もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 QSN (急に・涼しく・なったので) 勝手に「八海山」が活躍してる。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤木戸泉 - Afruge/アフス Ma cherie 2012 (24BY) 純米酒 シェリー樽熟成 <千葉> #Wine Oriented/Well-Cured 




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 ▲5年後 (29歳) にまだ生き残ってたら──にします。



 前回は26BYの「 Afruge No.1 2014」を飲みました、木戸泉 (きどいずみ) です。もう買えないと思うし、基本的に「not on my list」の酒については前説を省略してるんだけど、まあ、一応、世間的には〝変わり種〟らしいので、軽く語っておくと、より「旨い」のは今回の「Ma cherie 2012」の方です。正確に言うと「買う意味がある方」ということなんだけど。

 正直、この「2012」でも我々には味気なく薄いんだけど、それは、この酒がいちいちワインやシャンパーニュやブランデーなどの洋酒を想起させ、皮肉にもそれらの亜流にしか感じられないから。


 やはり、日本酒の日本酒としての切り札は〝甘み表現に関する発明〟だと思うので、あまりにも舶来チックな味わいに寄ると、少し分が悪いという話になる──そもそも米の酒が果実味でブドウの酒に勝てるわけない。

 そういう意味では、先日の「黒澤 穂積 生酒 27BY」や「仙禽 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 26BY」には日本酒の日本酒としての切り札を以て真のワールドクラスに到達しているという強さ (作品としての強度) がある。

 あと、ワインを始め、基本的に酸っぱい酒を避ける傾向にある飲み手が、単に「風変わりな日本酒」というだけでこの酒に手を出してウヒョウヒョ言ってるのは少し淋しい気もする──「旨い酒」への探究心より、単にマニア気質由来の「珍しい酒」への好奇心が引き起こすスタンプラリー的な〝シラミ潰し主義〟に過ぎないと感じるし、日本酒に限らず「酸っぱい酒の世界」には、それこそ他にいくらでも旨い酒は存在すると思うから。

 もちろん、酒的スタンプラリー自体を否定はしないが──オレにだってそういう気質はある──、酒の旨さを追求することだけを主眼とするなら、他の選択肢もあるはずだとは思います。なので、アフスで歓喜できるセンスがあるのなら、並行品でも4,000円くらいするけど、是非「Henriot /アンリオ “スーヴェラン” NV」あたりを飲むことをオススメしておきます。金に糸目を付けないなら、同じアンリオの「ミレジメ 2006」の方がいいけど、さすがにこれは9,000円以上するので──オレは7,000円未満 (ポイント9倍だから実質6,000円ちょい) で買えたけど──、まあ、NVで十分だと思います。NVには自慢の「秘伝のタレ」も入ってるので、場合によっちゃ、こっちの方が重厚な複雑味を携えてる場合もある。

 それでも「not on my list」ながら「excellent」の評価をしたのは、日本酒のコダワリ商品としては一定以上のクオリティと、なにより、これはこれで何かに失敗している点が何もないと思えるから。個人的にはもっともっと甘くていいけど、そういう味わいを目指してるわけでもなさそうなので、それで「not on my list」ということです。

 ちょっと高いけど、山廃らしくペターンと軽い量感なので、食事の後半か食後にワイングラスでチビチビやるには悪くないと思うし、お呼ばれした際の手土産には最高でしょうね。ただ、いろんな熟成状態のいろんな商品名の「アフス」があるので、どれがアタリなのかは飲んでみないと分からないけど、なるべく熟成期間の長いヤツを選んでおけばヒット率は上がるのかな。



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 bottle size:500ml





【578】木戸泉 -きどいずみ- Afruge Ma cherie 2012 (24BY) 純米酒 シェリー樽熟成 <千葉>

木戸泉酒造 株式会社:http://kidoizumi.jpn.com


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▪︎酒米/精米歩合:千葉県産米/65%
▪︎酵母:非公開
▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度:非公開
▪︎ALC:15%
▪︎処理:たぶん原酒の二回火入れ。
▪︎酒造年度/出荷日:H24BY/2017年9月
▪︎管理状況:2017/12/25に着、11℃で管理。
▪︎試飲日時:2018年4月7日 (土) /シャンパンの次に開栓。
▪︎備考:高温山廃一段仕込み。蔵元のHPによると「純米アフス原酒 火入れ 500ml」という商品があって、これがALC.15%で原酒なので、この「Ma cherie」も同じだと思われます。加水の「純米生」がALC.13.7%なので、これに則せばという理解です。
▪︎JudgementOn My List / Not My On List
▪︎Grademarvelous/excellent/good/insufficient/faulty/indeterminable

※On My Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On My Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On My Listの「good」とNot On My Listの「good」は同じではない。On My Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「indeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。

※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み




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 ミッシェル・ロクールを2〜3杯ほど飲んでから移行。


 ♡☺♡「お酢 (笑) 。お酢風味のブランデー。ある意味、軽い。重くない
 dಠಠb「ふぬけたシャンパンみたい (笑)

 ♡☺♡「まあ、わかる (笑)
 dಠಠb「泡の抜けた酸の足りない、まるでミネラルに乏しいシャンパンみたいだけど、それでも2014よりは全然いいかな

 ♡☺♡「でも、悪くない。お酢のお酒を飲んでる感じだけど、意外に軽い
 dಠಠb「常温くらいがいいかな? シャンパンに寄せると、どうしても薄いというか、果実じゃないから果実味なんかまるで足りてないんだけど、そこそこジューシイだし、これはこれでいいかな。さすがにこのバランスならもう少し甘くてもいいけど、この平面的な旨みの立体構造は山廃由来だから仕方ないかな。生酒ならもうちょい味に厚みも出るけど、こういう商品なんだと思えば納得はできる



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 dಠಠb「ちょっと焙煎コーヒーのようなアロマあるよね。この香ばしいニュアンスはアンリオなんかを想起させる
 ♡☺♡「コーヒーわかるぅ〜

 dಠಠb「たまたま今日のシャンもアンリオと関わりのあるドメーヌのキュヴェだし、明日はアンリオの2006でも開けちゃおうかな
 ♡☺♡「いいね!


 キャラ濃い割りに薄いみたいな印象はどうにも拭えないけど、日本酒としてはそこそこ頑張ってますね。





── 2日目。

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 というわけDE、アンリオ経由で。

 ♡☺♡「古酒感だけあるけど、味はペラいみたいな
 dಠಠb「そもそも語るべきストラクチャーがないのは仕方ないとして、マジでアンリオを開けたまま放置して泡が抜けて酸化してフヌけたらこんな感じみたいな (笑) 。この銘柄は無理にワインに寄せる必要はないと思うな。そこが黒澤との格の違い。むしろこの程度の酒を飲んでアーダコーダイーダヨーダ言ってるなら、素直にアンリオ飲んでみ? オレの言ってること、わかるから

 ♡☺♡「でも、黙って出されたら日本酒とは誰も思わない感じはある
 dಠಠb「まあでも、これはこれはとして、日本酒フィールドに限り、それなりの異彩を放つ良酒であることに異論はないです。ただ我々の目の前には本物の果実酒があるので、そのリングに立つと、カカシのように細くて味気ない熟成酒です





── 3日目。

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 立ち香──その前に改めて言うと、色は──あえて和モノとの比較で言うなら──薄めのほうじ茶とか麦茶くらい。香りはねえ。オレにはそこまでフルーティーには感じられなくて、割りと甘やかなバニラとか、メープルシロップ的な焦げ感。プリンのカラメルソースとかね。やっぱシャンパンのメイラード反応由来の焼き菓子ライクな香ばしさがある。



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 注ぐ前に瓶をフリフリ──。

 水で薄めたプリンのカラメルソースという印象は拭えないんだけど、逆に山廃由来の「点の酸」が要らねえみたいな。この酒の場合は、もっともっと甘くていい。やっぱ薄いんだよなあ。少しだけ風変わりなアジアのお茶みたいな酸の輪郭に、洋酒っぽい甘焦げ感とシャンパンみたいな焼き菓子ライクなクッキー感が交錯するんだけど、うーん、やっぱペラいんだよなあ。



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 ▲『崖っぷちホテル』の番宣狙いで、すでに朝〜夕方の情報番組の録画は、すべて「日テレ」に切り替えてます (笑) 。



 オレはこの酒をドメスティックなフィールドでしか評価できない。ワールドクラスにはなりようがないよ。なので、あくまでも、日本酒としてどこまで固有の価値があるかという話しかできません。「◯◯なのに」とか「◯◯の割りに」という枕がないと特異な存在でいられない程度の何かがワールドクラスであるなんてこと、あるわけない。

 そんなもん、言ってしまえば、天才キッズとして「3才なのに世界の国と首都の名前を全部覚えてる」みたいな触れ込みでTVに登場して、まんまとやくみつるに撃沈されて泣いちゃうのと質的には同じ話だよ。3才だろうと59歳だろうと、勝負の世界は勝った方が常に偉いんだよ (笑) 。





── 4日目。

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 こういう酒の良い点は、分単位で味がコロコロ変わることもないので、毎日少しずつチビチビ飲めるところ。それでもまあ、この500mlというサイズはどうなのかねえ。1800mlで熟成させてれば、もっともっと懐の深い世界を見せてくれたかもしれないけど、どうにもスケール感が矮小なんだよな。軽くていいけどね。メープルシロップかプリンのカラメルソースを足したら旨そうな気もするけど、なくなっちゃった。

 生酒の「木戸泉」はいつか当てたいので、またそのうち買うと思うけど、たぶん火入れの「熟成アフス」はもう買わない。これを2本買うなら、素直にアンリオのNVを1本買う。


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日本酒 生酛 山廃 木戸泉 not_on_list_excellent

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