◤山川光男 - 2016 なつ (純米大吟醸 出羽の里50) 27BY ── dಠಠb「TV CMで石原さとみや長澤まさみなんかが風呂上がりにソファーに寝そべって『今日も一日お疲れSummer〜』とか言ってから飲むみたいな酒」#Women, Fruity 




 山川光男です。杜氏の名前を冠した商品ではなく、山形の若手結社のプロジェクト名です。なんか2月頃のアナウンスでは6つの蔵元うんぬんと言ってたはずなんだけど、HPを見たら、月山酒造 (銀嶺月山) と新藤酒造店 (雅山流) が抜けて4つになってるよ。これ、持ち回りで今回は下記の4つの蔵が共同醸造したってことだよね? もうちょっと細かく説明してくれないと、我々のような御節介な日本酒ブロガーがこういう場で正しくアナウンスできないじゃん。

 スペックは出羽の里を50%まで磨いた純米大吟醸で、たぶん火入れ。ALC.15なので加水してるのかな。DE、この山川光男、今後はこの架空のキャラクター (翁?) にいろんなことをさせようとしているみたい。コンセプト自体があまり面白くないのと──これ笑える方向性でいいの?──、彼のルックスに対してまるで興味が湧いてこないというオレなりの屈折した感性というものがあって、今後のブランド展開に一抹の不安がよぎるのだが、まあ、旨けりゃいいのよ、旨けりゃ。



▶︎公式サイトの商品説明より。

 初めての共同醸造酒は、果物のような柔らかい香りと、ちょっぴり酸味のある仕上がり。例えて言うなら、山形の葡萄みたいな味わいでしょうか。

 おやおや、山川光男は生ハムにオリーブオイルをかけて合わせているようです。彼、聞くところによると生ハムが大好きなんだとか。顔に似合わず、小洒落た男なのかもしれません。






 ▼アロマな一般女子ウケを狙っているのか・・・?
 







 ▼この人に山川光男役をやらせれば (笑) ?
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 bottle size:720ml





【150】山川光男 -やまかわみつお- 2016 なつ (純米大吟醸 出羽の里50) 27BY <山形>

山川光男プロジェクト:http://yamakawamitsuo.jp


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yamakawamitsuo_2016natsu3.jpg 瓶口からの一発目の香りは「The ピーチ」。繊維質を感じさせる、まさにリアルな白桃様の香り。

 ヨソウガイデス──。

 真っ先に東洋美人の酒未来を思い出した。とはいえ、初日の東洋美人よりもしっかりとフルーティネスを感じる。フワっと香る清涼感のあるミンティーなアルコール感は、今の暑い時期にピッタリの味設計だ。

 含むと、やっぱ東洋美人の酒未来にそっくり。こっちの方がスッキリしてて渋酸の輪郭がおぼろげだけどな。甘いのか?──甘いは甘いけど、砂糖や蜜のような甘さではなく、あくまでも果実的な酸に包まれた甘み。

 ところで、HPの商品説明にあるように、山形の葡萄ってこんな味なの? 普通に桃なんすけど。それこそ普段日本酒を飲まないようなアロマで嵐な一般女子に「はい、桃のお酒」と言って差し出したらそのまま信じるレベル (笑) 。

 キャラクターのジジイからは想像もできないほどオサレで清楚な味わいだけど、ピンポイントに一般女子を狙い撃ちできれば、そこそこ人気にはなるんじゃない? ただ、東洋美人の方がコスパは上だけどな。

 味や香りの説明は上の空で、今オレは記憶の中の「東洋美人/酒未来」との違いを必死に見つけようとしてる


yamakawamitsuo_2016natsu4.jpg やっぱ全体にはこっちの方が軽い。タンニン的な渋みへの収斂性も東洋美人ほど強くはないし、ミネラル感も若干ソフトリーに絡む。とはいえ、フルーティネスは十分にあるし、舌にも酒としての質量はしっかり乗っかる。火入れの加水酒としての「ただの旨い水」属性もイイ意味で発揮されてるし、生意気スペックな黒龍なんかより遙かに好感度高いですわ。

 無濾過生原酒フォロワーなドッカンブリブリの飲み手を満足させられるかは不明だが、白ワインのライバルとしては心強い存在ではあるだろう。そして、どこぞの女子会に持参して飲ませれば、「なにこれ美味しい〜」だの、「飲みやす〜い」だのの前向きな感想を彼女たちから引き出すことは容易であろう。

 ここだけの話、東洋美人の酒未来よりも完成度は高いよ。完成度というか、細部における様々な要素の収まりがいい酒──とも思ったが、飲みつづけていると少しアルコールの浮きが気になるかな。あえて文句を言うなら、ちょっとお行儀が良すぎる。あと、「山形の地酒としてのアイデンティティーはどこにあるの?」という気はする。

 ホント、TV CMで石原さとみ長澤まさみなんかが風呂上がりにソファーに寝そべって、

今日も一日お疲れSummer〜

とか言ってから飲むみたいな酒というか、言っちゃえば、野心的な現代的日本酒としての属性は全くない。むしろ300mlのカワイイ小瓶で商品展開して若い女の子に大人気みたいな、そういうテイストを実現したところに、ハードユーザーである我々に対するサービス精神があまり感じられず、そこが不満と言えば不満かな。これ、完全に向いてる方向が一般女子だよ

 ちなみに、うちの汚れた中古女子はどんな感想を持つかね。今日は一緒じゃないんだ。明日、感想を載せよう




── 2日目。


 DE、うちの中古女子の感想:「ピーチ言ってたけど、マスカットじゃん、普通に旨いし、あ、これは女子好みの味、また買うかどうかは別の話だが、おしまい



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 あれ? 2日目の方が遥かに香る。いわゆる日本酒的な吟醸香ではなく、なんとも色鮮やかなフルーツ香のてんこ盛り。初日に感じたピーチの中にグレープフルーツ系の酸も出てきたよ。でも、全体には甘やか。マスカットもあるし、少しモッチリしたシロップ様の甘みの中にはパイナップルとかマンゴーなんかのトロピカルなニュアンスすらある。でも生酒じゃないから爽快で軽やかで清々しいフルーツ香ね。鍋島とか而今のそれとはルックが異なる。質量軽やかなたかちよのようなニュアンスもある。

 含みます──。

 初日より旨いじゃん (笑) 。意外だなあ。火入れ加水のALC.15だし、わりと線の細い酒質だから、2日目は酸っぱ水っぽくなると思ってたんだけど、スンマセン──偏見の眼差しで見つめてしまって。旨いっす。

 温度が上がってくるとグングン香ってくる。今日はリーデルで呑んでるということもあるけど、それを考慮しても、スッゲえ香ると思う。でも、派手な吟醸香ではなくフルーツ成分が主体だから嫌味なくスカっと抜けるし、爽やかに心地酔い。

 昨日より甘い。酸化の進みより甘みの膨らみが相対的に勝ってるからか、昨日より渋酸への収斂性はますます弱まってる。かと言って、味が泳ぐこともなく、全体には酸でまとめる流れ。バランスいいなあ。これは女子ウケ完璧でしょう。ケレン味はないけど、日本酒に対する偏見的な悪い印象を、優しくサクっとほどいてくれる手慣れた味わい。

 DAGA! (だが!)

 問題は、この酒をそういう一般女子たちが普段行くような店で簡単には買えないということにある。先ずはこの問題をどうにかしてあげないとね。日本酒の裾野を広げる目的があるのなら、それこそ山形県内のコンビニや駅のキオスクで300mlを展開するとか、そういうことが大事だと思うよ。むしろさ、そうやって県内限定とかにした方が我々のような人種に対して枯渇感を与えることもできるわけだし、逆にマニアックな日本酒ファンへの宣伝効果も上がると思うんだけど。


moukan1972♂




日本酒 山川光男

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