◤ほしいずみ - 純米大吟醸 山田錦 27BY ── dಠಠb「ん? 味わいはもはや、完全に古酒の範疇」#High Grade, Well-Cured 




 ほしいずみです。山田錦の純大には磨き45%のこれと、40%の「滔々 (とうとう) 」があります。地元の酒屋じゃないとこのへんのスペックはあまり扱ってないかも。ちょっと前に地酒処くりもとという愛知県半田市にある酒屋から取り寄せました。「要冷蔵」とも書いてないし、おそらく火入れは2回なのかな。



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 箱入りの限定500本なので、贈答用とか、お土産用とか、そういう立ち位置の商品なところが少し気にはなるが──というのも、この手の高級ラインだと「純米吟醸 夢吟香 6号酵母Ver」で感じだモダニティがイマイチ発揮されないのではないかという不安が股間をよぎるのさ。とはいえ、純吟の記事の中で「45まで磨けば真の実力を発揮すると思うんだよなあ」などと偉そうなことを書いてしまった手前というわけではないが (笑) 、ほしいずみのハイスペック酒への興味は一定量あるんだよ。別に王道の出品オリエンテッドな山田錦なら、それはそれでいいしさ。



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 普段あまりこの手の値段の山田錦酒を買わないので、4合瓶で3,000円 (税抜) だし、それなりには期待してますGA、オレ自身、とかく高級ラインへの評価は厳しくなりがち──味だけでなく値段に対する満足度も加味されるから。それでも十四代豊盃には☆5以上の評価をちゃんと与えているので、旨さが勝てば値段のことなんか余裕で忘れます。逆に言えば、値段なんかのセコい話を旨さで吹き飛ばしてくれてこその高級酒だとも言える。頼みまっせえ〜。

 さっ、飲も飲も。




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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【193】ほしいずみ 純米大吟醸 山田錦 27BY <愛知>

丸一酒造 株式会社:http://www.sake01.co.jp


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 立ち香──さすがに大吟醸スペック的山田錦風情な王道の香りはしっかり。少し濁ったようなメロンやバナナ──クリーミイという言い方もできるけど、もっとくぐもったような質感。透明感のある瑞々しいフルーティネスはほとんどなくて、奥で少しカカオ様のホロ苦さ&酸も。あれ? 火入れなのに4ヶ月 (5月出荷) でそこまで熟しちゃってる?

 含みます──。

 あああ、これ、だいぶ寝てるよ。チョコバナナみたいなタッチ、あるよ。可憐で麗しい山田錦の純大じゃなくて、結構ドスンとした腰の座ったプロポーション。飲むというよりは、食べる感じに近いとも言える。さすがに45%まで磨いてるので、ファットな旨みが大爆発することはないけど、それでも五味がしっかり舌に絡みつく感じはある。


hoshiizumi_jundai_yamada45_27by6.jpg つうかコレ、まるで麦チョコやん (笑) 。穀物由来の香ばしいミネラル感も。もしかしたら、キャップ問題、あるかも。写真にある通り、アルミのカチっとタイプじゃなくて、プラスティックのキャップが人力で固く閉まってるだけの状態。結構しっかり閉まってはいたけど、密閉性に関しては問題アリかもしれない。そうじゃなきゃ、火入れの酒が4ヶ月でここまで枯れるか?

 飲めば飲むほどに古酒のようなニュアンスが前に出てくる。もはやほしいずみ的な属性をハッキリと知覚できないものの、酒としての造りの良さは感じる。口どけはすこぶるいい。余韻は長め。なだらかで長めのスロープを、静かにフェードアウトしながら、甘みから始まる五味がしなやかに転がっていく流れ。まるで何かのスイーツのような甘苦く柔らかな幕開けから、黒子的な酸が旨みの広がりをそつなく抑えつつ、控えめで清楚な渋みへと手仕舞っていく一連の味のメロディーは極めてエレガント。辛みのアタック感は品良く優しい身のこなし。

 だがしかーし!

 味わいはもはや、完全に古酒の範疇。古酒アーカイブ少なめのオレがこのタッチを正しく位置付けることは簡単ではないけれど、酒単体として普通以上に旨いとは言える。特に食後の甘めのデザート酒としてはアダルト&シックなタッチで、いかにもこなれた味わい。とはいえ、真面目な話、4合瓶3,000円 (税抜) の純米大吟醸山田錦45としてオススメできるかと言えば、古酒想定が視界に入っていないのであれば、やはりこの枯れ具合にそこまでの値段を払うことを声高にオススメはしない。

 ただ、味わい的には「こういう枯れたタッチは大好物」という人もいるだろうから、評価は☆3.5にしておきます。まだ1合強残ってるけど、ここまでMellowに仕上がってるんだから、夜が明けて再び次の夜が訪れた程度で何かが劇的に変わることもないだろうし、☆3.5の評価はきっと不変でしょう。造り的な問題は特にないとは思うけど、元々の味を確かめようがないので、やはり☆4は付けられない。そこはわかって。

 5月出荷だけど、火入れ酒で普通ここまで熟すかね。やはりキャップに問題か。

 それでもやはり、ほしいずみのカナメが酸にあることを再確認できたことは有意義だった。商品によって甘かったり甘くなかったりしても、調整役としての美麗な酸を感じなかったことは、これまで呑んだ3本の中には1本たりともなかった。

 明日はリーデルでダラダラ飲むかね。そうそう、冷たすぎるよりも、常温に戻りかける途中にベストな温度帯があるね。そういう意味でも古酒っぽい風情なんだよな




── 2日目。



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 ▲44歳−12歳=32歳。やましい気持ちは一切ないのに強制的に降り注がれるこの罪悪感ナニコレ。



 香りはメロン。少しぽっちゃりしたボディの揺らぎから、今日はパイナップルみたいな甘やかさもあるけど、やはり奥でしっかりした熟感が。

 残り1合強なのでリーデルでダラダラと。

 昨日あれから少し考えたんだけど、やっぱこれ、27BYじゃないような気がしてならない。火入れの山田錦45が、たった4ヶ月でここまでチョコ風味にはならんでしょ。2月出荷の生酒ですらほとんど熟してなかった蔵だよ。そりゃあ、完全な古酒よりは多少は若さもあるけど、この味わいに到達するには1年半くらいは要すると思うんだよな。3年だの5年だのの古酒と比べるとまだまだ溌剌とした表情もあるけどな──特に酸において。

 で、結局どうなの?という話だけど、旨いは旨い。特に今日はしっかり酸を感じる。滑らかで柔らかい甘やかさに芯を与える酸、旨みのサイズを程良く凝縮させる酸は、まさにチョコレートにおけるそれと同じニュアンス。

 moukan1973♀は♡☺♡「キレイでサラサラしてて美味しい。熟してるんだけど重くないっていうか」と言ってるし、オレもそれについては同意見ではあるけれど、2016年5月出荷の山田錦45の3,000円 (税抜) の純大を買うに際して、どう考えたってこの味わいは想定していない。

 ちなみにラベルに記載されている「◯◯年△月」というのは、詰め日ではなく、出荷日を示しています。だから、たとえば先日呑んだ「辰泉 山廃本醸造 生原酒25BY」なんかも、瓶には「28.3」と表記されてます。辰泉みたいにちゃんと「25BY」と書いてあれば何の問題もないんだけど、たとえば酒屋が古いビンテージの酒を蔵に追加発注した場合、実際のBYに関係なく、出荷した年と月が表示されるので、26BYの酒でも、27BYに出荷されれば、そのように表記されるわけ。これ、少し法整備した方がよくないか? 中には「詰め日」と「出荷日」を分けて書いてる蔵もあるけど、極一部だもの。

 酒米の表記にしてもそうじゃん。先入観ゼロで飲んでほしいという蔵元の気持ちはわかるけど、全体からすれば、そういう先入観で飲む人は少数派なわけでさ、そこまで気にする必要はないと思うんだ。そのくせ、愛山や酒未来は死んでも表記するんだろ? だったら、愛山と酒未来の酒にも「国産米」と書いてみろよ (笑) 。


moukan1972♂






日本酒 ほしいずみ

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