もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

「太陽目線法」を伝授します。
〜 日本酒の家呑みレポート&本日の1曲、時々メガネ警察〜

◤天明 - 閏号 純米大吟醸 山田錦 おりがらみ本生 中取り 27BY ── dಠಠb「4年に一度と言えばオリンピック、じゃない、W杯、でもない、閏号!」#High Grade, Nigori 




 ようやく開けるよ。昨日は少し飲みすぎて頭が回らず、更新が遅れてしまった。

 もしかしたらこのお酒は、オレがブログを始める間接的なキッカケになったメモリアル酒かもしれない。というのも、これを今年の1月にブログで紹介していた日誌係への初コメントが確かこの酒を通してだったと思う。あのときあのタイミングでコメントしてなかったら、もしかしたらブログなんか始めていなかったかもしれない──気まぐれの発動というのはいつだって些細な出来事が始まりだったりするという意味で。

 日本酒感想日誌
 【492】天明 中取り閏号 純米大吟醸 無濾過生 27BY


 実は火曜 (明日) にボストンに住んでる我々夫婦共通の友人が日本酒を飲みにくるんだけど、もともと7月に一時帰国することが決まっていたから、それでこの天明を今の今まで封印していたんだよ。DE、関係ないけど、「週末に電話くれ」と言っておいたのに全くねえぞ、どうなってんだ? 約束守らないようなヤツには飲ませてやんねえーぞコラ。




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 それにしてもド派手なラベルだこと (笑) 。天明としては普段の酒造りでは使用しないという香りの出る酵母を特別に4年に一度だけガツンとカマしたスペシャル酒なので「閏号 (うるうごう) 」という、言葉的にはダジャレのような商品名だけど、「」という漢字のフォルムが絵的にも偶然ゴージャスで、結果としてこれはイイ風格を備えていると言える。だってこれが2年に一度の「隔号」とかだったらダサいっしょ (笑) 。字に「王=KING」が入ってるのがタマらなくイイじゃないのさ。裏のラベルには別名『超リッチ』と書いてあるけど、誰もそう呼ぶヤツはいねえだろ (笑) 。

 客「天明の超リッチありますか?」
 店「は?」




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 bottle size:1800ml





【141】天明 -てんめい- 閏号 純米大吟醸 山田錦 おりがらみ本生 中取り 27BY <福島>

曙酒造 合資会社:http://akebono-syuzou.com


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 ブランド米ではないものの、岡山県産山田錦を30%まで磨いて──つまり米の70%は酒の原料としては破棄して造られ、しかも「中取り・無濾過生原酒・おりがらみ」という、まさにゴージャスな役がいくつも揃った、確かに『超リッチ』な一品。これで一升瓶が5,000円 (税抜) なんだから、この値段で毎年出してたら蔵の経営が傾くよ (笑) 。

 それではいただきむわす。


 ▼写真はCLICKで拡大▼
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 ウホ、さすがに香るな (笑)

 カプロン酸エチルを大量に発生させる酵母 (自社酵母N+1801) を使用とのことだけど、リンゴや洋梨のようなフルーティー香というよりは、明利系酵母で醸したような、少しクリーミイでもったりしたニュアンス。どちらかと言えば、秀鳳や花陽浴なんかを真っ先に思い出す、花の蜜のような、トロっと粘度のある甘やかさ。とはいえ、そこに一本芯の通った清々しい酸が駆け抜ける骨格は天明ならではと言ったところか。フルーツで言うと、白桃? 違うな、そこまで甘ったるくはない。バカ舌のmoukan1973♀はメロンとか言ってるけど、それはないって (笑) 。

 含みます──。


tenmei_urugou27by6.jpg ほうほう。思ったより軽やか。ガス感はゼロ。瓶が透けてないのでオリの量やにごり具合は外からはわからないんだけど、撹拌しなくても最初からうっすら濁ってるよ。(写真は2日目以降に撮ります。)

 半年ほど引っ張ってるので、少し熟したタッチもあるが、そこは少しカカオ様のビターさが膨らみはじめてる程度のもの。とはいえ、少なくともフレッシュな状態は抜け出してる。最近呑んだ中だと楯野川の生なんかを思い出す旨みのサイズ感。

 少しポチャっと潤んだ甘さと清々しい酸が同時に飛び込んで来る流れだけど、全体としては甘酸っぱいわけじゃない。華やか大吟醸ライクな甘やかさに芯を与える意味での酸。だから、甘酸っぱいんじゃなくて、甘みの広がりがタイトな大吟醸という感じ。旨いっす。

 おかわり──。

 おおお、味がぐんぐん開いてくるな。

 酸だよ、この酒の核心は。甘くて華やかな一面もあるし──表向きはそれがこの酒のエンタテイメントではあるが、酸が切れたあとにワンテンポ遅れてやってくる、少し渋みのあるアフター。これがあるからド頭の派手さに一廉のエレガンスが宿るんだな。30%まで磨いてるので、旨みのサイズはさすがにスリムでタイト。だけど、別に「磨きすぎて味がしねえ〜」とかはない (笑) 。

 含んだあとは香りや味よりも流れにウットリする感じね。嘉美心/冬の月なんかも舌に思い出すな。

 意外と食事の邪魔にならない酒質。さすがにタイミング次第では甘みを感じにくくなる時間帯もあるけれど、再びホっと一息お酒を飲むと、なにかの瞬間にキラ〜ン☆と輝くんだよ、いろんな味のカラーがさ。熟感は最初ほど感じない。酸が前に出てきたことで味わいが可逆的に若返ったんだろう。

 つづきはまた今夜。

 ちなみに4年前の閏号の火入れ4年熟成Verはイマイチだった




── 2日目。


tenmei_urugou27by7.jpg 今日は最初から撹拌して──。

 あらためてよく見ると、粉砕された細かいオリが、グラス宇宙の中で、まるで星空のように散らばってる。

 立ち香にほんのりチョコっぽい甘やかさ。これは熟成によるものだろうけど、クリアな酸との絡みで浮き上がってくるゆえ、たとえば磨き50〜60の純米生原酒なんかで感じるそれと比べると、いなたいタッチやブチャっとリラックスした膨らみとしての熟感はあんまない。

 おお。昨日より甘く感じる。でも、すぐに酸によってサクっとほどけるから、心地良い辛みでスぅーっと切れる。このへんの流れにも秀鳳なんかと似たようなタッチを感じる──もちろん、こっちの酸はもっとタイトだし、旨みのサイズも全然コンパクトではあるが。

 温度が少し上がってきた方が甘さの表情が明るくなるね。まあしかし、全体には軽やかでクリアな酒質。そういう意味じゃ、高級酒としてのドヤ感はほとんどなく、カジュアルだけど品良く旨い酒。DE、高精白ならではの属性がどこに宿っているかという話だけど、亀甲花菱の純大なんかでも感じたことだけど、なんつうかな、それは香りや味わいではなく、酸の透明度にこそあると思うんだ。甘さの口どけが美しいこの流れ、これは透明な酸がなければ不可能な奏でだと思う。

 おそらく無濾過を強調する意味でおりがらみ仕様にしたと思うんだけど、この酒質に限って言えば、その必要はなかったかな。オレはむしろ、透明な液体としてこの酒を飲みたかった。多少の濁りは許容だけど、少なくとも粒状のオリは必要ないように感じた




── 3日目。


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 今日は我々夫婦共通の友人 (♀) が遊びに来てるので、二人のおばさんのコメントも拾ってみようと思う。たぶんアテにもタメにもならんかもしれないが、こことの乖離を知ることで、オレらブロガーやコアなファンがどうやって日本酒の素晴らしさを外に伝えていくかの、なんらかのヒントに──ならねえか (笑)


▶︎日本酒をこの2年間ほぼ365日飲み続けてきたmoukan1973♀♡☺♡と、普段はボストンに住んでいてモダンな日本酒──特に生酒なんかをほぼ飲んだことのない友人╭( ・ㅂ・)و ̑̑ が極めて限られたボキャブラリーでコメントします。


╭( ・ㅂ・)و ̑̑「まろやかな中にも酸味があるねえ。後味にイイ酸味。うん、かなりクリア。甘いけど甘いだけじゃない」

♡☺♡「超うまい」

dಠಠb「DE、他になんかないの?」

♡☺♡「甘いっ!」

d++b「・・・・・」




 この企画、マジで大丈夫か???

 3日目──さらにこなれて、甘酸の表情はキュートの極みへ。ただ、個人的には磨き30%のドヤ酒という印象はますます薄まってる。旨さについて文句はないけど、スペシャル酒の属性として「おりがらみ」の必然性、あるかなあ。ここまで磨いたのなら、やっぱツルツル&シルキーな酒質を堪能したい気持ちもある。おりVerは小ロットで展開すりゃいいと思うのはオレだけだろうか




── 4日目。


 もはや磨き30の風格はなく、気軽に気さくに対話できる、CasualでComfortableな酒という面持ち。いよいよ味の核は酸へと収斂されて来た。

 4日目ともなると、話は「酸っぱい酒としてどうか」という議題へと移る。さすがにここまで酸化すると澱がらみ的な属性との親和性も上がるわな。クリアに甘酸っぱい酒として、極めてComfortable。でも、これが「山田錦30」と言われると、逆に「身分も立場も社会的に高いのに全然偉ぶらないんですね」的な近寄りやすだけが際立って、この気取らない酒質を値段とスペックを鑑みた場合、どう取るかだよね。



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 だったら3月の「若手の夜明け」というイベントで飲んだ「別撰 大吟醸 一生青春」の方が高級酒としての諸々の要素をわかりやすく兼ね備えてるとも言える。

 やっぱハイクラスの酒をどう評価するか、オレ的にはこれが一番難しい。山田錦をたくさん磨いて香りを出せばどれも似たような味わいになるし、そうかと言って異なるベクトルで設計すれば「だったら純吟50の直汲みでいいよ」という話になる場合もあるし。

 ま、今はそれだけミドルクラスの日本酒の豊穣さが際立っているということなんだけど。


moukan1972♂





天明 日本酒

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