◤篠峯 - 純米大吟醸 雄町 中取り 一火原酒 26BY ── dಠಠb「モノクロ写真でも美人は美人みたいな、そういうニュアンスだよ・・・」 




 最初に言っておくと、26BYです。毎年3月にリリースされる中取り生酒の一回火入れVerで、特に謳ってはいないけど、まるで冷おろし的なタイミングで、毎年10月頃に出回る。たぶん3月リリースの生酒と同じタンクの酒を火入れしてると思うので、今回の一回火入れVerに関しては、搾ってから1年以上経ってることになり、ウホっ、いい感じに育ってそう。



 ▶︎キミはさ、このまま参院選に立候補しなよ。それでこそ漢 (おとこ) 。
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 いやー、明利系と協会9号のダブル酵母仕込みを廃止した27BYがイマイチだったので、一回火入れではあるものの、ダブル酵母の26BYを改めて呑んでみようと思う。とはいえ、斯く言うオレも、今回の一回火入れVerは初めて呑むんだけど、テヘっ。



 ▶︎アウトっ!!!!! (※写真は合成です。尚、彼は審判ではありません。)
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 ▶︎こう見えてオレたちより若い。リクエストすると、いろいろやってくれる。
 最初は「なんでこんなところに審判が!?」と思ったけど、すぐに偽物とわかった (笑) 。

審判
 ⚾️神宮球場の回はコチラを参照。




 篠峯の雄町酒は、22BYより、備前雄町から特等米の赤磐雄町にチェンジしてるんだって。山田錦もそうだけど、造り手がよりイイ米を使いたがるのは、これね、クリエイターとしての快楽なんだよ。別に変な意味じゃないぞ (笑) 。備前雄町と赤磐雄町の違い、そんなの呑んでるこっちがわかるワキャない。だけど、造ってる当人がわずかでも違いを感じれたら、そりゃもう気持ちがイイものなの。


fc2blog_201606132054541a0.jpg オレ自身の話でアレなんだけど、高校2年の時、うちの音楽室に800万のコンサートグランドピアノ (一般のグランドピアノよりボディが長ぁ〜〜〜い) が入った。YAMAHAだったかな。管弦楽部だったから普通にイジれたけど、そりゃもうね、弾いてて気持ちイイのなんのって

 音の粒がまるで違うし、鍵盤のタッチも柔らかくて、そのいちいちが気持ちイイ。小さな音から大きな音まで、繊細な強弱の機微が、ほんの少しの力で、魔法のようにレバレッジされるんだよ。要は、まるで自分が上手くなったような感覚になれる。だけどこれ、50万のグランドピアノで演奏した録音テープと比較して、あきらかにその違いがわかるかって言ったら、どうだろうね、別にオレのピアノの実力それ自体が瞬間的に熟達したわけじゃないから、そこまでの違いはわからないだろうね。

 でもさ、大事なのは、弾いてるヤツが気持ちイイかどうかなんだよ。酒造りと酒米の関係もこれと同じだと思うわけだ。備前雄町と赤磐雄町、造っててどっちが気持ちイイかっていう話。たぶん、造り手だけにしかわからないレスポンスが米から得られるんだろうね。オレが800万のコンサートグランドを触ったときに鍵盤から繊細なレスポンスを感じたときのようにさ。

 そして、その官能こそが物造りへの情熱を掻き立てるというか、話は戻って、これこそがクリエイターとしての快楽というわけなのさ。100g/150円のロースで作ったカツ丼と、100g/200円のロースで作ったカツ丼、そんなに味の違いはないだろうけど──味を決める要素は他にたくさんあるから──、それでも、その料理人が100g/200円のロースで作ってる方が気持ちイイなら、それはそういう話なんだよね。

 なので、酒米に関するブランド信仰の問題は、我々飲み手というよりは、造り手の快楽に帰属する問題だと、オレは理解してる。安い米で旨い酒を造ってもらえるのが一番イイけど、造り手には気持ち良く納得しながら造ってほしい気持ちも同じ量だけあるので、そこは黙って受け入れましょう。ただ、不味いときは容赦しえねぞ (笑) 。



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 bottle size:1800ml

 



【125】篠峯 -しのみね- 純米大吟醸 雄町 中取り 一火原酒 26BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


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 立ち香は──おっと? 少しクリーミイなバニラ感、あるよ。雄町的なブドウ感はあんまり感じない。香りは極めて穏やか。搾ってから1年以上経ってる酒だけど、熟香はまったくないと言っていいレベル。


shinomine_jundai_omachi_hiire6.jpg ガスはわずか。舌の表面が少しだけキュっとなる程度。ややフワっとしたクリーミイな立ち上がりから、すぐにガスが引き継いで、強めの渋みへと収斂しつつ、ササっと退けちゃう。熟感は全くないなあ。むしろまだまだ全然味が出てないとすら言える。

 ま、生酒Verとは別物だわな。トロピカルな甘旨タッチは一切ないし、雄町的フルーツ感もだいぶ後退してる。これ、お燗の方がいいのかね。今日は冷酒で飲むけど、まだまだ全然味が開いてないよ。ただ、食中における舌触りは無駄にいいんだよな (笑) 。味はあんましねえーけど、質感的に飲んでて気持ちいい酒ってあるじゃん。人によっては、缶ビールとか缶チューハイとかもそうだけど、でもまあ、雄町50なんで、そこは味がドッカンドッカン沸き出てこないと、やっぱ少し物足りないというか、なんのための日本酒なのかという自問自答も始まっちゃう。

 温度が上がってくると多少甘みというか、クリーミイでバニラリーな旨みも広がるけど、すぐに9号酵母的なタイトな酸がそれを叱咤するというか、バランス的に少し互いの個性を打ち消し合ってるような気もする。生酒Verはなにも考えずに旨かったんだけど、実は某酒屋で26BYの生酒を見つけてしまったんだよ。サヨナラ企画で買うかなあ。そこの店、他に飲みたい酒もあったし。


shinomine_jundai_omachi_hiire5.jpg おかわりはジャバジャバと瓶を振るよ。おおお、改めて、ガス、結構あるね。細かい気泡がシュワシュワと瓶底から沸いて来るよ。

 ほうほう、さっきよりは味が膨らんできたけど、一緒に苦みも前に出てきちゃった。ちょい白ワイン的なアプローチを見せてくれるけど、雄町なら、やはり赤い味を期待しちゃうよな。

 なんつうか、香りも味もあんましないんだけど、味わいのシルエットだけは上質で気持ちイイっていう、モノクロ写真でも美人は美人みたいな、そういうニュアンスだよ──だけどさ!美人はカラーで楽しみたいじゃん (笑) !

 ま、これは初日から本性を現すような酒じゃないね。評価は保留しておきます。26BYの生酒、買っちゃおうかな──最後に一杯だけおかわり。今日一キタコレ。ようやくテロっとした甘みが。ここでフルーティーな酸が被さると最高なんだけど、ジョワっとした苦酸で切れちゃう。ま、明日に期待かな




── 2日目。


shinomine_jundai_omachi_hiire9.jpg 全体に苦くて渋いけど、昨日よりは味が膨らんだかな。頭の立ち上がりはツルポヨに滑らかで、少しのとろみと、さらに少しの甘みのコーティングがあって、サスティン部分は短く、音で言ったら打楽器とか鍵盤楽器みたいな波形ね。ポーンと頭部分に味わいが凝縮されてて、あとはシュっと味が退けてリリースにしっかりした渋みと苦み。まるでビールみたいなタイミングで立ち上る苦みだな。

 でもまあ、もうちょい味と香り、欲しいじゃんよ。昨日も言ったけど、やっぱモノクロ写真的な味のシルエットなんだよなあ。色を塗る前の塗り絵みたいな (笑) 。

 昨日より全然イイけど、これ、そもそも火入れに向く酒かなあ。だったら生熟Verを冷やおろしの時期にあえてぶつける方が楽しいと思うし、今や一年を通じて一回火入れの生詰商品がゴロゴロあるわけで、今の時代、もはや冷やおろし (新酒の時期に搾って一回火入れして秋まで蔵で熟成させた季節酒) は形骸化してるんだよ。だったら、全国に張り巡らされたCOOL宅急便と人々の日本酒理解の向上を鑑みて、いっそのこと、秋は生熟シーズンにしちゃったら? 冷やおろしみたいな酒は、生詰の酒を買って冷蔵庫で半年寝かせたら、もはや誰でも作れてしまうんだよ。


shinomine_jundai_omachi_hiire8.jpg せっかくだし、イチローのこと、少し書いておこうかな。先ずは日米通算4257安打、おめでとうございます。いろいろ言われてるけど、誰も〝世界一〟とは言ってないわけで、日米通算、それだけ。ピート・ローズうんぬんはあまり関係ないよ。

 それ言ったら、ピート・ローズが日本でプレイしてたら、生活上のストレスや、日本のダラダラとした長いマウンドさばきにイライラしてヒットを量産できなかったかもしれないし、イチローもまたしかりで、最初からアメリカでプレイしてたら、とっくにピート・ローズの記録を抜いていたかもしれないし、どのみち数字としての客観性は担保されないわけだから、そもそもが同じ括りで比べようがないということね。

 だから、ここは一つ、イチローだけに注目すればいいんじゃないのかね。あのさ、1年に200本ずつ打って20年かけても届かない数字だよ? もう異常だって (笑) 。

 で、うちのワイフと同い年のイチロー。一体どこまで現役を続けるかという話だけど、周囲の懸念や心配は少し的ハズレです。体力的な衰えとか、数字上の劣化とか、そういう問題じゃないんだよ。あのね、要は日々の準備が昨日と変わりなくできているか、そこに尽きると思う。成績上の数字というのはあくまでも結果であって、彼はそこを必ずしも重視してないんだよ。だから数字を残すための最低限の準備を日々の中で滞りなくこなせているうちは、そもそも引退する理由それ自体がないんだよ──サッカーの三浦カズも同じだと思うよ。

 なので、イチローが引退する時というのは、案外つまらない理由が引き金になるのかもしれない。たとえば、「練習中に何度か足を吊った」とか、「朝、同じ時間に起きれなくなった」とか、「ピザとカレーが胃にもたれるようになった」とか、「ティーバッティング中に予期せずバットを折ってしまった」とか、「冬場に目が乾きやすくなった」とか、彼のルーティーンを阻害する小さな出来事が引退を促すことになるような気がする。

 むしろ、体力の衰えとか、出場機会の激減とか、そういう理由で引退して欲しくない。イチローは、我々からすると、ホントどうでもいいような些細な理由で呆気なく引退して欲しい。だから、日々の準備と練習を滞りなく繰り返せるうちは、マイナーだろうと浪人だろうと、いつまでも現役を続けて欲しいと思う




── 3日目。


 ほうほう、今日が一番味も香りも出てるかね──あくまでも相対的にだけど。

 リリースのパンチ感は今日も健在。ちょっとオークで熟成させたようなスモーキーなタッチも出てきた。洋酒チックな表情あるよ。でも、呑み進めていくと、やっぱ苦い。とはいえ、甘さもないから、他とブツかる要素もなくて、なんか飲んじゃうな。ただ、篠峯らしさも感じにくいし、雄町感も全くないし、ちょっとアイデンティティーの見えにくい酒質だわな。

 どうするよ、26BYの生酒、買うか? 明日、カネセからあべ軍団が届くけど、我が家と言えば、ここ1年あまりで最高に冷蔵庫の空きがあるんだよな (笑) 。


moukan1972♂






日本酒 篠峯 雄町

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