◤澤屋まつもと- 純米吟醸 雄町 26BY ──dಠಠb「ふとした瞬間に『オレ今いい酒飲んでるかも』と立ち止まる1秒か2秒がないわけでもない」#Well-Cured, Okan 




 澤屋まつもとです。前回は定番の火入れ純米をCUPで呑んだだけなので、この銘柄の酒をちゃんとじっくり呑むのは実質的には初めて。



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 ▲オレにも「爽やかな人間になる」という選択肢がかつてはあったのだろうか・・・。



 杜氏の松本日出彦氏は若い時にDJを志してオーディションを受けたこともあるんだとか──そもそもDJの世界にオーディションがあったとは初耳だけど (笑) 。そのへんのトピックについては、

 地酒専門店 佐野屋
 松本酒造 (蔵元紹介)

に詳しく書かれています。その後、音楽の道を諦め、醸し人九平次でお馴染み「萬乗醸造」で3年ほど修行を積み、実家に戻って2010年から杜氏としてのキャリアをスタートさせたことは、多くの日本酒ファンには周知のエピソードのはず。

 ちなみに我が家では、醸し人九平次に関しては、25BYに定番の雄町と山田錦、26BYはmoukan1973♀の誕生日に「別誂 (山田錦35) 」をプレゼントしてもらって呑んでます。銘柄デビュー当時の熱狂と歓迎を知らない後発組の我々からすると、もはや醸し人九平次に対する驚きや感動というのは最初から薄れ気味だったけど、28BYは改めて呑んでみようかね。去年末、江古田の秋山に山田錦50の生が緊急的に入ったんだよな。「ん? 27BYは生もやるの?」と思ってスルーしたら、酒屋がせっついて蔵が仕方なく出荷した超番外編だったみたい。買っとけばブログ的には格好のネタになったのに・・・。



 ▼なにも悪いことしてないのに思わずこちらが謝りたくなってしまうほどの好青年オーラが眩しすぎる・・・。
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 さて、今回の雄町は蔵で1年ほど寝かせてから出荷された26BYのお酒です。たぶん火入れ。今年の2月出荷なので、そこから更に半年以上寝てるじゃないのさ。最初からリーデルでイっちゃうかな。温度が上がった方が良さそうだし。お燗もイケるのかな。

 ま、いいや。気分次第でいろいろやってみますわ。



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 ▲老婆心ながら、結婚はゴールではなく、ゲームで言う、ただの「面クリ」。
 これからの方が長いからね。末長くお幸せに。



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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【195】澤屋まつもと -さわやまつもと- 純米吟醸 雄町 26BY <京都>

松本酒造 株式会社:http://www.sawaya-matsumoto.com


Moukan's tag:




 立ち香──穏やかながら、開けたては静岡吟醸的なブドウやバナナ、それに優しめのセメダインも少々。最近呑んだ中だと、「黒松仙醸 こんな夜に 山女」なんかも思い出すかな。まあ、あれですよ、雑な言い方をすれば、トラッドな美酒系? 火入れだけあって、生酒のような沸き立つ芳香はないです。

 そうしたトラッド観を真面目に踏襲するかの如く、奥ではアルコール的な辛みもしっかりある。とはいえ、ワンテンポ遅れて、ようやくチョコっぽい熟香も顔を出してきた。いなたい枯れた米感はそれほどでもないかな。フルーツではなく、これはまさにカカオ様の酸。


 含みます──。

 うわっ、しっかり寝てるじゃんかよ。甘→苦→酸の流れで熟成のメロディーを奏でて、最後はしっかりしたアルコール感でキレ上がる。このへんの辛みのプロポーションは九平次なんかと被るっちゃ被るかな。辛みにドスンとした重みはないけど、それでも吉田類なんかが「辛口」などとほざくであろうレベルには喉越しサッパリのスッキリとした辛口である──とは言える。

 ここまでは軽い味見。本番はリーデルで──。



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 ♡☺♡「非常に優しく感じる。ガツンとしてなくていいわ。自分なりにわかりやすい。そこまでドライフルーツな感じはないかな

 このカットインが意味のあるものかは読み手が決めることではあるが、かりにどうでもよかったとしても、これだけは言える──どうでもいい感想しか持てなくても日本酒を楽しむことはできる

 あああ。品良く熟してるし、酒としてもちゃんとしてるけど、面白いかと言われると別に面白くはないし、つまらないかと言われてもハッキリつまらないとまでは言えない──難儀やなあ (笑) 。ただ、わりとしっかりした酸が出てるので、味の輪郭には一本芯が通っていて、食事と一緒にダラダラ飲むには特に問題はない。ふとした瞬間に「オレ今いい酒飲んでるかも」と立ち止まる1秒か2秒がないわけでもない。ただどうだろうね、この1年熟成の純吟雄町をわざわざ特別な何かとして──作家表現のための何かとして世に問う意義はあるのかね。

 引きつづき、ダラダラ&グルグルしながら飲んでます──。

 うん、温度が上がった方がいいかな。アルコール感もそれなりには出てくるけど、甘みや旨みは捕まえやすくなる。全体に造りの良さ──ワインで言うところの「フィネス」ってやつ?──は大いに感じるけど、それを人間に置き換えたとき、フィネスの良いヤツが一緒にいて面白いかどうかはまた別の話でして・・・。


sawaya_matsumoto_jungin_omachi26by6.jpg お燗──。

 あ、こっちだ。

 ようやく甘酸の表情がフルーティネスのフィールドにおいて輝きはじめた。お燗にすることで一気に酒の表情が明るくなったというか、前述の話で言えば、魅力が増したというか。特に甘酸がほどけた後の渋みに艶が出る。赤ワイン的なエレガントなタンニン風情もあるしね。燗冷ましは意外にジューシイ。赤い果肉からジュワっと甘みと渋みが溢れ出る感じ。

 まあでも、この燗のためにわざわざこの酒を買うかという問題は残る。やはり、無難に27BYの山田錦50を買うべきだったのかな。別にこれも、ここでブツクサ言うほど悪い酒じゃない。誰かにどこかに食事に連れて行かれて、座って黙ってこれが出てきても文句は絶対に言わない。とはいえ、蔵が手塩にかけた雄町の1年熟成を酒屋でわざわざ買って家で飲んで、ハっとしたり感動したり、また来年も買うぞとかの熱いエモーションが股間の奥から奮い立つことは、正直まったくない。単にイイ酒、それだけ。

 ごめんね、人としてのフィネスが足らなくて。


moukan1972♂






日本酒 雄町 澤屋まつもと

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