もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 日本酒を飲んで心底「面白い」と思ったのは久しぶりかも。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤Agrapart & Fils / アグラパール・エ・フィス「7 Crus」NV (Dégorgement:2016/3)  




2018_3_31Agrapart5469.jpg
 ▲初日は家で飲みました。




 毎度アクセスありがとうございます。


 アグラパールはシャルドネの聖地「コート・デ・ブラン」のアヴィーズ/Avize (グラン・クリュ) のRM。以前、諏訪のワイン王のセレクトで編纂した『ハレの日に飲むシャンパーニュ/ワイン特集』でも取り上げたけど、今となっては優先順位の高いドメーヌとは言えない──少なくもエントリークラスのNVに関しては。



Cote_des_Blancs_Avize.jpg



 我々のような〝か弱いエンドユーザー〟にアグラパールについての決して少なくない興味と誘惑がもたらされるのは、現時点でワインそのものというよりは、このドメーヌについて語られる数々の魅力的な言説たちによってである。それは単純な過大評価というものではなく、一部の取り憑かれた者たちが、漏れなく平常よりもこのドメーヌに対して手厚い雄弁さを異口同音に発揮するからだ。

 それゆえ、その熱狂に取り残された者たちには、この香水まがいの派手なアロマと、シャープで精緻な酸とミネラルがもたらす鉄筋コンクリートのような骨格との間に流れる、ある種のアンバランスさが眼前に現れ、どうにもその沼の中に落ちて行けないという逡巡が訪れる。




 photo: シャンパーニュ専門店 マチュザレム


 約5200ほど存在するシャンパーニュの全生産者の中から、旧クラスマン (現『Les Meilleurs Vins de France (レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス) 』) という権威あるフランスのワインガイドブックが三ツ星を与えたのは僅か9社 (クリュッグ、ボランジェ、サロン、エグリ・ウーリエ、ジャック・セロス、ジャクソン、ルイ・ロデレール、ポル・ロジェ、アグラパール) で、エグリ・ウーリエはRMとしては初、全体の中でもRMの三ツ星生産者はエグリ・ウーリエとジャック・セロスとアグラパールだけであることからも、このドメーヌが輸入者にとっても小売販売業者にとっても飲食店にとってもエンドユーザーにとっても簡単に無視できない存在であることは自明である。ま、日本酒も同じだよね。誰もが一度は「旨い/不味い」に関係なく「十四代」と「而今」を飲んでみたい的な (笑) 。



2018_3_31Agrapart5484.jpg



 この「7 Crus (7つの村々) 」は、その名の通り、アヴィーズ、オジェ、オワリィ、クラマンの4つのグラン・クリュと、アヴネィ・ヴァル・ドール、ベルジェール・レ・ヴェルテュ、マルデュイユを合わせた7つの畑のブドウから造られる、まさに当ドメーヌの「シャルドネ・ライブラリー」的な位置づけのスタンダードNVだ。

 2年分のベースワインのアッサンブラージュ、全体の25%が樽発酵、24ヶ月以上の瓶熟、マロラクティック発酵ON、ドサージュは7g/1L、ブラン・ド・ブランかと思いきや、どうやらピノ・ノワールも10%ほど使われてる模様。



2018_3_31Agrapart5471.jpg





◤Agrapart & Fils / アグラパール・エ・フィス「7 Crus」NV

Tag Link



2018_3_31Agrapart5437.jpg



 ベルジュロノー・マリオンと並行して開けてます。


 立ち香──ヤヤコン (やや昆布=海藻類) ? この時点で明度タカーメのフルーティネスが飛び込んで来ないコート・デ・ブランのRMに大当たりナシの法則はそこそこの真理。♡☺♡「なんか牛乳みたいな感じがしたんだけど」──典型的なやり過ぎマロラクティック発酵ですな。もうちょい明るいフルーティネス欲しい気もするけど、徐々に焼き菓子ライクなメイラード反応も。

 ややコンディションに不安がヨギールが──。

 ♡☺♡「大丈夫、大丈夫たぶん。ただ、ややネコンジェ系の・・・



2018_3_31Agrapart5442.jpg
 ▲毎回必ず2ヶ所以上〝訛り〟ます。最高です。



 ネコンジェなんかない。やはりエリート感のあるシャルドネ偏差値。長めの余韻の中には〝コート・デ・ブランらしい〟苦みの煙。ベルジュロノー・マリオンはベルジュロノー・マリオンでいいけど、酸とミネラルの迸りに関しては中央競馬と地方競馬くらい違うな (笑) 。

 とはイエイ、このキュヴェの (現況のコンディションも含めた) 出来は平均か、それよりも少し下のクラス。果汁感や味のケレン味より酸とミネラルの骨格だけで飲ませる流れ──悪く言えばポンテンシャル頼りの力任せ。シャープな味筋からふくよかな丸みのある旨みが膨らみ、エリート数値の酸で手際良く収斂させるものの、それでもこの7g/1Lというドサージュは的確だとは思えない。ちょっと砂糖甘いし、やや過剰気味の香水のようなフローラル感が〝エレガンスという領域〟を少しはみ出る。



2018_3_31Agrapart5445.jpg



 スタイリッシュはスタイリッシュだけど、単にそれだけの面も。ブドウのポテンシャルに頼り過ぎというか、技術に溺れてるだけというか、まるで官能に訴えるものがない。

 ♡☺♡「ファビアン (ベルジュロノー・マリオン) は明るい味わい。果汁感が出てる。陰と陽というか、気分が明るくなる。アグラパールは複雑な感じがするけど、ファビアンは果汁感が凄い。旨い

 正直、デゴルジュも約2年前だし、お世辞にも完璧なコンディションとは言えない。少なくとも同じモノをフィッチから買ってはいけない。



2018_3_31Agrapart5449.jpg



 そして「黒澤」はこの2本に挟まれても負ける要素は何もない。まさにワールドクラス。





── 2日目は外で最後の花見。

2018_3_31Agrapart5454.jpg



 残りの「ベルジュロノー・マリオン」と「アグラパール」を「2:3」くらいで前日にブレンドしておいたんだけれど・・・。



2018_3_31Agrapart5456.jpg



 あああ、正直、たぶんアグラパールは軽いブショネ (老ね) でしたね。磯臭いドブ香が伸びて来ちゃった。「焙煎コーヒー」のアロマと張り合ってるけど、官能レベルの快感がないのだから、素直に不快な香りなんだよ。ベルジュロノー・マリオンに責任はないと思う。ブショネのワインは時間と共にどんどん劣化が進行して行くらしいから、昨日の段階はまだ微妙だったということ。

 ま、それでもそこらの酒屋レベルの馬鹿舌がどこまで気付けるかは微妙なラインだけど、もはやmoukan1973♀ですら簡単に気づくよ (笑) 。



2018_3_31Agrapart5460.jpg



 しかし、まさか2週連続で外で旨いシャンパーニュを飲めなかったとは、驚きっ──驚き、驚きっ!

 ♡☺♡「なんでこうなるの (笑) ?

 桜は散ってしまったけど、こうなりゃ当たるまで外で飲み続けるぜ。

 仕方ないので、家に追加の1本を取りに行くわ──保険で1本ほど冷やしてある。


moukan1972♂moukan1973






コート・デ・ブラン

Comment

Add your comment