もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 その吟醸、720mlが840円ナリ。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤昇龍蓬莱 - 生酛純米吟醸 雄町60 槽場直詰 生原酒 27BY ── dಠಠb「まるで大型建造物の精巧なミニチュアのような、味覚の遠近感を惑わすストラクチャー」#Wine Oriented, Spicy 




マチダヤ試飲会2016昇龍蓬莱 昇龍蓬莱です。26BYからは、速醸タイプを「残草蓬莱 (ざるそうほうらい) 」、生酛系を「昇龍蓬莱 (しょうりゅうほうらい) 」と明確にブランド分けしていて、中でも原酒でALC度数12の「残草蓬莱 QUEEEN 27BY」は「新政ナニソレwww 」の☆6酒ですが、今回は生酛系ブランドの昇龍蓬莱から、雄町の60をチョイス。

 ちょっと前、今日のコレと間違えて火入れの26BYを買ってしまいましたが、本当に飲みたかったのは「槽場直詰 生原酒」ヴァージョンです。全く同じコンセプトの「阿波山田錦77 槽場直詰 生原酒」も素晴らしい完成度だったので、今回も期待ジャイ (大) です。

 ちなみに、これからの寒い時期には昇龍蓬莱の「特別純米 古酒ブレンド」なんかもオススメです。もちろん、お燗で飲むこと前提ね。先日の試飲会で蔵元さんに「昇龍蓬莱の低アルで13度のKINGを造って下さいよ!」と半分本気でリクエストしておきましたので、もしも28BYに新発売されたら、それはオレとの合作ということで (笑) 。




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 ▲嫌われないように体裁を繕うエリートババアより、嫌われてもお構いなしの成り上がりジジイを国民は選んだということか。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【231】昇龍蓬莱 -しょうりゅうほうらい- 生酛純米吟醸 雄町60 槽場直詰 生原酒 27BY <神奈川>

大矢孝酒造 株式会社 (by 神奈川県酒造組合) :http://www.kanagawa-jizake.or.jp


Moukan's tag:




 出荷が今年の5月なので、そこそこ寝てるとは思うけど、酸度も日本酒度も高めなので、そうそうには崩れないでしょう。問題は、山田錦のようなフルーティネスの力強い発散があるかどうか。長陽福娘の例があるので、雄町だからといって安心はできない。

 立ち香──来ましたよ。まるで「風の森」がグレて「風来坊の荒野」になったかのような、力強く軋むような白ブドウ様の酸──そのコアに潜むスモーキーなマントを身にまとった甘みと旨みの予兆。

 山田錦よりもコケティッシュというか、イイ女が振り向き様に流し目でこちらをツンと眺め、我らの股間の小さな風呂敷がブルブルと萎縮するような、ある種の蠱惑 (こわく) がありますよ。加えて、やや〝おばあちゃん家の桐箪笥〟も若干──この場合は〝花魁の巾着〟か。


shouryuhourai_omachi60_jkazume27by4.jpg キタね。やはり田酒の山廃純吟はクソですね。

 まず、ガスはちゃんと分かる程度には残ってます。キメの細かいチリっとした心地良い粒子感。そして味わいは、まさに「風の森」を少し不良にしたようなタッチ。そして、速醸にはない、この強烈な旨みのプレス感。山廃より更に密度の高い──まるで硬くなったチューブからなかなか出てこない接着剤みたいな酸。

 旨いっす

 初心者どもが褒め言葉として勘違いしている、「飲みやすぅ〜い♡」という言葉なんか絶対に出てこないような、情け容赦ない激烈なミネラル感。基本、「女子供はすっこんでろ」系の媚びない味設計です。


shouryuhourai_omachi60_jkazume27by5.jpg 甘みは表面を軽く優しくコーティングする程度で、次の瞬間にはギュイ〜ンと旨みがプレスされて、そこからニュルニュルと溢れる高密度の酸によって蹴散らされます。最初に感じた甘みは何処へ? 慌ててキョロキョロと周囲を見渡しても、もうそこには甘みの影はない。ただ、潰された旨みの中から──煙のような苦みの中から、なんとなくその面影が亡霊のようにユラユラと・・・。

 フルーツはフルーツでも、これは極小のベリー1粒の中に1房分の味わいが全て凝縮されているかのような──まるで大型建造物の精巧なミニチュアのような、味覚の遠近感を惑わすストラクチャー。これを「旨みが少ない」──それとも「旨みが濃い」と捉えるかはアナタ次第。現状、似たようなタイプの酒としては、竹泉の山廃より、完成度・洗練度においては上でしょう──ただし、竹泉の方が更に不良度は高い (笑) 。

 たとえば客に黙って高級フレンチでこれを出して「ふざけるな、誰が日本酒を頼んだ!」と声を荒げて文句を言う客は少ないでしょう。むしろ、「この白ワイン、少し変わってるけど美味しいですね」とすら言いそうだ (笑) 。


shouryuhourai_omachi60_jkazume27by6.jpg リーデルより小さめのグラスの方が断然いい。空気に触れ過ぎると酸っぱみが割り増しになる。グラスの水面と口の距離は近い方がいい。そもそも香りを楽しむ酒でもないしね。

 最初は山田錦77よりしっかり甘みを感じる時間帯も多かった──というより、わかりやすくフルーティーな一面も多々あった。ところが、飲み進めて行くと徐々に荒々しさというか、むしろ若々しさが顔を出す。山田錦とは違い、あと半年引っ張った方がいいんじゃないかというくらいにタイトでスリムなライン。その分、味の濃い料理にも負けないけどな。これさあ、あれだよね、丸1年ほど冷蔵で寝かせて、引き続き今度は半年常温放置で完成みたいな酒じゃないかな。

 昇龍蓬莱の槽場直詰シリーズは、「風の森サイコウ!」という飲み手が同じ建物の別の階層にチャレンジする際の最初の銘柄かもしれない。山田錦77の方が重層的で呑むことに対するエンタテインメントは上。ただ、今回の雄町はデイリーユースで気軽に洋食や味の濃い料理と一緒に楽しめるから、いつも言ってるあれですよ、

 仕事帰りに立ち寄った成城石井 (駅ナカ/線路下の安くないスーパー) で店員の頼りないテキツーなコメントと自身の全くアテにならない感性を頼りに「辛口」「フランス産」「1500円〜2000円」「なんとなーく白ワインな気分」という条件を吟味──したような気になって頑張って選んだ白ワインがこれに勝つということはオレがアメリカ大統領選で勝利して安部総理に「今すぐ日本酒専用の冷蔵コンテナを作ってアメリカ全土に徹底した温度管理で生酒と直汲みを安定供給させる流通インフラを1年以内に実現しろ」と命令する以上にあり得ない話

──ではあるだろうね




── 2日目。



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 残り少ないのでお燗で──。


 うわ、酸っぱ! まるでザクロのお酒 (笑) 。酸による力強い旨みのプレス感が増幅されて、ハイチュウ度はマシマシ。

 しかし、温めると、ますます若さが浮き彫りになるな。もうこれ、2年くらい熟成させた方がいいんじゃないのかな。若いワインみたいな酸っぱさ。少しスモーキーな旨みの中に米感もしっかり感じるけど、まだまだ膨らみは足りてない。もともと少し尖った酒だけに、RS (冷酒) より愛嬌のある表情になるけどな。

 この状態 (熟成状況) だと、まだまだ酒単体でドッカリ楽しめるまでには育ってないけど、食中使いにはいいと思う。タイトでスリムだけど、プレスされた中にも旨みも感じるし、こういうのを日本酒におけるモダンな食中酒と言えるんじゃないかな。

 とはいえ、開けたての一杯目が一番インパクトがあって旨い酒で、徐々に若さ、荒々しさが表立ってくる。嫌いじゃないけど、☆4に下げておきます。


moukan1972♂






生酛 山廃 雄町 日本酒 昇龍蓬莱 残草蓬莱

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

──山同敦子さんによれば、今日本酒史上最高の品質なんですってね。

ある一面の見方をすればそうでしょうね。
でも、鍋島は24BY、25BYがピークでしょうね (笑) 。
篠峯も26BYがピークです──今のところ。
而今もかつてのようなドッカリ甘旨な酒はもう造らないでしょうね。
十四代然り、杜氏もどんどん歳を取って、軽い酒質を好むようになりますからね。


──そう言う意味では、もっともっと日本酒が海外で評価され質と価格が上がる余地はあるでしょうね!

誰にもわかりませんね。
今でも十四代や而今は普通に買えませんが、こういう銘柄がどんどん増えて行き、10年後に「おい、それまで買えないんかいっ!」という時代になっていないとは誰にも言えませんよね。

今は「ほぼ買いたい放題」ですね。でも、そうやって入手困難になったり値段が跳ね上がるとニワカが寄って来て買い出すから、また上がるっていう。バブル時代の越乃寒梅なんて投機対象でしたからね。

最近は読者の人がいろいろ教えてくれるので助かってます。
鍋島の特純の生原酒も、サンジュリアンさんの推しなければ本気で手に入れてなかったかもしれません (笑) 。
2016.11.11 Fri 16:20
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Name - サンジュリアン  

Title - 

山同敦子さんによれば、今日本酒史上最高の品質なんですってね。
でもユーザーのレベルが上がらないと良いものは育たないし、市場も出来ないという事なんでしょう。ワインのように海外でヒエラルキーが確立してる物はミーハーな人がすぐ飛び付くので簡単でしょうが、日本酒は評価基準が一般にまで降りてきてないので、質の高さにユーザーの味覚水準が追い付いてないということでしょうか?
1998年に半年ほど山形の酒田市に居た時に、寮の近くにある木川酒店にワイン見に行ったら、新聞紙に包まれた一升瓶が冷蔵庫に入ってたので、気になって聞いたらふな口だとか出品用の特別誂え品とか生酒んだとか説明されてましたが、当時日本酒に余り興味無かったので一度だけ4000円くらいの新聞紙酒買って家内の親父に持って行っただけで自分では飲まなかったです。今思うと20年前でもそういう酒屋さんが有ったということですね。当時高いものは2万円位してたのでラフィット・ロートシルトより高かったこと覚えてます。今デパートでラフィット・ロートシルト10万円位ですが、流石に正規価格で10万円の酒って余りないでしょうね⁉
そう言う意味では、もっともっと日本酒が海外で評価され質と価格が上がる余地はあるでしょうね❗ 
既にウイスキーがマッサン効果か価格急騰、入手困難になってますね。
一般の人はミーハーですから、雑誌やTVで取り上げられてトレンドにならないとブームにならないですよ。今が手軽に珍品を手に入れられる最高の時期かもしれませんね❗頑張って良いもの見つけて下さい期待してます。
2016.11.10 Thu 22:59
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Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

ま、僕の「成城石井」ネタは、ある種の枕──揶揄の決まり文句ですね (笑) 。

でも、周囲の一般人は、ホント、適当にワインを買ってるだけのくせに「ワイン大好き!」とか平気で言ってるんですよ。「昨日はタスマニアワイン飲みました!」みたいな。日本酒好きは「昨日、新潟酒飲みました!」なんて言いませんよね 。村祐と越乃寒梅、同じですかっていう (笑) 。

でも、ワインの世界制覇には少し羨望を抱くこともありますよ。これだけ適当かつライトな飲み手を魅了するとは、驚くべき事態です。そういう無知でライトな飲み手を取り込まないと日本酒もワールドワイドには羽ばたけないんですが、そうなったらそうなったでイヤですけど (笑) 。

ま、我々も以前、たまーにワインを買って飲んでましたが、せいぜいデーブルワイン価格でお気に入りを見つけては、そればかりを買うの繰り返しでした。白ならアランブリュモンのガスコーニュ・ブラン、赤ならディエゴ・デ・アルマグロのレセルバ 、いづれもスーパーなんかで普通に買える代物です。5〜6年前は円高だったので、1,000円前後で買えましたしね。

稀に気まぐれを起こして適当に2,000円オーバーのワインを買うこともありましたが、サンジュリアンさんが「日本酒って安過ぎ」と仰るのは、僕らも身に沁みてます。だって、日本酒なら、別に1,500〜1,800円で超旨いヤツ、普通に買えますからね──秀鳳の出羽燦々33しかり。思い起こせば、たまに奮発して買った2,000円の白ワイン、☆4.5の日本酒の足元にも及ばないですよね。

なので、元々ハードなワイン愛好家であるサンジュリアンさんみたいな人が、今は日本酒にハマっていることって、なんか勝手に誇らしい気分になるんですよ。もっと気づいて欲しいですよね。僕も以前はmoukan1973♀のfacebook上で友人相手に日本酒の啓蒙活動 (ブログの前身) のようなことをしていましたが、ヤツら、全然ダメですね。誰も僕の勧めた日本酒を買おうともしませんから。

というわけDE、もうバカ舌連中を啓蒙することは諦めましたよ。ブログを始めたのは、連中に対する怨念がモチベーションになってたりしますね (笑) 。

死ぬまで成城石井でワインを適当買いしてりゃいいんですよ。フランスやイギリスの日本酒愛好家は飲みたくても直汲みや生酒を口にできないというのに、バカですよね。うちら、日本人であるというだけで最強ですよ。もう買いたい放題、飲みたい放題。しかもどんなに旨くても、十四代と而今と飛露喜以外は、いつでも「ほぼ正価」で買えるっていう──最高です。

2016.11.10 Thu 21:42
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Name - サンジュリアン  

Title - 

成城石井ですか、あそこワイン安くないですね。自分の所でインポートして他店の方が安く売ってるのをみたことあります。
ワインは葡萄の熟度で質が決まるので木一本から何房成らせるかが重要のようです。ロマコンで木一本でワイン一本つまり葡萄1kg、貴腐のイケムはグラス一杯とか言われてますね。
ドライな白ならチリ、ニュージイ、オージイの¥2k前後 チリで売価2kのワインって最上級に近いので有れば外れないと思います。個人的にはニュージイのSB(ソービニオン ブラン)を勧めますが、、
フランス産の銘醸品だと¥3kからですかね、出来れば5k以上出さないと厳しいかも、、、
プレミア価格で買わないなら日本酒って安過ぎですね〜

2016.11.10 Thu 20:02
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