◤腰古井 - 純米酒 2018BY (H30BY) <千葉> ── dಠಠb「人々が漠然と頭に描くイメージの中の〝居酒屋X感〟がある」 




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 毎度「火入れ純米」でスミマセン。


 西荻窪に行く用事があったので、火入れの一升瓶がオッパイ置いてある「三ツ矢酒店」の若旦那に「常温〜お燗で黙ってスイスイ飲める〝旨すぎない酒〟で何かオススメはないか?」と訊いたら、こんなん出ました。

 千葉県勝浦市の酒蔵「吉野酒造株式会社」は1830年 (天保元年) の創業で、南部杜氏の技を継承する瀬川英夫氏が杜氏を担当しています。 いわゆる〝日本酒マニア〟連中がいそいそと味見を繰り返すような〝限定流通ラインの生酒商品〟の有無に関しては──HPを見ても〝そういう情報〟がヌワイので──知りません。もちろん「腰古井 (こしごい) 」という銘柄も初めて知りました。

 というわけDE、店の滞在時間3分で──未だにスマホを持たずに生活してるので薦められた酒をその場で調べることもできないし──即決です。



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 bottle size:1800ml





【870】腰古井 -こしごい- 純米酒 2018BY <千葉>

吉野酒造 株式会社:https://koshigoi.com


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▪︎酒米/精米歩合:五百万石/60%
▪︎酵母:非公開
▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度:+2.6/1.9/2.2 (※通販ページより。別のページでは「+3.0/1.8/1.5」です。)
▪︎ALC:15-16%
▪︎処理:たぶん加水の二回火入れ。
▪︎酒造年度/出荷日:2018BY (H30BY) /2020年1月
▪︎管理状況:2020/2/8に購入後、室温で管理。
▪︎試飲日時:2020年2月13日 (木) /1本目に開栓。
▪︎備考:全国燗酒コンテスト2018・プレミアム燗酒部門『金賞』受賞
▪︎JudgementOn My List / Not On My List
▪︎Grademarvelous/excellent/good/insufficient/faulty/indeterminable

※On My Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On My Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On My Listの「good」とNot On My Listの「good」は同じではない。On My Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「indeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。

※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み




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 立ち香──割りとクセのある穀物ライクな、何かを練り潰したかのようなヌチャっとした麹香。川辺の納屋。酔っぱらいオヤジの体臭 (金曜23時台の満員電車) 。今日は少し気温が高いんだけど、この時点で「美味しそう」という印象は微塵もヌワイです。むしろ心配村の残念村長という感じ (笑) 。この田舎純米なヌチャっとした酸を嗅ぐのは久々──というより、むしろ機会そのものが少ないが、自らの記憶力の良さを呪うように、今、アタリ屋で飲んだ「黒松白鹿 純米吟醸 生囲い」を想ひ出す。ややアミノ酸の出方に高めの数値を感じる。熟感は「あるっちゃあるし、ないっちゃない」レベルだけど、この手の純米酒であれば、多少の熟味は許容だし必要。ちなみに横にある「黒澤」の香りを改めて確認すると、やはり、モダンかつスマートかつエレガントで、そこらの田舎純米とは別次元の領域に達していることが〝よぉーく〟わかります (笑) 。

 田舎の旅館に泊まろう、的な──甘そうなので少しだけ冷やしておきました。

 うん、なんか「田舎の旅館」というよりは「駅近の赤ちょうちん」という感じ。とにかくスゲえ〝名も無き居酒屋感〟──人々が漠然と頭に描くイメージの中の〝居酒屋X感〟──がある (笑) 。とはイエイ、香りで感じたよりは (若旦那が言うように) 滑らかなテクスチャーで水 (軟水) のキレイさが際立ち、少し甘いけど、冷やすと酸にも張りが出るので、まあ、飲める。アミノ酸度も数値ほどは感じないかな。 

 食中はホクホクとした優しい米の旨みもシッカリ感じれて、相対的には酒単体よりも立体的な味わいになる。もはや「旨い」とかではないけれど、確かにこれは何も考えずにスイスイ飲める純米酒ではある。ちと甘いけどな



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 レンジ燗──。

 ぬる燗より、少し熱め (50℃くらい) から始めた方がいいですね。やっぱ少し甘いんだけど、お燗の方が五味のそれぞれの出力がグイっと引き上げられるので、JO (じょうおん) よりはシュっとしますね。

 まあ、普通だしオールドスクールなんだけど、それでも「欠点」ばかりが目立つ「若い生酒」や「気取った生詰」よりは気軽でいいよね。 いわゆる〝日本酒マニア〟連中にはオススメしませんが。



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 黒澤──。

 なんかmoukan1973♀っぽい言い方でスゴくイヤなんだけど、やっぱオシャレ (笑) 。ポン・ジュノと是枝裕和くらいレベルに差がある。ただ、気軽に──何も考えずに黙ってTVを観ながら飲むには──、少し「黒澤」はキャラが濃すぎるかな。悪い意味で「旨すぎる」というか、飲み手に沈黙を許さない個性と存在感が、この場合はあり過ぎる

腰古井」に少しだけブレンドするとイイ感じのアクセントになると思うので、明日やってみます。

 というわけDE、今宵も火入れ純米のJO&レンジ燗でオレの食卓は平和そのものです





── 2日目。

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 立ち香──少しクセは抜けたかな。ま、明らかにフルーティーな生酒 (直汲み) が好きな人にとっては苦手な香りだとは思うけど。

 まずはJOで──。

 ユルフワなストラクチャーで、アタックはやや甘めの米の旨みがスルっと滑って来る。モダン生酒信奉者たちの眉間に不快感の証としての縦ジワをビシリと刻むオールドスクールな麹感には人々が漠然とイメージする「オヤジ酒」ライクな要素がシッカリ鎮座しており、まずはココが限られた日本酒ジャンルしか愛せない偏向的マニアにとっての高いハードルにはなるが、もはやオレにとっては、苦いだの渋いだのと文句を垂れながら飲まされる「不完全な生酒」よりは「思考停止」という恩恵に授かれるゆえ、逆にココが好材料となる。



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 オレの嗜好からすると割りと甘めなので、チロリに入れて冷蔵庫で少し冷やした方がイイかな。特段に旨くもないけど、同時に欠点を探しに行く手間もないし、ぷらっと入った初めての小料理屋 (居酒屋) ──女将さんが一人で切り盛りしているような──で、メニューに素っ気なく普通名詞で書かれてある「日本酒 (冷や・お燗) 」を頼んで出て来たような風味なので、たとえば中途半端に好みからハズれる「澤屋まつもと」とは真逆の意味で〝外で飲んでるような気分の充実〟があり、うちには他に高級な旨い酒がワンサカあるわけだし──ワインのストックがシャンパーニュも含めて80本を超えた──、もはや「日本酒」に対する要請はこの程度の酒でも十分に満たされる。

 まあ、普通にスイスイ飲めますよ。当然、この味わいの酒を「ワイン」と比較する気にはならないし、何より、それがいい。単なる〝ティー〟に過ぎない〝フルーティーな生酒〟を飲んでいると、逆に「不完全なナンチャッテ果実酒」に思えて来ちゃうもの。フルーティーな生酒が飲みたいなら、今や「日本酒」は選択肢に上がって来ないというか。

 あと、関係ないけど、チェイサーBeerも悪くない (笑) 。

 レンジ燗──。

 特に〝開く〟というほどでもないけど──むしろユルフワな甘旨はJOの方が優しく膨らむ──、酸は燗の方が立つかな。その分、オールドスクール素もグイっと引き上げられるけど。



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 ブレンド──「腰古井:70%、黒澤:30%」くらい。

 いいっすね。やっぱ「黒澤」の方がキャラが濃いので、この配分でも「やや甘やかな黒澤」というような仕上がりです。そしてもう、この「平和な晩酌ライフ」を壊したくないという想ひに駆られる、この想像だにしなかった2020年とは一体 (笑) !?

 フレッシュ&フルーティーな旨い酒が飲みたければ、3,000円以上の白ワイン (シャンパーニュも含む) を開ければ事足りる。鍋や刺身でシッポリやりたければ火入れの純米酒を「JO~お燗」で飲めばいい。もう「生酒」の入り込む余地が日に日になくなりつつある。



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 黒澤単体──少し割り水。

 徐々にこなれて来た感じはあるけど、少しスタイリッシュ過ぎるというか、黙ってスイスイ飲むには個性が強過ぎるというか、旨いっちゃ旨いんだけど、オレの求める出力より、ちょっと方々に弾け過ぎてるかな。





 1973チャレンジ!!!
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 ♡☺♡「あああ、確かにオールドスクールな感じ (笑) 。最近飲んだJO酒の中では一番格下だけど、別に飲める。」
 dಠಠb「ある意味、こういうテイストの方が日本酒ならではの存立性が担保される。生酒やスタイリッシュ (だと造った本人と酒屋と一部のエンドユーザーだけが思っている) なイマドキのモダン地酒だと、どうしても悪い領域で『ワイン』なんかと相対化され分が悪くなるけど、こういうジャンルの日本酒であれば、これはこれとして比較対象にはならないから、用途に合わせてハッキリ分けて楽しむことができる。」

 ♡☺♡「この並びと飲むと、黒ちゃんは流石に洗練されてる (笑) 。」
 dಠಠb「ただ、飲み手に沈黙を許さない個性が邪魔になる時もある。ま、この瓶が未熟な完成度だということもあるけど。」

 さて、こうして「火入れ純米」ばかりを立て続けにアレコレ飲んでいると、思っていたよりも──下手すりゃイマドキの生酒よりも──各銘柄ごとの違いが明白で、特に〝仕込み水の硬軟〟に関しては「生酒」を飲んでいる時よりも感じやすいというのは決して小さくない発見ではあった。

 なんだかんだで半分くらい飲んでしまったので、これがなくなったら、また1800mlで適当なJO酒を買う。季節が暖かくなって、フレッシュな生酒が飲みたい気分に (もしも) なったら、その時は「売れ残りのチヨメン」から適当なモノをまとめて見繕う。よほど旨い酒でもない限り、実りの少ない味見レベルの冒険は「時間の無駄」なので、もういちいちヤラない。


moukan1972♂



※2019年4月22日よりコメントは「承認制」に、同年6月15日より非公開コメントが「不可」になりました。[詳細&ガイドライン


日本酒 腰古井 not_on_list_good

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