もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 日曜に「黒澤 Type-9」の1800mlを開けました。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤昇龍蓬莱 - 生酛 純米大吟醸 山田錦 2014 (26BY) <神奈川> ── dಠಠb「大いなる問題──それは〝この高級品が正しく日本酒ファンの元に届くのか〟ということにある」#Fruity/Clear/High Grade/Well-Cured 




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 ▲遂には岩塚製菓自身が自己模倣する始末 (笑) 。今、煎餅界は地味に「花椒 (ホアジャオ) 」ブーム。次は亀田が「柿の種」で絶対にパクる。←いや、そういや既にやってたな (笑) 。[柿の種 花椒香る シビ辛ラー油味




『伊勢丹ストーリーは突然に』シリーズの1本、昇龍蓬莱 (しょうりゅうほうらい) です。蔵の二枚看板である「残草蓬莱 (ざるそうほうらい) 」が「速醸」に対して、こちらは「生酛」で醸されます。

 お値段は「日本酒」としては少々〝素敵め〟で、720mlが4,320円 (山田錦40) 。検索しても、この「2014 (26BY) 」は引っ掛からないんだけど、当該ヴィンテージ中にリリースされる「生酒 (槽場直詰) 」──生は5,400円らしい──を扱う酒屋はチラホラありました。どうやら、方針として火入れは「複数年の熟成」を経てからリリースするみたいね。

 どういう経緯で「伊勢丹新宿」──♡☺♡「前々から言おうと思ってたんだけど〝新宿伊勢丹〟だよ。」──dಠಠb「〝立川伊勢丹〟とは言わないだろ。」←つうか「カレーライス」か「ライスカレー」かの違いに過ぎん──なぜか「ライスハヤシ」や「ライスチキン」や「丼カツ」や「ごはん松茸」とは言わないけれど──に入荷したのかは知らないけれど、菊池杜氏は27BYを最後に大矢孝酒造を去るので、必然、この26BYは菊池時代の遺産ということになり、しかも酒米のグレイト・ヴィンテージである「2014」だったので、日本酒ソムリエの資格を持ってそうな女性スタッフの感想──「この銘柄としてはそれほど酸っぱくない、冷たい温度だと熟味は感じない、云々」──は一切参考にせず (信じず=アテにせず=むしろその逆のケースすらあると考えることの方が整合的だとすら考えて) 、決して〝勇気を振り絞る〟のではなく〝過度な期待から目を逸らす〟ことで購入に踏み出すことができたというのが、実際の心理的な経緯の詳細です。



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bottle size:720ml





【822】昇龍蓬莱 -しょうりゅうほうらい- 生酛 純米大吟醸 山田錦 2014 (26BY) <神奈川>

大矢孝酒造 株式会社 (by 神奈川県酒造組合) :http://www.kanagawa-jizake.or.jp


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▪︎酒米/精米歩合:徳島県産 山田錦/40%
▪︎酵母:協会7号
▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度:+5/─/─ (※+5/2.2/0.8のイメージ。)
▪︎ALC:16%
▪︎処理:火入れ (二回?) 、4年熟成
▪︎酒造年度/出荷日:H26BY/2019年6月
▪︎管理状況:2019/9/3に購入後、3℃で管理。
▪︎試飲日時:2019年9月8日 (日) /醸し人九平次の次に3本目として開栓。
▪︎JudgementOn My List / Not My On List
▪︎Grademarvelous/excellent/good/insufficient/faulty/indeterminable

※On My Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On My Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On My Listの「good」とNot On My Listの「good」は同じではない。On My Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「indeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。

※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み




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 立ち香──この柑橘系の感じ、久々。透き通った糸のような、可憐な〝線の酸〟が先ずはピーンと伸びて来る。乳酸の風がビビッドな果実味をラッピングした後には、遅れて琥珀カラーの熟香。

 歴然と「昇龍蓬莱」です──。

 ♡☺♡「あっ・・・あれですよ、熟感はある。でもスッキリしてる。なんかウイスキー感、ある。酔っ払いそぉ~。これいくら? 4,000円? 高けえよ。日本酒で4,000円って、ちょっとムカつくんだけど (笑) 。」

 moukan1973♀は↑こんなこと言ってますが、オレ的には思ってたよりイイです──「日輪田 山廃 純米吟醸 山田錦55 無加圧直汲み 26BY」には及ばないけれど。完全に二部構成の酒。アタックはウットリするほど流麗にしてシルキー。〝らしい7号酵母的な柑橘系の酸〟による〝液の鏡面仕上げ〟を経て、奥から4年熟成らしい琥珀カラーな米の旨みがフワっと立ち上る。一連の『嚥下物語』におけるどの場面においてもノイズとなるような雑味は流石にナシゴレン。

好き・嫌い」「旨い・別に」の判断は飲み手によってそれぞれだろうが、少なくとも「山田錦40の4,320円の酒」としての正当性だけは否定しようがないだろう。それこそ💩ブリブリの「糞龍 (黒龍) 」の高級品なんかと比べれば、酒としての品質だけは技術的に保障されてます。「日本酒」に明るくない誰かに贈ることは薦めないけれど、自称マニアさんたちなら、これを誰かに貰って迷惑がる歴史的バカ舌はこの世に存在しないとは思う。



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 値段さえ見なければ普通以上に優れたキレイでイイ酒ですが、ここまで財布の紐を緩めるのなら、どう考えてもシャンパンを買った方が満足度は高いです。結局、日本酒は〝盛る方向〟──つまり、加算的なベクトルにおいて複雑み豊かな高級品を造ることが難しいので、どうしても高くなればなるほど、味わいにおいて情報量の少ない酒になってしまうという問題があり、そこに支出モチベーションを持ち得るか、結局、そこが分かれ目。蔵元の醸造モチベーション (高精白の酒を繊細に醸したいという熱意と野心) が、我々エンドユーザーが抱える単純な〝旨い酒が飲みたい欲求〟と必ずしも美しく折り合わないところに、見えにくい小さな虚無があるように思えてならない。

 つい先日も書いたけど、結局この手の高級ラインは、ある意味「冠婚葬祭」的な虚栄心のハッスルによって、多くの場合「贈答経由」で無知な素人の元に運ばれるという悲哀から逃れられない宿命を背負わされることになり、変な話、それなりに地位のある先生商売の人なら、たとえ自身が酒が飲めなくても、年の瀬には玄関の近くの寒い廊下の隅に無関心で梱包された冷えた桐箱が並んでいたりするものなのだ。そして、それらの中に、この純米大吟醸は必ず静かに眠っている。

 とはイエイ、7号酵母の「生酛 山田錦40」としての稀有な個性はしっかり確保されていて、そういう意味では「黒澤 生酛 金紋錦45」同様の存立性だけは静かに鎮座しています。要するにこの銘柄ならではの、この銘柄だけが獲得でき得る大吟醸イズムが正しく体現されている、その一点に限り十全と価値のある酒なので、同じ値段でこれ以上の旨さを実現している他ジャンルの酒の存在さえ忘れることができるのなら──つまり、心優しく「日本酒」という限定フィールド内に身を置いて唎くのであれば、決して何かの不満によって心が荒むことはないだろう。

 それでも、単純にこのスペックでこの味わいなら、一回火入れの2年熟成の方が、おそらく酒としては素直に旨いはずで、まだまだ蔵元には、造った酒に二次的な加工──その酒にとっての晴れやかな第二幕を用意することでその質を最高の状態にまで引き上げるための試行錯誤が足りないと言わざるを得ない。この「2014」は酒として概要的には完成しているものの、必ずしもこの酒にとっての〝最高の仕上げ〟が施されているとは思えない。





── 2日目。

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 ▲「ブス」を隠すのではなく「可愛さ」を覆い隠すメイク。全然、似合ってヌワイ。途端に安っぽくなる。若いコがこういうメイクを「カワイイ!」と言うのは、逆にこうして (ケバめに厚化粧して) くれた方が〝自分が近づける〟から──そりゃそうだ。つうか『積み木くずし』かよ (笑) 。[TOKYO POP LINE



 立ち香──それなりに熟香も出てるけど、この銘柄らしいフルーティネスとの拮抗感には適度な緊張関係もあって、決して高級感を阻害することはヌワイですね。

 グイ呑み──文句は一切ないけれど、声高に〝その旨さ〟を誰かに伝えたい衝動に駆られることもまたヌワイ。それでもちゃんと「昇龍蓬莱」として正しく純大純大してる点だけは──田舎のジョウジョモニイ (どうでもいい)「山田錦40」が漏れなく教科書通りのメロン吟醸であることを鑑みれば──大いに評価できる。

 ただなあ・・・この味わいにとって、火入れの4年熟成というレシピは〝完全無欠の美しさ〟を証明する式たり得るものだろうか。確かにコレを「若い生酒状態」で飲んでみたいとも思わないけれど、ある程度はフレッシュネスを残した状態で、この透明感と酸を存分に堪能したかったという気持ちが最後まで拭い切れない点が「marvelous」に至れない最大の理由ではある。



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 ▲越後製菓『味の追求 ソフト塩せん』は「ノンフライ」的な乾いたカロリーオフなテクスチャーもありつつ、米表現のメソッドとしては「亀田式」ではあるものの、意外にこのスカスカな質量感がイイ。



 ワイングラス──少し温度は上がりつつある状態です。

 立ち香──意外に酸ファイヤーな領域では香らないな。逆に瓶口からだとグイグイとウニョウニョなドライフルーツ香も湧き出ているんだけれど。

 想定以上にスモーキーな熟味が膨らみますね。液の質感も一気にソバージュ (ワイルド) になるので、ちょっと「昇龍蓬莱」フィールドからは離れたバランスになります。余韻の長さ (甘みの伸び) は確約されるけど、オレには不要の変化。うーん、余計な洗い物が増えたな (笑) 。残りをグイ呑みに移して再冷蔵して飲み直すと、やはりこっちの方が〝らしさ全開〟で舌に馴染みます。

 今となっては、なかなか26BYの良酒を拾えるケースも少ないと思うので、旨さを求めて4,320円を用意するべき酒は「シャンパーニュ」だとは思うけれど、それでも「日本酒」に対してなら高い意識と共に学究的でいることが今でも心地良いのなら、それなりの好機だ、意を決して手に取ってみるのもいいだろう。少なくとも「SHUHARI JUKUSEI × YAMADANISHIKI 2014」よりは刺激的な酒だ。


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※2019年4月22日よりコメントは「承認制」に、同年6月15日より非公開コメントが「不可」になりました。[詳細&ガイドライン


日本酒 生酛 山廃 昇龍蓬莱 残草蓬莱 not_on_list_excellent

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