もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 ようやく今夜私はひとり。
〜 日本酒の家呑みレポ&本日の1曲、安センベイ評、時々メガネ警察〜

◤辰泉 - 山廃 本醸造「地酒屋こだま別誂」生原酒 25BY ── dಠಠb「全然初心者でも楽しめるし、逆に言えば、これを楽しめないとなると、この先で待ってる日本酒的快楽のバリエーションは相当に貧相なものになる」#Okan, Well-Cured, Unique 




 先日まとめ買いした地酒屋こだまシリーズの1本です。そして「2〜3本お任せで」と店主にリクエストして同梱されていた3本の中の1本でもあります。しかも別誂の生原酒25BYです。銘柄自体もはじめて呑みます。どうですか、この〝やってくれそうな〟面構え (笑) 。

 スペックは山廃仕込みの本醸造で磨きが65、表記はないけれど、使用米は「麹米:華吹雪、掛米:コシヒカリ」みたい。完全なる「こだまオリジナル商品」で、同じスペックの生原酒はこれでしか呑めないんだって。確かに本醸造って日々の晩酌酒として商品化されるケースが多いから、基本的にはお手頃プライスにするために加水したものがほとんど。明細書に「冷、又は燗←熱! パワフルな旨み」という一言メモが書かれていたので (笑) 、先ずは冷酒で、おかわりは熱め (55℃) の燗にしてみよう。ちなみにお店のHPには「冷酒はもちろん夏はロックも、そしてお米の旨みを十全に味わえるお燗(熱々からの燗冷まし)も是非!」と書いてあります。ロックかあ。実は日本酒のロックってやったことないんだよな。明日やってみようかな。




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 ▲姉ちゃん逮捕直後にInstagramに尻画像をUPしてファンに突っ込まれるマライア・キャリー。


 ▶︎Mariah Carey - Emotions (1991)
 

 ▶︎Alton McClain & Destiny - It Must Be Love (1979) ※このへんからのインスパイアです。
 



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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆

【185】辰泉 -たついずみ- 山廃 本醸造「地酒屋こだま別誂」生原酒 25BY <福島>

合資会社 辰泉酒造:http://tatsuizumi.co.jp


Moukan's tag:




 ▼2年以上寝てるわりに色はキレイ。
tatsuizumi_yamahai_honjouzou_kodama25by4.jpg 瓶口からの立ち香──お婆ちゃん家の桐ダンス来たァ────っ!!!
(※「お婆ちゃん家の桐ダンス」・・・少し草っぽくて樽っぽい複雑味豊かな香りに対して使われる当ブログ特有の表現です。)

 最近飲んだ中だと「克正・山廃純米・雄町」なんかに近いニュアンス。当然、辰泉の方が複雑味あるけどな。バニラつうかシナモン? いわゆる〝枯れたナッティーな熟香〟はそれほどでも。むしろ濃醇で伸びやかな甘みが最前列で高らかに開栓式のファンファーレを奏でる。この伸びのあるザラついた甘みについては「長陽福娘・純米・八反錦生」なんかも思い出すぞ。ちょい草っぽいスパイシーなニュアンスもありつつ、ウッディーな渋み──からの熟れた赤いフルーツ感もジュワりと。ただ、こうしたスパイシーな要素はすべてこの濃醇な甘みからこぼれ出るもので、全体の輪郭としてはまるでツンケンしたルックはない。これが熟成によるMellownessの発露なのか。ここから不味いとかの展開、あり得るのだろうか。

 先ずはバカ舌ながら最近は少しだけ言われなくても細かいレベルまで味わえるようになりつつあるmoukan1973♀の、あまりにも女性らしい羅列感弾ける断片的な感想群から。

 ♡☺♡「深い!!!余韻がすごい!ブランデーみたい!熟してるよ、さすがに!わかるー!ロックでもおいしいと思う!ガブガブ飲むもんじゃない!いい甘みが出てる!

 オレも続きます。

 おおお。ああでも、やっぱ山廃のアル添 (醸造アルコール添加酒) だけあって、意外にボディに重さはないよ。含み香や味わいは重奏的で複雑だけど、意外にスッキリとした瑞々しさもある。その意味じゃ、極めてキレイに熟成してます。ブログで紹介した中で言うと、「亀甲花菱・純吟中取り・美山錦」をクリアにした感じもある。アル添だから中は軽いんだけど、さすがに余韻は長く美しく、そしてカラフル。辛みがほどけた後には、レーズン様の甘渋さもありつつ、風のように軽やかな香りがフワっと優しく広がる。ド頭の甘みが本当にエレガントで、細部には熟成による複雑味もあるんだけど、飲み込んだ後に広がる味の風景は静かな朝靄のように、モイストかつクリーン。確かにいろんなフルーツ感もあるんだけど、そこはオマケだよ。あくまでも液体としての麗しい質感と舌触りを楽しむべき。

 う〜ん、こりゃ文句無しに旨い。

 moukan1973♀が指摘した通り、確かにブランデーみたいな甘渋いニュアンスあるね。そのへんも亀甲花菱の美山錦と被るんだけど。

 最後は辛めにキレ上がるものの、熟成によるものなのか、そこに至るまでの流れが瑞々しくクリアなので、全然重くないし、純米酒と違って旨みのサイズがいい感じに小粒で、そこに透明な──だが濃醇なジューシイさが宿る。イクラの中からプチっと魚貝エキスが溢れるような、そういう旨みのこぼれ方。


tatsuizumi_yamahai_honjouzou_kodama25by5.jpg 店主オススメのお燗──。

 ウホっ、甘みが随分と柔らかくなる。でも、いい意味で、やっぱ全然軽い。味と香りは複雑よ。それでも旨みの表情がほんとクリアで瑞々しいんだよ。こりゃ飲みやすいな。山廃だの本醸造だの25BYだの、少しハードル高めの属性もあるが、そこを恐れる必要は全くナシ。全然初心者でも楽しめるし、逆に言えば、これを楽しめないとなると、この先で待ってる日本酒的快楽のバリエーションは相当に貧相なものになる。その意味でも早めに飲んでおいて損はないはず。燗冷ましは幾分ミルキーだけど、純米酒と違ってスイスイ飲めちゃう。これは危険な大人酒だ。


tatsuizumi_yamahai_honjouzou_kodama25by6.jpg 再加熱燗 ──って何だよ (笑) 。

 やっぱ軽いなー。そして滑らか。透明度の高い静かな川面に映りこむ鮮やかな紅葉、そんな感じよ。川面? この表現、他の酒でも一度だけ使ったな。検索検索・・・鶴齢・特別純米55・越淡麗無濾過生原酒!──これが備忘録というヤツの底力か。そうそう、鶴齢の越淡麗を寝かせてもこういうタッチになりそうだよ。いやあ、この自己満足感、ハンパねえな。

 もうツルツルな飲み口。熟感もあるけど、ものすごーく透明な熟感。嫌なもたつき&しつこさは皆無。そして、再加熱燗の燗冷まし──ややこしい (笑) !──が特にいい。やっぱ克正なんかも思い出すな。あっちの方がミルキーだけど、こっちはアル添らしいクリアネスがイイ感じに効いてる。旨いっす。文句ないっす。酸もしっかり出てるんだけど、すごく繊細で口どけがいい。

 もうすでにかなり酔ってるけどオカワリ燗──。

「純米だけが酒じゃねえスィーヤっ!」──moukan1973♀

 しっかし滑らかだなー。プルーン様のドライフルーツ感もあるんだけど、甘みが伸びやかで丸い。

 ちょっと冗漫なレポートになってしまったが、明日は少し整理して書けると思います




── 2日目。



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 とりあえず原酒のまま、リーデルで。

 あ、ちょっと柑橘系の酸も。ブランデーのような茶色の甘い香りもありつつ、カカオ様のホロ苦いタッチも。イメージとしてはブランデー漬けのマーマレードをあしらったスイーツをブラックコーヒーで頂くという組み合わせか。

 ううう、リーデルはアルコールの気化感が強いので、すぐにグラスチェンジ。


tatsuizumi_yamahai_honjouzou_kodama25by8.jpg うん、こっちの方がしっくり収まる。

 うんめ──。

 店主は「パワフルな旨み」とコメントしていたけど、やっぱオレ的にはイイ意味でクリアで軽い。全体の味わいのハーモニーは十分に重奏的ではあるが、あくまでもそれは味わいと香りの奏でにおいての話で、サウンドそのものがブ厚くて、メロディー自体が華々しいケレン味に溢れているかと言うと、必ずしもそうではないんだな。その意味で、オーケストラというよりは弦楽四重奏のような佇まい。ただ、余韻は素晴らしく濃醇で伸びやか。これは初日と同様。

 実際ね──この話が上述の証左になるかはわからんが──、昨晩、飲んでる最中には結構酔いの回るのが早かったんだよ。すぐに顔がカッカしてさ。でも不思議と、酔いが醒めるのもまた早かった。寝る頃には夫婦で「軽いな〜、残らねえな〜」を連発 (笑) 。似たようなコンセプトの純米酒だと、こうはいかないよ。

 口の中で酒を潰すと、そのまま物理的にもビヨ〜ンと味が伸びるイメージ。これ、本醸造なんだよな。それなりの大吟醸だって、ここまで味が伸びるか疑問だわ。


tatsuizumi_yamahai_honjouzou_kodama25by9.jpg 残り少ないけどお燗で──。

 60℃くらいまで上げてから、氷を一つだけポチャン──写真でわかる? これで割水的ロック (笑) 。温度は一気に55℃以下に。おお、暖めた方がフルーツ感、出るね。

 甘ぁぁぁ〜〜〜〜〜いっ!

 熱い状態だとアルコールの浮きも少しキツイけど、冷めてくると一気に滑らかな酒質に。氷で少し薄めてるけど味は全く崩れないよ。なんか昨日より甘く感じるのは気のせいか。旨い。

 正直に言う

 今のオレのレベルじゃ、4合瓶を夫婦でサクっと空けた程度で確かな何かを語り尽くせるような酒じゃない。この酒の魅力に言葉が全然追いつかないよ。☆6じゃないのは、完全に理解しきれていないから。なので、☆5は☆5でも、これは個人的な志向に寄り添うという意味では☆6に近い☆5。買える店は日本でただ一つなので様々なハードルはあるけれど、メールで普通に通販対応してくれます。オレは面倒だから代引でお願いした。とてもマメで親切な店主なので、いろんな要望にも個別対応してくれるだろうし、遠方の人も果敢にトライしてほしい。そして、もっとちゃんとこの酒の魅力を自分なりの感性で味わってくれたなら、オレとしても凄く嬉しい。

 山廃本醸造生原酒の2年熟成とか、そもそも経験的に比較できるアーカイブなんかねえし、これ自体が新しい体験なので、冗漫でフラフラしたレビュー、許せ。

 燗冷まし──最高です。アルコール的な浮きや辛みは品良く抑えられて、しっとり滑らかに甘軽旨い。それでいて重奏的な味と香りのシンフォニーがエレガントなメロディーを奏でるっていう。フルーツ換算で言葉を並べることに意味があるのだろうか。この酒は体験することでしか意味が伝わらないと思う。マジ、いろんなハードルを感じさせるスペックだけど、「安心して飛び込め」と言いたい。

 ああ、とっても軽い飲み口。こればっかでゴメン。でも、これは正直な感想。純米酒の生酒ばっか飲んでるからこういう酒に出くわすと言葉を失うんだよ。

 そうそう、今日はお婆ちゃん家の桐ダンスはなかったかな。老舗の乾燥フルーツ屋はあったけど (笑) 。



moukan1972♂






日本酒 辰泉 山廃 生酛

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