もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 今週の『歌謡ゲスオテン (通うゲス男テン) 』、初登場1位。一番悲惨なのは桐谷くん。ヒット&当たり役の予感もあっただけに。
〜 たぶん年ベースだと余裕で250本以上の酒瓶を空にし、記事の比重は徐々にワインが日本酒を侵食、週末には必ずシャン、なるべく毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評 (ほぼ「浜辺美波」関連) 、超時々メガネ警察、特に悪気はないが冗談は常にキツめ 〜

◤Vouette et Sorbée (ヴェット・エ・ソルベ) AOC Champagne Extra Brut (Brut Nature)「Fidèle」NV/2013年ベース 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 先に言っておくと、さっき同じモノを同じ店でリピートしました。ロットは確認してないけど、同じなら同じでいいし、別なら別でも他の表情に出会える。ちょっと高いけど、楽天ではヴェリタスが「12/7/1:59」まで最安値の6,696円 (税込) で、しかもここは (正規代理店というわけではないと思うけど) 直で引っ張って来てるので、ワインにとっての途中乗り換え駅が最小で済む──ワインの移動が最短で済む。

 ヴェット・エ・ソルベはコート・デ・バール地区のBuxières-sur-Arce / ビュキシエール=シュル=アルスのRM。当主のベルトラン・ゴトロ (写真右) は、いわゆる〝セロシアン〟と呼ばれるアンセルム・セロス (ジャック・セロスの現当主) の弟子軍団の代表的存在で、四天王ドメーヌとしては、他に先週のシャルトーニュ・タイエジェローム・プレヴォーユリス・コランたちが初期メン (笑) 。新星組だと、2015年デビューのミニエール (現在フィッチにて再入荷中) 、2017年にようやく日本への割り当てが許されたミシェル・ファロンなどがいる。



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 とはイエイ、もはやヴェット・エ・ソルベくらいになると、いつまでも「セロスの弟子」というキャッチコピーが付いて回ることは、むしろ彼に対して失礼なような気もする──それくらい今回のキュヴェは素晴らしい完成度。買う前は「高っけえなー」とブツクサ心の中で言っていた記憶があるが、飲み終えた今では、この世界観をこの値段で体験できるなら「安い」とまで思ってる。彼がまともなワインを造り続ける限り、将来的に値上がることはあっても値下がることは絶対にないので──1ユーロ=100円以下になれば話は別だが──、この別格の存在感と作品性をアミューズメント体験するのに、ディズニーランドの1DAYパスポート (7,400円) より安く済むことを思えば別にどうということはない。それこそ「鍋島 純米大吟醸 特A山田錦35」の720mlが6,171円(税込)であることを思えば、むしろ高いのは日本酒の方だとまで言い切っておく──だいたいこのレベルの日本酒に辿り着くまでに一体どんだけの金を無駄にしてると思ってるんだ。







 使用するブドウはピノ・ノワール100%。商品名は旧ラベルだと「EXTRA BRUT (極辛口) 」で、今は「BRUT NATURE」に変更されているが、中身は同じ「ドサージュZERO (糖類無添加) 」だ。ビオディナミ実践者としても今のシャンパーニュ界を代表するドメーヌで、彼の1日は飼っている牛との対話から始まるという。




【ビオロジック農法】

「有機栽培」のことを指し、「自然を尊重した農業形態」つまり、除草剤や殺虫剤などの化学薬品、化学肥料に頼らない農法のことをいいます。畑や作物にとって最も自然に近い環境作りを行います。



【ビオディナミ農法】

 化学薬品や化学肥料に頼らない自然な農法という点ではビオロジックと全く同じですが、ビオディナミ農法では、生物の潜在的な力を引き出し、土壌に活力を与 えて作物を育てるという点に重点が置かれています。その具体的な方法として、植え替えや剪定、接ぎ木など様々な農作業を、月や惑星の運行に則して行った り、プレパラシオンと呼ばれる自然の物質から生成された調合剤を畑に散布したりします。

 これはオーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーの思想をもとに体系化された農法で、ギリシャ語でビオは「生命」、ディナミーは「エネルギー」、つまり植物が生きるエネルギーを引き出す農法といえるでしょう。


(出典:自然派ワインのお店 プレヴナン




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 ▲Dégorgementは「2016/1/11」で、おそらくワインは2013年ベース (R13) 。




 さて、この世に存在するあらゆるシャンパーニュの中で、おそらく最も造られる数 (種類) が少ないのが、この「ブラン・ド・ノワールのノンドゼ (黒ブドウ100%のドサージュZERO) 」であることに異論を挟む余地はないだろう。なぜ少ないか。答えは簡単。旨いキュヴェを造るのが難しいからだ。あとはマーケティング的にも売りにくいし、人のイメージの中の「シャンパン味」からも遠のく。そういう意味ではシャンパーニュの中で最もピーキーなジャンルということになる。

 今回は日本酒ラヴァーの読者さんもクリスマス用に買ったようだが (笑) 、おそらくこれまでに飲んだどのシャンパーニュとも違うので、手持ちの先入観や知識はすべて捨て去った方がいい。色が濃く泡は弱いが、むしろそれはこのキュヴェにとっては出来の良い証拠だ。是非〝泡の衣を纏ったクリスタルな赤ワイン〟として楽しんでみて欲しい。後悔はさせない。オレを信じろ。日本酒換算なら☆6☆7に相当する破壊力。余計な回り道は要らない。まずはここから。





◤Vouette et Sorbée / ヴェット・エ・ソルベ 「フィデル」ブリュット・ナチュール (旧エキストラ・ブリュット) NV

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 ▲「シモン・セロス」と同じ日に抜栓。「セロスの従兄弟 vs セロスの弟子」に加え「ブラン・ド・ブラン vs ブラン・ド・ノワール」でもあり「ステンレス vs 樽」でもあり「ドサージュ有り vs ドサージュ無し」でもある。



 立ち香──クリーミイな乳酸フレイヴァーがあるので、おそらくマロラクティック発酵はしてるのかな。凄まじいベリー香の重層性はまるで油絵の具ような質感。透明で明るいトーンでないが、純度の高さと、外ではなく内に向かって吸い込まれていくような香りのエネルギーがある。樽やエッジのある酸化のニュアンスはない。色はロゼみたい。

 これは期待──。

 ♡☺♡「こっちの方が上だな。完成度キテる、これ。旨い! スッキリ甘やか。アタシなりの『最高の褒め言葉』を言っていい? 複雑な味がする (笑) 」──はい、素人さんから「複雑」イタダキマシター!



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 高いけど旨い──なんだそれ (笑) 。しかしこれ、本当にドサージュZEROなの? どのみち3g以下だと思うけど (←0g/1Lです) 、ブドウがスゲえ完熟してるから、果実そのものの甘みがエグるようにエネルギッシュ。香りの発散というよりは、果実の沼に味覚の戦士たちが吸い込まれて落ちて行く感じ。これは頭二つ抜けたNVだ。

 (おそらく) マロラクティックONライクな豊満さもあるが──エキスに反射する酸のプリズム光彩は穏やかだが──、伸びやかな酸ロードの直線が旨みの地平線まで真っしぐらに力強く駆け抜ける余韻はどこまでも長く、それはまるで客船のモーターから伸びた泡の道が夕暮れの水平線の彼方まで美しく伸びて行くかのようだ。



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 ▲完熟したピノ・ノワールの自然な赤みがどこまでも美しい。泡はキメ細かくしとやかに柔らかい。最低でも2〜3週間は休ませないと、この泡感にはならない。長期間の冷やし過ぎも禁物。むしろ今時期は廊下などの光の当たらない温度変化の少ない20℃以下の場所で保管して、飲む数時間前に冷やすのがベター。抜栓したら少し瓶を放置して温度を上げ、サーブは8℃からスタート、飲み頃は10〜16℃。フルートグラスだと台無しなので、是非ワイングラスで。ゴクゴク呑むと秒単位で無駄金が泡と消えます。



 ♡☺♡「これはホント旨い。最近の中では一番いいな。逆にカジュアル感がないのがいいわ。リッチで複雑。これは旨い。☆6です!

 さすがに酸っぱいは酸っぱいけど、まるで砂糖ナシのイチゴジャムのような粘度タカーメのテクスチャーがあって、キュートな表情が何かのタイミングから漏れ出る瞬間も。樽熟らしい渋みやクセはほとんどなくて、あくまでもアースカラーな纏いとして清楚なレベルに抑えられてる──味の表現としての樽使いではなく、あくまでもブドウから根源的な力強さを引き出すための樽使い。

 まあ、これは実際に飲んでもらうしかない。あるワイン愛好家が「ブラン・ド・ノワールで旨いモノはあまりない」と言ったことにオレは同意するが、このヴェット・エ・ソルベを知っていれば、もう少し言い方も違っていたことだろう。なぜなら、もはやアンドレ・クルエのシルバー・ブリュット程度じゃ満足できないし、この「フィデル」があればそこまで多くの旨いブラン・ド・ノワールがこの世に存在していなくても大して困らないとすら思えるからだ。次はいよいよエグリ・ウーリエジェローム・プレヴォーのブラン・ド・ノワールなのか。単品で買うと10,000円じゃ買えないから、ウメムラの6本セットでリクエストして1本あたりの単価を下げよう (笑) 。



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 もはやこの2つは全く別の飲み物で、同じ「シャンパーニュ」という言葉で一緒くたにすることすらバカバカしく思えるが、クリスマス向けなのはヴェット・エ・ソルベだ。なんだかんだでブラン・ド・ブラン (シモン・セロス) はスイスイと軽やかに飲んでしまう。シャルドネ100%で爽快だし、冷たい温度でガブガブ飲んでもそれなりには旨い。

 ただし、優雅なひと時を艶やかに過ごすなら、やはり赤い液体の蠱惑 (こわく) には敵わない。スティルワインの適温 (12-16℃) まで上昇しても (泡がほとんどなくなっても) このワインのエネルギーと魅力が薄まることはないし、むしろ威力を発揮するのは、この液体についての感想の数々から「シャンパーニュ」という言葉が抜け落ちてからだ。

 様々な要素が緻密かつ雄大なスケールで構築された「原料:ワイン」の建築物だ。このへんを飲んでしまうと、もう他のクソ泡は飲めないし、同じ値段のスティルワインでこれより旨いモノがこの世に存在するのかと疑わしくなる。シャンパーニュは安い価格帯 (1,000円台) が存在しないから入口は狭いが、10,000円以下で信じられないくらい旨い瓶があることも事実で、そこを安いと取るか高いと取るかではある。日本酒の10,000円は怖くて手が出ないが──米や酒の出来が悪くても平気で発売する──、シャンパーニュは別だ。





── 2日目。

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 酸化パワーがスゴい。イチゴジャムは消えた (笑) 。樽パートがぐんぐん出てきた。濃い。旨い。個人的には初日のトロっとテカっとジャムなテクスチャーが好みだが、2日目もワインとしては普通に極上





── 2019/1/5に再飲。

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 同じ店で同じロットの瓶を即リピートして約1年ほどセラーで寝かせてたけど、それなりに熟成してますね。ノンドゼのはずなのに、やや焦げみのある甘やかさも育っていて、これはどういう理屈なのだろう。とはイエイ、2本目もしっかり旨いです。


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Vouette_et_Sorbée ブラン・ド・ノワール コート・デ・バール シャンパン シャンパーニュ Champagne

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