◤永寶屋 - 純米吟醸 雄町 生原酒 25BY ── dಠಠb「一言で表すなら〝柔らかな深み〟これに尽きる」#Well-Cured 




  先日まとめ買いした「地酒屋こだまシリーズ」の1本で、しかも店主おまかせ3本のうちの1本です。さすがと言うか、そのうちの2本が25BYだもんなあ。そんでもって、もう片方の25BY「辰泉 - 山廃本醸造生原酒」が最高だったっていう。よほど自信がなきゃ顔の見えないメールでの取引相手に2本も25BYの生酒をチョイスしたりはしないだろ、普通 (笑) 。今回も静かに期待大です。

 さて、永寶屋 (えいほうや) ──最近では「会津中将」という銘柄が何かと話題だけど──「SAKE COMPETITION 2015」の純米大吟醸部門で1位を獲得──、字面のイメージとは異なり、今回の「永寶屋」の方が後発ブランドで──昔使っていた屋号を復活させたらしい──、いわゆる「特約店限定銘柄」ってヤツです。県外産の酒米を使用する際は「永寶屋」を名乗るという住み分けがあるとのこと。今回は備前雄町を55%まで磨いた純米吟醸の生原酒25BYです。「会津中将」も含め、初めて呑む蔵なので、味や香りに関する先入観や予備知識は一切ありません。先日のマチダヤ試飲会にも参加してて、今回の雄町55の火入れを出品してたけど、あえて試飲はしなかった。

 しかしオレ、どうしてこんなにこの手のコンテストやランキングに興味ないんだろう。SAKE COMPETITIONのHP、今はじめて見たよ (笑) 。まだまだ酒屋で買いたい銘柄がたくさんあるから、こういう情報は必要ないのか。いや、必要な情報もある──買わない方がいい酒は一体どれ〜?

 それでは、さっそくいただいてみましょう。




 チュー・・・していいすか
eihouya_jungin_omachi25by1.jpg


 OKもらって窓際に直行。
eihouya_jungin_omachi25by2.jpg


 からの、カーテンの刑 (外から見ると意外にマヌケな光景)
▼もはやミステリー作品におけるトリックや、バイオレンス映画における殺人メソッドなどの発明 (新アイディア) 同様、「これまだ誰もやってない」探しに終始してきた感のある、昨今のバカ恋愛映画 (漫画) 。
eihouya_jungin_omachi25by3.jpg
 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆

【209】永寶屋 -えいほうや- 純米吟醸 雄町 生原酒 25BY <福島>

鶴乃江酒造 株式会社:http://www.d3.dion.ne.jp/~seibo/


Moukan's tag:




eihouya_jungin_omachi25by4.jpg まず、栓を開けるときに──「ん?」──ガリガリガリ──「ん!?」──♡☺♡「2年以上寝てるから、もしかして酒の糖分が固まってるんじゃない!?」──dಠಠb「マジか!?」──マジでした (笑)

 栓と瓶口の隙間に酒の糖分が入り込んで、それが固まって、開ける際に「ガリガリ」したというわけ。さすがは25BY、のっけから楽しませてくれます。


eihouya_jungin_omachi25by5.jpg 立ち香は穏やか。派手な吟醸香はなく、そこの線引きが曖昧なのは承知してはいるが、どちらかと言うと、「キレイ系の特別純米」のようなニュアンス。フルーツで言うと、酸のアタックの優しいバナナ様。ブドウまでは行かない。セメダイン香もない。メロンもない。甘やかさの中に薄く桃があるかないかの程度。熟香は一度スゥ〜〜〜っと嗅いで肺に香りを入れた後で遅れてフワっと、やや香ばしさのある、トゥワンとした穀物由来の旨み (エキス感) の先読みがある。熟成雄町らしい果実味もあるにはあるけど、そこまで露骨にドライフルーツ様のダークカラーな香りはない。熟成由来のスモーキーな香りがなければ、全体としては、とても流麗でキレイな香りの風景。

 含みます──先ずは「家庭内直汲み」のチロリ非経由 (ノンデカンタージュ) で。

 2年以上寝てるわりに色は全然黄色くない。買ってそれほど経ってない酒でもこれ以上の色をした酒をこれまでに何本も見てきたことを思えば、むしろこれは色が付いてないとすら言えるレベルだ。

 はい、呑んだ瞬間に旨い──。

 入りは極めてスムース──まるで醸造アルコールを添加した大吟醸のような滑らかな入り。同じ「こだま熟成酒」だからなのか、同じ福島の水がそうさせるのか、真っ先に思い出したのは、意外にも「辰泉 - 山廃本醸造生原酒 25BY」というのは本当の話。ただ、純米酒だけに、退けにかけての味わいの着地感はそこそこドッシリ──重くはないが、これがマンガやアニメなら、それなりに印象的なエフェクトのオーラが競技者の足元から放たれるだろう。


eihouya_jungin_omachi25by6.jpg それでも2年以上も寝てたわりにはギョっとするような旨みの暴れもなく、全体には流麗かつエレガントなプロポーションの美酒だ。酸度が「1.2」と低めなのでスルスル飲めてしまうが、「味わい」という名の薄い生地に織り込まれた含み香の模様は、淡い色調でありながら、とてもゴージャスで複雑なテクスチャー。

 さっきから開栓したまま、フタを閉めずに放置してます──。

 温度が上がってくると、さすがに完璧な生熟フレイヴァーが顔を出してくるけど、それでも引きつづきキレイなプロポーションを維持している──加齢と共にプロポーションが崩れるオジサンやオバサンとは違って。

 瑞々しさすらある柔らかな甘みからスタートして、そこから湧き上がる、とても清楚な立ち振る舞いに抑えられた程よいサイズの旨み、そこに含まれる甘さの質は、凡庸に言えば、定石通りの「チョコレート」──ただし勇気を持って、もう一歩だけ比喩の魔境に足を踏み入れるなら、「チョコ風味のこしあん」──もしくは「羊羹の表面に結晶化した砂糖」。その和やかな甘さに舌を委ねようと頬がゆるんだ瞬間、ジュっとした雄町流儀な凝縮感を伴って、やや力強くキレ上がる──もう少しこの甘さを楽しませてくれよ!

 改めて明細書に書かれた、こだま店主の手書きのコメントを見ると、ほう!──そこにはこう書かれているではないか──「柔らかな深み 冷〜燗 万能」──「柔らかな深み」とは、まさにその通り。オレがこれだけ戯言を重ねて来たというのに、この一語で全てを言い表すとは (笑) 。


eihouya_jungin_omachi25by7.jpg そんなわけで、冷蔵庫から出したまま、フタをしないでそのまま放置中です──つまり、今の我々は、「冷〜燗」という温度変化のスゴロクを一コマずつお燗に向けて進んでいる真っ最中。ところが、スゴロクに必ず存在する負のルール「2つ戻る」よろしく、ここで温度変化の逆行が果たされるのであった・・・。

 チロックで (チロリに氷を一つポチャン) ──。

 化学的な理由はわからないけど、少し渋酸が増して邪魔な要素が出てくる。この酒に関しては、別に重い飲み口でもないので、原酒のままの方が逆に滑らかなような気がする。

 温度スゴロクの最終段階、お燗で──


eihouya_jungin_omachi25by8.jpg ミルキー。少し味が出すぎか。さっきまで大人しかった永子ちゃん、風呂に入ったら途端に積極的になるんだもの。

 ♡☺♡「急に質量が増した。どっしり。さっきまでの方が旨かった

 うーん、オレも同意見だが、それでもこのキャッチーでファットな甘旨感、好きな人は好きだろうね。あれだ、佐久乃花Spec-dのお燗なんかを思い出すかな。もちろん、こっちの方が熟成ライクの焦げたニュアンスはガシガシに出てるけど。

 どうだろうね。我々夫婦の総意としては、RSフィールド (れいしゅふぃーるど) から少し離れはじめた温度帯がベストかな。燗冷ましは果実味も増して、フルーツの丸かじり感も多少は出てくるけど、でもまあ、冷たい方が味のサイズ感はいいかな。というより、 お燗にすると他の似たような酒をいろいろ思い出しちゃって、「この酒じゃなきゃダメなんだ」というユニークネスから遠ざかるという問題がある。あれだよ、よく発泡ニゴリなんかで、上澄みはハっとするのに、撹拌した途端にそこらのニゴリと似通っちゃうという問題──「萩の鶴/別撰」とか「貴/夏ニゴリ」とかで顕著だった問題と同じというか。

 常温まで下がるとシロップみたいな甘さに。とりあえず、「日本酒度:+8」という属性は、言われないと全くわからない。むしろ全体には柔らかに甘い酒だと思う。低めの酸度とのバランスが程良いんだろうな。そこに25BYという特別の役が加わって、酒としての風格や──人で言うところの高貴な人徳までをも獲得しているっていうかさ。

 さっき店のHPを見たら売り切れてたけど、来年に26BYがリリースされるんじゃないかな。モロに熟成酒というわけではなく、店主の言葉を繰り返すなら、本当に「柔らかな深み」のある、エレガントな酒。とてもこなれていて、細部に小さくも力強い主張のある酒ではあるが、全体にはその凄みを大仰に見せびらかすようなことはしない。

 久々の☆5です。しかし「こだまシリーズ」は外さないな。ここまでALL☆4.5以上




── 2日目。



eihouya_jungin_omachi25by9.jpg



 もう90mlくらいしか残ってないけど。

 あれ? なんか昨日よりフルーティー。ブドウ様の酸もしっかり出てきた。そして、初日におぼろげだった白桃様の瑞々しい香りがソロリと。熟香はすぐには探せないなあ。

 ん!? なにこれ、スゲえキレイな酒になってるんだけど (笑) 。少しサラサラしたパウダー感もあって、そこに昨日は「あんこ」を感じたんだけど、今日は熟香が全く探せない・・・。もしかしてオレ、風邪引いた?



eihouya_jungin_omachi25by10.jpg



 実はさ、よーく見たら、最初から詮に穴が開いてたんだよ。一晩で完全に熟っ気が抜けたか (笑) 。常温に近づくと、ようやく「あんこ」のような甘さを感じるけど、まあ、今日はオマケかな。昨日に全部空けてもよかったんだけど、興味から一杯分だけ残しておいたんだ。中途半端に残すのはよくないかもね。


moukan1972♂






日本酒 会津中将 永寶屋 雄町

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - 長陽福娘!

もしや僕の買った「純米 秋あがり」のことでは!?
これは警報発令ですね (笑) 。

しかしサンジュリアンさん!
長陽福娘の悪口はそこまでです (笑) !


限定直汲 純米吟醸 山田錦50 無濾過生原酒 9号酵母
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-245.html

限定直汲 純米 山田錦 無濾過生原酒
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-68.html

まずはこちらを飲んでみて下さい。
純米60は1月にはリリースされます。
これを飲まずして長陽福娘は語れませんよ。

2016.10.13 Thu 22:46
Edit | Reply |  

Name - Guest  

Title - 

確かに、地下のセラー(16ー7度)で3ヶ月放置した生々の幻舞の雄町 昨日開けましたが、凄く良い感じだったので自己責任で生々の酒をセラーでの保管有りかなと思っていたところです。一回火入れ品は間違いなく大丈夫そうですね〜
7ー8年前に菊姫の大吟醸 2年ここで保管しましたが、全く問題なしでヒネてなかったです。
長陽福娘の八反の純吟 ひやおろし 冷やかしで買いましたが、外れでした。この蔵元 当たり外れがありませんか?
拙い自分の経験で3種類以上飲んで良かった銘柄は、仙禽、写楽、東洋美人、風の森、花陽浴、幻舞、町田、大那 くらいですね〜 時点で梵かな
逆に三連敗は梅錦 どれも昔の松竹梅の特級前にみたいで、 甘い だれてるアルコール臭の極悪三点セットでした。
2016.10.13 Thu 22:20
Edit | Reply |  

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

まあ、このお店はかなり振り切れたマニアックなお店だと思います (笑) 。
自家熟成だけでなく、蔵元公認で囲って (蔵元で瓶熟成して) もらったりしてますから。

僕は行ったことないですが、通販をやってないお店で、

マルセウ本間商店
http://honma3ke10.exblog.jp/

なんかも生酒の熟成で有名ですよね。

うちの近所のマチダヤなんかでも、長陽福娘の山田錦55を蔵で生熟させてますし、
公の商品としては少ないですけど、お店オリジナルの生熟は増えてると思います。
まあ、今年飲んだ熟成生酒では、ダントツに、


櫛羅 - 純米吟醸 中取り生酒 26BY 〜Kodama Tuning〜
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-388.html

が最高でしたけど、これは鳥肌もんのお酒でした。

これから寒い季節に突入しますし、サンジュリアンさんも、
特に気に入った生酒を15℃近辺で5月頃まで放置したら、
驚くほど旨い自家製生熟を作れるかもしれませんよ (笑) 。

2016.10.13 Thu 20:46
Edit | Reply |  

Name - Guest  

Title - 

地酒屋こだま HP見てみました。
ここの大将 自分で熟成させて売ってるですね〜
飲み頃まで売らないお店ワインじゃあ当たり前ですが、日本酒もこの様な時代になったんですね。本来蔵元がやっても良いんでしょうが、、、
2016.10.13 Thu 19:52
Edit | Reply |  

Add your comment