もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 今季の「山鷹 (山廃の菊鷹) 」は軽く仕上がってるヤツが多そうな予感。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤仙禽 - 秋あがり 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 2年熟成 26BY 2本目!── dಠಠb「もう一度バカになれ!」 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 実は隠し持っていた、仙禽 (せんきん) の「赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 26BY」です。元々が「1年熟成」言いながら去年の10月にリリースされた商品なので、さすがに10月に搾るワキャないしで、どんなに遅くても2015年の4〜5月頃には上槽されてるはずであることを考えると、なんだかんだで約2年半くらいは寝てることになると思います。ちなみに去年も呑んでいて、今では青い鳥どころの騒ぎではない☆7という傑作──結局28BYの酒で☆7は出なかったなあ。

 当時オレがギャーギャー騒ぐもんだから、読者の中にも買って飲んだ人はそこそこいたみたいだけど、なんとなく話を聴いてると、一番騒いでいたのはオレという感じではあった (笑) ──紹興酒だの、養命酒だの言うヤツもいたし、さすがに甘さがクドいとか、あとは仙禽耐性のない初心者がどう向き合っていいのか分からず動揺したりと、オレと同じ熱度で盛りアガれた人は少なかったように思う──いたとしても表に出て来てコメントしてくれた人は少なかった。





 ▲「仙禽」の数値がネットに公開されるケースはあまりないという意味では、まさに内部資料の流出 (笑) 。




 商品の性格上、瓶単位での味わいの違いが多少あると思うのと──オリの量も含め──、オレの場合、この1年のうち、約半年くらいは家庭用冷蔵庫の野菜室 (5℃) の中で瓶を寝かせて (デゴルジュ前のシャンパーニュのようにオリに触れさせながら) 熟成させていたので、瓶を立てて氷温で管理してる人とは仕上がりの質は異なるとは思うんだけど、実際、オリが酒に溶け出したのか、去年の瓶よりもオリは圧倒的に少なかった。

 一番の違いは「軽さ」と「甘さ」の質量。まず「軽さ」についてだが、この2年モノは去年よりも露骨に原酒で14%という低アルコール属性を感じる。そういう意味では去年のような怒涛の量感 (マッス=masse) はなく、物語性豊かなテクスチャーは残存しているものの、ストラクチャーに関してはクリアで見晴らしが良くなったとも言える。簡単に言うと、液性は逆に滑らかで軽くなった。

 次に「甘さ」についてだが、これは瓶差なのか熟成由来なのか、そこの真相は不明なものの、明らかに去年よりも甘みを強く感じる。去年は「お酢」だの「紹興酒」だのというワードが並んだことを思えば、この2年モノに関しては、もはや上等の味醂 (みりん) に近いニュアンスの甘みに感じた。ちょうど今年のマチダヤ試飲会で舐めた「小笠原味醂醸造 一子相傳」なんかの甘みとキャラクターの被る要素がある。もちろん、仙禽特有のドライフルーツ系の味や香りも十分に含まれるが、甘みの滑りが良くなり、シロップ感もあるものの、蜜というよりはキメの細かい和三盆のようなテクスチャー。

 他の変化で印象的だったのは、上澄みからクセが抜けていたこと (笑) 。なので、抜栓直後に香りを確認して真っ先に安心した。あのクセが更にエグくなって──そればかりか老ねていたらどうしようかと内心では多少の不安もあったが、まずは明らかな老ねや劣化がなかったことは良かった。




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 bottle size:1800ml




 ただし!──上澄みが随分とこなれてしまった結果、撹拌した際のギアチェンジ感が乏しくなってしまったことは否めない。少しクセとエグみのあるスモーキーな上澄みとオリの甘みでバランスを取る甘酸の緊張感が失われてしまったことは残念ではあった。とはイエイ、それでこの酒の価値が下がったかと言えば必ずしもそうではなく、先に説明した通り、明確な変化を遂げても尚、この「赤とんぼ」が「赤とんぼ」のままであったことが感動的なのである。

 もう二度とこんな「仙禽」は飲めない。自分が旨いと思った酒が来年も同じように旨い保証はどこにもないわけだから、自己犠牲こそ崇高と信じる真面目で隷属的なブログの筆者でない限り、気に入った酒は何本でも同じモノを買って飲んだ方がいい。いろいろな酒を飲んで余計な知見を増やすくらいなら、たった一つの傑作への理解を深めた方が、長い目で見れば成果は大きい。決してウラジーミル・ナボコフが何かのエッセイに書いた「読んだそばから内容を忘れるお手軽なミステリー小説の存在はありがたい」という言葉を鵜呑みにしてはいけない。同時に彼は「読書とは再読のことである」とも言っているのだ。




SAKE GRADE:☆☆☆☆☆☆☆

【487】仙禽 -せんきん- 秋あがり 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 自家2年熟成 26BY <栃木>

(株) せんきん (by 地酒専門店 佐野屋) :http://www.jizake.com


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日本酒会_赤とんぼ



 結局、当日の主役はコイツ。コメ欄にも書いた通り、参加者全員の意見を総合すれば人気No.1だった。




参加者の声

▪︎赤トンボは衝撃でしたね。ウイスキーとかブランデー、ワインなども好き(って言っても味も分からず飲んでますが)なだけあって日本酒なのにあの洋酒に近い感じはびっくりでした。

▪︎どれも特徴があって面白い世界でしたが、一番うまかったのは仙禽でした。黒澤のピンクも良かったです。

▪︎戴いたお酒の中では、仙禽赤とんぼ上澄みが一番旨かったです。こちらは自分でも昨年飲んでおりますので、変わりっぷりでも魅せられたという加点が少なからずあります。





 まだ半分以上あるので、今宵も呑みます。正直、早く開けすぎたような気がしなくもないが、切ないですね、もう二度と飲めないというのは。確かに上澄みが去年よりも遥かに甘くなってて、思わず走るサケペディアがオレに「この甘さは大丈夫なんですか?」と確認したほど (笑) 。もちろん大丈夫ではあるが、オレは撹拌ヴァージョンが好み。去年は撹拌すると甘くなったが、今年は逆。ちゃんと渋酸のコアが出てきた。わざと冷蔵庫の野菜室に寝かせて半年ほどオリに触れさせて熟成してる期間もあってか、非常に滑らかで柔らかい甘みとコクが育っていたように思う。ま、この手の商品は瓶単位での誤差はあるけどね。





── 2日目。

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 立ち香──キャラメル増し増し。あとは熟成白ワイン的な醤油っぽい焦げた甘酸。みたらし団子 (笑) ?

 ♡☺♡「キャラメルスゴいよ? でも、飲むとお酢化が進んでる。アレ?って感じ。甘いお酢?


senkin_akatonbo26by_2_4.jpg お酢はない。どちらかと言えば味醂 (笑) 。むしろ甘いし、去年より軽やか。なんかアクが抜けた感じ。果実で言えば完全なる干しプルーン (笑) 。

 ♡☺♡「去年のあんま覚えてないけど、コレいいわ。今が良ければいいじゃん。今日飲んだ酒は『上喜元』以外全部ワールドクラス (笑) 」──あれだけインパクトある去年の味を忘れるとはグレート忘却ジャーニーだな、オイ。

 しかし軽いなあ。去年より綾瀬はるかにクリア。徐々にマドレーヌの焦げた部分みたいな香りが漂う──♡☺♡「わかるー!」。そして柔らかい乳酸に包まれたキャラメル。旨いな。別格だ。これが☆7の世界──日本酒の桃源郷





── 3日目。

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 ▲揚げ餅系は基本あまり好んでは食べないが、この「餅太郎」だけは別。これくらいチープで軽ければ問題ない。そして「お通し」風のサイズ感が酒飲みにはピリタツ。



 なんじゃコレ。去年より全然軽いな。「黒澤 Type7」の後だと、もの凄く低アルを感じるけど、複雑味やリッチ感では負けてないどころか、むしろ圧倒的優位すらある。やはり☆7酒が連れて行ってくれる世界は別次元。

 日本酒って、本当に旨いヤツは信じられないくらい旨いんですね。まだまだ経験が浅いので、なにか29BYや、今買える28BYや27BYの酒でこれより旨いモノがあれば是非教えてください。謙虚に学び直したいと思います。記事番号が500を超えてリニューアルしたら、薦めてもらった酒が口に合わなくてもディスり記事にはなりませんので、どうぞ安心して御推薦ください──その代わりすごく素っ気ない記事になるとは思うけど。

 なんかカスタードクリームみたいだな (笑) 。この焦げみがいいね。飲むレーズンかりんとうwithメレンゲ





── 4日目。

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 さすがに少し足腰フラフラなんだけど──オレじゃないよ、酒がね (笑) ──、まあ、なんとか存在感は維持してます。しかし去年の方が濃いとか、なんか面白い熟成ヒストリーだったな。この言葉は使いたくはないが、今年の方が飲みやすいというか (笑) 。

 少しだけ「菊鷹」をアッサンブラージュ (ブレンド) すると腰が出ますね。ピノ・ノワール中心のキュヴェにシャルドネを少量加える的な (笑) 。そして実際、コーヒー系の香りが伸びて来た。トースティーな焦げみとオイルネス。ドラヤキまであるよ。香りだけなら、まるで甘やかなアンリオ。ワールドクラスですね。ロバート・パーカーはコレ飲んだんだっけ?



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 ☆7です。掛け替えのない存在。別れを惜しむように──いや、いつまでもサヨナラしたくないから300mlに採りました。ひとまず1ヶ月くらいこのまま冷蔵庫で放置。



 薄井杜氏よ、もう一度バカになれ!




 いやあ〜、それはどーすかねえ・・・。


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日本酒 生酛 山廃 亀の尾 仙禽 on_list_marvelous

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To 大頭頭さん



毎度です。

実は赤トンボディストだったんですね (笑) 。リリース直後のナンジャコリャ感は失われてますが、この2年熟成も良かったですね。


──これ以降、せんきんのお酒を二度ほど買ったけど、二つともイマイチでした。でもまた気になるのがあったら買ってしまうかもしれません。

ひとまず「仙禽」は26BYで一度死んでますので、ここから先の復活があるかは微妙ですが、売れてる限りは特段の変化はないでしょうね。今や伊勢丹新宿にも置いてありますし、彼らの中ではここから大きく変わる理由もないでしょう。中には「今の仙禽の方が好き」という人もいますしね。

いずれにしましても、この赤トンボを飲んでおいて良かったと思います。

2017.12.16 Sat 01:42
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Name - 大頭頭  

Title - 

もうかんさんこんにちは。

実はこれ、リリース直後に呑んだんですよ。この一本から生もとを追いかけ始めました。旨かったなあ。

これ以降、せんきんのお酒を二度ほど買ったけど、二つともイマイチでした。でもまた気になるのがあったら買ってしまうかもしれません。それほどに赤とんぼは良い思い出です。
2017.12.15 Fri 18:34
Edit | Reply |  

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