな光沢感のある質感、旨みの輪郭には米由来の膨らみもある。うん、旨口の先読み、あるぞ。おお、グングンいろんな要素が出てきた。穀物由来の香ばしいミネラル感もうっすらある──麦チョコなんかで感じる、サクっとした香りの質感。


 色は割りと付いてます。

 含みます──。

 こりゃ、寝過ぎだ (笑) 。もはや、そもそもフレッシュ・コンディションがどういう味わいだったのか、まるで想像ができん。完全に「チョコ化」が進んでます。水飴のような甘さと、熟味としてのチョコが合体して、やや駄菓子ライクな──チロルチョコやチューブチョコみたいな味の輪郭 (笑) 。少し安っぽい、懐かしい甘さの表情。言って参考になるかは微妙だけど、「南方 - 純米吟醸 無濾過生原酒」なんかで感じた甘さと同一。DE、このニュアンスは個人的にそれほど得意なわけではない。


 グラスを変えようか──。




azumatsuru_omachi_arabashiri27by4.jpg




 逆に渋くなるな。これはもはや「お燗向け」の酒だな。つうか、少しムっとした糊のようなテクスチャーが、まるでボンタン飴みたいなんだよなあ (笑) 。たぶん、ボンタン飴とチョコバットを一緒に食べたらこんな感じだよ。ちょっと判定不能だなー。

 まあいいや、この銘柄、このスペックについての記事としてではなく、熟した旨口酒とどう付き合うかという方向に話を変えよう

 露骨に最初から最後まで甘口の酒というわけではないな。ド頭は甘いけど、わりに渋辛のアタック感は強め。モダンとは程遠い味曲線で、イイ意味で田舎風情に溢れた、朴訥と和みキャラな酒──少なくとも今回のコンディションにおいてはだけど。

「あらばしり」だけあって、情報過多な味わいという意味での雑味感はないけど、こうも熟してしまうと、シルキーなジューシイさは遠い過去に忘れて来てしまってはいる。熟した亀甲花菱なんかもこういうタッチになるけど、あっちは酸の張りがあるから、熟味としての〝well-madeさ〟は上なんだよな。

 お燗にしてみようか──。


azumatsuru_omachi_arabashiri27by5.jpg まあまあかな。基本的な輪郭は変わらないけど、甘みは人懐こくなった。ミルキーな旨みもポチャっとファニー。カカオ様の渋みは力強いけど、不思議とアルコール感は控えめに。どっちがいいかで言えば「お燗」かなあ。RS (冷酒) だと少しアフターのキレ上がりが強いかな。この酒の野暮ったさ、愛らしさが活きるのはお燗だと思います。

 しかしまあ、26BYの篠峯なんか1年半以上経ってもフレッシュのままなのに、銘柄によってここまで変わるかっていうくらい、熟成が進んでるよ──店の冷蔵庫の温度問題もあるが。個人的には嫌いじゃないけど、初めて飲む銘柄でこれというのは、少し残念。だって、これじゃあ、「東鶴」がどんな酒なのか、まるでわからんよ (笑) 。ま、ボンタン飴ということは、柑橘系の酸は出てるんだろうな。

 ちょっとRS返ししてるけど、マドレーヌみたいな甘酸も感じる。実際にはそこまでハイカラじゃないので、小学6年生が家庭科の授業で作った野暮ったいマドレーヌかな (笑) 。まあ、我々夫婦とは違い、小学生の娘さんがいるお父さんならホッコリできるでしょう。あとは、カノジョという生き物が──よせばいいのに──自前で作る粉っぽい白いクッキー。そういや、別の読者さんがダッキー (抱き合わせ) で掴まされた酒粕でクッキー作って──レシピはコチラ──奥さんに大絶賛されたらしいから、クッキーも出来栄え次第か (笑) 。

 最後の一杯はお燗で──。

 う〜ん、このボンタン飴みたいなオブラート風味が少し気になるなあ。うちの読者さんは東鶴を24BYの生酒で楽しんだようだけど、一体どこまで育ってるんだ、コハク酸が (笑) 。「チョコ、熟味、柑橘系、旨口」という括りであれば、一応、お礼に「千代 - 純米 キヌヒカリ60 無濾過生原酒 26BY」をオススメしておきます。まだココで買えます。機会があれば。実はレアで都内の酒屋では見たことないです。

 しかし24BYって、どんだけなんだよ。スゲえなあ。想像もつかない (笑) 。


moukan1972♂






日本酒 東鶴 雄町

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To kappa1970♂さん

kappaさん、毎度です。

なんかもう、オヤジ3人のコメントが入り乱れ過ぎて我ながら目が眩みますが (笑) 、こちらこそいつもありがとうございます。なんとかクリスマス1週間前までには記事にしたいですね──って、僕はコメ欄を整理するだけですけど。なにげにkappaさん発の企画ですね。

有名ブロガーって僕のことですか (笑) ?
まさか。
うちは路地裏の屋台ですよ。ただし、稀にトンデモナイ料理が出てきます。

いやあ、今年はCUPや300mlも含めると、既に230本ですね。まあ、夫婦二馬力なので、4合瓶だとすぐになくなりますが。。

東鶴は他のヤツをちゃんと飲まないと何とも言えないですね。かなり熟してました。これ、本当に27BYなのかなあという感じです。蔵に余ってた26BYだと言われても納得するレベルです。

お世辞ではなく、僕もkappaさんのコメントから様々なインスピレーションをもらってますので、僕は創作 (記事) を仕上げることでお返しするだけですね。

これからも楽しく盛り上がって行きましょう。萩の鶴に赤とんぼ、真打ちが控えてますね (笑) 。
2016.11.30 Wed 01:47
Edit | Reply |  

Name - kappa1970♂  

Title - 感謝

moukanさん

こんばんは。

ご縁があって、たまたまたどり着いた有名ブロガーの方のコメント欄に、日本酒歴1年も無いガキ(絶対値としてはおっさんです)が遠慮もなく書き殴ったノイズの中から、いろいろと拾い上げていただくことのありがたさ、筆舌に尽くしがたいです。

私は週に1銘柄程度、月にして4銘柄、年にして多くても48銘柄程度しか味わうことができないので、すでに400本越えのmoukanさんには絶対に追いつけない鈍足ですが、今月来月とmoukanさんと同じ銘柄で帆走させていただく機会を得ましたので、愉しませていただきます。

もっと経験値を挙げ、自分なりの藪漕ぎの中から見つけた銘柄を、しれっとまたコメ欄に残したいと思います。

繰り返しになりますが、いつもありがとうございます。
2016.11.29 Tue 23:55
Edit | Reply |  

Add your comment