◤亀甲花菱 - 純米吟醸 美山錦50 甕口直汲み生原酒 赤ラベル ── dಠಠb「これが南国の晴れた昼間の青空なら、どれだけ楽しい表情をこの酒は見せてくれたのだろう」 




 大好きな銘柄、亀甲花菱です。家には純吟雄町の一升瓶もあるんだけど、なんとなく今日は4合瓶の美山錦を開けようかな。こちらの赤ラベル中川商店のオリジナルです。全ての銘柄がネットでポチれるわけじゃないけど──しかも今は一時的に買い物カゴそのものが使えない模様──、別に他のお酒も電話やメールで対応してくれるはずです。

 そうそう、お店のブログには「インスタグラムやFacebookには、ほぼ入荷と同時にUPしております」と書いてあったけど、店で奥様に確認したところ、個人用のアカウントなので一般公開はしていないとのこと。主に取引先の飲食店の人なんかが見てるんだって。紛らわしい (笑) !

 ちなみにホラーラベルの純米大吟醸は当ブログでも最高点を付けてるし、同じ醪かは分からんけど、今回の美山錦と同じスペックの純米吟醸・中取り生原酒にも高い評価を与えているので、期待が自律的に暴走をはじめてはいるGA、まあまあまあ、そこは落ち着いていただくとしましょう。




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 ▲なにげに黒田のティアドロップが攻めてるっていう (笑) 。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【190】亀甲花菱 -きっこうはなびし- 純米吟醸 美山錦50 甕口直汲み生原酒 赤ラベル <埼玉>

清水酒造 株式会社 (by 彩の地酒) :http://www.sainojizake.com


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 立ち香──キタっ。

 やはり辰泉の山廃本醸造は亀甲花菱の美山錦と仲間であった。熟れたベリー系の濃醇さの中に豊かな五味が折り重なる、艶っぽい香りのミルフィーユ。洋でもあり、和でもあり、お洒落スポットのドライフルーツ屋でもあり、おばあちゃん家の桐ダンスでもあり、一言でフルーティーで片づけるにはあまりにも物言いたげな香りの発散。

 含みます──オウ、わりと渋酸っぱいな。そして立ち香で感じたほどの香りの複雑味はない。結論だけ言うと、辰泉の方が上だし、中取りヴァージョンの方がさらに上。まだ味そのものが奥に詰まってるというか、少し窮屈な印象。この段階では、渋みと苦みの中に、まだまだ果実味が幽閉されてる感じだ。4月出荷なのにね。



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 振る──そしてそのまま放置──からの2杯目

 多少は味が開いて来たけど、微妙ぉ〜。すごく透明なボディの中に香りや旨みやコクがエレガントに溶け込んではいるんだけど、なんと言うか、ちょっと全体に五味が引きこもり気味です。凝縮感へと収斂した後のエネルギッシュな五味の発散が今一つ弱い。平たく言えば「味が薄い」ということなんだけど、今にも何かが弾けそうな素質を感じるだけにモドカッシャブル (もどかしい) 。まるで割れそうで割れない風船みたいだ。

 3杯目──。

 今が一番イイけど、当然にして亀甲花菱の中で一番イイわけではない。言っておくと、いわゆる〝直汲み〟的な属性はほとんどない。ガスもない。わかりやすいフレッシュさもない。中取りのような味の厚みもない。強いて言うなら──このオリジナル商品におけるアドバンテージを一つだけ挙げるとしたら、全体の透明感が割り増されてるところかな。純米大吟醸はこの透明感が予期せぬ素晴らしい方向性おいて発揮されていたんだけど、この純吟ではイマイチその良さが表に出て来ない。

 液体としてのピチャっとした可憐な瑞々しさもあって、そこにカカオライクなホロ苦い余韻が滑走路として真っ直ぐ遠くまで伸びて、着地に向かって下降して行く緊張感のある時間の流れの中で窓からいろんな果実の木々が視界に入るものの、それでも空は夜だから、果実の色彩はあくまでもダークなトーンに抑えられていて──そう、これが南国の晴れた昼間の青空なら、どれだけ楽しい表情をこの酒は見せてくれたのだろう──と、そんなことを夢想してしまう。

 どこに味わいの中心があるかと言えば、それは高密度な酸を噛み潰した後に小さくジュワっと溢れる微細なジューシイ感かね。ジャンルとしては──所詮オレなりの振り分けにすぎないけど──、いわゆる一つの「ビィーシュっ! (美酒) 」だとは思う。そこにドッカリ甘旨フルボディな亀甲花菱らしいストラクチャーはなくて、やはり中川商店の直汲みロットは美酒風情豊かな細身のプロポーションだとは言える。

 うーん、味わいやバランスにおいて特に文句はない。これはこれで十分にエレガントな美酒。とはいえ、亀甲花菱として十分に満足の行くエンタテイメントを堪能できたかと言われれば、そこは正直に「いいや」と否定せざるを得ない。


hanabishi_jungin_miyamanishiki_jikagumi27by5.jpg お燗、いっとく? どうせ酸っぱいだけだと思うけど・・・。500Wで25秒。

 今日イチか?

 どうせの如く酸っぱいんだけど、思ってたよりも酸っぱいだけではなかった。多少のフルーツ感は前に出てくるけど、それでも旨みの膨らみが足りないかなー。冷めてくると意外にスゲえ淡麗。

 最後の一杯は冷酒で──。

 か細く酸っぱい。やはり物足りない。手放しで満足はできない。それでも普通以上には美酒。ひとまずは☆4つで。明日の様子を見て最終的な判断をするけど、ここから☆5つまで巻き返すことはイメージできないかな。温度帯としては冷酒から常温に向かう道の途中でBESTコンディションに出会う。15℃前後。いっそのこと常温 (20〜25℃) でもいいかも。

 また明日ね




── 2日目。



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 Prince - Lets Go Crazy♪──お世辞にもセンスが良いとは言えない・・・。



 ちょいバナナっぽい感じも出てきたけど、酸もしっかりあるので、ブドウやプラムもある。これは初日から感じてることだけど、熟香なのか、それとも銘柄癖なのか、ちょっとビターなカカオ様のほろ苦い感じもある。全体に香りは割りと出てる方だとは思う。

 リーデルで──。

 昨日より果実感が増して、ちゃんと&しっかり旨い。これは時間経過によるものなのか、はたまたグラスフォルムによるものなのか、そこはわからんが、少なくとも今この瞬間のオレは確実に旨い酒にありつけてる。

 甘より酸に比重のある酒だけど、最近なにかと気に入ってる、パキーンと見晴らしの良いタイプの酸ではなく、どちらかと言うと、ワインの渋みやミネラル感と相関性のあるタイプの酸。そうかと言って、露骨にフルーティーじゃないから、なんつうか、ちょっと甘塩っぱい味わいを引き立てる役割の酸というか。もちろん、カカオ様の酸もあるし、熟れたベリー様の酸もあるけど、キャッチーで女子ウケするタイプの酸ではないし、ギラギラしたビビッドな酸でもない。酸の捉え方には様々なバリエーションがあって奥が深いんだけど、あえて表現するなら、カラフルな渋みの中に宿る、やや力強い酸か。


hanabishi_jungin_miyamanishiki_jikagumi27by7.jpg この酒はワイングラスで飲むのがいいのかも。とはいえ、ちょっとだけグイ呑みでいってみようか。温度の問題もあるけど、言うならば、リーデルは52歳のジェントルマン、グイ呑みは32歳の独身女性。わかる?──わかるわけねえか、オレ自身がわかってねえんだから (笑) 。

 ウソウソ。えーとね、グイ呑みの方が若々しいタッチ。一方、リーデルの方がシックで落ち着きがある。両方とも空になったので、おかわりの前にサラダでも作るわ。


hanabishi_jungin_miyamanishiki_jikagumi27by8.jpg グイ呑みの方がキュっと密度高めの酸を感じる。いくぶんフルーティーで、ジューシイさも感じやすい。ちょっと渋みが強いけど、このくらいストロングな酒質の方が好きな人も中にはいるでしょう。「辛口」言われても困るけど、甘口とは言えないかな。

 オレはリーデルの方が好きだ。酒の硬さがほぐれて少ぉーしだけリラックスした味わいになる。渋みもやや緩和される分、酸に関しては柑橘系のような爽やかさも多少は感じやすくなるかな。

 全体に2日目の方が断然いい。これは一升瓶の方が良さを楽しめる酒質かもしれない。瓶のサイズによって、熟し方の色合いも微妙に変わるしね。

 あっ、なんかラクトアイスのチョコレート味みたいなニュアンスも出てきたな (笑) 。ブランデーのような甘酸もあるけど、これは熟成というよりはこの銘柄特有のものかも。

 ごめん、旨いわ

 温度が上がってくるとグングン甘みも増して、ようやく亀甲花菱ライクな表情がドーンと前に出てくる。甘い、苦い、酸っぱい──味の順番はこうなった。

 あれ? なくなっちゃった。

 アンコぉ〜ルっ、アンコぉ〜ルっ、アンコぉ〜ルっ♪

 いや、もうないから。☆4つ半で。


moukan1972♂






日本酒 亀甲花菱

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