◤愛宕の松 (あたごのまつ) - 純米吟醸 ひと夏の恋 CUP酒 27BY ── dಠಠb「食中酒ってそんなに偉いの? 酔いとは酒の旨さの先にこそあるべき食卓の絶景」 




 二度の震災被害を乗り越えて、最近では「伯楽星」という銘柄が人気の新澤醸造店ですが、こちらはもう一つの銘柄「愛宕の松 (あたごのまつ) 」の夏酒「ひと夏の恋」のCUP酒Verです。去年は一升瓶で呑んだけど、CUPは (たぶん) 27BY初登場なので、合計金額を2,000円 (税抜) の倍数にするために──マチダヤでスタンプを2つもらうために──調整的に買ってみた。去年の感想は「酸っぱい蒼空 (純米美山錦) 」という印象だったけど今年はどうだろう。

 実は昨日、ほしいずみを飲みすぎてしまって少し胃腸が疲れ気味で、しかも今夜は独りなので、日本酒はほんのちょっとだけ残ってる星泉──味わうほど残ってない──と、このCUP酒だけにしておきます。

 スペックは宮城県産ひとめぼれを55%まで磨いて宮城酵母で仕込んだ純米吟醸の一回火入れで、「日本酒度:+3、酸度:1.7」と、少し酸度を上げてスッキリ飲めるように設計されてます。




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 bottle size:180ml





【157】愛宕の松 -あたごのまつ- 純米吟醸 ひと夏の恋 27BY <宮城>

株式会社 新澤醸造店 (by 中村酒店) :http://www.nakamurasaketen.com


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 立ち香は穏やか。去年はもっとわかりやすい食用セメダインな感じ、あったと記憶してるんだけどな (笑) 。香りというより、ファースト・インプレッションはミンティーな清涼感とサラサラした酸のコンビネーションが爽やかという、雰囲気メインで酒のキャラが沸き上がる感じ。酒屋のHPでは、よく「グレープフルーツのような」とか言われてるけど、香りの中にそこまでのフルーツ感はない。

 レモン水? (笑)

 26BYよりも味と香りが遥かにスリム。ま、これぞ夏酒マナーと言ったところか。決して嫌いじゃないけど、「別れましょう」と、ひと夏の恋に終止符を打たれたとしても──もう二度と呑めないとしても──、さほど悲しくはないかな。

 温度が上がってくると、やっさスィー (優しい) 甘みがフワっと滲み出て来る──からの、渋酸による、たおやかな収斂性を経て、最後は若干のアルコール感を余韻に、ひと夏の恋物語がホロ苦いエンディングを迎える──。

 セメダイン香は必ずしも得意ではないけど、この酒はもっとフローラルサイドに振れた食用セメダイン香が魅力だったと思うんだが、伯楽星での成功を受け、あたごのまつでも食中酒の極北を目指しはじめたということなのか。

 でもな、CUP酒って、なんか4合瓶や一升瓶のそれとは違った表情を見せるケース、多いんだよな。どことなく薄いというか、静かというか、地味というか、ふぬけてるというか。

 食べながら──。

 さすがに寄り添うな (笑) 〜。〝留め〟の役割というか、口の中を爽やかにリセットするというか、まあ、機械的に「食べる、飲む、食べる、飲む」を繰り返しちゃう酒質ではあるんだが、実は個人的に「食中酒」という概念とは一定の距離を保っていたいとは常に思ってる。たしかに香りや味の濃い酒は食卓の主役になってしまい、料理の存在を霞めてしまいかねないことは事実としてあるだろうが、「じゃあ、なんのため飲むんだ?」という根源的な疑問にもブチ当たる。

 酒の存在を感じずに、ただ酔いながら食べることがそんなに尊い行為なのか? どうせ酔うなら、旨さの結果として酔いたいというのが我々の考えだ。たとえば豆粒サイズの魔法の錠剤があって、これを一粒飲むと数時間ほどホロ酔い気分になれるとして、オレはそんなモノを酒の代わりになんか絶対に飲みたくはない。

「酔いとは酒の旨さの先にこそあるべき食卓の絶景」──日本酒警備員 (アルバイト)

 だから、食中酒 (食事の邪魔をしない酒) として優れているだけの酒が、それだけで優れているかのような言説には一定の懐疑を抱きつづけたいと、現時点では思ってる。大事なのは「酔いが旨さの先にあるかどうか」だ。その意味で、食中酒として優秀なこの酒を、声高に誰かに勧めたりは、当ブログではしない。別に普通に旨いけど、普通でいいのか問題、あるじゃん。

 ただし、愛宕の松の名誉のために言っておくと、「マチダヤ限定CUP 特別純米 中取り PLATINUM」の燗冷ましは超旨いので、マチダヤに行ったらお土産に是非。CUPでしか存在しないという珍しい立ち位置のお酒です。


moukan1972♂




📖 参照サイト

【ココロプレス】創業140年の蔵を離れて、新たなる挑戦~新澤醸造店/川崎蔵/前編 (2013/10/18)
【ココロプレス】創業140年の蔵を離れて、新たなる挑戦~新澤醸造店/川崎蔵/後編 (2013/10/27)


日本酒 愛宕の松

Comment

Name - moukan1972♂ (もう肝臓の無駄使いはしたくない)  

Title - To まるめちさん

毎度〜。

「お酒を邪魔しない」、飲中食──。

これウケた (笑) 。
実は我が家でも、日本酒が食卓を占拠して以来、
全く食べなくなったツマミの筆頭が「キムチ」。
締めのカレーなんかは濃いめの純米酒をお燗にして食べるんだけどね。
でも、甘口のルウを使うようになったなあ。味は大人仕様だけど。

食中酒という概念そのものを否定するつもりはないのだれど、
今の日本酒は酒単体で楽しくて美味しいモノが多いから、
薄い酒を飲むと、なんか夜を一回損した気になっちゃう。

それにしても「飲中食」はイイ言葉だ (笑) 。
2016.07.30 Sat 02:49
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Name - まるめち  

Title - 

いやあ、食中酒に関する意見には本当に同意です。そしてそれを最も感じるのがこの蔵のお酒(特に伯楽星)なんですよね。
そもそも「食事を邪魔しない」ってフレーズが個人的にはとても嫌いです、現代の日本酒はそこまで卑屈になる必要は無い。
私の家飲みでは豆腐・しらすみたいな「お酒を邪魔しない」、飲中食(笑)をあてにするのががほとんどです。
2016.07.30 Sat 01:46
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