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◤一白水成 - 純米吟醸 山田錦 (冷やおろし) 27BY ── dಠಠb「さあ、オレに黙って☆5を付けさせてくれ!」#Fresh, Fruity
ブログで何度か触れている通り、去年たまたま表参道ヒルズのはせがわ酒店内の併設BARでmoukan1973♀と一緒に呑んで──実は賀茂金秀の純大山田錦を飲もうとしたら売り切れてたので一白水成を呑んだ──、結果的に26BYに呑んだ冷やおろしの中でダントツに旨かった酒。今年は一升瓶のみの展開だけど、迷わずトライすることにした。表立って「冷やおろし」を謳っているわけでないけど、コンセプトとしては完全にそういうことのよう。26BYに初登場した山田錦50の、堂々たる秋あがりスペックです。ラベルカラーもシックでいいじゃないのさ。
実はこれまでに一白水成は3種類ほど家呑みしてるけど、今のGRADE換算で☆4.5以上はない。26BYの記憶を辿れば、この山田錦──店内のコンディションは未開栓状態からの開栓──は、おそらく最低でも☆5──☆6は微妙だけど──、文句ナシに旨かったので、27BYにも期待です。求めることはただ一つ──26BYで感じた、あのポヨンとした粘度豊かな甘い果実味、これがあれば即断で☆5を付ける準備はできています。オレ的「冷やおろし大本命」の登場です!


bottle size:1800ml
SAKE GRADE:☆☆☆½
【201】一白水成 -いっぱくすいせい- 純米吟醸 山田錦 (冷やおろし) 27BY <秋田>
福禄寿酒造 株式会社:http://www.fukurokuju.jp/
Moukan's tag:
立ち香──オレの言うところの、いわゆる〝トラッド吟醸〟な様相。磯自慢や飛露喜なんかと同じ軸を含みつつ、最近呑んだ中だと、雨後の月・愛山、こんな夜に・山女なんかに近いニュアンスも感じるけど、これらに比べると、香りの質量はかなり控えめで穏やか。冷やおろし的な旨みの育ちもそれほどは感じない。強いて言えば、フルーツ換算だとブドウなのかな。少なくとも露骨なメロンやバナナはない。熟れ気味な茶色の白桃もあるかな。スモーキーな熟感まではないけど、それなりにブラウンなルックの香りはあるっちゃある。山田錦属性のキャッチーなフルーティネスは実はあまりない。この時点では、随分と26BYに比べてシックな香りの階層です。

27BYは微弱なガス感もあって、なんというか、サクっとジューシイな、どちらかと言うと、新酒フィールドでその良さが発揮されるような味の輪郭を持った酒質──その意味で「冷やおろし」的な属性はあまり感じない。冷酒の状態だと甘みの密度も軽やかで、香りの発散も極めて穏やかなレベル。その意味では、香りと旨みの外連味 (けれんみ) 豊かな26BY的な芳醇さが口の中でダンスすることはない。
♡☺♡「誰からも好まれる日本酒だよね。無難な。最後は少しアルコール感がある。少し舌にイヤな感じが残る」──言ってくれるじゃないの。
とはいえ、moukan1973♀の言ってることも、あながち的外れなわけでもない。んー、なんつうか、ちょっと味の情報量 (雑味) の多い「醸し人九平次・山田錦」?
リーデルだとガスが飛んじゃうので、小さめのグイ飲みで口との距離を短くした方が良さが出るかな。
山田錦50の一回火入れを半年以上寝かせるという、冷やおろし的な熟成属性として26BYと27BYが同じ酒だとしても、26BYで起きた何かが今年のそれでは起きていないことは明白。ま、そこは微生物との闘いなので、同じ効果を実現することは最初から保証されないわけで、そこは仕方ない、受け入れるとしよう。ただ、残酷なエンドユーザーとしては、単に去年の旨さと比較することにしか興味はないわけで、そこはハッキリと、こう言うしかない。
26BYの方が全然旨かったっす──。
去年の方が液体としての粘度があって、味も乗ってて、なにより冷やおろしとしての分かりやすい属性があったかな。27BYはフレッシュ君が半年以上も床屋に行かないで少し頭がボンバーになっちゃった感じで、どちらかと言えば、冷やおろしというより、新酒がベテラン染みて少しばかり貫禄が出たかなあ程度の役の加わり。

立ち上がりは頗る (すこぶる) いい。果実味豊かな甘みの中から優しい旨みが広がって、微弱なガスも乗っかってジューシイ感MAX。熟成による情報量多めのテクスチャーもあって──ここまではいい──、だけど、やっぱ退けにかけては無駄に苦い。一白水成的な辛み豊かなキレ上がり感はさすがに緩和されてるけど、味のワンフレーズにおいて、やっぱエンディングはお世辞にも美しいとは言えない。
それでもまあ、これ飲んで「なにこれ超うまいんすけど!」と言う人は少なくないだろうね。それなりに口の中は常に楽しいからね。でもまあ、オレ的にはいろいろ惜しいと言わざるを得ない。部分部分では光る要素も多々あるし、全体としても十分に楽しめる。ただ、冷やおろしなのか新酒なのかの属性的な主張がどっちつかずだし、26BYの、分かりやすく冷やおろしサイドに振り切れた味ノリ感はやっぱ最高だったし、これをオススメの冷やおろしとして読者に「黙って買えぇぇぇ──っ!」とは、無駄に正直で辛辣なオレには言えないかな。
今日のところはダダ下がり気味に☆3.5。まだ初日なので、今後どうなるかは未知。明日はお燗にもチャレンジしてみようか。まあでも、この感じで燗上がりの酒質を堪能できるとも思えないけどな。26BYの酒質ならお燗もバッチリだったと予見できるけど、27BYはフレッシュ酒が少々成り上がった程度のプロポーションだからな。ま、一応は明日に期待はしてます。
── 2日目。
▼本日、フミヤの息子「めざまし」デビュー。緊張してます。

ちょっとバナナも前に出てきたかな。相変わらずトラッド吟醸な香りの佇まい。
一口目は文句なしに旨いんだけどなあ。昨日よりポチャっとした舌触り。ややミルキーな甘みと旨みを微量のガスでサクっと切らせ──ようとするんだけど──、やっぱ最後が苦い。仙介なんかに比べると、どうも流れの美しさが、あと一歩足りない。味や香りのレベルは節度あるエレガンスに満ちていて、表向きは美酒街道まっしぐらなんだけどね。
これ、ロットによる誤差も多少はあるのだろうか。最後の苦みがキレイに流れてくれれば☆5に迫る酒だと思う。うん、昨日よりは口の中の抱き心地はイイですよ。

なんか、この苦みに徐々に慣れてきた (笑) ? 甘さ控えめのチョコレートと考えるなら、不思議と「冷やおろし物語」に1本芯が通って、脳内でも味の再構成が促進される。おそらくこれ、初日より甘みが強くなったことによる、味の再バランス化だろうね。
旨いのか?──いや、旨いよ──どっちなんだ?──まいったな、これ、完全に迷宮酔いのパターンだ・・・。
3杯目はチロリタージュ経由──。
うん、にわかにミルキー。ようやく冷やおろし的なまろみが出てきた。やっぱ初日はだいぶ硬かった──とはいえ、26BYの方が完成度は高かったけど。27BYはちょっとスリムで気さくな酒質。26BYのような、少し近寄りがたい堂々たる威厳はない。
ちょっと泳いでるような、フラつき感のあるジューシイさを愛くるしいと捉えるか、それとも頼りないと捉えるかは飲み手次第だが、オレはどうだ?──うん、なんか癒されるかな (笑) 。まあでも、最後は少し苦いかなー。ふんわりジューシイな前半部分に対して、後半は少しアタック感との闘争に巻き込まれる流れ。

とりあえず、お燗にしてみようか──レンジ燗だけど──500Wで30秒。
ある意味でフルーティネスが倍増されたけど、それは渋みのベクトルにおいての話。味は濃くなったけど、渋酸のコントラストが強くなるだけで、旨みが優しくホクホクと広がることはない。しっかり辛み (アルコール感) も増すし。やっぱこの酒のベスト温度帯は冷酒ゾーンだな。ただ、いろいろ見えてくる部分もある。ややパウダリーな一白水成らしいテクスチャーとか、少しホロ苦いタッチの熟感とか。燗冷ましはミルキーだね、やっぱ。

冷たっ! 意外だなあ。甘くならずに渋くなっちゃった。硬い硬い。縮こまる 息子と同じ 寒さかな──ダメダメ、化学的な理由はわからんが、この酒のロックはダメ。
最後にグイ飲みで冷酒返し──。
うん、苦ぁ──いッ! 頭は滑らかミルキーに甘やかでデレっと親しみ深い味わいなんだけど、最後がイマイチ。ただこれ、この苦みを受け入れることのできる人には☆5の酒として楽しめるかもしれない。昨日よりは全然いいけど、やっぱ☆4は付かないな。この苦みさえなければ☆5を付けることもやぶさかではないんだけど、非常に惜しいです。
── 3日目。

▲さすがに同情するわ、他のメンバーに。
もう1合くらいしか残ってないけど。
香りは変わらず。ちょい酸が立ってきたか。甘酸のコントラストが強くなってきて、なんだか今日が一番キャッチーにフルーティー。苦みはどうかな。
うーん。まあ、あるけどな。頭のジューシイ感が今日も気持ちイイだけに惜しい。甘さ控えめのカルアミルク的なニュアンスに寄り添えばそこまで悪くはないんだけど、やっぱ26BYの、ポヨンと味ノリした冷やおろし属性として完璧だった酒質が頭から離れず、そこはついつい厳しくなってしまう。退けにかけての甘ホロ苦い感じ、ここをどう取るかだろうね。
ただ、飲むペースは落ちなかった。なんだかんだでグイグイ&スイスイ飲めたし、最後の1合まで味が崩れなかったことは評価したい。ま、居酒屋で見かけたら飲んでみて下さいな。☆3.5でフィニッシュです。
moukan1972♂
▶︎清書中のBGM。
Name - moukan1972♂
Title - To サンジュリアンさん
これは素晴らしい情報、ありがとうございます。
『酒旅~そのSAKEに逢いにいく』
http://www.bsfuji.tv/pub/saketabi/pub/index.html