◤Michel Thomas (ミッシェル・トマ) AOC Sancerre「Silex」2017 




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 ▲毎度お馴染み〝煎餅界のうまい棒〟こと、Befco『20ご当地ばかうけ - タコライス風味』は、相変わらずパウダーにおける再現力は──「チリコンカルネ味」と言われればそうでもあるものの──高いです。ここの会社は今すぐどこかと手を組んでカップ麺の分野に進出した方がいいでしょう。




 photo: 楽天フェリシティー






 毎度アクセスありがとうございます。


 フランスはロワール地方の東の離れCentre Nivernais (サントル・ニヴェルネ) 地区を代表するアペラシオン、Sancerre (サンセール) の (ソーヴィニヨン・ブラン100%) です。ちなみに (or ロゼ) は主にピノ・ノワールが使われます。

 エントリーレンジの「Sancerrec Blanc」──所有する3つの異なる土壌 (「Silex (シレックス/火打石) 」「Caillottes (カイヨット/ポートランディアンの石灰石) 」「Terres Blanche (テール・ブランシュ/キンメリジャンの牡蛎化石を含んだ泥灰土) 」) のブドウをブレンドしたキュヴェ──より、ちょいお高い「Silex (シレックス) 」というキュヴェです。最新ヴィンテージは「2018」みたいだけど、限られたワイン・コーナーではあるものの、なぜか西荻窪の「三ツ矢酒店」に置いてあるので、火入れの1800mlを買うついでに拾って来ました。







 以前に同じく「三ツ矢酒店」で買った「2016」はスゲえトロピカルで少しオレの嗜好からハズれるサンセールだったけれど、今回の「2017」は──開栓から時間を追うごとにトロピカルな表情も顔を出しては来たけれど──、ちゃんと求めるべく〝1、2、3セール〟感があって好みでした。楽天最安値だと2,585円 (2018) で、これは「安い!」と言っていいdeシャウ。

 醗酵&熟成ともステンレスタンクを使用し、基本的にマロラクティック醗酵はブロックします。



フランスワイン_ロワール地方1
フランスワイン_ロワール地方2
 photo: enoteca.co.jp



世界的な評価を受け、高品質を誇るサンセールの秀逸な生産者

 サンセールから4キロほどの小さな町、シュリー・アン・ヴォーにドメーヌは位置します。小さな生産者が多いサンセールで、白亜質、シレックス、玉砂利に粘土石灰質が混ざる3種のテロワールを一つの生産者が所有しているという珍しいドメーヌ。

 代々この土地では、「クロタン」というシェーヴル・チーズ作りが盛んでした。もちろんブドウ畑もありましたが、農業の一環として存在していただけで、トマ家の家系の場合も、チーズを作りながら酪農もし、野菜も植え、ブドウも造る、という程度でした。

 しかし、現当主・ミッシェル氏が家業を引き継いだ1970年が転機となります。彼は、農業はやめ、ワイン造りに専念。自分の納得できるワインを造ろうと決意します。その後、少しずつ土地を買い足し醸造所も建築しました。1991年からは、エノロジストの資格を取得後ヴォルネイの「ベルナール・ロシニョール」での2年間で技術を習得した息子、ローランがワイン造りに加わり、現在では二人三脚でワイナリーを支えています。

 彼らのワイン造りのポリシーは品質第一主義。芳醇なブーケが飲む人を魅了します。パーカーやスペクテイターの評価も高く、「MILLESIMES」(生産者の間で信頼の高いワイン・ガイド)でも「サンセール<白の部>」で特別第一級にランク付けされています。

(輸入元のHPより)




〈サンセールの主な土壌〉

 サンセールでは土壌を大きく4つに分類しているが、実際にはもっと複雑で15種類に分けられるという。また、表土と下層土の組み合わせによってもワインの特徴は異なるが、以下が大きな4つの分類となる。


Les Caillottes (カイヨット) 」小石の多い石灰質土壌で白く、粘土は含まない。サンセールの中間地帯にある層で、全体の40%を占める。カイヨットのソーヴィニヨンは、白桃、洋梨、白い花といったアロマティックでフローラルな芳香が魅力的。若いうちから華やかで飲みやすい傾向にある。


Les Terres Blanches (テール・ブランシュ) 」 西側一帯に層を成すのがこの粘土石灰質土壌で、造り手によっては「キンメリジャン」と呼んでいる。全体の40%を占める。ブドウの成熟もワインの熟成もゆっくりで、骨組みがしっかりとしたワインが生まれる。フローラルなアロマから、カリンやマンゴーに似た果実の香りも。


Les Silex (シレックス) 」サンセールの15%がこのシレックス土壌で、ロワール河に面した東側の斜面 に集中している。粘土石灰質にシレックス (火打石) が混じっている。ちなみに、サンセールで見かけるシレックスは真っ白なのに対し、プイィで見るものは赤らんでいる。ここから生まれるワインは、若いうちはとてもタイトで硬質で、全体的にエレガント。熟成にも時間がかかる。


Les Griottes (グリオット) 」サンセールで5%未満しかないため、しばしば説明を省略されることがある。カイヨットによく似た石灰質土壌で、こちらは粘土を少量含み、少し黄色がかった柔らかな石灰で、 さくらんぼ (グリオット) 大の小石から命名された (グリオット・シャンベルタンやクリオ・バタールも同 様の土壌で命名の理由も同じ) 。ワインは樹齢によって性格が異なる。また、この土壌は一番ピピ・ド・シャ (pipi de chat=猫のオシッコ) が出やすい。

winepressjapan.comより)



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◤ミッシェル・トマ AOCサンセール「シレックス」20172,948 円

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 ※実は「Francois Chidaine “Clos du Breuil” 2017」も同時に開けてるんだけど、味クラーヴェに関する雑感は主にそっちの記事の中で扱います。尚、2日目の記事は共通です。


 立ち香──まずは開けたての瓶口から。ウホっ、火打石。ステンレスタンク醸造なのに、どこか樽っぽい焦げた香ばしさ。なんだかスゲえトロピカルだった「2016」よりも土壌由来のアロマがシッカリ出てるんじゃないでしょうか。シャブリっぽさも感じます。ジャムのような飴っぽい甘みもあるけど、芯は強そうな気配。今のところ柑橘ファイヤーはそれほどでもないです。これはヨサーゲ司祭。時間が経つと少しジャスミンのようなアロマ。

 グラスに注いで──あれから約1時間、ようやく透明感のある瑞々しい柑橘ファイヤー。紛れもなく「1、2、3セール」のアロマ。薄っすらエレガントにフロラールな纏い。



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 飲んでみる──。

 なるほど。アタックはツルっと滑らかながら、すぐにそれを打ち消すように、まるで燻されたような独特の野太いミネラル感がズリっと割り込み、果実味に対して独特の陰影をもたらしながら逞しくフィニッシュ。これは〝男前なソーヴィニヨン〟だ。ゴリっとジョリっと塩気の強い鉱物的なミネラリティ。

 これはなかなかイイな。むしろ『2016とは一体なんだったのか!?』問題が勃発中。Francois Chidaineと味クラーヴェすると、こっちの方が相対的にはソリッドかつドライで素っ気ないんだけど、余韻には丸い蜜っぽい甘みが優しく膨らむだよな。そして、時間を追うごとにトロピカルな表情 (黄桃、マンゴー) も膨らんで来る。





 1973チャレンジ!!!
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 ♡☺♡「左 (ミッシェル・トマ) は爽やか。右 (フランソワ・シデーヌ) は濃い。どっちも旨いけど、アタシは右の方が好きかな。」
 dಠಠb「フランソワ・シデーヌ、覚えたか?

 ♡☺♡「覚えた、フランソワ・シデーヌ、シュナン・ブラン (笑) 。」
 dಠಠb「楽天で買える辛口キュヴェは全て取り寄せたから忘れないように。」

 ♡☺♡「フランソワ・シデーヌ、シュナン・ブラン・・・フランソワ・シデーヌ、シュナン・ブラン・・・フランソワ・シデーヌ、シュナン・ブラン・・・。」





── 2日目。

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 Francois Chidaineは昨日よりもフリンティーで燻されたような煙感のある焦げみが濃厚な果実味をフォールドする流れもありつつ、それでもノンマロらしい透明感と軽さがあり、なかなかに面白いバランスの白。

 ドブとまでは言わないけど (笑) 、なんか「キノコの土瓶蒸し」のような独特の澱みのあるアロマに加えて、まるで苦みがチャームポイントの漬け物のような少しクセのある酵母香がある。しかし、含むとギラギラにフルーティーで、芯には屈強な (ある種、魚の骨煎餅的な) ミネラル感がビッシリと引き詰められてるという。

 徐々に醤油っぽい発酵醸造ライクな旨みの肉が沸き踊り出す。決して「優等生に美しくエレガントなワイン」ではヌワイが、それでも惹きつけられる強烈なインパクトとパワーがある。そして、そのエネルギュッシュな発散力の中には、どうしても消せない〝テロワール由来の品性〟というものだけは残されており、その点に「Francois Chidaineの美学」を感じるということはある。つまり、決して「分かりやすく美しいワイン」ではないが「鮮烈な美学に貫かれたワイン」とは言えるということだ



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 ▲「あの写真をばらまいたら、さぞかし楽しいことになるんじゃないか。」(黒薔薇純子 from『ピュア!』) と「誤解しないでください。みなみさん。」(真島修平 from『ケイジとケンジ』) という台詞の応酬は悪意のないモンタージュです。

 ▼本当は4本の味クラーヴェをしようと思ってたんだけど、それは翌日に回しましたので、次の記事の中で触れます。一応、ワインは左から高い順に並べてるけど、買う店によっても変わって来るので大した意味はヌワイです。ただ、一番左のブルゴーニュ (Christian Bergeret) だけはどこで買っても5,000円以上するので、これが一番高いという事実だけは不動です。
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 一方のMichel Thomasは益々トロピカルで、何とも愛らしいアロマが充満しつつあるものの、たとえば温暖エリアのそれらとは異なり、あくまでも恥じらいのある、少し内気で無口な佇まいとしてのトロピカルネスだ。端的に言って、非常にエレガント。

 そして、含むと、トロピカルなアロマに比して、ミネラルの芯は屈強で野太い。ステンレスタンク&ノンマロ属性のソーヴィニヨンでありながらも、微細に複雑で、小さな領域で独特の閉じた鉱物感が蠢いている。





── 3日目。

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 ▲一応、ワインは左から高い順に並べてるけど、買う店によっても変わって来るので大した意味はヌワイです。ただ、一番左のブルゴーニュ (Christian Bergeret) だけはどこで買っても5,000円以上するので、これが一番高いという事実だけは不動です。


 ロワール以外の2本は「2日目」です。同じ形のワイングラスが4脚もないので、少し〝すぼまり〟のあるグイ呑みを使って味クラーヴェです。特に気に入った2本は後でワイングラスで飲みます。[東洋佐々木ガラス 冷酒グラス 100ml T-16108-JAN




 ◤Christian Bergeret (コート・ドール/シャルドネ) ・・・要するに「甘い」わけ。もちろん、日本酒よりは甘くないけど、ココに我々が求めるレベルの〝〟はヌワイです。樽のニュアンスも、なんか〝こまっしゃくれたRMシャンパーニュ〟みたいというか──正確にはあっちが〝こまっしゃくれたブルゴーニュ〟なんだけど (笑) ──、なんかキリキリし過ぎてて、まるで新築の一軒家でウイスキーの水割りを飲んでるみたいだよ (笑) 。樹液というか松ヤニというか、イイ塩梅でそこに果実味が乗って来ないですね。

 ◤Francois Chidaine (ロワール/シュナン・ブラン) ・・・良くも悪くもこの4本の中では一番目立ってますね。色もコレだけオレンジっぽいし。エキス感たっぷりという感じでコクもデロンと出ていて、充実感はある。ただし──です。透明なフルーティネスが十分に発揮されているかというと、それよりも外皮的な要素の方が色濃く出てるので、濃いし強いけど、真の意味で「ピュア」とは言えないかな。そう考えると「Les Bournais 2015」にはフィネスやエレガンスを感じたよな。そして、その両方を併せ持つのが、今のところ最初に飲んだ──2本目はイマイチだったけど──「Les Choisilles 2013」ということになる。

 ◤Michel Thomas (ロワール/ソーヴィニヨン) ・・・Francois Chidaineと比べると随分とシンプルで素っ気ないワインだけど、引き締まった体躯には密度の高い酸やミネラルや果実味が十全と凝縮されているので、無駄がないというだけで、決して味気ないわけではなく、むしろ「エレガンス勝負」ならFrancois Chidaineを打ち負かすのではないだろうか。これは熟成が利くヴィンテージだと思う。再来週にまた西荻窪に出向く用事があるのでリピートしてもいいな。3〜4年ほど忘れ去ることができれば面白い結果と出会えそうだけど、問題は保管場所だな。逆に日本酒用冷蔵庫はスカスカなんだけどな (笑) 。

 ◤Clos Floridene (ボルドー/ソーヴィニヨン&セミヨン) ・・・これだけカジュアル。いちいちワインの緻密について斬り込む必要もなく、気の合う仲間とワイワイ飲んでればそれで事足りるワイン。ちょっと「2014」を近々リピートしてみるわ。



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 というわけDE、左から好きな順です。

 まあ、これに関しては夫婦で意見の相違はありません。Michel Thomas (ロワール/ソーヴィニヨン) は結構イイ線まで行ってるんだけど、いかんせん、今の時点では骨格が屈強過ぎる。まるで寝起きのジジババ並みに柔軟体操が必要で、美味しく飲むのに少しコツが要るというか、まだまだ先のあるワインです。



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 そんなこともあり、今の段階ではFrancois Chidaine (ロワール/シュナン・ブラン) の方が──粗野で暴れん坊ではあるものの──アトラクティヴです。いずれにせよ、ロワールワインは今やマイナーな存在なので、我々夫婦にとっては、まさに〝漁りたい放題〟で、しばらくはシツコク飲み続けてイクと思います。

 ブルゴーニュと比べたら綾瀬はるかに安いし、予算8,000円以内で相当なヤツが買えるし、カリスマ生産者のトップ・キュヴェですら、ブルゴーニュのプルミエ・クリュ程度の値段だし、このエリアに詳しくなることには相当なモチベーションがありますので、2〜3年後には特集記事も書けるようになってると思います。


moukan1972♂



※2019年4月22日よりコメントは「承認制」に、同年6月15日より非公開コメントが「不可」になりました。[詳細&ガイドライン


サンセール ロワール Michel_Thomas

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