もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 低アル志向の「菊鷹」は一定の成果を上げているだけに、山本杜氏の移籍は痛い・・・。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤Paul Sadi ( Virgile Portier) / ポール・サディ (ヴィルジル・ポルティエ)「オマージュ」ブリュット グラン・クリュ NV 




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 金曜にトゥウェシャン (24 with シャンパン) です。


 これまた少し珍しいマニアックな1本。いわゆる一つの〝秘境グラン・クリュ〟ですかね (笑) 。要するに、あまりレコルタンやネゴシアンが存在しないマイナー系グラン・クリュで瓶詰めされたシャンパーニュというわけ。特にグラン/プルミエ・クリュのブドウ農家は (自分でシャンパーニュを造るという) 苦労を背負い込まなくてもブドウが高く売れるので暮らしも豊かで、逆に自分で瓶詰めする造り手がほとんどいない村というのも結構あるんだよね。一見RMだらけのコート・デ・ブランであっても、オワリー / Oiry (グラン・クリュ) なんかはまさに秘境中の秘境です。

 というわけDE、最高級のピノ・ノワールの産地として名高いモンターニュ・ド・ランス「ヴェルズネイ」の北東すぐ隣に位置する「ボーモン・シュル・ヴェル」の造り手です。たぶん相続関係で親族の畑のブドウも使ってるので業態こそ「NM=ネゴシアン・マニピュラン」になってるけど、実質的にはRMです。ヴィルジル・ポルティエが従来からある銘柄で、2012年に相続上の理由から4代目のジェローム・ポルティエ氏が設立したのがポール・サディです。ここもクロ (clos=壁や石垣で囲まれた一族にとって特別の畑)を持ってるんだけど、それは「ヴィルジル・ポルティエ」としてリリースしてるので、おそらく「ポール・サディ」は家庭内ベンチャー程度の話なんでしょう。



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 ピノ・ノワール70%(ボーモン・シュル・ヴェル産77%、ヴェルジー産23%)、シャルドネ30%(ボーモン・シュル・ヴェル産49%、ヴェルジー産51%)。樹齢約40年のVV (=ヴィエイユ・ヴィーニュ=古いブドウの木) 。ステンレスタンクで醸造。ドザージュは10g/1L。

(輸入元の資料より)





 食後に酒単体で飲むので、今回はピノ・ノワール主体のキュヴェをチョイスしてみたんだけど、さすがはランスの北の畑のブドウ。思ったより酸がパワフルでブラン・ド・ブラン寄りの味筋でした。マイナーだけど、これ、なかなか旨い。ここのクロ・シャンパーニュは他よりスゲえ安いので (2009が税込 7,290 円) 、これは買ってしまうかもしれない。商品名に「クロ (clos) 」の付くシャンパーニュは20種類くらいしか存在しないので稀少性が高く、普通は最低でも10,000円はする──それでもブルゴーニュのグラン・クリュのクロよりは綾瀬はるかに安いんだろうけど。

 中でも特に高級キュヴェとして名高いのがクリュッグがコート・デ・ブランのメニルに所有する「クロ・デュ・メニル」のブラン・ド・ブランと、アンボネイに所有する「クロ・ダンボネ」のブラン・ド・ノワールで、それぞれ90,000円 (BB) と250,000円 (BN) なんだけど、ヴィンテージや稀少性 (熟成期間) によって値段は動くので、実際はこの倍くらいの値段で流通してます。そして世界でこれらが一番よく売れるのが日本だそう (笑) 。





◤Paul Sadi ( Virgile Portier) / ポール・サディ (ヴィルジル・ポルティエ)「オマージュ」ブリュット グラン・クリュ NV




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 ▲ジャックが暴走するたびにmoukan1973♀が大爆笑。



 なぜか抜栓したら少し吹き出た。冷やしが甘かったか。

 立ち香──ややネコ (ネコのおしっこ系) 。ほんのり土っぽい (腐葉土?) 森の地面の香りもありつつ、フルーティーな輪郭もある。塩気のあるミネラルの香り。ピノ主体でこのミネラル香。流石は北の黒ブドウ。酸はカッチリ出てそうだ。

 ♡☺♡「いいヌコ。ジューシー。ミネラル大爆発。結構好き。心が落ち着く・・・癒される・・・なんでだろう・・・
 dಠಠb「現代女性はストレスや疲れが溜まるとシャンパンを開ける回数が増えるって山本先生の本に書いてあったよ (笑) ?

 ♡☺♡「わかるぅ──っ!!!



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 とりあえず、味がスゲえ濃い (笑) 。これがALLグラン・クリュの破壊力か。こんな味わいを知ってしまった今、クレマンなどの他のスパークリングで満足できるのだろうか──いや、無理だろ。なにせ今や〝ブっ飛び系の日本酒〟として名高い「木戸泉 Afruge No.1 2014」ですらだからな (笑) 。

 そこそこ苦みも出てるけど、思ったよりシャープで焦点の定まったタイトな味筋。それでいて余韻は長め。程良く粘度もあり、舌に味がよく乗る。酸が思いの外、筋肉質でテンションある。ピノ・ノワールがメインの割りには骨格にシャープネスが宿る。味や香りは黒ブドウなのに居心地そのものは白ブドウの揺りかごの中にいるかのように錯覚してしまう。

2018_1_27Paul_Sadi8935.jpg ♡☺♡「なかなかいいわ。結構スタイリッシュな感じもある
 dಠಠb「オレの中ではケナルデルの方が上だが、これはこれでいい

 なかなか高級感がある。徐々に焙煎コーヒーの香り。これ好きなんだよねえ。そしてアヴィーズ産のシャルドネにも負けない重油っぽいヌメりと、なにより酸に集中力がある。深夜のトゥウェシャン用にピノ多めのキュヴェを選んだのに、想定外に酸の引き締まった力強いワインであった。怪力な味の握力がもたらす至福のジューシネス。奥からワラワラと溢れてくる果実の実存。荒々しさもあるにはあるが、これがあれば14,000円も出して「インフィニット・エイト 2004」なんか誰も買わない。

 開けたては香りも閉じており、少しイヤな記憶の幾つかが甦ってしまったものの (笑) 、徐々に眠りから覚め、ようやく腹を割ってワインと対話しようと思った時にはもう飲み干してる。まるで人生だな。ようやく〝それ〟と分かりはじめた時には、もういない。


moukan1972♂moukan1973






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