もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 花邑・・・・・はい、次っ!
〜 日本酒の家呑みレポート&本日の1曲、時々メガネ警察〜

◤裏話満載☆『第33回 味ノマチダヤ試飲会』怒涛の潜入レポート!!! #萩の鶴/日輪田, 奥能登の白菊, 昇龍蓬莱/残草蓬莱, 貴, 長陽福娘, 冩樂, 豊盃, 姿, 篠峯, 村祐, 不老泉, 新政, 長珍, 万齢, 晴田/出羽鶴, 仙禽, 大那, 春霞, 悦凱陣, 武勇, 日高見, 伯楽星, 山和, 蒼空 (※写真撮影順)  




 毎度アクセスありがとうございます。

 というわけDE、以前から予告していた通り、行ってきました、マチダヤの大試飲会。取引蔵が120以上ある店なので、全部が全部は来てないけど──鍋島とか鍋島とか鍋島とか──、それでも他の日本酒イベントにあまり登場しない篠峯や長珍や長陽福娘など、我が家でもお馴染みの蔵元さんも多数参加してたので、かなり充実した時間を過ごせました。

 全40蔵+会場外の「おやじの逆襲 (6〜7蔵) 」中、写真撮影できたのは24蔵、試飲できたのはプラス5〜6くらいだったけど、そもそも3時間そこらで一人での全制覇は無理!




マチダヤ試飲会2016会場5

マチダヤ試飲会2016会場1
▲会場は「新宿ワシントンホテル本館」3Fの宴会場。行きのエレベーターで一緒だった30過ぎの飲食店っぽい男2人組がボソっと「こんな場所で試飲会やるなんて、マチダヤ金持ってんな」と言ってたのがウケた (笑) 。




 最初は飲んだことのない銘柄を中心に試飲するというアプローチも考えたんだけど、やっぱ普段からいろいろ呑んでる蔵元に疑問をブツけたり感想を伝えた方が有意義と考え直して、まずは馴染みの深い蔵元を中心に回って、その流れで隣の未飲蔵の酒を試飲するという段取りに変えました。

 このイベントは、基本的にマチダヤと取引のある飲食店限定なんだけど、店に行ったときにイベント責任者のスタッフに声を掛けられ──その時点ではオレを飲食店の人間だと思っていたようだが (笑) ──、「えっ? オレ、ただの一般人ですよ」と言ったら、「全然大丈夫です」ということで、参加することになった。なんかお店のお客さんにも10人くらい別で声をかけているらしく、ま、オレも年中マチダヤに顔を出して日本酒ばっか買ってるので、そこは役得というか、常連得というわけ。参加費2,000円だけど、結果的に大満足でした。

 ちなみにmoukan1973♀は今回は不参加だったけど──当初の話ではオレ一人だけでお願いしますということだったんだけど、蓋を開けたら主催者も驚くほどの大盛況だったようで、こうなると、もはや誰が誰だかわからんカオス状態だから、スタッフも恐縮して「 (当初は友人等の誘いはナシでお願いしますと言ってたけど) 来年は奥様も是非」と声をかけてくれたので、来年は無事に夫婦で参加できそうです。ま、moukan1973♀は居てもあまり役には立たないけど・・・。




マチダヤ試飲会2016会場3

マチダヤ試飲会2016会場2
▲最終的に450人くらいの参加者だったみたい。そこらの日本酒イベント並の盛り上がりです。




 どーすっかな。写真メインで、軽く蔵元との会話内容や飲んだ酒の感想をチラっと書くスタイルにしようか。 尚、誠に勝手ながら、写真の蔵元さんの氏名や役職は基本的に省略という方向で書かせてもらいます。調べないでもわかるような人は文章中で触れますが、そのへんの温度差はご容赦願います。

 自分で言うのもなんだけど、個人ブログでここまで細かい裏話を引き出せるヤツはなかなかいないと思うので、ネット中心の情報収集に偏りがちの人には特に楽しんでいただけると思います。やっぱ造った本人に訊くのが一番早いし、情報密度が桁違い。裏を返せば、酒屋がもうちょっとしっかりしろとも言えるが、ま、あれだけの蔵があれだけの種類の酒を造ってるんだから、その一つ一つの細かい情報をすべて拾い上げることは、possibility (可能性) としてはゼロではないが、probability (蓋然性) は限りなくゼロに近いわな。

 つまりあれだよ、人類は月に行けるが (possibilityの問題) 、あなたが実際に月に行くことはない (probabilityの問題) ──これと同じ。若者向けのアニメやマンガや歌の世界で言えば、僕が君を守る! (possibilityの問題) ──でもどうやって? (probabilityの問題) っていう──その点、綾波レイには手立てがあった。とりあえず、空手道場にでも通おうか。あとは頑張って貯金な。彼女が借金に困ることがあるかもしれないし、トラブルの示談金が必要になることもあるだろうから。

 最後に。一部、参加者の顔が写真に入ってますが、こちとらアクセス60〜80程度の弱小ブログだし、まさか不倫現場が偶然写り込んでることもないと思うので、モザイク処理等はしていません。不都合がある方は、お手数ですが、連絡ください。






裏話満載『第33回 味ノマチダヤ試飲会』レポート!!!

 味ノマチダヤ
 http://www.ajinomachidaya.com



マチダヤ試飲会2016会場6
▲メイン会場に40蔵、手前のエントランス・スペースに「おやじの逆襲」として、篠峯・悦凱陣・武勇・酒屋八兵衛・松の寿・姿・るみ子の酒などが参加。


マチダヤ試飲会2016会場4




 はやる気持ちをグっと抑えて、まずは全体を把握。大規模な試飲イベントは3月の『若手の夜明け』以来2度目なので、事前のイメトレがいかに大事かはわかってるつもり。すると目の前に長陽福娘の仕込み水が! とりあえずこれを1杯飲んで気持ちを落ち着かせ──水質を味わっている余裕は全くない──、先日のメール返信のお礼も兼ねて、入り口近くの日輪田/萩の鶴ブースに向かう。 以下、掲載順は撮影順に従います。蔵元さんの役職や氏名なども基本的に省略させていただきます。あと、最初に言っておくと、全体に写真がブレ気味です──手が震えているわけではありません──気持ちが高ぶっているんです (笑)





萩の鶴/日輪田 (はぎのつる/ひわた) <宮城>

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マチダヤ試飲会2016萩の鶴



 まずは先日のお礼&挨拶がてら。オレが (今のところ) 27BYのNo.1と絶賛している別撰の件で3月のイベント時に「熟成について」のアドバイスをもらって、その結果について2往復くらいメールをさせてもらったんだけど、もちろんそのことを覚えていてくれて、ついでに「28BYも別撰を作ってくださいよ」と熱くリクエスト。佐藤氏は少し照れたように微笑んで「まだわかりません。あれ、たまたま上手くいったんで。あと、去年うちで造った酒の中で一番出来がよかったんですよ」という回答。

 ほら見ろ! 造った本人にとっても別撰は会心の酒なんだよ! しかも一発限りの試験醸造、造った本人ですら明確なレシピを把握していないという、なんて儚い酒なんだ・・・。ちなみに今年のメガネ専用 (10月1日発売) は26BYとは全く異なるレシピのようで、使用米は非公開ながら、磨きは60%、「日本酒度:±0、酸度:2.2」の火入れタイプで、試飲した感じでは甘より酸に比重のある酒質。日輪田のひまわりよりは酸にキラめきがあって苦みも感じにくかった。本人は「これは遊びの酒なので・・・」と控えめな推しではあったが、オレもメガネ人間なので、今年は買いますよ。ちょうど来週、HOET (theoのチーフデザイナー) のトランクショーがあるので、お土産で渡そうかな (笑) 。









奥能登の白菊 (おくのとのしらぎく) <石川>

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マチダヤ試飲会2016奥能登の白菊



 旦那さん一人での参加。ちょっと顔が赤い蔵元さんが何人かいたんだけど、イベント前に蔵元同士の懇親会でも軽くやってたのかね (笑) 。見た通りのとても品の良い方で、「純米吟醸 無濾過生原酒 そのまんま」が美味しかったと伝えたらとても喜んでくれた。今回は生酒は持ってきてなくて、同じ純吟の火入れがあったんだけど、やはりこの酒の核は実は酸。火入れだと甘さよりも締まりの良い酸が全面に出てた。常温付近でダラダラ緩く飲むのに適してるかな





昇龍蓬莱/残草蓬莱 (しょうりゅうほうらい/ざるそうほうらい) <神奈川>

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マチダヤ試飲会2016昇龍蓬莱



 なにげにCOOLなメガネがバッチリ決まってる8代目 (笑) 。まずは残草蓬莱QUEEENを挨拶代わりに大絶賛させてもらった。「今年は途切れ目なく店で見かけましたけど、増やしたんですか?」「そうなんです、今年は数を増やしました」「こういう旨い酒が通年で買えると僕も人に勧めやすいので助かります。日本酒は限定品ばかりなので、せっかく美味しいお酒に出会ってもなかなか人に勧められないんです」「そうなんですよねえ・・・」と少し深い頷き。来季もQUEEENは途切れ目なく安定供給してくれるでしょう。

 あと、冗談半分に「速醸のALC.12度がQUEEENだから、昇龍蓬莱のALC.13度でKINGをやってくださいよ」と言ったら、ニコっと笑って、「そういう展開もアリですねえ」と、リップサービスだろうけど (笑) 、答えてくれました。いやいや、わりとマジで期待してるんだけどな。あとマチダヤで一升瓶8,000円以上で売ってる「昇龍蓬莱 槽場直詰 阿波山田錦50」について「あれ旨いっすか?」と野暮な質問をブツけてみたんだけど、「あああ、あれですか。でも、結構評判いいんですよ。あまり表立って展開してないんで、数は少ないです」と言ってた。マチダヤにはないけど、4合瓶でも展開してるみたい。年末まで売れ残ってたら買うか〜。あとは昇龍蓬莱の特純のお燗サイコウという話で少し盛り上がった





(たか) <山口>

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マチダヤ試飲会2016貴



 若い頃から周囲に「ゴリ」のニックネームで呼ばれていたという永山貴博杜氏。雑誌等でもお馴染みの有名人だけあって、ブースには常に数人の客が、わりと長めに会話を楽しんでた。遠巻きに見ながら隙を狙ってカットイン。「ニゴリ、最高でした!」とご挨拶。「あれ、上澄みだけ詰めることってできないんですか?」「ああ、シャンパンみたいに? それやるの、結構大変なんですよ。もしもそれやっちゃうと1本5,000円以上になっちゃうんです」「そうなんですか !?」「なるべくオリは少なめにするように頑張ってるんだけど」──と、時折オレにタメ口になるのは、彼の特有の人懐こい性格ゆえか、たまたまオレが若く見られたからなのか。一応オレ、彼よりは3つ年上なんだけどな。でも、兄貴と慕う日高見の平井社長に対しても時々「こいつ・・・」と思わせるような言動を取ると『日本酒ドラマチック』に書いてあったから、それが彼の人柄なのだろう。かわいいヤツめ (笑) 。

「雄町のラベル、変えたんですか?」──よく見りゃ65と書いてあるじゃんオレのバカ!──「これ、まだ一般発売していない雄町の65なんです。最近の晩酌はもっぱらコイツです」。ちょっと生酛っぽい乳酸風味の酸があって、常温〜お燗でダラダラ飲むには疲れない酒かな。冷酒だと貴らしい酸がピリっと効いて白ワイン的なスタンスで料理にも合わせやすい。やはり勢いというか、未来の拓けた目をしていたな。言葉の一つ一つにも自信が漲っていて──少し酔ってるだけかもしれないが (笑) ──、こういう時の人間は頭にどんどん新しいアイディアが沸き上がるもんなんだ。28BYはいろいろ新しいことやってくれそうな予感





長陽福娘 (ちょうようふくむすめ) <山口>

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マチダヤ試飲会2016長陽福娘



 今回の試飲会で最も会うのを楽しみしていた蔵元の一つ。だがしかし、岩崎専務には少し近寄りがたいオーラがあり、今回見た中では最もアーティスト然としている人物であった。まるで学者か辣腕経営者のような理知的な雰囲気もあって──これでスーツを着て東大のキャンパスを歩いていてたら誰もが疑いもなく彼を教授だと思うだろうし、運転手の開けた黒塗りハイヤーのドアから出てきたら大企業の役員だと思うだろう──、頭の中はどこか別の場所にワープしているような印象で、いろいろなトピックを投げ掛けてはみたものの、どれも少し浮遊感のあるレスポンスで流されてしまい、おかげで「雄町イマイチでした」と言えなかったよ (笑) 。ただ、わかったこともあって、純吟山田錦55生熟は完全マチダヤオリジナルで、氷温冷蔵庫で1年ほど熟成させているようだった。

 冷やおろしは八反錦ではなく山田錦60の山口9E酵母のモノを持ってきていて、これをお燗で試飲したが、やはり少し物足りない印象。八反錦ならハーブアロマなクセのある旨みも出るかもしれないが、長陽福娘の山田錦は生に限ると思うのであった





冩樂 (しゃらく) <福島>

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マチダヤ試飲会2016冩樂



 25BY〜26BY (特に26BY) は自己嫌悪に陥るほど飲みまくった冩樂 (笑) 。今年はまだ山田錦の生しか呑んでないけど、出来がよければ10月にドロップされる未飲の「なごしざけ・羽州誉」 (冩樂としての冷やおろし的な位置づけの季節商品) でも買うかなあと思ってブースに向かった。杜氏に会うのはマチダヤの店頭試飲会を含め2度目。この人、見てるこっちが照れるほどのシャイな人で、こういう人前に出るイベントには社長が来いよ、社長が (笑) 。写真は雄町の火入れだけど、羽州誉の方が断然よかった。火入れの冩樂にありがちな強めのエステル (セメダイン) 香はあまり感じなくて、純米・夢の香なんかにも通じる、オレの好きな柑橘系の酸がエレガント。ボディ感もややポチャっと丸く、なかなかに心地よいストラクチャー。今年は限定品でも4合瓶を展開しているから、買ってみてもいいかな。雄町はちょっとイマイチだった。シャラオマ (冩樂の雄町) は生に限る





豊盃 (ほうはい) <青森>

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マチダヤ試飲会2016豊盃



 隣のブースながら、冩樂の杜氏とはまるで正反対な、ニヤニヤ系の和みキャラな三浦文仁杜氏。愛想笑いとかじゃなくて、もうデフォルト標準装備でいつも笑ってるような人 (笑) 。脱力系ゆるキャラのような雰囲気で、それが豊盃の甘ポチャい酒質を想起させるところも妙に合点が行ったり。何を訊いてもニコニコ、何を話してもニコニコ、むしろ写真の顔がこの日一番の無表情だったかもしれない (笑) 。

 DE、訊いてきた。先日、三鷹の碇屋で買った「Houhai Drip」について。これ、通年商品の純米吟醸・豊盃米55の雫取り生原酒だって。生の表記がないから勝手に火入れだと思ってたけど、酒屋も酒屋だよ、ちゃんと生をアピールしろよな。オレがそんな趣旨のことを面白おかしく話すと、彼はヘラヘラニコニコ。もう細かいスペックの事とか、どうでもよくなっちゃった (笑) 。

 そういやいつも疑問だった、豊盃の冷やおろしが、なぜかマチダヤだけラベル違いの謎 (写真のラベルがそれ) 。これ、酵母がマチダヤだけ協会901号 (他は協会1501号) だったんだね。パンフに書いてあった。つまりオレは次はマチダヤ以外で買う必要があるのか。山田錦39の純大・大寒仕込み (冬場に仕込んだ酒を11月まで冷蔵貯蔵) を試飲したけど、まあ流石にこのスペックではハズさないわな。一升瓶3,000円代で普通に旨い酒がゴロゴロある蔵なので、倍近い値段で買うかは微妙だけど、旨いは旨い





姿 (すがた) <栃木>

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マチダヤ試飲会2016姿



 マチダヤに並んでる姿のポップには「最近の若い造り手は酵母の力に頼りすぎている」という飯沼徹典杜氏の言葉がよく書いてあって、それで勝手に「姿の杜氏、おっかなくて厳しいオジサンなんだ」と思っていたんだけど、実際に会って話すと、凄い気さくで話しやすい人だった。なんか公立高校なんかにたまにいる、厳しいけど、卒業後も元不良の生徒が訪ねてくるような、実はスゲえイイ先生みたいな人 (笑) 。

「雄町の袋吊りは買って家にあります!」と言うと「ありがとうございます」とジェントルな笑み。「901号系の姿は1801号と違って酸がしっかり出てるみたいですね」「そうなんですよ、901はなぜか酸が強めに出ちゃうんです」と、意外と本人に細かいこだわりや洞察はない模様。雄町は家にあるので、五百万石の901号生原酒を試飲。「うわー、すっごいキレイですね! こんなキレイな五百万石は呑んだことありません!」「ありがとうございます」とジェントルな笑みPart2。「雄町は火入れです」「えっ? 生じゃないんですか?」──オレは生原酒だと思っていたが、確かに試飲用のラベルには無濾過原酒と書いてある──「いいえ、火入れです」「そうですか・・・」

 DE、家に帰って確認すると、うちの雄町には「無濾過原酒」のラベルが貼ってある (笑) 。そして、よーく見ると、肩ラベルと色が少し異なる。まさか貼り間違い!?!? 実は日曜に開けて飲みはじめてるんだけど、口当たりは生なんだよなあ。マチダヤの袋吊り雄町には生と火入れの2つが存在するのか?──謎です
 






マチダヤ試飲会2016会場7



 「 受付の短いトンネルを抜けると篠峯であった。胸の奥が赤くなった。」──皮股高鳴『酒国』より


 最初にマチダヤで試飲会の案内用紙 (写真上) をもらった時、「参加予定」の一覧に篠峯の名前はなかった。ただ、その下に「その他、隠し部屋にておやじの逆襲も!? どの蔵元が来襲するかはお楽しみに!」という文言が付け加えられていた。

 GA、オレにはこの言葉の正しい意味が理解できていなかった。しかも「隠し部屋」ってなんだよ。メイン会場に入る手前の、ただのエントランス・ゾーン (待合室?) じゃねえか (笑) 。

 というわけDE、会場に入るなり、いきなりどんでん返しを食らって「篠峯、来てるじゃんかよ !!!!!!!」とオレがオッパイの奥で顔を真っ赤にして叫んだことは言うまでもない。そう、何度も公言している通り、奈良の篠峯はオレが日本酒にハマる最初のキッカケを与えてくれた銘柄であり、我が家でも最多本数の購入履歴のあるフェイヴァリット中のフェイヴァリット銘柄なのだ。いろいろ訊きたいこともあったし、正直、マチダヤの案内用紙を見たとき、「ちぇっ、篠峯、来ねえじゃんかよ」と思っていたもんだから、これはいきなりの嬉しいサブライズとなった。

 入ってすぐのゾーンゆえ、最初に立ち寄る人も多く、篠峯ブースもそれなりの賑わいを見せていたので、オレは心を落ち着かせ、それでメイン会場からの巡回となった。そして戻ってきた。本日のメインブースへと。これを書いている今は火曜。話したこと、訊いたこと、全部覚えているだろうか





篠峯 (しのみね) <奈良>

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マチダヤ試飲会2016篠峯
▲オレの厚かましい言動にも、終始「菩薩」のような穏やかな笑顔と柔和な語り口で対応してくれた堺杜氏。おそらくこの人の前では、3秒前まで激怒していた人間でも1秒で気持ちを落ち着かせることができるだろう。



 まずは昭和の小学3年生のように無駄に目立っておこうと考え──飲食店向けの試飲会だし、ここは手加減ナシで飛び入り組の個人パワーを見せてやろうと目論み、「こんにちは〜、僕、篠峯の大ファンなんです、これまでに30本以上は飲んでます、たぶん今日ここに来ている誰よりも僕が一番の篠峯ファンだと思います」──と、ややストーカー気味のキモい枕から入りました。

「ありがとうございますぅ〜」──ソフトリーな関西イントネーションが優しく流れて、すべての悪人たちを一瞬で浄化してしまうような菩薩スマイルが後を追う。まさに写真で見ていた通りの人だ。こんな人がガス強めのギラギラした眩しい酒を造るとは、「幻舞」同様、酒は見かけによらない場合もある。<これはイケる、この神々しい優しさに付け入るのは今しかない>と考え、オレは最も訊きたかった、あの質問をブツけるのであった。


shinomine_rokumaru_hattan26by1.jpg dಠಠb「正直、27BYの篠峯はどれもイマイチなんです。軽いというか、26BYのような、あの明快なわかりやすい旨さが出ていないように感じるんですが、27BYは意図して味を変えてるんですか?

「別に特に変えてはいないんですけどねえ」──笑ってる──「26BYはとにかく米の出来が良かったんですぅ。27BYは米の出来があまり良くなくて、味が開いて来ないんです。正直、26BYは米がいいから、何もしなくてもイイ酒になりました。まあ、こればっかりは仕方ないかなあ、と思ってます」──笑ってる。

 これで27BYに対する疑問が解消された。そりゃ相手は一流のプロ。自分で造った酒の出来栄えがイマイチなことくらい、自分が一番よくわかっていたのだ。「そうなんですよ、味がイマイチ出てないモノが多くて、なんというか、味が閉じこもってるというか、平面的というか」「そうなんですぅ」「江古田の秋山の氷温庫に26BYのろくまるが幾つか残ってて、あらためて26BYのモノを飲んだんですけど、26BYは本当にどれも最高だと思います」「ありがとうございますぅ」──笑ってます──「今年のお米はまだ収穫してないんですか?」「まだですねえ」「28BYの米の出来がいいことを願ってます」「ありがとうございますぅ」


shinomine_jundai_omachi_nomikurabe1.jpg それともう一つどうしても訊きたいことがあったので、試飲もせずにベラベラと話し出すオレ。「僕、純大雄町50の生酒が大好きで、25BYも26BYも飲んでて、どっちも最高でした。これ、27BYから明利系酵母協会9号酵母のダブル酵母をやめてセパレイトしましたよね? 東京の酒屋で9号ヴァージョンがなかなか手に入らなくて奈良の酒屋から取り寄せて飲み比べたんですが、正直どっちもイマイチでした。明利系は篠峯らしさが全くなかったですし、9号の方は篠峯らしい凝縮感もあったんですが、やっぱ今までのダブル酵母の方が旨いと思うんですけど、どうして酵母をセパレイトしちゃったんですか?」

「雄町の3年熟成があるのご存知ですか? ちょっとそれを9号だけの酒で熟成させたくて、それで最初から分けたんです。量を造れないんでねえ、仕方なく」「28BYもセパレイトする予定ですか?」「そうですねえ。火入れの方はブレンドしますけど」「ブレンドというのは、セパレイトして仕込んだ酒をブレンドということですか?」「そうですぅ。仕込みの段階では別々に造って、出来上がった酒をあとからブレンドする感じですね」「ええー、そうなんですかあ・・・。じゃあ、もうダブル酵母の純大雄町は呑めないんですね・・・。僕、先日うのかわ酒店で26BYを見つけて思わず取り寄せちゃいましたよ (笑) 」「ありがとうございますぅ」──笑ってます。

「あとー、」──まだ訊くんかい (笑) 。あとは先日の櫛羅26BYが旨すぎて鳥肌が立った話をしたついでに、その熟成方法の種明かしなんかを教わったり──堺杜氏も一口だけ試飲したらしい──、今から思うともっと訊きたいことオッパイあったんだけど、彼の菩薩スマイルにすっかり毒気を抜かれて──別に最初から噛み付くつもりもないけれど (笑) ──、最後は熱めの (ややウザめの) エールを送り、ブースを後にするのであった。


shinomine_jungin_gohyaku2.jpg やはり27BYの篠峯がイマイチなのには理由があったのだ。それが米の出来のせいだと知って少し安心した。28BYの出来がどうなのかは未知数だけど、堺杜氏の醸造レシピや味の嗜好が変わったわけではなかったのだ。そこは而今の大西杜氏とは違う。米の出来さえ問題なければ篠峯は安泰だ。これがわかっただけでも収穫だった。大丈夫、かりに28BYの米の出来がイマイチでも、彼には27BYの経験がある。きっとそれを乗り越えてイイ酒を届けてくれるだろう。大丈夫──大丈夫だ、きっと

 ちなみに、26BYから展開している、原酒でALC.15台の純吟中取り生酒 (11月リリース・写真左) は、今年は雄山錦のみで行くってさ。去年は五百万石と2種類あったんだよな──しかもラベルだけじゃ見分けがつかないという謎の仕様で。11月の新酒の雄山錦と言えば世間は鍋島のNew Moonかもしれないが、オレの中では篠峯の純吟中取りで決まりさ





村祐 (むらゆう) <新潟>

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マチダヤ試飲会2016村祐

マチダヤ試飲会2016村祐2
▲写真を撮り終えると、「これは撮らなくていいの?」と胸のワッペンを突き出してニヤニヤする村山杜氏。「えええ?」──なんのことがわかってないオレ──「 (酒とは) 全然関係ないけど、モスキート、蚊。これ、面白くない?」「ああー! すみません、拡大して撮りましょうか!」「冗談だよ、別にいいよ (笑) 」「いや、せっかくので撮りましょう!」──なにこのファンキー親父 (笑) 。



 篠峯でのノボせ気味のトークの余韻が冷めきらぬ状態ではあったが、ここは限りのある、儚い桃源郷である。夢から醒める時間は刻一刻と迫っているのであった。ふと見ると大人気の「新政」ブースが目に入る。さすがに盛況だ。次々と客が、まるで電燈に群がる夏の虫のように──違う、落ちたソフトクリームに集まる蟻のように近寄っていく。見たところ、カリスマ杜氏さんの姿は見えない。「ケッ! お忙しいこって!」と心で毒づいていると、その隣で杜氏らしからぬ雰囲気のオヤジがヤル気ない感じで手持ちぶたさに立っていた。村祐の村山杜氏である。この空間において一際異彩を放っているそのオヤジは、ただ立っているだけでも身体が揺れているような、そんなGrooveを漂わせていた。

あ、旨い・・・」──生熟の茜ラベルを一口飲んで思わず声に出てた。「いやあ、村祐を飲むの実は久々なんですよ」──なんて失礼なヤツだ──「そんなこと言わないでもっと買ってくださいよぉ〜」──なんだこの揺らぎのある独特のGrooveは (笑) 。久々に村祐らしい蜜ように甘くてふくよかな酒を飲んで、それで大事なことを思い出した。「なんかこういう村祐を飲むの久しぶりで懐かしくなっちゃいました。実はですね・・・」


 ▼貴重な美酒ロット (笑) 。
murayuu_tokiwa1.jpg せっかくなのであの事を訊いておこうと思い、こう切り出した。

「去年の暮れに買った常盤ラベルが、なんかすごい青くてクリアな味だったんですよ。キレイで細いというか。あれ? 常盤ってこんな味だったっけ?というのがあって、あれってなんだったんですかね?」──すると杜氏は、一瞬だけ訝しそうな表情で斜め上の虚空を見つめた後、それでも一切変わらぬダウンビートなGrooveで、「あああ、アレね」と言って真相を語りはじめた。

そんなロットも一発だけあったな。去年の暮れのヤツ? あああ、あった、あった。できます (完成します) と言っちゃってた手前、別にいいやってそのまま出荷しちゃったんだよ。一応、味の設計はいつも通りにやったんだけど、なんかそういうのができちゃったんだよ (笑) 。たまたまだよ、あれ一発だけのロット」「そうですよねえ! なんかやたらフレッシュで青々しい味わいだったんですよ。ただのキレイな酒というか」「うんうん、あった、あった」「ある意味、貴重なロットですかね (笑) ?」「うん、あれ一発の限定ロットだよ (笑) 」

 篠峯もそうだけど、造った本人はちゃんとわかってるんだよ。だからこそ酒屋はちゃんとそこを伝えないとさ。別にクリアで青い常盤なら、それでいいじゃん。オレは知ってたら買わないけど、中には逆にそういう村祐を呑みたいという変態もいるはずだしさ (笑) 。

 DE、写真撮影の後、上述 (写真下に記述) のような会話がなされたというわけ。今までネットで杜氏の写真を検索したことがなかったから、ある意味で衝撃的だったけど、やはり杜氏も酒も孤高の存在という共通項を垣間見れたような気がして、激しく合点が行くのであった。秋上がりの茜ラベルは味ノリ抜群で問題なく旨かった。久々に買ってみるかな。





不老泉 (ふろうせん) <滋賀>

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マチダヤ試飲会2016不老泉
▲写真のブレが酷い・・・。申し訳ありません!



 個人的に最近、少しずつ購入頻度が上がっている「山廃生」というスペック。速醸タイプにはない、よく見えるメガネのような見晴らしの良い酸と、パステルな旨みを構成するカロリーオフな軽い飲み口が中年の舌にはよく馴染む。マチダヤにも不老泉の山廃生がよく置いてあるんだけど、まだ買ったことはないので、銘柄というより、山廃生という属性に導かれてブースに引き寄せられた。

 ひとまず26BYの山廃雄町55生を試飲。1年以上寝てるわりにはキレイな酒質だった。雄町の生だけど、そこは山廃なのか、軽くてスイスイ飲める感じだ。他にも三年熟成の山廃純米など、用意された酒はややハードなラインナップだったが、年齢層高めの女性なんかには好評のようだった。これは近々マチダヤで山廃生を1本買わなくてはならないと思うのであった





新政 (あらまさ) <秋田>

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マチダヤ試飲会2016新政



 スルーしても良かったんだけど、宿敵「天蛙」が開栓中である以上、飲まないわけにはいかないであろう。「いやあ、マチダヤで買った26BY、やらかしちゃいましたよ。たぶん僕の爆発が世界記録だと思います。1秒で650ml以上も吹き飛びましたから」──お肌ツルツルの、まるで人気ラーメン店でバイトをしながらプロのダンサーを目指していそうなこの若者は、表情を変えずにさらっと言う。「中には瓶ごと割れた人もいたらしいです」──おいっ!──「来年からは肩ラベルに『風呂場で開けてください』という注意書きを入れる予定です。でも、あれくらい発酵させないと、あの味わいが出せないんです」──はいはい、そうですか、全部吹き飛んだら味わいどころじゃねえけどな (笑) ──「飲む1時間くらい前に冷凍庫に入れておくと比較的簡単に開けられると思います」──ほうほう、それはいいこと聞いた──DE、27BYの天蛙を試飲。

 オレが飲んだ、たった60mlの26BYの方が遥かに美味しかったんだからネっ!

 さすがに1年熟成だけあって、26BYの方が芳醇だった。27BYは不味くはないけど軽いな。改良信交40のコスモスラベルも飲んだけど、あの木香、いる? オレ、いまだに新政を呑んで感動した経験がない。やまユとか飲めてたら話は違ってたんだろうけど、後発組だもんで、一番旨いときの新政を知らないんだ。今度NO.6の中取りでも買ってみようかな。毛嫌いしてるんじゃなくて、まだオレ、ある意味で新政ヴァージンなんだよ。26BYの天蛙がちゃんと開いてれば、それが初体験になっていたかもしれないけどさ





長珍 (ちょうちん) <愛知>

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 モウカン的蔵元MVPは長珍酒造の桑山専務です!
マチダヤ試飲会2016長珍
 ▲その男、饒舌につき。



 最初そこを通りかかったとき、客が怒られているのかと思った。

よく居酒屋さんなんかで、冷たいままお酒を出すでしょう? でも、うちのこの酒 (特別純米) は、そのままだと70%の力しか発揮しません (やや関西イントネーション) 。お燗にすることで、残りの30%が引き出されるんです。だからね? お店さんもね、どうすればその酒を美味しい状態でお客さんに出せるのか、いろいろ考えてあげてほしいんです。はい? あああ、もう一気にアチアチにしても、うちの酒は全然大丈夫です。お客さんにお酒を出しても、すぐに飲むわけじゃないでしょう。お話されながら食べてるんでね。だからあえて熱めにつけてあげちゃった方がいいんです。冷めても美味しいんでね

 彼は怒っているわけでも、説教をしているわけでもなかった。どうすれば自分の造った酒がベストな状態で飲み手の口にまで届くのか、それを熱く語っていたのである。ある意味で子離れできない過保護な親かもしれないが、この杜氏の気持ちはわかる。オレが造り手だったら、最初に気にするのはそこだ。オレの造った愛しい酒がどういうタイミングで飲まれ、どの温度で提供されるのか、冷たいままガブガブ呑んでやしないか、ちゃんとゆっくり時間をかけて香りと味の変化を楽しみながら呑んでいるか──娘の珍子は東京で幸せに暮らしているのだろうか、旦那に優しくされているのだろうか、ご近所さんと仲良くやっているのだろうか──もう心配で心配で仕方がないのだ。彼は自作の酒に対して、そういう思いを一切隠そうとしない男である。

 専務の饒舌は止まらない。このままだと時間だけが過ぎていくので──話を聴いてるだけでも面白いは面白いが、オレにだって訊きたいことはあるのだ、そこの真面目なMEMO男くん、キミでは役不足だ、悪いがそこをどいてもらおうか──、やや強引に割って入る──「これ、試飲できますか?」──新聞紙65阿波山田錦である。う、旨い・・・。


chouchin_shinbunshi_jungin27by1.jpg 「つい最近、新聞紙の山田錦50 (写真右) を飲みました。最高です」「ありがとうございますぅ!」──ワリいけど専務はしばらく借りるぜ──「ワイングラスでチビチビやると味わいの変化が楽しめました」専務は嬉々とした、したり顔を浮かべながら「いいですねえ〜! 冷たいままだと酸が硬いんでね、温度が上がってくると甘みが膨らむと思います」「僕は冷たい感じも好きでしたけどね。お燗にしたら甘みがすごい増しました」「でしょう!」──やや誘導尋問気味ではあるが、ここは専務を乗せていかないと (笑) 。

「それでですねえ。ちょっとお聞きしたいことがありまして」「なんですか?」──MEMO男くんも隣で聴いている──「新聞紙シリーズって、蔵でどのくらい寝かせてから出荷してるんですか?」「いえ、新聞紙は搾ってすぐに出してます」「えっ!? そうなんですか? なんかどこかの酒屋のHPには寝かせて味を乗せてから出荷されるようなことが書いてあったんですけど・・・」「それはその酒屋さんが勝手に寝かせた物をお店に出してるんじゃないですかね」「じゃあ、新聞紙の山田錦50は4月出荷と書いてありましたけど、搾ったのはいつ頃なんですか?」「新聞紙の山田錦50? う〜んと、あれは確か・・・。そうだそうだ、あれは4月に搾ってそのまますぐに4月に出しました」「そうだったんですか。じゃあ、4月に開けたらまだまだ若いですよね?」「だいぶフレッシュだと思います」「僕はつい最近呑んだんですが、あと半年くらい引っ張っても全然平気な感じでした」──専務はニヤリとして「全然イケますよ、うちの酒は」「ですよねえ」


chouchin_cup1.jpg それから定番の特別純米の出荷方法を確認。これは火入れした酒をタンクで半年ほど寝かせてから出荷しているそう。「特別純米、好きなんですよ。お燗にした時、なにかの偶然が重なって爆発的に旨い温度と出会うことがあって、それでついつい買ってしまうんです」──意外にオレのヨイショぶりも堂に入ってるじゃないか──違う、これは本当のことだ!──そして専務がオレとの会話中に一番の笑顔を見せたのは、まさにこの時であった。

「そういえば、若奥のブログもたまに見てるんですけど、あれって、奥様ですか?」少し照れて「うちの家内です」「ということは専務さんですか? (ここで彼が噂の専務であることを確認する) 」「はい、わたしが専務です」「いやあ、奥様、いつも愚痴ばっか書いてて、あれが面白くて。専務はいちいち指示が細かいとか、小さなミスにもうるさいとか」「最近じゃ、わたしより家内の方が有名で人気があるんです・・・」

 都内ではマチダヤと、あとなんだっけ? スカイツリーの近くの酒屋 (忘れた) と、東京はそれくらいと言ってたな。全体で200石ほどの生産量と言ってたから、オレが思ってる以上にマイナーな銘柄なんだな。たまたま近所に特約店があってよかったよ。

 まあ、彼は喋る喋る。きっと子供の頃は大人を捩じ伏せるような圧倒的な口答えをしてよく殴られてたんだろうなあ。なんだ、オレと同じか。



💻 関連サイト

日本酒biyori (小さな日本酒酒蔵長珍酒造若奥的酒蔵日記)





万齢 (まんれい) <佐賀>

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マチダヤ試飲会2016万齢
▲飄々としたユーモラスなキャラクターでお客さんウケも抜群だった小松杜氏。複数のお客さんが一斉に質問するもんだから、「みなさん! 一度にいろんなこと言わないでください!」って、またそれがウケるっていう (笑) 。



 最近ちょっとマチダヤでも気になっていた佐賀の万齢。これはチャンスとばかり、日本酒度−14の超甘口純米吟醸「希 (のぞみ) 」を試飲。なにこれ、村祐をツルツルにしたようなキレイな甘さ。これは好きな人、確実にいるだろ、うちでリンク張ってる、彼とか彼とか (笑) 。こないだもマチダヤで見かけたから、まずはオレが買ってじっくり家で呑むか。

「マチダヤに売ってたので、これ今度買いますよ」「ありがとうございます、ようやくマチダヤさんにも入れてもらえるようになったので、宜しくお願いします・・・」──こういうのを〝応援したくなる蔵〟と言うんだろうな。

 パンフには、この希について「お刺身にガチンコ合います」という杜氏のコメントが載っているんだけど、いまだに辛口信仰を引きずってるお客さんに向かって、実際に「甘いけど、刺身に合うんです! 魚の生臭さをこの甘さがキレイに流してくれるんです!」と力説してる姿がまたなんかユーモラスでさ (笑)

 



晴田/出羽鶴 (せいでん/でわつる) <秋田>

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マチダヤ試飲会2016晴田
▲写真の表情は硬いけど、実際には誰よりも明るい口調で楽しい話を聴かせてくれた。



 すみません、さんざいろいろ楽しい話をしていただいたのに、名前がわかりません。ネットで調べても出てこない。ただ、話してる感じでは上への愚痴もさんざこぼしていたから、社長や専務クラスの人ではないような気もする。一体、彼はどんな愚痴をオレに語ってくれたのか。

もう、大変ですよ! 今までは7〜8人くらいでやらされてたんですけど、これがあれば2人で同じ作業ができますからね。何千万もかけて設備投資してるんで、これからどんどん作りますよ!

 マチダヤでちょいちょい見かけて気にはなっていた「晴田」。これは出羽鶴が秋田以外の米で醸す別ラインの銘柄みたい。雄町と五百万石があったけど、五百万石の方がフレッシュなモダン酒で、若干のガス感もあって、これ、ちゃんと冷やして未開栓の状態から呑んだら、かなり旨いと思う。ほんのりリンゴっぽい甘酸がキュートで、苦みはあまり感じなかったな。

あ、旨いっす五百万石」「ありがとうございます。これは直汲みなんです」「ですよねえ、ガス残ってますもんね」──上記の愚痴は直汲みのことを言っていたのである。「去年の暮れにイタリアから直汲み用の機械を輸入したので、だいぶ楽になりました」「えっ!? 直汲みマシンですか!?」──なんか最近のコメントでオレもちょうどそんな言葉を持ち出していたような──「なんかシャンパンを詰める用の機械を特注で日本酒用にカスタマイズしてもらったみたいで」「改造したんですか!」「すごいお金かかってます (笑) 」「スゲえ!」「今までは7〜8人くらいでやらされてたんですけど」──上記の話につながる。

「もうね、あっちで洗った瓶が自動で流れて来て、ジャンジャン詰めていきますので、2人いれば作業ができるんで、本当に楽になりました」「どのくらいの大きさなんですか?」「結構大きいですよ。あそこのブースからここくらいまでなので、4〜5mくらいありますかね。でも、直汲みのガスが嫌いというお客さんもたくさんいますんで」「えっ? そうですか、僕の周りには逆に『直汲みヤレ、直汲みヤレ』と言うような人ばかりなんですけど (笑) 」「そうなんですか? やらされるこっちは大変な重労働で、あんまりやりたくないんです」「でも、これからは直汲みマシンでジャンジャン作れますね」「これでようやく楽になりますよ」

 28BYに本格化するであろう晴田の直汲みは要注目です





仙禽 (せんきん) <栃木>

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マチダヤ試飲会2016仙禽
▲クセになるのは仙禽の味ではなく、むしろこの男のキザで生意気な態度 (笑) 。



 この男、実は一番イジリ甲斐のあるヤツなんじゃないかと最近感じはじめてるんだけど、それは追い追いやって行こうと思う。別にいいんだけどぉー、彼ってば、いちいちレスポンスの溜めがウザかっこいいから笑っちゃうんだよね (笑) 。もちろん、本人はウケを狙ってるわけじゃないだろうけど、なんだかんだ、我が家では一番ネタにされがちな蔵元です──特にオレがキャツ (奴) の真似をするとmoukan1973♀が大爆笑する。

「ナチュールの中で一番のお気に入りはどれですか?」──「う〜ん・・・・・2ッ」
「これから出る4と5はどんな感じですか?」──「う〜ん・・・・・やんちゃッ」
「マチダヤにナチュール入ってないんですよ」──「 (目をカっと開いて) それはマチダヤに言ってください。(両手でウネウネのジェスチャーを交えながら) ちゃんと平等に案内のFAXを流してます」

 ウゼえ───っ (笑) !!!!!

 さすが、タレント蔵元は所作のいちいちが妙なベクトルで洗練されていて楽しい気分にさせてくれます。「そういえば、先日、江古田の秋山でナチュールの3を買ったんですよ。まだ飲んでないですけど、店のスタッフが4より3を勧めてたんで」──彼は珍しく目を丸くして驚いたような表情を浮かべて「そうですかあ。僕は4の方が好きですけどねえ」「なんか、そのスタッフが言うには、4は今までの仙禽と代わり映えしないから面白くないって」「う〜ん・・・・・でも、僕は4の方が落ち着いて飲めるかな」──キザです。

 ここで冷やおろしの「亀ノ尾90生酛1年熟成 (日本酒度:−18、酸度:3.0) 」を試飲。悔しいけどこれは旨い。このボディー感、なんか26BYの山田錦生を思い出した。熟れた果実を噛んでるような濃醇さ。「味乗ってますねえ!」──キャツ (奴) は目を閉じ、口角をニっと上げ、黙ってうんうんと小刻みに頷く。これが目を見開かない、キャツ流の静かなドヤ顔である。

 ウゼえ───っ (笑) !!!!! Part2

「1年熟成なので、ある意味、これが始まり。言うなら、ナチュールZEROです」──キザです、Part2。

 オレが「なんか26BYの山田錦生を思い出しましたよ、この果実感」と言うと、今度は目を開けたままのヴァージョンで、同じように黙って小刻みに頷く。まだ2回しか会ったことはないが、キャツの癖について、一つわかったことがある。相手の意見に同意 (意見を理解) できないとき、おそらく彼は目を閉じない。内心で「なに言ってんだコイツ」と思っているときは、彼は絶対に目を閉じない。だから、 キャツのドヤ顔が本物かどうかは、目が開いてるか閉じているかで見極められる

 モダン雄町生27BY仙禽一聲27BYでつまらん酒を造ったくせに (笑) 。ちなみに26BYの山田錦生は、今の評価システムで表すなら、おそらく☆6。当時オレが呑んだ200種類以上の26BYの中で、TOP5に入る傑作。





大那 (だいな) <栃木>

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マチダヤ試飲会2016大那
▲見るからに人当たりの良さそうな阿久津信杜氏。



 普段からマチダヤで何度も見かけている銘柄だけど、なぜか未だに飲んだことも買ったこともなかったので、通りすがりに通年商品の五百万石55を試飲。酒そのものはスッキリした果実味があって、マズくはないが、どうも樽酒のような木香が気になる。これはオレが日頃から「ちえびじんの焚き火問題」として何度も指摘していることだが、この酒でもそれを感じたので、いい機会だし──阿久津杜氏が見るからに人当たりが良さそうだったので、失礼を覚悟で訊いてみた。

「他のお酒でも感じることのある、この木の香り、これってなんですか? 大きな声では言えませんが、今日は来てないちえびじんなんかでも最近よくこの香りがあって・・・」「特に意図しているわけではないです。樽貯蔵もしていません。ただ、2〜3年前に麹室を新しくしたばかりなので、どうしても新しい木というのは湿気を吸いやすいんです。その影響で木の香りが米に移るかもしれません」「おおおっ! そういうことだったんですか!」「 (人当たりの良い笑顔を浮かべて) でも、気づかない人は全く気づきませんよ (笑) 。敏感な人は気にしますけどね。今日も2〜3人のお客さんに言われましたけど」「そうですか? すごい木の香りがするんですけど。このお酒はバランス的にそんなにイヤじゃないですけど、甘めの線の細い酒でこれがあると気になるんですよねえ」「うちの麹室もまだ新しいので、蔵のクセと米がいい感じになるのに少し時間がかかるかもしれません」「微生物相手だから計算できない面もあって大変ですね (笑) 」「はい、すごい大変なんです (笑)

 だがしかし、鼻と舌の敏感な人が2〜3人なのではない。思ったことを口にできる人間が2〜3人しかいないのだ。蔵元は飲み手の反応が知りたくてわざわざこういう場に集まるわけだから、思ったことは、たとえそれが的外れなものであったとしても、ちゃんと言ってあげることが礼節というものだろう




春霞 (はるかすみ) <秋田>

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マチダヤ試飲会2016春霞
▲NEXT 5参加蔵ということもあって、ブースは常に盛況だった。さすがにカメラ慣れしてますね。イイ笑顔です。ブレてますが (笑) 。



 特に理由はないのだれど、秋田の蔵元結社「NEXT 5」の中で、なぜか未飲の春霞 (栗林も) 。マチダヤに入ってくる種類が少ないのが大きな理由ではあるが、池袋の升新商店は手厚く扱ってるので、28BYは2〜3本は買いたいと思う。今日は定番の純吟美郷錦を試飲。スリムな旨口ながら、この酸の効いた果実感は程よくエレガントだ。「美郷錦を使ったお酒って酸の効いたモノが多いような気がするんですけど、そういうお米なんですか?」というオレの質問に「それはないと思いますよ」と少し困惑気味に応えてくれた栗林杜氏。的外れな質問、大変失礼しました (笑) 。

 でも、たまたまだろうけど、オレ個人の狭い体験の中では、美郷錦で造った酒のヒット率は結構高いんだよな。そのどれもが麗しい酸に魅力のある酒。愛山の酒は高いし、28BYは意識して美郷錦の酒を狙って行こうかな。





悦凱陣 (よろこびがいじん) <香川>

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マチダヤ試飲会2016悦凱陣
▲この笑顔の裏で、時折り人を食ったようなイタズラ心を覗かせる不思議なリズムに満ちた丸尾社長。



 エントラス・ゾーンの「おやじの逆襲」コーナーにブースを構えていた悦凱陣。3本ほど持ち込んでいたそれらの酒は、25BYが一番フレッシュで (笑) 、あとは16BYの純大と、同じく16BYの純吟・興。しかもこの10年熟成の純大は一升瓶で12,000円。試飲したお客さんが「これ、買えるんですか?」と訊くと、社長はこのフワフワした笑顔でゴソゴソと値段表を取り出して──知ってるくせに!──「えーと、12,000円。マチダヤさんから注文してください」。たぶん、全蔵中、一番高い酒を持参していたと思う。気軽な試飲会という趣旨から大きく逸脱するトリップ感と銘柄的な孤高感とのマジカルな親和性に、思わず見てるオレも笑ってしまう。こ、この人・・・。

 そりゃあ、飲みましたよ。一応、冷蔵庫で10年熟成だって。つうか、16BYだから実際には11年〜12年だし。ごめん、オレには老ねにしか感じなかった (笑) 。それこそ、最近ブログでも取り上げた竹雀の2日目にも共通の香りがあったし、完全に老ねてた笊籬採り山田錦60にも同じ香りがあった。「うちの酒は10年寝かせても全然大丈夫です。常温10年もあります。お客さんでもっと寝かせた人もいます。大丈夫です」──こんな事を、写真のフワフワした笑顔でボソボソと言う。もちろん、すべて生酒での話な。もしかしてオレ、試されてる (笑) ? 「社長は常温とお燗どっちが好みですか?」「わたしはお燗です」──お燗を試飲。う〜ん、お世辞にも美味しいとは言えない・・・。

 だけど、不思議なもんで、この日に飲んだ酒の中で一番舌の記憶が残ってるんだよ。変な話、イベントのあった日曜の夜、帰宅した後も、とっくに消えてるはずの、まるで幻香 (まぼろしが) のようなものがいつまでも舌に残っていて、なにかの拍子に16BYの亡霊がゾンビのように蘇るんだよ。素人が迂闊に近寄ると、深夜うなされます。

 



武勇 (ぶゆう) <茨城>

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マチダヤ試飲会2016武勇
▲すみません! 名前が調べてもわかりませんでした。丁寧な応対ありがとうございました。



 こちらのお酒も「おやじの逆襲」コーナー。夏酒にALC.14度の白麹モノが出てて、一瞬「買おうかなぁ」と思ったことが一度や二度あった銘柄なので、まだ飲んだことも買ったこともないけど、雄町の山廃純米の火入れを試飲。「武勇」というイカツイ名前からは想像できないほど可憐な味わい。少しスッキリし過ぎていたので、「これって生酒もありますか?」と訊くと、「生詰はありますが、生はやってないです」とのこと。いや、ここでワンプッシュしとくでしょ。「そうなんですかー。これ、生酒ならイイ感じになりそうじゃないですか? いやー、生なら売れると思うなー」「そうですか?」「そう思います!」

 これで28BYに生酒がリリースされたらオレの手柄です (笑)





日高見 (ひたかみ) <宮城>

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マチダヤ試飲会2016日高見
▲あろう事か、参加蔵元No.1のイケメンミドル平井社長の写真が、よりによって一番ボケてしまうという大失態。シャツも酒のラベルカラーに合わせるというお洒落上級者です。流石アニキは違います (笑) 。



 貴のゴリ (あえての呼び捨て) もアニキと慕う、今回オレが見た中では明らかに一番のイケメン蔵元の平井社長。moukan1973♀も昭和のおばさん目線で「おおお、イイ男!」と言っていた。平井社長と言えば、特A地区の山田錦や山田穂や短稈渡舟など、宮城ではなかなか手に入らない酒米をなんとか分けてもらうべく先頭に立って奮闘した姿が『日本酒ドラマチック』に熱く書かれており、日高見の酒は飲んだことないくせに、勝手に親近感を得ていたわけだが、いやー、実際に会って話すと、この人からはかなり高めの人間力がヒシヒシと伝わって来るのがわかる。

 今回は山田穂 (山田錦の母) と短稈渡舟 (山田錦の父) の2本を持参していたけど、呑んでみると、これがなかなかいい。派手さはないけど、話に聞いていた通り、たしかにこれは寿司や和食によく合いそうだ。スッキリした飲み口に優しい果実味、酸もしっかり効いていて、なかなかにエレガントな酒質──今あらためてパンフを見たら、どちらも精米歩合60じゃないか。「短稈渡舟の方がフルーティーですね」とオレがボソっと言うと、意外な食いつきを見せて、「そうですか! こればっかりは飲む人にもよりますけどね」と言いながら、おもむろに社長も飲み比べの試飲を始める。蔵元自らが目の前で自分の酒を呑んだのはオレが見た中では平井社長ただ一人だ。

「う〜ん、どっちもそんなに大きな違いはないと思いますけど (笑) 」とはにかんで、「なんとなく山田穂の方がスッキリしてますかね」という感想。なにこの人たらし (笑) 。この人と話してこの人を好きにならない人っているんだろうか。「日本酒ドラマチック、読みましたよ」と声を掛けると「ありがとうございます」とジェントルな笑みを浮かべてペコリ。近いうちに必ず買いますよ、社長





伯楽星/愛宕の松 (はくらくせい/あたごのまつ) <宮城>

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マチダヤ試飲会2016伯楽星
▲今回撮影した中では、貴と並び、最も自信とプライドを強く感じさせた蔵元。乗りに乗ってるんでしょう。



 伯楽星というより、オレにとっては、ただひたすらに「あたごのまつ マチダヤ限定CUP 特別純米 中取り PLATINUM」の蔵元。前々からこの限定CUPの使用米について知りたかったので、伯楽星の酒にはあまり興味はないけれど、残り時間も少ないし、ブースに向かった。


atagonomatsu_platinum1.jpg 「マチダヤ限定のプラチナCUPの燗冷ましが大好きなんですよ〜」「ありがとうございます」「あれって、なんの米を使ってるんですか?」「山田錦です。酵母は宮城酵母です」「そうだったんですか! あのお酒って、他のお酒の中取りなんですか?」「えええ???」「他の通年商品とかで展開しているお酒の中取り部分なんですか?」「いえいえ、違います。完全にマチダヤさん専用で仕込んでます。CUPで中取りって面白いかなあということで (笑) 」「たしかにCUP酒で中取りって他で見たことないですよね (笑) 」──「ちなみに中取り以外の部分はどこに行っちゃうんですか?」と (わざと) 朗らかに尋ねると、杜氏は一瞬だけ表情を曇らせて、「他のお酒に混ぜたりゴニョゴニョ・・・」──オレ、もしかして業界のタブーに踏み込んじゃった (笑) ?

 以前にネットで検索した時に「山田錦」と説明しているブログがあったけど、それは正しかったのか。せっかく山田錦を使ってるんだから「特別純米 山田錦 中取り」と書いた方がインパクトあると思うんだが。とにかくこのプラチナCUPは燗冷ましが最高なんで、飲むときは温めた直後にチロリをすぐに冷やします。我が家ではすでに5回くらいリピートしてるけど、久々に買ってみるかな。

 せっかくなので、26BYに買ってイマイチだった純吟雄町を試飲。「あ、26BYよりフルーティーで旨い」と言うと、新澤杜氏は自信を顔に覗かせ、「去年よりも今年の方が出来がいいんです」「たしかに、26BYは少し粉っぽかったんですよね」──買うかは微妙だが、これは予想を軽く裏切ってくれたので印象に残った。





山和 (やまわ) <宮城>

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マチダヤ試飲会2016山和
▲服装を見るに、きっと彼はオシャレさん。下がり眉なので、こういうファニーなメガネも似合うっちゃ似合うんだけど、そこらのバカ女と似たり寄ったりになっちゃうので、ただその理由一点でこれは止めた方がいいと思います。他にいくらでも楽しいメガネあるんでね。



 場内アナウンスが残り時間の少なさを煽り始めている。当然、この手のイベントには、口に入れた酒を捨てる吐器 (はき) もあちこちにあるので、そこまで酔ってるわけでもないが、実は杜氏と会話している時は捨てられないので、結果的にその時間だけは普通に呑んでいた (笑) 。なので、それなりには酔ってる。写真もたくさん撮ったし、オレ頑張った感もそこそこあるので──1番頑張ってるのはコレを書いてる今だけどな!──、<もういいかな>と思いつつも、最後の気力を振り絞って山和のブースにフラフラと流れ込んだ。

 3月の『若手の夜明け』というイベント (10/9にも開催) でも少し試飲したけど、山和のような派手さのないキレイ系の酒はイベントには少し不向きで、なんというか、家電販売店でプラズマが液晶に見劣りするようなハンデがあると思うわけだが、今回は冷やおろしということで少しは味が伝わりやすいかな。マチダヤ専用熟成の純吟美山錦50を試飲する。

あ、味乗ってる!」「ありがとうございます。こっちの純米吟醸と酒米も酵母も磨きも全く同じです」「同じ仕込みですか?」「いえ、仕込みは別々です」──そっちも飲んどくか──「あああ、マチダヤ専用の方がいいな。ちょっとこっちはスッキリし過ぎ。ところで、10/9にもイベントやるらしいですね。実は3月に行ったんですよ。場所は同じ渋谷ですか?」「はい、同じです」「チケット売れてますか?」「ボチボチですね (笑) 」──どうやら彼は少しシャイなようだ。「頑張ってください」「ありがとうございます」

 案外悪くないな。この段階では何飲んでも美味しく感じる病が発症しているとは思うが──





蒼空 (そうくう) <京都>

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 モウカン的「スマイル大賞」は藤岡酒造の藤岡正章杜氏です!
マチダヤ試飲会2016蒼空
▲なんかもう、初対面のオレに対しても、気心知れた仲間と酒の席で盛り上がってるかの如くナチュラルに笑う人です。オレも最後は普通に彼をイジってたし (笑) 。



 オレが日頃仲良くさせてもらってる近所の八百屋の兄さんです。間違えました。オレがよく行く居酒屋の店長です。間違えました。そもそもオレ、今年は一度も店で呑んでねえし。えーと、彼は、誰だっけ?──そうだそうだ、オレが学生時代に警備のバイトしてた時に仲良くなった工事現場の兄さんだ。

 そろそろやめます。

 彼は、京都で「蒼空」というお酒を造っている、藤岡正章杜氏です。いやー、別に大した話はしなかったけど、最後の最後に彼のブースに辿り着いたのは運命か。もう、この人懐こい笑顔ですよって、今ネットで調べたら、オレより3つも年上じゃん! なんかノリが30そこそこな感じなんだよな。もしかしてオレ、すごい失礼なこと言ってたかもしれない・・・。ゴメン、兄貴!

「蒼空の冷やおろしって、数が少ないから店で買うの難しいんですよ」「エヘヘ、すみません! でも、今年は少し多めに入れてますんで是非!」──蒼空の酒からは想像もできない、とにかく明るくて話しやすい人だ。「あ、旨いっ!」「ありがとうございます!」「買おうかなあ」「是非!」「これって、通年の純米美山錦の冷やおろしということでいいんですか?」「いいえ、純米とは造りは変えてます」「なんか通年の純米より味わいに膨らみがあって旨みの幅が広いっすね」「熟成ということもあると思います」──ここまで常に笑ってます。







「実は僕、これまでに蒼空は何本か呑んでるんですけど、雄町の生原酒だけは蒼空らしくないというか、味わいがブっといですよね」「そうです!そうです! あれは、あえて蒼空らしくない酒ということで、他の蒼空とは掛け離れた味わいにしてます。生原酒は雄町と、京都内限定なんですけど、短稈渡船も生原酒でやってます」「へえー! それ飲みたいですねー! 東京でも展開してくださいよ」「申し訳ありません! これは今のところ京都内限定なんです。数が少ないんで。もしも京都に来ることがあれば是非!」「BARも経営してましたよね?」「はい、そちらでも飲めます」──こんな彼だから、この時間でも人は絶えることなく訪れる。おかげでオレと話している最中に冷酒は売り切れてしまった。

「失礼ですけど、杜氏さんですよね?」「そうです」──もちろん笑ってます──「こんなこと言うのもあれなんですけど、蒼空のイメージと杜氏さんの風貌が掛け離れてますよね (笑) 。年配の酒屋の人と二人で並んでたら、誰もが杜氏を酒屋だと思いますよ」「アハハハ! よく言われます!」「ですよねえ! 蒼空の清楚な酒質とのギャップが (笑) 」「そうなんですよ。もうしょっちゅう、そのことでイジられてます (笑) 」

 オレも所詮は人の子か。これを書いている今、やたら蒼空を飲みたくなってるんだけど・・・。






 以上です。

 いろいろと反省点もあるので──主に写真や段取りに関して──、もしも来年も参加できれば、その時はさらなる高みを目指したいと思います。長い間、ご精読ありがとうございました。

 しかし、意外に時間かかったな。書くことに関する煮詰まりやネタに困る時間はほぼゼロだったんだけどな。体力的な問題か。気が向いたら、明日以降に「総括」を書く。


moukan1972♂






日本酒

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

毎度コメントありがとうございます!

基本、取引のある飲食店限定の試飲会なんですが、なんか僕を飲食店の人間だと思っていたらしく、「違いますよ」と言うと、「えっ? そうなんですか? でも、別にそれでもいいですよ」みたいな話の流れになりまして (笑) 。ただ、飲食店の人には紹介制度みたいなものがあって──用紙に参加人数を書くので、そこで友人なんかも普通に呼べるっていう──、それで関係ない人も結構紛れ込んでいましたね。


──日本酒大手は益々泥沼に嵌ってるん最中なんでしょうね〜 半分ザマあーという感じです。

それでも普通のスーパーなんかでは年寄りがドカドカ買い物カゴに紙パック酒を入れてますけどね (悲) 。かつての僕もそうでしたが、酒は「酔うためのモノ」というカテゴリから如何に離れるかで真の悦びに出会えるわけで、経済的な理由など、なかなか人は嗜好品としての酒と向き合う機会が少ないんだと思います。手を伸ばせばすぐ届くところに美酒がゴロゴロあるんですけどね。

サンジュリアンさんのワイン小話は僕にはチンプンカンプンな部分も多いですが、きっと読者の中には密かな楽しみにしている人も多いと思うので、これからも引き合いに出してどんどん書いてください (笑) 。

鍋島の特純生原酒、今年は本気で手に入れますかね。
実は近所にいつでも鍋島を買える穴場がありまして・・・。

仙介!
「日本酒感想日誌」の日誌係氏発ですが、秀鳳の出羽燦々33のお好きなサンジュリアンさんなので、確実に美味しく飲めると思います。全く重くないですし、微量のガスもあってサクっとジューシイに口の中でほどけます。秀鳳よりも清涼感がありますが、香りも甘みもしっかり楽しめると思います。

2016.09.27 Tue 23:37
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Name - サンジュリアン  

Title - 

羨ましいですね〜 こういう機会に参加できるのは生前の行いが良かったからかなあ😇
この様な生産者がダイレクトに消費者(飲食店さんがメイン?)に自己アピール出来る時代に成ったんですね〜 最近月桂冠のCM見てて、彼ら売るのに苦労してるだろうなって思うのですよ。
あの商魂の鬼みたいなサントリーも不味いダルマやリザーブをCMだけで売ってたけど、深刻なウイスキー離れが起きて、結局良い酒作らないと売れないと気付いて立ち直ったけど、日本酒大手は益々泥沼に嵌ってるん最中なんでしょうね〜 半分ザマあーとい感じです。
ワインも1970-80年初めに掛けて大不況時代になったですよね。結局売れないから投資しない、更に品質劣化の負のスパイラルに陥ってしまい。数人の優れたエノロジストの登場と勇気あるオーナーが品質改善を断行して黄金の1990年代を迎えて今の全盛期があるのですが、今まさに日本酒で同じ事が起きてるんじゃないかと思います。日本酒の場合 ワインの葡萄に当たるお米 何処からでも引けるので、技術と水 そして職人芸が有れば、昨日までボジョレーだったのがいきなりシャンベルタン出せる可能性があるということでしょうね〜
貴方の鍋島の評価 楽しみに待ってます。
P.S 仙介の純米大吟醸生原酒 気になって今日注文しましたが、灘の酒多分初めて(大手を除き)の筆下ろしです。
2016.09.27 Tue 19:36
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Name - moukan1972♂  

Title - To まるめちさん

毎度です。

オレも、ふと、なんでこんなにいろいろとホイホイ訊けるのかと思ったら、
一番通ってる店の試飲会だから、結果的に呑んだことのある銘柄、
しかも何種類もいろんなスペックを飲んでる蔵ばかりで、
なんというか、なにも用意していかなくても予習がバッチリ過ぎた (笑) 。

MEMOを取ったりボイスレコーダーを使ったり、そこまでは面倒だから、
多少の言葉遣いの誤差はあるかもだけど、内容に嘘や誇張はないと思う。
オレの感性にリミッター解除な質量があるかもしれないが (笑) 。

村祐の杜氏はかなりファンキーだったねえ。
もう立ってるだけで他とは違う空気が流れてるっていう (笑) 。
なんかヤル気のない喫茶店のマスターみたいというかさ。
でも、砕けた感じで話してくれるから逆に楽だった。
彼も気分的に退屈してたから、オレをイジって暇つぶししただけかも (笑) 。
頑固オヤジな一面もあるけど、楽天的な面もあって、ヤル時はヤルという感じ。

そもそもマチダヤのスタッフに声を掛けられた理由の一つが、
やっぱ飲食店の人とかって、なかなか蔵元に率直な意見を言わなくて、
蔵元もそれが少し物足りないんだって。
だから、思ったことをガンガン言ってもらうと嬉しいみたい。
本当は鍋島が来れば一番盛り上がったんだけどな (笑) !


しかし意外に時間かかるな、これ。
まさか書き上げるのに3日もかかるとは・・・。
2016.09.27 Tue 16:53
Edit | Reply |  

Name - まるめち  

Title - 

こんばんは。
いやあ面白いですこの記事。
自分はコミュ障なので、イベントでもこんなには写真取ったりお話を聞いたりできないので…

個人的には村祐の杜氏さんのキャラが衝撃的でした。
てっきり頑固系職人かと思っていたら、まさかのファンキー親父とは(笑)
でも、アウトローっぽさはビンビンに感じますね、つい最近買った常磐ラベルがさらに味わい深く感じられました。
2016.09.27 Tue 03:56
Edit | Reply |  

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