もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

「太陽目線法」を伝授します。
〜 日本酒の家呑みレポート&本日の1曲、時々メガネ警察〜

◤裏篠峯 - ろくまる 純米吟醸 八反 無濾過生酒 26BY ── dಠಠb「特別に人気のない銘柄を好きになると享受できること、それは売れ残りの古いビンテージなんかを平気で買えたりすること」#Fresh 




  我が家のド鉄板銘柄、篠峯です。日本酒の醸造年度は7月1日をもちまして28BY (2016年ビンテージ) に突入しましたが、今宵は26BY (2014年ビンテージ) のボトルを開けます。ちなみに去年も同じモノを飲んでますが、細かい味わいなどは覚えてません。ラベルには「2015年10月」と書いてありますが、実際には毎年1月にリリースされるお酒です。たぶん、蔵に売れ残っていたお酒の最終出荷分なんだと思います。江古田の酒の秋山の氷温庫に眠っていたモノを買って来ました。



 ▼どうだ、売れ残りの26BYだぜ。
shinomine_rokumaru_hattan26by1.jpg



 DE、27BYの篠峯、ここまで我々としては、まさかの不完全燃焼がつづいています。どれもそこそこ美味しく呑めてますが、その程度で満足できるような銘柄じゃないんです。影響力のある人気ブログでの扱いも〝ほとんどない〟もしくは〝外部に絶賛の波が飛び火するほどの声高なレビューはない〟というのが現状。

 だったらオレが書いてやるさ──そんな気概を胸にブログを始めたということもないわけでもなかっただけに、ここまでの出来栄えには決して少なくない不満があったことは隠しようのない事実なのであります。

 こちらのお酒、27BYでも飲んでますが、やはり、艶やかでキャッチーなフルーツ感に乏しく、少しフラット&ドライな味わいであったことは否定しません。而今しかり、鍋島しかり、ドッカン甘旨な酒質の銘柄がなんとなく「食中酒」というコンセプトを意識しはじめているかもしれない27BYですが、オレとしては、まだまだそういうドッカン甘旨な酒を飲み尽くしてはいないわけで、「せめてあと2〜3年はこのトレンドを楽しませてくれよ」と思うのであります。

 ま、篠峯はドッカン甘旨な酒質が売りの銘柄ではないけれど、ブライト&ビビットな酸によって日本酒的な果実感を煌びやかに発散する味わいを信条としていたわけで、元々大仰に甘い酒ではないのだから、変にドライな方向に舵を切る必要はないと思うんだけどな。ド頭のフルーティーな甘みを高めの酸がシャープにズバっと切らすスタイル──そこには既に篠峯固有のドライ主義があるはずで、つまり、篠峯は甘さを切り捨てることでドライさを追い求める必要は、銘柄の属性として、そもそも理論上、あり得ないとオレは思うわけなのだ。別にいいんだよ、篠峯は甘さや果実味を無理に削がなくても──。



 ▼1975年、広島カープ初優勝時の衣笠祥雄。ちなみに八反35号は広島の酒米。
shinomine_rokumaru_hattan26by2.jpg
 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆☆

【136】裏篠峯 -うらしのみね- ろくまる 純米吟醸 八反 無濾過生酒 26BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


Moukan's tag:




 それでは、26BYの売れ残りをいただきましょう。都合1年半ほど寝てますが、ま、篠峯なので、その程度でどうにかなることはないでしょう。


shinomine_rokumaru_hattan26by4.jpg 立ち香──明利系酵母特有の少しクリーミイな甘やかさ、花の蜜様のツンとした酸に導かれたシュガーな甘やかさが立ち上りはするが、派手な山形吟醸のようなケレン味はない。

 奥底で密度の高い透明な甘酸が閉じこめられていて、そこがいわゆる〝パイナップル様〟と言われる所以なのだろうか。そこまで派手になにかのフルーツが香るほどじゃないけど、昨日の而今のようなニュアンスも、あるっちゃある。日本酒的な吟醸香というよりは、幾分トロピカルでハイカラな香り。

 含みます──約1年半寝てるわりには、そこらの直汲み並みにガスはちゃんと残ってる。

 おおお、これだよ、これが篠峯だよ!(涙) ──

 27BYよりも断然フルーツ感が出てる。要はキャッチーに甘みが出てるよ。とにかく流れが最高だ。あああ、なんか去年飲んだときの記憶が静かに蘇ってきたよ。この合点の行く感じ、含んだ瞬間の感覚的なストライク感──やっぱ心から旨いと思える酒については、言葉による理屈なんか、まるで追いつかないんだよ。


shinomine_rokumaru_hattan26by3.jpg 熟成による表情なのだろうか、まるでキャンディーのようなテロっとした甘やかさからスタートして、すぐにガスでジョワっと切らせて、ホロ苦いアフターと共に、篠峯らしい酸と凝縮感による手堅いジューシイさが一連の味物語を極々自然な形でスマートなエンディングに導く、この流れが美しいんだよ。この味の音楽は智則の初日なんかにも感じたけど、篠峯の方がシャープかつ酒としての足腰の強さを感じる。

 甘旨の口どけは素早いものの、いい意味での余韻も、実はしっかりある。この低空飛行な渋み、美しくフェードアウトするタイトな酸。甘旨ドッカンタイプではない、篠峯らしいカッチリとクリアなフェイスの中に、クリスタルなフルーツ感がエキスとしてしっかり溶け込んでる。

 温度が上がってくると、ふくよかでポヨンとしたタッチも。さっきから隣でバカ舌のmoukan1973♀
が「昨日の而今より旨い」と言ってるけど (笑) 、まあ、それはオレもそう思うわ。もうすでにドカドカおかわりしてるけど、味が開いてきたのかな、煮リンゴ的な、少し焦げたような甘みも出てきた。長陽福娘の生熟Verなんかでも感じたタッチ。でも篠峯の方が洋風なルックがあるんだな。わざと安っぽい言い方をすれば、オサレというか、音楽で言ったら断然洋楽みたいな (笑) 。ブランデー漬けの洋ナシのスイーツみたいな表情もあるね。

 旨いっす! やっぱこれだよ、篠峯は!

 わーい、みんな、この味、知らねえーだろー? ざまあ (笑) 。

 失礼。

 ところが悲しいかな、これ26BYなんだよな。だから、あまり声高に絶賛することも憚れるんだけど、それでも最近飲んだ中では一番旨いし、そこは怯まず、別にオレのブログだし、堂々と☆6に格納させていただきます。

 一升瓶だし、また明日も飲めるんだな。嬉しいぞ




── 2日目。


 おうフ、昨日は少し飲み過ぎたよ──久々に大当たりの篠峯を飲めたもんで。今日も飲み過ぎ御免でヨロシク。

 立ち香──今日は少し甘やか。秀鳳なんかでも感じることのある、イチゴやメロン様の、少しシロップ然とした甘〜い香りが。一面、ラムネ (サイダー) のような清涼感のある甘酸もほんのり。而今や町田酒造の山田錦なんかに似たようなフレイヴァーもある。

 ウホ、今日も旨いっす──

 ガスもまだ残ってる。日頃「町田酒造」に少し足りないと感じることのある、酸のブライトネス、これがイイ時の篠峯にはある。だから少し甘ダレしそうになっても、水っぽい苦みが2日目以降も抑えられてるように思う。

 今日は昨日より甘いぞ。で、熟感だけど、意識して飲めば、もちろん様々なタイミングでそれを感じる時間帯もあるにはあるが、別にリリースから2〜3ヶ月くらいの生酒でもこれ以上に熟しちゃってる酒もあることを考えれば、1年半という時の経過はさほど反映されてないとも言える。

 とはいえ、ほんのり焦げたようなビターなニュアンスもあって、ここに煮詰めたリンゴや洋ナシのような、カラーで言うと、ブラウンな味わいがある。


shinomine_rokumaru_hattan26by5.jpg 旨いなあ。智則も町田酒造の雄町も、2日目以降は見る影もなかったしなあ。やっぱ26BYの篠峯は当たり年だったんだなあ。

 旨みに凝縮感があって、加えて1年半の熟成、これが味わいの広がりではなく──つまり、旨味の膨らみではなく、むしろその逆、まるで恒星の最後のように、時間経過と共に味のコアに向かって旨味が収縮している感じ。だからスッキリした、こなれたタイトな酒質になっていて、それでガブガブと飲み過ぎてしまう (笑) 。

 まだ秋山に1本くらい残ってたかな。もういいよ、オレが普段使いスタイルでまた買うから。別にさ、毎日違う酒を飲むことにそこまであくせくする必要もないよ。うちのマンションのゴミ捨て場に、4〜5日に1本の割合で焼酎の富乃宝山の一升瓶が捨ててあるんだけど、たぶんこの人、ひたすら1年中富乃宝山ばっか飲んでるんだよ。それでも別に本人は幸せなんだろうし、我々夫婦も、ついこの間までは、それぞれのお気に入りの缶ビールだの缶チューハイだのを箱で買って1年中ほぼ同じ酒ばかり飲んでいたんだもの。だからオレが篠峯ろくまるの八反26BYをもう1本買うくらい、別にどーということはない。旨いんだから、別にもう一回くらい、普通に飲みたいよ (笑) 。

 ほうほう、温度が15℃を越えてくると、途端に熟したタッチ、出てくる。このなんとも言えない甘ホロ苦い感じ、冷酒の状態とはまるで別の表情が顔を出してくる。

 重ねて旨いっす──

 おかわりし続けていると、徐々に1年半ならではの熟成の妙を味わえるようになる。ああ、これは極めてキレイな熟成だ。老ねとか、いなたい感じは全くない。

 ワオ、甘苦ジューシイ!

 ダメだ、止まんね。スゲえペースで一升瓶の水面が底に落ちて来てるんだけど・・・。


moukan1972♂





日本酒 篠峯

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

毎度です。

あ、「ろくまる八反」ですか。勝手に「篠峯 - 八反50」の火入れだと勘違いしてました。これまた随分とマニアックな酒を (笑) 。

雄町50の27BYですが、少しややこしいですが、「中取り生」については酵母セパレイトなので、ダブルの表記は間違いです。秋頃に出る一回火入れは、出来上がったそれぞれの酵母の酒のブレンドです──堺杜氏に直接確認しているので間違いないです。

今出回ってる「参年熟成」ヴァージョンは、中身が24BYなので、ダブル酵母仕込みの火入れです。「参年熟成」は未飲なので、今年は買うと思います。30BYから9号単体にスイッチします。

まとめると、雄町50は、

▪︎「中取り生」27BYから酵母セパレイト
▪︎「一火入れ」27BYから出来上がったそれぞれの酒のブレンド
▪︎「参年熟成」29BYが最後のダブル酵母ヴァージョン、30BYから9号単体にスイッチ

なので、僕の中のレジェンドである「ダブル酵母」ヴァージョンは29BYで消滅です。ちなみに26BYの一回火入れを飲んでますが、あまり良さが出てないですね。ちょっと僕の中では「中取り生」とのつながりが感じにくかったです。今飲めばわかりませんけど (笑) 。


【125】篠峯 -しのみね- 純米大吟醸 雄町 中取り 一火原酒 26BY <奈良>
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-205.html
2017.01.06 Fri 11:17
Edit | Reply |  

Name - サンジュリアン  

Title - 

昨夜 時間を開けて2回飲んでみましたが、タイト感はなくふんわりした飲み口ですね。含むと瑞々しい甘味に微かな苦味がつるんと流れていく感じ最後は甘味が綺麗に残る。この辺の喉越しが珠韻や火入れの秀凰出羽燦々33と似てます。質感はこちらの方が熟成してるのでシルキーですし、香りはデラウェア葡萄です。今まで酒で葡萄のニュアンス感じた事なかったですが、こいつは香ります。生酒にあった酸味がこなれてこの香りになった様に思えます。
上記の雄町も飲んでみたいですね。
2017.01.06 Fri 08:16
Edit | Reply |  

Name - moukan1972♂  

Title - To サンジュリアンさん

レポありがとうございます。

生酒で感じた「点の酸」が更にタイトになってる感じですかね。これ、なかなか都内の特約店で扱いがないので、前から気にはなっていたんですが、どうせ買うなら26BYがいいので、ちょっと考えます。

八反から話は逸れますが、ちょっと最近思ってるのは、「純大雄町50生27BY」に「クラシック9」という協会9号Verがあって、これ、奈良の酒屋じゃないとなかなか扱いがないんですが、ぼちぼち飲み頃に育ってそうなんですよね。僕が6月に早飲みした時は「甘み」はほとんど感じなかったんですが、篠峯らしいミネラル感、酸による収斂性だけはあったんですよ。もしも奈良の酒屋で買い物する時は、試しに同梱しても面白いかもしれません。「真の飲み頃」はもう少し先のような気もしますが。ちなみに2月で丸1年です。

【117】篠峯 -しのみね- 純米大吟醸 雄町 中取り生酒 クラシック9 (協会9号Ver) 27BY <奈良>
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-182.html

2017.01.06 Fri 03:01
Edit | Reply |  

Name - サンジュリアン  

Title - ろくまる八反一火原酒

手持ちの一升瓶開けました。先日飲んだ八反50生原酒より全体にまろやかで、香りはデラウェアつまりマスカット程主張してませんが、飲み口はつるんとして甘味が軽く喉に流れる。正月前後で飲んだ十四代特撰純大によく似たそつのない味、酸味やミネラル感は八反50原酒に比べるとずっと小ぶりで癖はないが、酒質の強さはあまり感じない。ただ気持ちよく飲める佳酒ではある。最近飲んだ酒で一番近いのは珠韻かな、でもあれより苦味渋みは感じないがやや細身で円やか、先日開けた雄山錦の生原酒に比べるとずっと大人しいが、火入れによるヒネ香は皆無、気泡感も無し
これ黙って十四代の純米吟醸だと言っても通じるじゃないかと思います。
残りの在庫買っても良いかなとは思いますよ。
2017.01.06 Fri 00:13
Edit | Reply |  

Add your comment