もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 その吟醸、720mlが840円ナリ。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤月の輪 - 純米吟醸 結の香48 処暑の酒 27BY ── dಠಠb ♡☺♡「オレたち、いろいろ頑張った、美味しく飲むために」#Clear 




 岩手の紫波 (しわ) のお酒、月の輪です。純吟なのに磨きが48%なのは、この「紫波=しわ=48」にちなんでのことのよう。昨日の幻舞が思いの外ハードな生原酒だったので──ロックで薄めたら程よい飲み口になったけど──、今日は少し清楚っぽい火入れのお酒をチョイスしてみた。とはいえ、はじめて呑む銘柄なので、「清楚」というのはオレの勝手なイメージです。意図したわけではないけど、2日つづけて女性杜氏 (横沢裕子氏) のお酒です。



 



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 平成25年に酒造好適米に登録されたばかりの岩手の酒米「結の香」を100%使用、酵母も「F2 (岩手県酵母) 」というALL岩手酒。もともと限られた特約店でしか買えないお酒のようだけど、今日いただくのは更にマチダヤ限定の──おそらくは瓶囲いの蔵熟ロット?──「処暑の酒」ヴァージョン。限定300本とポップには書いてあったけど、どこがどう限定なのかの説明はなかった。







 DE、この「処暑の酒」という言葉、冷やおろしの解禁が10月1日の味ノマチダヤが冷やおろし前に唱えてる、二十四節気における「処暑 (8月23日頃) 」──つまりは「少し涼しくなりはじめた夏の終わりの酒」的なコンセプトを売りに展開しているものなので、明確に「これ」という定義はない模様。ただ、豊盃の純吟生熟ヴァージョンとか、味の乗ってそうな商品も幾つかあるので、今回はちょっとそれに乗ってみた。




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 ▲離婚の慰謝料 (総資産の½) です。流石メル・ギブソン。

 ▼セレブ御用達の敏腕離婚弁護士。
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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆

【197】月の輪 -つきのわ- 純米吟醸 結の香48 処暑の酒 27BY <岩手>

有限会社 月の輪酒造店:http://www.tsukinowa-iwate.com


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 香りは穏やか。ややミンティーで青いニュアンス。ほんのりマスカットや洋ナシ様の甘酸も。テロっとしたシロップ様の甘やかさもあって、ここに引っ張られると人によってはパイナップル香を見出すかもしれないが、そこまで強く何かのフルーツが前に出る酒じゃない。うん、これは軽くて良さそうだ。


tsukinowa_yuinoka48_27by3.jpg 含むと、香りはほとんど感じない。淡くてキレイな幕開けから、最後は火入れ的な、少し舌に残る渋みがザザっと。やや後ろ向きな第一印象としては、「白鴻が造りに失敗してなかったらきっとこんな味わいになってたんだろうな」と思わせる味。

 キレイで穏やかな吟醸酒を目指しているのは伝わっては来るんだけど、なんつうか、美酒という属性を目指して美酒たろうとしている酒なんだよな。造り手たるもの、誰もが「美酒」を目指すのは当たり前なわけだけど、これは、ただなんとなく「こういうの、美酒だと思いませんか?」という、上っ面な美酒観に捉われてるような気がする。別にオレにとっちゃ長珍の新聞紙だって立派な美酒だし、美酒観とは本来、それぞれにオルタナティヴな価値であるべきだろう。つまり、そもそも「美酒」というジャンルそれ自体が、本来的にはロジックとして成立し得ないと思うんだ。そんなものはどこにもないのさ──理想の結婚相手と同様に。

 だけど、こうも人の思い描く抽象世界の中の美酒観を体現されると、なんか顔は美人なのに全く心惹かれないという、なんともやるせない退屈さと向き合わざるを得なくなる。厳しい? いや、決して見所がないわけじゃないから厳しくなるんだけど。箸にも棒にも引っ掛からない酒は「不味い、金返せ」で終わるから。いくら人より筆の立つオレだって、書くという行為で消費するエネルギーはそれなりなのよ。常にこう思ってますよ──嗚呼、今日こそ短く済みますように


tsukinowa_yuinoka48_27by5.jpg これ、冷たすぎない方がいいような気もするし、グラスの形状もいろいろ試してます──こういう行為のことを、その酒のイイところを見つける努力と言うのかい?──別に当たり前のことだけどな──写真と文章でここまでその過程を晒してる日本酒ブログ、他にねえだろ、ザマあ見ろ。

 まあ、昨日の今日なんで、「たまにはいいっかな」という感じ。人が──特にTVに出てる芸能人が「やっぱ和食には日本酒だよね」と言うときの日本酒ってこういうのを頭にイメージしてるんじゃねえの?

 一昨日の「とんねるずのみなさんのおかげでした」の食わず嫌いに出てた渡辺謙もイカの塩辛を食いながら「日本酒でキュっといきたいね」とか言ってたし、オレからすると、うちにはキュっとした日本酒がほとんどないのだけれど、世間一般は未だにそういうイメージでしょ。そういう意味では、この月の輪は、人のイメージの中にある美酒観に程よく応えるだけの美しさはあるかもしれない──何回見ても顔を覚えられない美人みたいな酒ではあるけれど。キレイでほんのり甘くて優しい果実味もあって──それこそ清楚だけど、だがしかし、実際には同じような言葉で表される十四代の酒質とは全く異なるわけで。







 まあ、なんつうの?──単に苦しゅうない酒?

 ちょっとこの酒の魅力を引き出す言葉が「とっても飲みやすいです!」という小学生レベルのボキャ以外に見当たらないのが辛いところではあるが──ん? 温度が上がってくるとようやく本領を発揮か。ほんのり甘くてクリーミイ。控えめで酸の少ない雨後の月みたいなルック。グラスはリーデルがベター。酒と口の距離が近いと渋みが増す。

 まあでも、飲んだ瞬間に熱く何かを語りたくなるような酒ではない。もちろん、そういう酒を目指してるわけではないのがわかるから、あまりアーダコーダ言うのも憚られるんだけど、この淡い感じでほんのり甘くてキレ (辛み) もあって食事に寄り添うという酒質を目指すなら、いっそのこと特別本醸造か吟醸にした方がよくないか? そうすりゃこの滑りの良さがカワイ子ちゃんのスベスベお肌みたいな意味合いで発揮されると思うし、アル添の方が香りも乗りやすいしね。結の香で十四代の本丸みたいな酒を目指すのもありだと思うよ。火入れの純吟でこの酒質で他の酒から頭一つ抜け出すのは容易じゃないと思う。

 うーん、ちょっと最後が渋いんだよなー。熟感はどうかね。すこしポチャっとした丸みも感じるけど、特別に熟成を謳ってない酒でも、この程度のボディ感はあるしね。

 オレたち、いろいろ頑張った、美味しく飲むために。口だけでなく、写真も撮ったし、こうして文章にもしてる。

 それでも、別に取るに足らない酒。普段日本酒を飲まない素人が「飲みやすぅ〜い」と褒めてるんだか貶してんだかわからんような賛辞を贈る以外、特に前向きな声は出てこないと思う。ま、苦しゅうないので、マズイとかはないけど、moukan1973♀も♡☺♡「次はない」と言ってるし、それはオレもそう思う。美酒への渇望と努力は感じるので、☆3つ半にしておきます。オマケです




── 3日目。


 常温で──。

 ちょっとアルコールの浮きが気になる。うーん、冷たいよりは甘みも感じるけど、飲み込むと結構辛い。まあ、あれです。渡辺兼が塩辛をアテにキュっと冷酒で一杯やる分にはなんの問題もないですが、年間200種類以上の酒を縦横無尽に飲みまくる日本酒ブロガーにとっては何かを熱く語りたくなる酒ではないでしょう。数ある酒の中で、「月の輪が一番好きです」と言う人を想像することはオレには不可能。☆3に格下げします。


moukan1972♂






日本酒 月の輪

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