◤黒澤 - 生酛 純米 直汲み生原酒 仕込47 青ラベル 28BY <長野> ── dಠಠb「直汲み三兄弟の中では一番サンタリーナ」#Fruity 




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 bottle size:1800ml


 ▼顧問杜氏の中澤礎氏と現杜氏の黒澤洋平氏。

 photo: さくほ町民キッチン




 特に深い理由もなく最後の登板になってしまった、黒澤 (くろさわ) 、直汲み三兄弟ブルーです。実は──というほどの話ではないけれど、一連の「黒澤」の直汲みには隠れテーマがあって、それは「酵母チャレンジ」ということではあるらしい。通常の「黒澤」は901号がメインなので、Type-7&9と、この「酵母:非公開」の三兄弟がそれぞれ別々の酵母を使用していることを考えれば、あまり意識はしていなかったが、某酒屋に記載されている「赤=1801号、黄=長野酵母、青=14号」というのも、あながち間違いではないと思われる。

 結論から言うと、唯一早飲みしたイエローの不完全な状態を頭の中で仮想熟成させたとしても、一番まろやかで酸が穏やかなのが、このブルーということにはなると思う。実は三兄弟の中で一番寝かせ甲斐のあるのがイエローだったような気がするが、そうした知恵は29BYに活かすとしよう。



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 あくまでも飲んだ頃合いでの話にはなるが、個人的に一番キャッチーで華があるのがレッドで、硬いが可憐な果実味を奥に隠し持ってるのがイエローで、このブルーは、オレの中では少々物足りなさを感じるような柔らかさ、まろやかさのある酒質ではあった。

 とはイエイ、さすがに1年ほど寝かせてるので、嚥下の厳しさ (NDCF=喉ティンコファイヤー) は先の29BYのType7&9と比べてクワナリ緩和されており、ひとまず旧評価基準の☆4はあるという感じだ。まだ半分近く残ってるので、ここからのアク抜けに期待したいところではあるが、一応、現時点でのオレの「28BY黒澤 直汲みランキング」を以下にまとめておこう。




▼28BY黒澤 直汲みランキング▼

 1位 Type7 (2016/12出荷、翌年3/25頃開栓)
 2位 Type9 (2016/12月出荷、翌年7/28頃開栓)
 3位 Type7 (2016/12月出荷、翌年12/9開栓)
 4位 レッド (2017/3出荷、同年6/22頃開栓)
 5位 ブルー (2017/3出荷、翌年1/13開栓)
 6位 イエロー (2017/3出荷、同年4/24頃開栓)




 すべて「On List」で、上位3本がmarvelous、レッドがexcellent、ブルーがgood、イエローがunsufficientだが、ポテンシャル的には、イエローはType9に次ぐ存在だとは思う。そして、うちの管理温度だと、ブルーは少し開けるのが早過ぎた感じがしなくもない。退けにかけて、まだまだ取れて欲しいと思わせる硬さやノイズがある。

 同時に飲み比べても実はそれほど面白くはないので──だったら「多賀治」とか「鳴海」などの同じ組の香りを持つ速醸酒と一緒に飲んだ方が知的好奇心は満たされる。それよりも、それぞれをいつ開けるかを考えた方が豊かな酒ライフの実現のためには重要だ。28BYで言えば、比較的早くから飲めるのが「Tyep-7」と「レッド」で、一番ステキに仕上がりそうなのが「Type-9」で、少し辛抱が必要なのが「イエロー」で、この中だと一番酸の弱い──と感じる──「ブルー」はややポテンシャルに難があるものの、29BYが同じだとは限らないので、あくまでも参考程度で。





【513】黒澤 -くろさわ- 生酛 純米 直汲み生原酒 仕込47 青ラベル 28BY <長野>

黒澤酒造 株式会社:http://www.kurosawa.biz


Moukan's tag:





▪︎酒米/精米歩合:美山錦+ひとごこち/65%
▪︎酵母:非公開だが14号の噂アリ。
▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度:非公開
▪︎ALC:18%
▪︎処理:直汲み生原酒
▪︎酒造年度/出荷日:H28BY/2017年3月
▪︎管理状況:2017/4に着、3℃で管理。
▪︎試飲日時:2018年1月13日 (土) /長陽福娘の次に開栓。
▪︎JudgementOn My List / Not On My List
▪︎Grademarvelous/excellent/good/insufficient/faulty/indeterminable

※On My Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On My Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On My Listの「good」とNot On My Listの「good」は同じではない。On My Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「indeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。

※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み






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 初日──の印象は、なーんか柔らかミルキーな香りとアーモンドのような熟香がまろやかに広がるなあ、というもの。含んでもそこまでクリアでキラキラした酸は感じないし、レッドのようなケレン味に乏しく、Type-7&9基準のミラクルなジューシネスもなく、やや物足りなさも感じるが、常温で放置していた29BYのType-7&9と比べると、それでもそこそこ角は取れていた。とはイエイ、もうちょいクリアな見晴らしと、素早い口どけは欲しい。ま、ここの酒には求めるハードルが高いからブツクサ言ってるだけで、当然、最初に飲んだ「Shuhari Aiyama 2014」だの「上喜元 愛山43 2014」だのよりは綾瀬はるかに旨いしアガれるのである。



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 ▲我が家のソレラ酒、噂の「菊鷹ブレンド」を振る舞う。「普通に美味しい」と客人。すでに7〜8種類の酒がブレンドされてるが、都度都度新鮮な酒を継ぎ足してるので、酒の液性はまだまだ麗しい──つまり、熟したニュアンスはないし、むしろ今うちにある酒の中で最もクリスタルかもしれず、このまま老舗鰻屋のタレように10年単位でいつまでも継ぎ足したいくらいの勢いである。おそらく、貴方が最近飲んだ酒の中でこれより旨い酒はそう多くはないであろう。


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 ▲すでにいろいろメチャクチャですが、この時点ではまだそんなに酔ってない。同じ銘柄の酵母や酒米違いなどを飲んでると味覚がコンガラガッチュレイションするが、そこそこ離れた酒同士を飲むと逆にそれぞれが際立つので、ダメ酒が悲惨なことになる。

 ▼「木戸泉 Afruge No.1 2014」も単体で飲めば別に悪くはないが、隣に「赤とんぼ」がいると「瀕死の塩辛とんぼ」になってしまうことは残酷だ。加えて、実はこの日は14,000円のシャンパーニュを乾杯酒として開けたので、ますます分が悪くなる結果に──果実味でも酸でも複雑みでも余韻でもフィネスでも、値段の安さ以外、何一つ勝てる要素がない。なるほど、ある意味、日本酒の武器はつくづく「甘みと旨みの表現」なのだと思う。そして、この段階になると、もう誰も「Shuhari」や「上喜元」を飲もうともしない。moukan1973♀はミイラ化。このあと、男二人でトータル8時間飲みのクライマックスシリーズへと突入した。
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── 2日目。


 ▲↑これが、
 ▼↓こうなった。そして残った煮汁で炊き込みご飯を作る。

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 先に「長陽福娘」の残り2合をサクっと空けていたこともあって、やはり相対的にはドライにビシっと収斂する酒質ではある。ドライ鬼女moukan1973♀は、♡☺♡「ドライで旨い!」と喜ぶが、オレとしては、もう一声の酸と口どけが欲しい。三兄弟の中では一番ミルキーに感じる。ある意味、12月の「Type-7」と被るデザート感もあるにはあるが、やはり兄弟という括りで言えば、このブルーは少し出来の悪い、性格の大人しい弟という感じだ。こと28BYに関しては、長男は歴然とType-9で、Type-7は若い頃はヤンチャしてたが歳を重ねて柔和になった次男、イエローは性格のキツい長女、レッドは美人で有名な明るい次女、ブルーは少しおっとりした肥満気味の三男という感じだ。





── 3日目。

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 ▲中長期で仕入れ交渉してるコンビニの方が逆に野菜が安いケースもあるので、オレも最近は大根をコンビニで買うことがある。



 立ち香──久々に一人でじっくり。もう3日目だけど、徐々に〝らしさ〟が出てくるね。初日はなんか香りも恥じらい気味だったんだけど、2日目に片鱗が出て、今は堂々たる黒澤臭っていう (笑) 。それでも三兄弟の中では一番酸の明度が低いかなー。相対的に柔らかミルキーでアーモンドなミネラル香が出てます。


kurosawa_jikagumi_blue28by8.jpg ちょっと開けるの早かったかなー。やや余韻の中に厳しさあります。ユルフワな入りに比して、後半はそこそこケレン味のあるクレッシェンドな雄叫びガォーっ! そして、少し苦いな。まあ、求めるモノが多いのでブツクサ言ってますが、当然今日も「Shuhari」や「上喜元」よりは全然いいけどね──さっきまで呑んでた。そして、やや草 (笑) 。それでも今時期 (29BY) のType7&9よりは全然ノーストレスです。

 ワイングラス&マドラーで少し割り水──。

 ややサンタリーナ (酸、足りてません) 。三兄弟ならレッドが一番わかりやすし派手。イエローは早飲みしたので何とも言えないけど、時折チラ見せするイイ感じのビワやアンズのような果実味はあったんだよね。このブルーはなあ。まさに甘えん坊の三男坊という感じ (笑) 。逆に言うと、最も軟水属性が出てます。酸も一応は面で効くタイプなんだけど、もうちょい露骨に酸っぱくていい。もう一つコアが緩い。



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 菊鷹スーパーブレンド──。

 香りはスパイシーなイイ草 (笑) 。そして含むと、ワオ、クリスタル。もしかしたら、今うちで開いてる酒の中で一番旨い可能性大。嘘じゃねえぜ? さすがに激淡麗なので、少し黒ちゃん混ぜるわ。もう完全にソレラだな。



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 残り僅かの米鶴29BY──。

 うん、山形の美味しいクリスタル飲料。これも少し菊鷹ブレンドにソレラしよう。こうして再び菊鷹瓶が満杯になったわけだが、もうほとんど元の「菊鷹」が残ってないはずなのに、これでも菊鷹草があるな。どこまでキャラが強いんだよ (笑) 。「米鶴」は慣れてくると、やはり少し人懐こく甘い。それでもまあ、最後まで捨てずに飲めたし、大晦日から2週間以上過ぎて最後の一滴まで不快に劣化しなかったので、そこは山廃でしょうか。

木戸泉」は、正直、薄い。顔は濃いけど性格がシャイで大人しいヤツみたい。言うほど個性的でもない。なぜなら、どうしてもワインに寄ってしまうから、日本酒的な甘みや旨みの表現力がないと、なんかスゲえ薄っぺらく感じる。そういう意味では逆に初心者&若いコ向けだし、お呼ばれの際の飛び道具にピリタツ。見た目もオサレだし、値段もそこそこ素敵だし、そしてこれベースで梅酒を作ったら旨そう、という。先にこっちを開けて良かったわ。さすがに「Afruge Macherie 2012 (24BY) 」はもうちょいヤル気を見せてくれるだろう。期待はしないが願ってます





── 4日目。

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 まずは一杯。

 立ち香──もはや香りから酸が消えた (笑) 。気のせいか? 森の精か?

kurosawa_jikagumi_blue28by12.jpg 結構スパイシーに辛いけど、オレがこの銘柄に求めるのは辛みのアタックではなく、味や香りとしてのスパイシネスなんだよなあ。やや粉っぽいし軋むな。やはり育つべき味の素材が元々ないのだろうか。ちょっと今日は苦く感じるのと、日を追うごとにアクが抜けて、五味が酸のコアの一点に向かってビッグクランチする変化プロセスがない──簡単に言うと日に日に軽やかに酸っぱくならない。

 煎餅に合わせるとそれなりに甘みも伸びて苦みも後退するけどな (笑) 。とりあえず、また戻ってくるわ。次の酒、開けます。



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 戻る──。

 今、一緒に飲んでる酒と比べると、貴婦人のスカしっ屁益荒男のチョイ漏れ気味のブリっ屁くらいに明度と濃度が違う (笑) 。それでも生酛 (非速醸) だけあって、口どけの素早さは綾瀬はるかに上なんだよね。苦いは苦いし、ゴリゴリ&ガシガシ&ゴワゴワしてるんだけど、酒としてのズバっとした潔さはある。三兄弟の中では一番ダメなヤツなんだけどなあ。ま、あれですわ、そこそこ優秀な中学出身でロクに勉強もせずに妥協して近所のフツーの高校に行ったら最初の中間テストでクラスで1位になっちゃったみたいな?──つうかそれ、オレだよ (笑) 。





── 5日目。

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 ▲迷作の予感・・・。



 残り1合ちょいだけど、ようやく黒澤スパイスな香りが。相変わらず酸の弾けは弱い。それでも貴婦人のスカしっ屁の後だと今日も一気に目が覚めるわ。酒としての強さ、陰影のケレン味が桁違いです。苦いけど色気がある。ダメな三男でもこの存在感。表向きの点数的な差は少ないかもしれないけど、そこそこセンスのある大学生のエースピッチャーと二軍でリハビリ中のプロの天才ピッチャーくらいに格が違う。

 貴婦人のスカしっ屁──水だけに逆にアタックの感じ方はノイジー。二軍でリハビリ中のプロの天才ピッチャー (黒澤) ──もはや比べちゃいけない。

 ちなみにセブンのポテサラは、粒マスタード、カレー粉、ブラックペッパー、乾燥バジル、マヨのチョイ足しでオレ基準に到達できる。割高だけど良い点が一つ。なによりトッピング後にスプーンで掻き混ぜやすい (笑) 。



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 今日は新酒をもう1本開けて──つまり3本の味クラーヴェを敢行中──最後の最後に戻ったらミラクルにクリスタル。やはり、優秀な中学の凡人は近所の公立高校ではたちまち秀才になる。比較とは大義ある残酷ショー。


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