◤翠玉 - 特別純米 火入れ 26BY 自家製1年熟成Ver ── dಠಠb「ま、結果的には、それなりに楽しめたかな、ただし、普通に買ってすぐに開けた方が、この酒の意図するニュアンスを素直に楽しめるとは思う」#Well-Cured 




 両関酒造の翠玉/特別純米/火入れ、26BY自家製1年熟成Verです。去年の4月に4合瓶で呑んで気に入ったので、お燗に向くよう──通常の状態ではあまりお燗映えしなかったので──、8月リリースのロットを一升瓶で買い直して、今年の4月頃まで常温で放ったらかし、それから冷蔵庫に移動して、今に至ると、こんな経緯。

 最近では「花邑」という銘柄がネット通販なんかでバカスカ売れてる両関酒造ですが──意外に実店舗ではしばらくのあいだ売れ残ってたりする──、火入れに関しては、オレ的には翠玉の特純の方が花邑よりも好きだったりする。恣意的な記憶の関連付けで言えば、さしずめ「酸っぱくない豊盃」と言ったニュアンスだろうか。甘ポチャいタッチに滑らかなエキス感が程よい、冷酒で美味い旨口火入れ純米というのがオレの印象。

 さて、どうかなー。花邑みたいにフローラルに香るお酒じゃないんで、潰れた渋みなんかは出にくいと予想してるけど、こればっかりは実際に呑むまでは誰にもわからんよ (笑) 。




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 bottle size:1800ml






【137】翠玉 -すいぎょく- 特別純米 火入れ 26BY <秋田>

両関酒造 株式会社:http://www.ryozeki.co.jp


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 お〜っと、こりゃ意外、まずは少し青いニュアンスの爽快な香りが──青リンゴ、白ブドウ? でも、やっぱしっかり奥でナッティーな熟香はある。翠玉や花邑に特有の、花の蜜様のポヨンとした甘やかなタッチはない──というか、そうした甘み要素が熟成によって少し枯れた味わいに転化しいてるといった印象。砂糖が焦げるとカラメルになるみたいな、そんな感じ。


suigyoku_tokujun26by3.jpg まずは冷酒で。元々うっすら黄色い酒ではあるんだけど、それなりに色は付いたかな。

 おうよ、少し渋みが出ちゃってるけど、花ビラを潰したみたいなキツいニュアンスではなく、穀物由来の渋みという表情なので、それほどは気にはならん。純米スペックならではの、前向きな雑味感という範疇に収まる程度の渋み。

 翠玉らしいハニーな甘みはさほど広がらず、すぐに渋酸へと収斂されていくな。フワっとしたエアリーなホロ苦さではなく、最近飲んだ中だとあべみたいな、高密度で透明な苦み。変な話、あべ以前だったら、この苦みや渋みはオレの舌にはノイズだったかもしれない。でも今は、この苦み&渋みの抗体があるゆえ、もはや普通に楽しめたりする余裕もあるよ (笑) 。

 冷酒だと熟成による旨みの膨らみはあまり感じないかな。むしろ若い状態よりもリキュールみたいな透き通った辛みを強めに感じる。数値的には甘口の日本酒度 (−4〜−6) のお酒だけど、なんつうか、甘苦辛いタッチに落とし込まれてるというか、この段階では甘口という表情は見せない。少しサラサラとパウダリーな舌触りもあるものの、旨みの深海を泳ぐのではなく、甘みの表面を軽くなぞる──まるで水面を軽やかにジャンプする飛び魚の大群のような存在としてのサラサラ感だ。つまり、旨み成分というよりは、飴の表面にまぶされた砂糖のようなパウダー感というか。

 温度が15℃を超えてくると、特に立ち香において熟感がわかりやすくなる。まあでも、全体には甘いお酒。ただ、熟したことで、流れとしては、苦み&渋みの収斂性がかなり鋭くはなってる。甘さの質感も旨みの方向ではなく、リキュールっぽいクリアさの中でスリムなサイズに収縮してる感じ。まあ、翠玉の特純という酒からは少しアナザーワールドにワープしてしまった感もあるが、これはこれでそれなりには楽しめる──あべを知った今となっては。

 さて、お燗はどうだろ──。どうせすぐ冷めるし、ひとまず50℃くらいまで上げちゃいますか。

 立ち香──少しアルコール感がツンケンしてるけど、わっかりやすく熟成酒ライクな、いなたいタッチも。

 うんま (笑) ──。

 熟成前のお燗だと酸味が立っちゃって、甘みが潜りがちだったんだけど、さすがに1年も寝かせれば、お燗ならではのふくよかな甘みがイイ感じに膨らむ。ただし、燗冷ましの温度帯になると、シロップのような甘やかさも出てくる──これはさすがに甘過ぎか。でも、アフターにはドカっかりしたアルコール感も。どうだろう。ダラダラお燗で呑むには少し面倒臭い酒質かな。しっかし、甘いな、燗冷ましは (笑) 。

 というわけDE、15℃手前あたりの少し落ち着いた冷酒温度帯が一番飲みやすい酒かな。熟成してるけど、正直に言うと、普通に買ってすぐに開けた方が、この酒の意図するニュアンスを素直に楽しめるとは思う。

 でもな、オレは後悔はしてないぞ、後悔は・・・

 変な話、たぶん、料理酒としては最強の部類だと思います。これで煮物とか角煮とか作ったらクワナリ (かなり) イイ感じに仕上がると思います (笑) 。いや、オレは飲むぞ、最後まで!

 最後に冷酒で1杯だけおかわり。おおお、ぐんぐん甘くなるね。うん、こっちのが旨い。

 1年越しの結論──翠玉/熟成Verは、全体としてはお燗には向かない──ただし、アッチい温度帯で飲み干す分には、割りにイイ表情を見せたりもする




── 2日目。


 オウ、昨日より酸っぱくていいな。熟感もそこまでドッカリしてないし、頭の甘さもササっと即退場、あとは酸が引き継いで、ナッテイーな熟香が優しくそよいで、最後はカッチリ辛みで切らせる流れ。ちょい水っぽく感じるタイミングもあるにはあるが、冷酒だと特に甘ダレもせず、この季節にガブガブ飲むには程良い旨みのサイズ感。

 しかし!

 翠玉本来の味わいとは少し方向性が変わってしまってるので、まずは普通に買って普通に開けて飲んでみて。香り控えめの火入れ純米スペックで冷酒がベストに旨い酒も数としては少ないし──蒼空の純米美山錦は冷酒でも旨いか──、生酒に疲れた夏の夜にお一つどうぞ。フレッシュとかフルーティーとかの属性は全くないけど、ある意味で、これが正統的な米由来の甘さとエキス感なんだと、生酒ジャンキーなイマドキの飲み手にとっては、それなりのイイ息抜きにはなるんじゃないかと。

 温度が常温に近づくと、少し味幅がルーズになってくるので、わりと冷たいうちにガブガブ飲んだ方がいい




── 3日目。


 こういうタッチの酒を冷酒で飲むのもたまには悪くないかな。さすがに1年寝かせただけあって、3日経っても全く味が崩れない (笑) 。しっかりめの酸の中から、ジュワっと旨みや甘みや熟した香りが滲み出てくる流れ。

 つうか、今日が一番いいよ。もうなくなっちゃったけど・・・。


moukan1972♂






日本酒 翠玉 花邑

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