◤冩樂 - 純米吟醸 羽州誉 なごしざけ 27BY ── dಠಠb「まさか冩樂で☆5が出るとは、一番驚いてるのはこのオレだ (笑) 」#Fruity, Women 




マチダヤ試飲会2016冩樂 冩樂は今年2本目。26BYは自己嫌悪に陥るほど呑んだけど、正直「そこまでかなあ」という印象──雄町生と純米生が個人的なツートップ。酒屋や飲食店の評価は高いし、飛露喜の杜氏も『日本酒ドラマチック 進化と熱狂の時代 山道敦子著』のインタビュー記事の中で、なにかと「冩樂」を話題に上げていたし、玄人筋には一目置かれてる酒なんでしょう。

 ま、後発組のオレからすると、なんとなーくの印象論で「磯自慢〜十四代〜飛露喜〜醸し人九平次」の系譜上にある、「トラッド吟醸派のアップデート酒」といった感じ。飛露喜の杜氏は「ポストモダン」的なアプローチで評価していたけど、「ポスト」というよりは、オレからすると「遅れてきた本格派」という印象。もちろん、これは悪い意味で言ってるわけじゃないけど、前例や常識を引っ繰り返すほどの破壊力のある酒質でもコンセプトでもないし、時に少し歪にも写る「冩樂礼賛」という現象は、ドッカン甘旨生酒ファイヤーな御時勢にあって、たまたまその高貴な優等生イズムが相対的に時流から浮き出た結果なんじゃないかとも思う。


sharaku_nagosizake27by3.jpg 今回の「なごしざけ (夏越し酒) 」は、冩樂における「秋酒=ひやおろし」的な立ち位置の商品で、使用米は「十四代」でお馴染み高木酒造の三部作──「酒未来」「龍の落とし子」「羽州誉」──のうちの一つ、「羽州誉 (うしゅうほまれ) 」を50%まで磨いた純米吟醸、一回火入れです。

 マチダヤ試飲会の資料によると、「日本酒度:+2、酸度:1.5、酵母:F7-01」とのこと。ちなみに「F7-01酵母」は「うつくしま夢酵母」という名で一般には知れ広まっているかな。リンク先のHPを見ると「バナナ・メロン系の華やかで酸味の少ないソフトでマイルドな味わい」と説明されてるけど、実際はどうでしょう。

 試飲した時に感じた、ちょっと艶のある柑橘系の酸を家呑みでも同様に体験できるかな。冩樂の「なごしざけ」は初めてなので、楽しみです。

 補足すると、25BYまでは「純米吟醸 羽州誉55」としてリリースされていたみたいだけど、26BYについては、27BYと同じく「なごしざけ」として発売されていたことを記憶してます。蔵のHPでも、羽州誉は「なごしざけ」として紹介されてるので、今は磨き50にグレードアップして明確に秋酒として売られてるんだと思います。


 酔いどれオタクの日本酒感想記
 冩樂 純米吟醸 羽州誉 一回火入れ 25BY (※ある意味、とても貴重な過去スペックの資料)




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▲もはや突っ込む気にすらなれない没個性な黒縁メガネ。この程度では警察も相手にしてくれません。「いま一番買ってはいけないメガネ」の代表格です。数年後に死にたくならないためにも、オレの言うことは信じておいた方がいいDeath。


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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆

【224】冩樂 -しゃらく- 純米吟醸 羽州誉 なごしざけ 27BY <福島>

宮泉酒造:http://www.miyaizumi.co.jp


Moukan's tag:




sharaku_nagosizake27by4.jpg 個人的な「冩樂体験史」において、今回の羽州誉は、26BYの様々なスペックで感じた冩樂的なセメダイン香は控えめ。とはいえ、似たような意味ではあるものの──そこは明確に使い分けたいという意味で──、確かに硬質でツヤツヤのエステル香はあって、一応、ここでは恣意的な使い分けとして、「酸に乗ればセメダイン」、「甘に乗ればエステル」と区別しておこうと思う。フローラルの領域に届くためには少し控えめな質量の立ち香なので、「エステル」という言葉に馴染みのない人には「甘やかなセメダイン」とでも言い換えておこうか。

 火入れの冩樂は久々だけど、なんというか、一皮むけた感じもする。やや柑橘系の酸もありつつ、乳酸っぽい甘酸っぱさもあって、そこが今までの冩樂像を書き換えるというか。一瞬だけど、九郎右衛門の山廃雄町なんかを思い出した。なんだろうな、甘酸の発散が少し外に明るく押し出された印象を受ける。優等生的な退屈さから解放されて、屈託のない、愛嬌のある香りになったというか。

 ごめん、旨いわ。

 まず最初に正直に言っておくと、 オレが今まで飲んだ数々の「冩樂」の中で一番旨い。こう見えても、結構な数を呑んできてるので、そこは信用してもらおうか。これは酒米の問題ではなく、オレの知らないうちに達成されていた27BY上の脱皮なのかもしれない。危ない危ない。これだからBY単位で (その銘柄を) 切るのは危険なんだ。知らないうちに何かを飛び越えて旨くなったりするからな。最後が少し力強く苦いけど、言うならマーマレード的な苦みというか──つまり、苦みに唐突感がなくて、一連の流れの中で受け止めることのできる苦みだから、これは「あり」な苦み。

「冩樂」でそれを感じるのは意外に初めてかもしれないけど、果実で言うと、煮詰めたリンゴのようなエキス感もある。「F7-01酵母 (うつくしま夢酵母) 」は「バナナ・メロン系の華やかで酸味の少ないソフトでマイルドな味わい」ということらしいが、この酒に関しては冩樂的なバナナをそこまでオレは強く感じない。たしかに、このエステル香に対して、より強く酸に寄り添えばバナナを感じる時間帯も多くなるかもしれないけど、酸より甘が前に出てるので、むしろ柑橘系の表情として感じる酸だと思うんだ。バナナにおける甘酸よりコントラストは激しいというか。そして、ここには適度な凝縮感もあって、これまた冩樂で感じたことのない、まるで果実を丸かじりしたようなジューシイさもある──口に含んだ時の〝球体感〟とでも言おうか。

 moukan1973♀は含んだ瞬間、♡☺♡「言っていい? 果汁か!」と言ったけど、露骨に果汁とまでは言えなくとも、これは歴然とジューシイな甘酸の発散があるとは言える。


sharaku_nagosizake27by5.jpg おかわり──。

 相変わらず、アトラクティヴに攻め込んでくる風味はないんだけど、最近飲んだトラッド吟醸系の様々な酒の中では、それでも頭一つ抜けてると認めざるを得ない。個人的な好みで言うと「そこまでじゃない」という気持ちもありつつ、これは盃が止まらないだけの旨さはあると思う。

 味のコアを支える酸はそれほどのメリハリ感を放つ力強さはないものの、フワフワと泳ぎ気味の果汁感に、一本しっかり芯を与えるほどには存在感があって、それが液体としてのフィネスを基礎から支えている感じだ。

 おうよ、ぐんぐん味が出てきた。食中なのに味が潜らない。味乗りは抜群。そこまで重い飲み口じゃないけど、個人的には「冩樂史上最高にファットな飲み口」かな。ストイックながらも、粘度豊かで、ふくよかなストラクチャー。徐々に甘みがビヨ〜ンと伸びて来た。つうか、スゲえ味が出てきた。なんかね、チューブからニュルニュル旨みが溢れ出る感じ (笑) 。

 ここまでの酒を突き付けられると、「おい、他の27BYは一体どんだけだったんだ!?」という気持ちにさせられるが、あーあ、せめて「山田錦の火入れ」と「雄町の生」くらいは呑んでおくべきだったなー。27BYは4合瓶でも展開してたし、マチダヤでも普通に見かけたし。

 4合瓶が売り切れてたから仕方なく一升瓶で買ったけど、我が家的には一升瓶で正解でした。4合瓶だったら1日で呑み切ってたもの。これだけの酒を明日も呑めないなんて、それはとても淋しいことだ。☆5です。まさか冩樂で☆5が出るとは、一番驚いてるのはこのオレだ (笑)




── 2日目。



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 ところで昨日、moukan1973♀は、酔った勢いで、♡☺♡「篠ちゃん (篠峯の愛山45生) より上!」などとヌカしていたが、断じてそれはない!──とだけはオレが念を押しておく。ただ、マチダヤ試飲会シリーズ──「蒼空/ひやおろし」「日高見/短稈渡船60」、加えて、最近の秋酒シリーズ──「萩の鶴/無加圧直汲み」「一白水成/山田錦」の中ではTOPではあるだろう──悔しいけど (笑) 。それでも「村祐の茜ラベル生熟」だけはこれに張るかもしれない。とはいえ、そこは磨き50ならではのエレガンスが僅差で茜をかわしたということでもあるんだけど。


【201/3.5一白水成 純米吟醸 山田錦 (冷やおろし) 27BY <秋田>
【208/4.5萩の鶴 特別純米 山田錦 無加圧直汲み 処暑の酒 27BY <宮城>
【213/4.0蒼空 純米 ひやおろし 27BY <京都>
【218/4.0日高見 純米60 短稈渡船 27BY <宮城>
【221/4.5村祐 茜ラベル 特別純米酒 一夏生熟成 27BY <新潟>


 さて、今宵は2つのグラスで飲み比べ。昨日の印象だと、口と酒の距離が短い方がエキス感を楽しめるように感じたけど、実際にはどうだろう。


sharaku_nagosizake27by7.jpg 立ち香には、一瞬、トラッド吟醸なバナナ感もあるんだけど、すぐに明るめの酸が被さるから、やっぱ、柑橘系の爽快さを感じてしまう。華やかで派手な香りではないので、あくまでも味わい重視の香りだけど。

 今日も旨いなチクショウ──。

 結論から言うと、オレは「ぐい呑み」の方が好きだ。こっちで呑んだ方が酸のカラーがイエローやオレンジに感じる。ただ、リーデルの方がストラクチャーはふくよか。優しくクリーミイで、少し濁ったような舌触り。

 そんなに香る酒でもないので、シャキっとクリスタルなエキス感を得たいなら、酒と口の距離は短めの方がいいと思う。言うなら、 ぐい呑みは「カッチリ」、リーデルは「ふんわり」かな。もともとオレは試飲会で酸に魅力を感じて買ってきた経緯があるので、やはり「カッチリ」したストラクチャーを満喫できる「ぐい呑み」の方が好み。

 温度帯は、基本的にはRSゾーン (れいしゅぞーん) だろうね。冷たいなら冷たいで、より酸を力強く感じれるからそれはそれで悪くないし、温度が上がってくると、甘みやエキス感も前に出てくるからそれはそれで悪くない。要するに、食中ダラダラ気にせず飲めるという点もこの酒の評価を高める一つの要素でしょう。同じ値段の白ワインでこのクオリティは不可能だろうしね。いつもオレがシツコク言ってるあれですよ。









 仕事帰りに立ち寄った成城石井 (駅ナカ/線路下の安くないスーパー) で店員の頼りないテキツーなコメントと自身の全くアテにならない感性を頼りに「辛口」「フランス産」「1500円〜2000円」「なんとなーく、ホワイワイっ (なんとなく白ワイン) 」という条件を吟味──したような気になって頑張って選んだ白ワインがこれに勝つということはオレが渋谷交差点で「サラリーマンの仮装」をしてシレっとハロウィンに参加する以上にあり得ない話──ではあるだろうね。

 今日は少し、食中に甘みが潜って、苦み&渋みが強く感じるけど、一升瓶が2日で空いてしまったので、篠峯の愛山45には劣るけど、オマケで☆5のままでフィニッシュしておきます。冩樂・・・新酒の純米生、2年ぶりに買っちゃおうかな。


moukan1972♂






日本酒 冩樂 メガネと酒

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 日本酒初心者さん

こんちわー。

愛山の26BYはオレも☆3.5をつけてます。
ブっちゃけ、もう一つでしたね。
イイと思える瞬間もあるにはあったけど。。

雄町生、純米生の他では、山田錦の火入れもなかなかでした。
純米の「初しぼり生」は、値段も安いし、軽めのオシャレ旨口酒という印象です。
酸の輪郭がありつつ、中は軽旨で、スカっとキレる。
オレの中では今回の羽州誉と似たようなラインですね。
ちなみに「純吟おりがらみ生」は個人的に少し苦手──26BYの話だけど。

宝剣か・・・。
そういう捉え方もあるかあ。
面白いなあ。
宝剣の方が色気とケレン味があって、
なんというか、冩樂を劇画調にしたという印象だけど (笑) 。

でも、言わんとすることはわかる気がします。
オレの発想にはないけど、確かに通奏低音レベルではつながるかも。
面白いなあ。

あああ!
でも、言われて思い出した。
宝剣の純米生も、確かにストラクチャーが冩樂の純米生に似てるわ。
酸の縁取りがあって、中が軽くて、程よく旨口っていう。
ま、宝剣の方が木香や袋香にクセはあるけど。
(一応、宝剣はブログ開設前に3種類ほど飲んでます。)

いやあ、面白いなあ。
貴重なインスピレーションありがとうございます。
いろいろつながりました。
いつか、記事の中でパクるかもしれません (笑) 。
2016.11.01 Tue 01:30
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Name - 日本酒初心者  

Title - 27BYは呑んでないな~

こんばんわ~
今まで、写楽は純米吟醸 愛山とこの羽州誉しか呑んだことないです。
両方とも26BYで、愛山より羽州誉の方がかなり良かったとメモしてます。
愛山は冷蔵庫で数か月寝かせて開封したのですが、全く味がのってなくて、
3合くらい呑んで、3週間くらい冷蔵庫に保管。その後はおいしく呑めた記憶あります。
羽州誉は初日から結構おいしかったです。
ハンバーグをあてに呑んだようなので、個人的には、写楽は、香りの印象が残ってて、
甘みより旨みと酸がメインの食中酒系のお酒と思ってます。
その点では、宝剣なんかに通じるかな?と思ってますが、どうでしょう?
でも、やはり、写楽語るなら純米(生)呑んでからだろって話しですよねー
28BYは純米入手して呑もうかと...

2016.11.01 Tue 00:56
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Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

米の出来に関しては篠峯の堺杜氏も「27BYはよくなかった」と言ってましたね。まあ、微生物の仕事にかかってくるので、計算できない要素も多いですしね。ブドウのように、その場で食べてすぐに味見できないところが米の難しい部分かとは思います。

冩樂の「純米 初しぼり」は僕も高評価ですね。あのなんとも言えないエキス感というか、酸にコーティングされた軽やかな旨みのプロポーションというか、「旨い」というより、「気持ちいい」酒ですね。28BYは久々に買ってしまうかもしれません。

秀鳳、山田錦47生の最終便が出回ってます。こちらもオススメです。出羽燦々33に比べると、少しミルキーでファットな飲み口かもしれません。それでもスルスル飲めますけどね (笑) 。
2016.10.31 Mon 13:02
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Name - Guest  

Title - 

モーカンさんの評価見てると、BYで同じ酒の味が随分違う様ですが、これってコメの出来不出来か醸造環境(スキルも含め)のバラツキなんですかね〜〜 ワインはご存知の様にヴィンテージで月とスッポンの差が出ますが、所謂グランヴァンの話で日常用は正直余り関係ないのが多いので賞味期限の目処位しか意味なさないですけど、
27BYから写楽の純米、純米吟醸の播州山田、初しぼり、普通の純米吟醸など7-8本飲みましたが、安定してて外れはないという印象です。娘婿は普通の純米吟醸より純米の方が旨いと言ってました。純米の方が味の乗りが良い感じはしましたが、純米吟醸大人買いしたので一升瓶で7-8本残ってる筈です。
さて、秀鳳が気に入ってるのでことしの新酒出始めたら全銘柄買って見ようかと考えてます。
という事で、秀鳳の評価も宜しくお願い致しますネ
2016.10.31 Mon 12:41
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