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◤櫛羅 (篠峯) - 純米吟醸 中取り 無濾過生原酒 2018 (30BY) <奈良> ── dಠಠb「地元の酒屋さん界隈では評判イイみたいで何よりです」#Fresh/Fruity

30BYの櫛羅 (さんじゅうびーわいのくじら) です。「篠峯」でお馴染み「千代酒造」が居を構える「奈良県 御所市 櫛羅」の自社田で獲れた「山田錦」で醸す、いわば〝チヨメン版レコルタン・マニピュラン〟と言ったコンセプトのブランド、それが「櫛羅」です。「純米」に4つ、この「純吟」には2つのロット (田圃の区画違い) の仕込みがありますが、ラベルにそれらが示唆されることはありません。来季から元号も変わりますし、是非ワインの「畑名 (区画名) 」のように「田圃名」を付けた状態で出荷してくれるとカッコイイしコイサー (最高) です。もっと飲み手を〝高み〟に連れて行って下さいお願い致します。
堺杜氏の話によると「グッドヴィンテージだと思いますよ!関西の酒屋さん周りの意見では。私もここ数年では一番可能性があるかな。」──ということですが、この手の話に微塵も心を動かされないのがmoukan1972♂という人間なので、そこ (他人の評価) に関しては全くどうでもいい話ですが、造った本人としては酒屋さん界隈で評価を得ることは大事ですので、彼らが店で「櫛羅 2018」を積極的にガンガン案内して蔵元で1日でも早く完売することだけは、日本を代表するチヨヲタとして心より願っております──蔵が儲かれば結果的に回り回って我々エンドユーザーが〝より旨い酒〟を飲める可能性は増すわけなので。
実は初日を飲んだ翌日に──記事にする前に──堺杜氏から「櫛羅如何でしたか~」というセッカチ・メッセージが届いてしまい (笑) ──「果報は寝て待て、絶望は寝て忘れろ」──、正直、初日を飲んだ限り、関西の酒屋連中が何を思ってこの酒を賞賛しているのか全く理解できませんでしたが、土曜に2日目を飲んで合点が行きました。
簡単に言うと、この時期からそこそこ愛らしい表情を見せつつキュートな甘みも出てるので、要するに酒屋にとって売りやすい酒なんですね。まあ、これは普通に考えれば (ほぼ誰にとっても) イイ事ですが、最終的にオレを困惑させるほどの傑作に成長するかどうかは未知です。
というわけDE、今のところ30BYが26BYを超える予感は1%もありませんが、ここまでの30BYのチヨメンを見渡すと、最近だと27BYに近いニュアンスの味の出方ではあるので、もしかしたら息の長い酒になる可能性は高いです。この「櫛羅 2018」に関しては、個人的には──同じ時期の状態であれば──、29BY (1stロットの720ml) の方が好みではありますが、一般ウケは30BYの方がイイような気はします。9号酵母のくせに、なんか「ろくまるシリーズ」みたいなミルキーなタッチに出会う瞬間があって、香りにも若干の「乳酸」もあって、そのへんがキャッチーだし早飲みも可能ということで、それで酒屋連中は「こりゃ売りやすい!」ということで評価してるというのがオレの見立てです。別に彼らは仕入れた酒の1年先2年先の行く末なんかに普通は興味ないですから、オレとは「見えてる世界」も「見つめる未来」も異なります──連中は商売、こっちは趣味。
オレの個人的なミッション (興味) は、直近だと「純米大吟醸 愛山 無濾過生原酒 27BY 1800ml」の2年4ヶ月熟成を超えるような逸材をチヨメンの中から探すことだけなので、正直、今時期に飲んだ酒がどうのこうのにはほとんど興味ありません。

bottle size:720ml
【759】櫛羅 -くじら- 純米吟醸 中取り 無濾過生原酒 2018 (30BY) <奈良>
千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp
Moukan's tag:
▪︎酒米/精米歩合:奈良県御所市櫛羅産 山田錦/50%
▪︎酵母:協会9号
▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度:+6/2.0/0.8 (参考まで)
▪︎ALC:17%
▪︎処理:中取り無濾過生原酒
▪︎酒造年度/出荷日:H30BY/2019年2月 (1stロット)
▪︎管理状況:2019/2/28に着、3℃で管理。
▪︎試飲日時:2019年3月8日 (金) /1本目に開栓。
▪︎Judgement:On My List / Not On My List[?]
▪︎Grade:marvelous/excellent/good/insufficient/faulty/indeterminable[?]
※On My Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On My Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On My Listの「good」とNot On My Listの「good」は同じではない。On My Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「indeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。
※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み。

立ち香──なんかメロン味の寒天みたいだな (笑) 。あとは、この酒とては少し珍しい、やや青臭いラムネっぽさも。まあ、香りの出力は抑えめです。グラスに注ぐと〝らしいマスカット〟っぽさも。徐々に結構グイグイと甘みが伸びて来るけど、出方にイヤらしさはヌワイです。
いいかも──。
これまた苦みの出方がウォッカみたいだな (笑) 。ガスは弱いけど、キメは細かく、一つ一つの粒子に躍動感がある。まだまだ余韻が雑だけど、らしいミネラル感もありつつ、なりきれない透明感に将来の伸びしろはある。
基本的には「淡麗」な味筋だけど、旨みの腰は割りと強いので、飲み込む瞬間に「噛んでる感」があって、これがあるから「水」にはならないけど、これがあるからエキスに酸が反射してキラン☆ともならず、要するに今飲んでアーダコーダイーダヨーダ言うような酒ではありません──評判はいいみたいだけど、連中の言うことはアテにならん。

なんだかんだで飲めるけど、徐々に旨みの腰の強さが邪魔になって来た。平均レベルでは普通に「美酒」なので、この方向でこれより旨い新酒があれば御案内下さい。この段階で「excellent」は点灯しません。あと、まだまだ「木香」の面影 (旨みに粘り気のある渋みが引っ付く感じ) はあります。ま、これが完全に抜けるのに4〜5年はかかるので、徐々にですね。
── 2日目。

♡☺♡「素直に旨い。あああ・・・ただねえ・・・ちょっと甘い。甘ったるいわけじゃないけど、少し甘い。感動とかはないけど、酒質がクリアで嚥下もスムースなのでクイクイ飲んじゃうけどね。」
初日よりトーンが明るくフルーティーではある。なんか、この時期のこの酒にしては随分と可愛らしいです。ちょっとミルキーなタッチもあって──いつになく甘酸っぱく、まるでヨーグルト味の白いキャラメルを感じる──、ここは30BY的な属性か。いつものスタイリッシュネス (ある意味、飲み手を突き放すような凜としたエレガンス) に少し欠けるので、確かに一般ウケはしそう。もちろん「櫛羅」の方がクリアだけど、なんか時折「ろくまる」っぽい表情に出会うんだよな。
オレの言うところの「ピチャっとジューシイ」で、果肉からプチュっと果汁が溢れるようなタッチをいつになく感じるので、昨日はそうは思わなかったけど、実は早飲み向けかも。
良くも悪くも「普通に美味しい」という域を超えない酒だけど、まだまだ酒が完全には澄み渡ってないので、すでに所有している人は黙って半年は寝かせたい。オレも追加で買ってもいいんだけど、同じロットを100%引けるか分からんから、やはり、仕込み番号か、もしくはロット違いを示唆するような工夫は絶対に欲しいです。そうしないと、この酒を正しく追えないし、そうなれば、いちいち面倒なので、徐々に興味も失います。
◤Additional Notes 💬
dಠಠb「29BYの1stロット (720ml) よりは愛らしく味が出ていて、29BYの2ndロットよりは軽やかなので、ある意味で中庸 (バランスタイプ) 。ただ、オレはたとえ未完ではあってもカチっと堅牢でクリスタルな液性を有する酒に伸びしろを感じるので、この時期からここまで甘みが愛らしく出てる30BYには、正直、そこまで魅力は感じません。この時期の27BYは水、28BYは木香ファイヤー、29BYは1stがドライで硬質、2ndがやや鈍重だったことを思えば、そりゃ酒屋として30BYは非常に売りやすいという話ですね。その意味で、良くも悪くも〝わかりやすい酒〟という印象です。普通に美味しいとは思うので、逆に『いちいち家で熟成なんかやってらんねえよ!』というライトユーザーにはトライしやすい酒かもです。それでもGW時期くらいまでは休ませた方がイイとは思うけど。他、質問あれば下さい。」
── 4日目。

▲ショートにすると途端に「普通」になる佐々木希。元AKBの「篠田麻里子」的なB級感が割り増し。ま、どっちも「爬虫類 (両生類) 顔」だしね。所詮は世界で一番可愛いトカゲ。
昨日 (3日目) も軽く飲んでるけどね。まあ、何というか、アタック (ド頭の入り) は極めて流麗で、果実味の弾けるニュアンスもピチャっとジューシイ。美しい球体感も十分に感じれるんだけど、あくまでもそれは前半の「一秒物語」の中での話に過ぎず、後半はまだまだ薄汚れてます。この部分が「熟成」を経てどうなるのか、そこは誰にも分かりませんが、酒屋ごときがチャチャっとサンプル瓶で味見する程度の試飲であれば、そこそこ優美なモダン・フルーティー酒に感じるんじゃないでしょうか。

ワイングラス──。
やはり、この時期は全然ダメですね。結局、情報量が増えて、その中でも〝余計な要素〟だけが相対的に浮き上がります。この酒で言えば、アタックの滑らかさを台無しにする粗暴な余韻が強調されますね。
うん、グイ呑みに戻して飲んだ方が綾瀬はるかにイイですね。とはイエイ、残念ながら関西の酒屋連中が言ってるらしいほどには、特にオレにとっての魅惑はヌワイです。同じ奈良で言えば「みむろ杉」なんかで感じることのできる果実感。もちろん、2日目以降の強さ (伸び) は「チヨメン」の方が上だけどね。あっちは、基本「初日番長」だから。
moukan1972♂
Name - moukan1972♂
Title - To めいさん
──篠峯 27BYの熟成酒に可能性が見出せるとしたら、参年熟成は期待度大でしょうか。
「生」と「火入れ」では「熟成式」も「熟成定数」も異なるので同じ話にはなりませんよ──それは「Vert 29BY」で体感済みでしょう。ただ、27BYは「生」でも息の長い酒が多いので、こと「火入れ」ともなれば、更に長命でしょうね。ちなみに25BYの「生」は、ある意味で26BYよりストロングに濃醇で、それで「火入れ」はアレですから──この3月に丸5年を達成してもまだまだイケる──、めいさんの場合、むしろ「黒澤」の熟成瓶の〝開け時〟意識した方がいいでしょうね (笑) 。