もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 もはや日本酒は余暇。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤相模灘 - 純米吟醸 雄町 無濾過生詰 ── dಠಠb「流行りの酒を多く扱う地酒屋でこれ買ってもピンと来ないかもしれないけど、しかし」#Okan 




 相模灘の雄町/生詰でゴワス。昨日の此君に引きつづき、ホント玉タマだけど、今日も

 息子、故郷へ帰る──

から誕生した銘柄のチョイスになってしまった。相模灘自体を飲むのは約1年ぶりだけど、過去に特別本醸造/美山錦60火入、特別純米/美山錦55火入、純米吟醸/雄町50生を家呑みしてる。

 尚、生酒以外の相模灘の酒は、全て「瓶囲い/一回火入れ (生詰) 」になります。タンク単位で火入れをするのではなく、上槽後に素早く瓶詰めし、瓶単位で火入れすることでフレッシュさを閉じ込めるという、言っちゃえばとっても面倒臭い方法で火入れをしてるっつうわけ。ま、今ではさほど珍しい火入れスタイルではないけどね。鍋島も2〜3年前から瓶燗火入れみたいだし。

 実はこれ、買ったのが去年の秋。ちょうど冷おろしの季節だったかな。実際、特に記載やアナウンスはないけど、相模灘としては、この純吟/雄町が実質的な冷おろし扱いみたい。つまり、26BY/8月出荷の酒を家で寝かしてたわけだけど、おそらく搾ったのは生酒同様に1月とか2月だから、都合1年以上寝てたことになる。3月リリースの雄町生がクソ旨かったから寝かしてみたというのもあるのだけれど、さて、その味わいは如何に。



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 bottle size:1800ml




【088】相模灘 -さがみなだ- 純米吟醸 雄町 瓶囲い 無濾過生詰 26BY <神奈川>

久保田酒造 株式会社:http://www.tsukui.ne.jp/kubota


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 相模灘──どちらかと言えば女子供はスっこんでろ!的な、ガツンと濃醇かつキレの鋭い酒質が売りなわけだが、そこは若い杜氏が醸すだけあって、そこそこ都会的なバンカラ感という、ロジックとしては少々アンビヴァレントなニュアンスが含まれる得難い味わいの銘柄だったりする。昔ながらのバンカラ風情を漂わせつつ、恐る恐る近寄ってよく見ると、実は仕立てのいい高品質な生地でヤンキー服、作ってるじゃんみたいな (笑) 。

 オレ自身、誰かに「濃い酒は好きか」と聞かれたら好きだと答えるし、一方「クリアな酒は好きか」と聞かれても好きだと答える。とはいえ、ここには一つの省略が隠されている。

 「ただし旨いなら──」という条件の省略だ。

 たとえば果物について、酸っぱいグレープフルーツが好きだと答えた人が、同じ舌で甘いスイカも好きだと言うことに矛盾はないだろう。酒も同じだ。甘い酒が好きだと答えたからと言って、必ずしもドライな酒を否定しなければならないという理屈はない。魚も好きだし肉も好きだと言うことに矛盾はないだろう──ただそこに「旨いなら」という隠された制約があるわけなのだが。

 つまりはこういうことだ。

 美味しい甘い酒は好き、美味しい濃い酒は好き、美味しいドライな酒は好き、冗談の通じる美人は好き、愛嬌のあるブスは好き、たまに参ってしまうような笑顔を見せる無口なコも好き──だからと言って、甘口、濃口、辛口、美人、ブス、無口、なんでもござれというわけではない。

 何が言いたいか──。

 にもかかわらず酒については、なぜかよく、酒屋の方で客の好みに対して押し付けがましい意味づけする傾向にあるということが、なんとも意外だという話。まあ、仕方のない面もある。

「どんなタイプのお酒が好きですか?」

 本当はこう答えたい。

「旨い酒ならなんでも」

 だけど、そうもいかず、昨今の流行りや傾向をわざわざ汲んで、「甘いお酒も好きです」なんて答えちゃう。

 相模灘、好きですか──うん、旨いのはね。


sagaminada_jungin_omachi4.jpg で、馴染みの店ともなると、ありがたいのか迷惑なのか、

「あ、味の濃い酒、好みだったよね?」

なんて話にもなる。う〜ん、別にそういうわけでも。最近の鍋島なんかほぼ嫌いだし。オレ、旨いから日本酒にハマっただけで、味の濃い酒だけを求めてるわけじゃねえーし。

今日のテーマは?

とか訊いてきた店主もいたな (笑) 。おいっ! あえて言うなら、今あんたの店にあるそれ、ハズレ瓶だよと教えてやりたいのが永遠のテーマ。サンプルの小瓶じゃなく、うちらエンドユーザーは多くの場合、最低でも720mlもの酒をじっくり家で呑むんだから、少なくともアンタよりはその酒の当該ビンテージについてわかってるトゥモリー (つもり) 。

 さて、相模灘。昨日は途中で書くのやめたから、まとめて2日分やるぞ。


 先ずは1日目──。

 立ち香は穏やか。ややブドウ。わかりやすい雄町感はない。レーズンまではいってない。都合1年ほど寝てたわりに熟感はほとんどない。そこは流石に強い酒、サガミン。なんたって、蔵のHPを見ると、生詰でも常温保存OK言ってるくらいだし (笑) 。

 含みマトゥ。

 とりあえず去年の3月に呑んでオレが絶賛した生とは別物。つうか、火入れのサガミン共通のパウダリー&ミルキーなタッチが顕著。特純や特本の火入れで感じたときと同じニュアンス。相模灘を飲むのは1年ぶりだけど、この感じ、完全に思い出したわ。

 ちょいクセのある木香様の渋みも割にしっかり。これ、蔵独特の槽香なのかな。別にこれ自体がイヤというわけでもない。イイ時の鍋島なんかにもオーク樽みたいな香りあったし。ダメ島はひたすらこれが不快な渋みとしてノイズになるんだけど──。

 含んだあとのサステイン (リリース/アフター前の中間部分) にはニュワっと柔らかく味が膨らむ時間帯もあるが、最後はビシっとした渋辛を伴ってキレる。ま、これぞサガミン流儀だね。

 おっと。温度が上がってくると流石に雄町香、出てきた。サガミン流のクリーミイさと、雄町特有のブドウ様の酸が合わさってバニラ香が出てきた。相変わらずやや樽っぽい木香もあるが、ちえびじんほどは気にならない。サガミンならではのパワフルで女子供はすっこんでろ的なタッチとの相性がいいということか。ちえびじんの木はダメだけど、サガミンの木は許容。

 冷たすぎるのはよくない。飲み頃の温度帯は15℃から。でも、常温付近にまで上がってくると途端に辛苦くなる。舌が割といつまでもジぃ〜ンと痺れる感じ。ま、男酒ですな。明日はお燗にしてみよう。

 つうか、酔うな、これ (笑) 。


 2日目──。

 立ち香にリンゴが出てきた。昨日よりフルーティーだ。ヤッタ! 奥でわずかな熟香をハケーン。リンゴと熟香が見つめ合って優しくハグして、ちょうどリンゴののような甘やかさも微かに。小左衛門/雄町生、やっぱあれ熟してたんじゃねえかということがこれでわかった。

 冷たいと渋いなー。お燗にするぞ。

 おおお。ビシビシ来るな。お燗の方がわかりやすく熟香を感じるが、それほどでも。まるでウブなかわい子ちゃんに「ダメっ! 灯りは消して!」と言われてるみたいだ。

 割にいいかな、これはこれで。うん、今日は肩ロースの豚しゃぶを食ってるけど、食事に負けないこの感じは悪くない。最後、独特の渋みがあるけどな。ただ、「雄町どこー?」という印象も (笑) 。

 燗冷ましの方がいいぞ。相模灘らしいパウダリーな質感、いなたい酸、アフターのやや木香な渋み、このトライアングル、慣れてくるとなかなかに得難いタッチでクセになる。流行りの酒を多く扱う地酒屋でこれ買ってもピンと来ないかもしれないけど、旅先で「地のものを」と旅館のおかみにリクエストしてこれが濃いめの肉料理とか青魚の刺身と一緒に出てきたら「ほう」と、印象深い想い出になるかもしれない酒ではあるだろう。

 今ちょうど27BYの生が出回ってるので、濃ゆい雄町酒が好きな人は是非飲んでみて。火入れは旅先以外ではあまりオススメしない




── 3日目。


 今日は最初からお燗で。ちょっとクセのある芋焼酎のような辛みあるな。昔よく飲んでた甑州 (そしゅう) ていう酒を思い出した。あの頃から日本酒を飲んでいれば・・・。

 悦凱陣オオセト純米とのブレンドが想定以上に旨かったので、残りはそっちと合流。常温でダラダラ飲む用に。


moukan1972♂






相模灘 雄町 日本酒

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To アイオライトさん



毎度です。


──こだまの辰泉山廃本醸造、これ自分も飲んでます。いやー、やばいですよね。アル添拒絶する人の気持ちもわからなくないですが、それはこういう美味い(巧い)のを飲んでないからですよね、絶対。

おっと、これ呑んでましたか。そこらの磨いてる大吟醸より美しいですからね。あとは、この圧倒的なシルキーさですよね。口の中で酒が滑る滑る (笑) 。純米スペックにはないツルピカ感あります。

こだま酒はそのうち〝お任せ〟で7〜8本まとめてお取り寄せしますよ。店に行ってあれこれ選んでも逆にあまり意味ないというか、だったら店主に任せた方が実り多いというか。


──あと、開運!いまやモウカンさんの好みからは離れちゃった感もありますが、ボロクソに言われなくてよかった 笑 また記事が上がったらコメントします。

いや、全然そんなことないですよ。29BYしか呑んでないので、アイオライトさんの中の「開運」認識と誤差あるかもしれないですが、全然こっち寄りの左派な酒でした。やや青臭さもあって、ちょうど「日輪田」なんかを少し彩度落としたニュアンスというか、シトラス系の香りもありつつ、未熟な桃みたいな渋みもありつつ、全然モダンですよ。

それこそ今のアイオライトさんの嗜好の的を射抜く、酸の立った背骨の伸びた味筋ですよ。



2018.01.14 Sun 03:57
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Name - アイオライト  

Title - 

相模灘からは離れてしまいますが…
こだまの辰泉山廃本醸造、これ自分も飲んでます。いやー、やばいですよね。アル添拒絶する人の気持ちもわからなくないですが、それはこういう美味い(巧い)のを飲んでないからですよね、絶対。
こだまには結構アル添の佳酒が多くて、三千櫻 地酒SP直汲生とか、本金すっぴん太一 本醸造無濾過生とか、花巴 山廃本醸造 生詰原酒(これはマジで変態)とか。機会があったら是非。

あと、開運!いまやモウカンさんの好みからは離れちゃった感もありますが、ボロクソに言われなくてよかった 笑 また記事が上がったらコメントします。

2018.01.13 Sat 12:31
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Name - moukan1972♂  

Title - To アイオライトさん



毎度です。


まさかの「相模灘」祭り (笑) 。


──開けたては非常にバランス良くて美味かったんですが、二日目以降から酸が減退してダレてきたというか。個人的にバニラの戻り香が邪魔でちょっと厳しかったですね。

相変わらずの蔵癖ですかね? しばらく飲んでないので、拾えたら拾ってみます。逆にド定番の「美山錦」は未飲なんですよね。アル添の生原酒と言えば、地酒屋こだま別誂えの「辰泉 山廃本醸造 25BY」が素晴らしかったので、今年は再飲したいですね。

そうそう、開運の「無濾過純米 山田錦55 生原酒 29BY」飲みました。たしかに他の静岡吟醸にはないモダニティがあって、普通に嗜好を満たしながら飲めますね。やや硬さ&軋みもありましたが、久々に720mlが1日でカラになりました。

2018.01.12 Fri 20:20
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Name - アイオライト  

Title - 

毎度です。
これの火入れ特純をうえもで買って正月に飲みました。開けたては非常にバランス良くて美味かったんですが、二日目以降から酸が減退してダレてきたというか。個人的にバニラの戻り香が邪魔でちょっと厳しかったですね。

で、後日懲りずに大頭頭さんと同じ、特別本醸造槽場詰め無濾過生(美山錦)を飲みましたが、こっちはなかなか良かったです。悪い言い方をしてしまうと平均的なうすにごりで、驚きはないんですが確かにコスパは良いかと。恐らく開けて数日のコンディションだったので、開けたてはもっとフレッシュ感あって良かったんじゃないかなと想像できます。

2月に美山錦の純吟槽場詰めが出るようなので、ちょっと狙ってみようかな。
2018.01.12 Fri 14:13
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Name - moukan1972♂  

Title - To 大頭頭さん



毎度です。


──相模灘 特別本醸造 槽場直詰 無濾過生酒、29BYをのみました。

これ、確か720mlで1,100円くらいのヤツですよね。火入れは25BYで飲んでます。「相模灘」は他に25BYで特純の火入れ、26BYで雄町の槽場直詰ですかね。今から思うとバニラテイストのある漢臭い酒なので、ぼちぼち再エントリーしてもいいカナートは思ってました。マチダヤと秋山でも扱いありますし、チャレンジ酒の6号酵母シリーズも気になるんですよね。

以前は少し木香っぽいザラつきのあるテクスチャーを感じることが多かったんですが「雑味なく」ということで、以前より滑らかになったんでしょうか。うーん、確かに「黒澤」なんかと「同じ組」として飲むこともできますね。「粉組」として (笑) 。


──人によっては水っぽいと言うかもしれませんが、カロリーオフ感がちょうどよく、こんな感じがとてもいいです。

アル添なので、純米商品よりはツルツルしてるんだと思いますよ。マチダヤで拾えたら買ってみます。特本の槽場直詰は飲んだことないのでナイスタイミングです。純吟の山田錦あたりも一度は呑みたいんですよね。


2018.01.12 Fri 11:08
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Name - 大頭頭  

Title - 相模灘 特別本醸造 槽場直詰 無濾過生酒

もうかんさんこんにちは。

相模灘 特別本醸造 槽場直詰 無濾過生酒
29BYをのみました。

これ、香り抑えめ、雑味なくキレよし。
コスパを鑑みるとまさに最高でした。

人によっては水っぽいと言うかもしれませんが、カロリーオフ感がちょうどよく、こんな感じがとてもいいです。

相模灘、今年は黒澤とともに29BYマイウォッチリスト入りです。
2018.01.11 Thu 19:45
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Name - moukan1972♂ (もう肝臓の無駄使いはしたくない)  

Title - お、初コメありがとう〜

コメントありがとう!

うーん、こっちもこっちで店に行く前からある程度は何を買うか決めてたりもするんだけど、イベントとして、酒屋とは少しでも対話したいという気持ちはある。でも、

香り系は好きですか?」──

とか訊かれると、内心<う〜ん>ていう。そもそも今の時代、吟醸造り全盛だから、特別純米言いながら、中身もスペックも味も完璧な純米吟醸だったりするわけで、むしろ香らない酒を探す方が難しい (笑) 。

日本酒の場合、自分なりの味体系に沿って裾野を広げていく作業になりがちなので、たとえ酒屋のスタッフであっても、同じ味を同じ言葉で共有していないケースが多い。なかなか難しいよな。

いつだったか、同じ銘柄の同じ磨きの五百万石と山田錦があって、店主に「山田錦はどんな感じですか?」と訊いたら、

やっぱ山田は伸びますね」──

たぶん、余韻の長さのこと言ってたと思うんだけど、こっちは風味のこと訊きたかったわけで・・・。


──相模灘はもうほんとに5,6年飲んでないので興味深く読ませてもらいました!

確かに、日誌係氏と相模灘のラインは想像しにくい (笑) 。
27BYは純吟/山田錦生あたりは買ってみてもいいかなとは思ってる。

またよろしくね〜。
オレも遠慮なくトラバさせてもらいます。
(もちろん、コメもするよ。)

2016.04.22 Fri 15:06
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Name - 日誌係  

Title - 

お邪魔します!
よっしゃコメント一番乗りしてやるでと思ったらまさか日本酒初心者さんに先を越されるとは(笑


いやあ、しかしめっちゃわかりますわ(笑
普段どんな酒飲みますか?は酒屋さんの常套手段ですよね。
でとりあえず甘くて香りあって流行りのラインが~とか答えちゃう。
そうすると酒屋も、『けっ、またニワカがきたか』となるという。

香りのあるお酒が飲みたいときもあれば、燗むきの酒が飲みたいこともあるんだよなあ。
というか現状ずぶの素人より、色々のみ慣れてるマニアの客が多いと思うんだけどね。
旨けりゃなんでもいいから、とりあえずあんたのベスト3教えろよ!という。
コミュニケーションは難しい(汗


相模灘はもうほんとに5,6年飲んでないので興味深く読ませてもらいました!
更新楽しみにしています!



2016.04.22 Fri 06:30
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