もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 チャリは寒いけど (逆に汗が冷えてスースー) 、お燗用の1800mlを買って来た。これでしばらくは安心。その店、去年から〝あの銘柄〟を扱うようになったのでオレにとっては更に便利。他に気になったのは「諏訪泉 阿波山田錦 Vintage 2015」とか、もはや「生酒コーナー」なんか見向きもしなかったよ (笑) 。
〜 たぶん年ベースだと余裕で250本以上の酒瓶を空にし、記事の比重は徐々にワインが日本酒を侵食、週末には必ずシャン、なるべく毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評 (ほぼ「浜辺美波」関連) 、超時々メガネ警察、特に悪気はないが冗談は常にキツめ 〜

◤亀甲花菱 - 純米吟醸 美山錦 無濾過中取り 生原酒 28BY ── dಠಠb「いくらなんでも甘すぎ (笑) 」#Sweet 




hanabishi_jungin_miyama28by3.jpg 28BYは初エントリー、亀甲花菱 (きっこうはなびし) です。今では参考になるか怪しい☆7酒もある銘柄ですが (笑) 、2年前の今時期に呑んだコレの26BYは間違いなく美味かったですね。ていうか、当時は本格的な日本酒歴が1年半未満で、しかも初めて「亀甲花菱」を呑んだこともあり、随分とこれ基準でこの銘柄を認識してたのだけれど、結果的には (少なくともオレの中では) この26BYだけが例外で、今回、同時に28BYの「雄町50」を呑んで思ったのは──26BY以前は知らないが、少なとも28BYは27BYと地続きの味筋であったことは確認できました。

 基本的には、クリアで麗し淡麗フローラルな味筋に少し垢抜けない (だがしかし愛らしい) 柄の羽織物を纏ってるイメージですね。簡単に言えば、少なくとも27BY以降の亀甲花菱は「美酒路線」で間違いない。ネットに溢れてる酒屋発信の言説の中には「濃厚/濃醇/パワフル/甘み&旨み豊か」というワードもチラホラ散見されるものの、オレがそれを感じたのは、先の26BYのこの酒だけ。ま、同じ26BYに関しては「篠峯」なんかも特別なヴィンテージになってるので、出来の良い米が造り手のイメージを大きく超えて特別な何かを酒にもたらしたとしても不思議はない──というより、そうした不思議の目撃者としては、オレこそが最適なサンプルではあるだろう。

 まだまだ先の話にはなるが、商売繁盛第一主義の酒屋が「今年は昨年以上の仕上がり!」と思考停止気味に煽る幼児期から抜け出して、造り手も冷静にヴィンテージやエリア別の米の出来を──主観の印象でも構わないから正直に告白して、もっと広い視野に立って最新ヴィンテージの酒の出来を網羅的に検証する時代の到来をオレは求める。香りプンプンの大吟醸コンテスト (全国新酒鑑評会) なんか即撤廃して、新酒が出揃う今時期こそ、全国から1,000本単位で生酒を集め、純米や純吟などのエントリークラスの商品でその年の米の出来や仕上がりの傾向を大きく報道するべきである。オレのような個人が1本1本当たりに行くのには限界がある。

 日本酒はワインのように長命の酒ではないから、常に出たとこ勝負のギャンブル醸造になることは仕方ないが、もう少し「米の出来」というファクターにこそジャーナリズム的なアプローチを傾けて欲しいと思うのだ。日本酒に関する感傷的なエッセイやマニアの印象語録の存在を否定はしないが、単に旨い酒を拾いたいとだけ思ってる輩もオレだけではないはずで、もうそろそろ動き出さないと、100年後に日本酒が世界で通用する醸造酒の地位を獲得するのは、全く以て無理な話ではあるだろう。工業製品のように毎回同じモノが出来上がらないのが魅力と捉えることに反論はしないが、だったら尚更、工業製品以上の再現性の追求と研究は重要である。

 なんだかんだで今の日本酒ブームは心優しき人々の無償の愛によって支えられてると、最近つくづくそう思うわ。賢明な読者なら分かってるとは思うけど、オレもその中の一人だぜ?──moukan1973♀は徐々にその愛を別の酒に注ぎ始めてはいるが。。




hanabishi_jungin_miyama28by1.jpg

hanabishi_jungin_miyama28by2.jpg
 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【489】亀甲花菱 -きっこうはなびし- 純米吟醸 美山錦 無濾過中取り 生原酒 28BY <埼玉>

清水酒造:http://www.saisake.com/saisake15


Moukan's tag:



hanabishi_jungin_miyama28by4.jpg
 ▲木曜に本日4本目の酒として飲んでます。まさに一人鑑評会状態 (笑) 。



 立ち香──いいですね。らしい焦げみもあるけど (なぜかここの酒は最初から少し熟成してるニュアンスがあることが多いが、先の26BYはここまで露骨な焦げはなかったように記憶している) 、研ぎ澄まされた無駄のない好ましいサイズの香りの出力。米の香りもしっかり。さりげなくトロピカルだけど、ほとんどゴーストレベルのフルーティネス。

 期待でオッパイが膨らむ──。

hanabishi_jungin_miyama28by5.jpg ややチョコあるけど、問題なく旨いです。色も少し付いてる。ちょっと甘みの出力が強めですが、余韻のシルエットは美しいです。これを呑んで思うことは、やはり26BYは至高だっということ。しかし「問題なく旨いです」と感じたのは最初の一口二口だけで、少し足腰の弱さを感じさせる、骨格に乏しい液性の中から、まるで失禁するかのような甘さがベタっと伸びて来て、そこには〝飲む黒糖ライクなニュアンス〟もある。

 んんん、今のこの状態は──熟成要素を考慮したとしても──我々には少し甘すぎ。もうちょい酸の輪郭線が太いと黄桃やマンゴーのようなニュアンスも出るんだけど (要は「果実」になる) 、これじゃあ、なんとも砂糖水。まあ「赤武」よりは旨いけど。この酒もリニューアル後じゃないと正しく評価できない。淡麗ながらもしなやかにカラフルな香りが酒に美しく溶けてるニュアンスはいいんだけど、いかんせん、これは甘過ぎ (笑) 。



hanabishi_jungin_miyama28by6.jpg



 同じ甘いは甘いでも、やはり、ラタフィア (シャンパーニュ地方で造られる甘口ワイン) には明確にがあるからねえ。過剰な甘みを「酸」が捌く捌く。そして、ラタフィアの前では亀甲花菱が薄い薄い (笑) 。





── 2日目。

hanabishi_jungin_miyama28by7.jpg



 立ち香──ややトゥワ (ややトゥワンな蜜感) 。なんか今、金沢酵母 (14号) 系のムチっとアロエな香りに出会ったんだが、そういや酵母知らねえな。あとで調べよう (※判明せず) 。熟香が少し引っ込んだかな? 白桃のシロップみたいだな。優しくフローラル。


hanabishi_jungin_miyama28by8.jpg あああ、熟味はあるが、昨日より全然いいわ。甘いは甘いけど、液性に張りが出て来たな。酸化アシストだな。口どけもそこそこいいが、それでも過剰に甘いな、やはり。もともとオレの中では「亀甲花菱」は〝酸、足りてる銘柄〟なんだけど、これは足りてねえな。もう完全にシロップだよ。そして徐々に初日の印象に近づいて来た。

 不味い酒だとも出来の悪い酒だとも思わないが、うちのレストランにはOn Listしないのと、やはり、この酒としては明白に酸は足りてないと思うのとで、☆4にはリーチしないというのがオレの評価。ただ、このベタ甘い清楚にフローラルな酒に対してポジティブな印象を持つ飲み手がいたとしても、別に不思議はない。線は細いが、この甘みはそれでも過剰。


moukan1972♂






日本酒 亀甲花菱

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 富牟谷欠さん



毎度です。


──『花菱』は時々ありましたね、ムチっと感。腰がしっかりしてそうな酒質なのに、ナゼか熟しやすい&ダレ易い印象。わりと飲み頃がピンポイントという傾向が顕著かな、と。

日ごとにそこそこ好みの方向に酸化してくれるので、ダレ易いとは思わないんだけど、まあ、元々ツルピカなテクスチャーなので、最初からスベスベっちゃスベスベ。しかしこの「亀甲チョコ菱」はなんなんだろうね (笑) 。そして26BYの、あのドッカンエロボディーな豊満なストラクチャーは一体なんだったんだろう、という。


──それに比べると『群馬泉』の純米初しぼりはかなり鉄板です。手元の28BY、キュッと締った味わいが、個人的にかなり美味かったです。

「群馬泉」は庭 (マチダヤ) で買えるので、拾ってみます。たしかこれの瓶囲いをPB的に「生熟1号」という商品で出してると思うんだけど──そしてまだ売ってるかも──、これが「初しぼり」の生熟なのか、今度スタッフに訊いてみるけど、個々が担当を持って勝手に動いてる感じだから、すべてを把握してる人間がほとんどいないんだよな (笑) 。


──酸化が進んで出てきた焦げ感がちょっと惜しいかな。ただ、コレは過渡期でまたバランスしそうな雰囲気でもありますが。

「山廃 特撰純米」のお燗には今でいう「おばあちゃん家の桐箪笥」的な草っぽさもあったので (笑) 、ここもある種の蔵癖的な「草」や「焦げ」はあるのかね。

キュッと締った味わい」と言えば、「芳水 山廃純米生」がギャグみたいなペタンコ&キュッと感で笑えたんだけど、店で売ってるの、あまり見ないんだよな。蔵元のHPで買えるんだけどさ。


【188】芳水 -ほうすい- 山廃純米生 26BY (27年10月出荷分) <徳島>
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-410.html

2017.12.19 Tue 10:10
Edit | Reply |  

Name - 富牟谷欠  

Title - 14号系の

ご無沙汰?です。

最近は随分飲んでないんですが、『花菱』は時々ありましたね、ムチっと感。腰がしっかりしてそうな酒質なのに、ナゼか熟しやすい&ダレ易い印象。

年度単位で米の出来による差異が大きいのに加え、ロット単位の熟の進みがあって、わりと飲み頃がピンポイントという傾向が顕著かな、と。
当たりに行く価値はあると思いつつも、どうもスルーしてますね。


それに比べると『群馬泉』の純米初しぼりはかなり鉄板です。手元の28BY、キュッと締った味わいが、個人的にかなり美味かったです。
酸化が進んで出てきた焦げ感がちょっと惜しいかな。ただ、コレは過渡期でまたバランスしそうな雰囲気でもありますが。
29BYは新酒の素っ気無い味のうちに一本、夏越しに一本飲んでみます。
2017.12.18 Mon 22:01
Edit | Reply |  

Add your comment