◤本日の1曲♪【UK SOUL/GROUND BEAT】 Movement 98 feat.Carroll Thompson - Joy And Heartbreak (The Raid Mix) 1990 

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▪︎というわけDE、突然ではありますが、話の流れに勢いも出てきましたので (自家発電的に) 、今週は『ミニGROUND BEAT特集』で選曲します。『REMIX講座』は年内に完結すればいいや (笑) 。ITALY産の糞カバー系とか入れるとキリがないので、あくまでも音楽性の高い、オレの好きな盤、さらにそれらの一部だけ。つうか、ジャンルとしてアっという間に廃れたから──日本ではSOUL II SOULから遅れること7年、1996年に「かの香織 - 午前2時のエンジェル (ニコニコ動画) 」が少し流行ったりしたが──、実は純度100の楽曲は数としてはそれほど多くない。1991年以降はみんなACID JAZZに夢中になっていたし、HIP HOPのニュースクールもいよいよ成熟期に突入していたし、HOUSEも一気に花開きはじめていたし、Club Musicリスナー及びClub Musicクリエイターの興味はそっちに流れてしまっていたから。

▪︎DE、この「Ground Beat (グラウンドビート) 」という呼称、日本独自のものみたいね。元々がどうなのかは知らないけど、海外ではあまり使われないらしい。ジャンル誕生の起源は「Soul II Soul - Keep On Movin'」で間違いないと思う。もちろん、それ以前にこれに近いサウンドがなかったわけじゃないけど、明確に人々 (クリエイターたち) が意識してその規範としたのがSOUL II SOULである以上、ここではこれを起源としておきます。異論・反論のある人はオレをその記事に誘導して下さい。

 ▼Paul Oakenfold
▪︎ま、この曲は昔からDJアイテムとして名盤の誉れ高いです。オレがClub Musicのレコードを買い始めた1991年の頃には (発売から1年後には) 、すでに中古市場で入手困難なレア盤になっていたし。Beatは割とHIP HOP、BassラインはDANCE HALLオリエンテッドで、必ずしも純度100のグラウンドビートでもないんだけど、やっぱこのクリスタル感とマイナスイオン高めのサウンドメイクは明白にSOUL II SOUL以降の意匠だろうね。ボーカルのCarroll ThompsonはUK産ラヴァーズ・ロック (レゲエBeatのメロウな歌モノ) 界隈のシンガーで、Albumデビューは1981年。Club Musicのクレジットでよく見かける「◯◯◯ feat. (フィーチャリング) △△△」という表記、これもSOUL II SOUL以降に増えたような気がする。要は、サウンド・プロデューサーがアーティストで、ボーカルに外部のシンガーをゲストとして迎え入れるというスタイル。サウンド・プロデューサーは見た目に〝ただのオジサン〟みたいな人が多いから、ユニット (グループ) 性を前面に押し出しても売れねえし (笑) 。あとはジャンル的な背景だろうね。とにかくスタジオで黙々とClub向けのDance楽曲を制作するのに、いちいちそのたびにグループを立ち上げて余計な活動をする必要はないっていう。もちろん、予想を超えてバカ売れしたら忙しくはなるだろうけど。

 ▼Steve Osborne
▪︎このMovement 98もシングル2曲だけの即席ユニットで、中核を成すのはPaul OakenfoldとSteve Osborneというプロデューサーコンビ。そこにCarroll Thompsonを、まるで楽器の一部のように取り入れて完成させたのが本作というわけ。曲に合う声質のボーカルをあてがうというこのスタイルは非常に効率的だし、なによりプロデューサーにとっては常に自由な音楽制作環境が担保されるわけで、そこは商業用音楽とは考え方が全く違う。イントロのメロディーは御存知「エリック・サティ - ジムノペディ 第1番」から拝借。

▪︎SOUL II SOULの解説の中で書いた「7th&9thノートを多く含むモーダルなコード進行、特定の調性に回収されない洗練されたメロディーライン、一切の無駄を削ぎ落としたクリスタルで流麗な上モノ」──これそのまんまなのが実はサティ (写真左) やラヴェルやドビュッシーなどのフランス印象主義音楽で、それをポピュラー音楽 (JAZZ) のフィールドに持ち込んだのがビル・エヴァンスで、きっとこのイントロ、一連のClub Musicもこれらの延長線上にあるということを暗示するためにPaul OakenfoldとSteve Osborneが仕組んだ洒落なんだよね。どう? 面白いでしょ? 音楽が感覚だけのものと信じているから、いつまで経っても真実に辿り着けないんだよ。感覚の正体を突き止めることで感覚がさらに鋭敏化すること、知ってほしい。理論や理屈が感覚を強化するものだということを受け入れたくない人、多すぎ。












 ▶︎秋の夜長にお一つどうぞ。
 

 ▶︎Carroll Thompson
music_carroll_thompson1.jpg
 photo: http://carrollthompson.co.uk


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