もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 低アル志向の「菊鷹」は一定の成果を上げているだけに、山本杜氏の移籍は痛い・・・。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤米鶴 - 山廃 純米大吟醸 鶴翔 (かくほう) 28BY ── dಠಠb「まさに旅先の部屋食で出てきたら、まるで端から期待してないオレが激しく感動できる酒」#Clear 




 なんじゃこの田舎臭いラベルは!?──米鶴です (笑) 。以前のオレなら絶対に買わなかっただろうし、たとえ誰かに貰えたとしても下手したらその場で「いらない」と断っていたかもしれないが、今は喜んで買う。

yonetsuru_kakuhou28by3.jpg 属性は、かの☆6酒米鶴 山廃純米大吟醸 中取り生 28BY」と同じ「山廃仕込みの出羽燦々50」だが、こちらは9号酵母を使用。値段が720mlで税抜き1,400円なので、たぶん少し加水してるんでしょう。火入れは1回だと思うけど表記はナシ。通年品なのか限定品なのかも分からんが、蔵元のHPでは買えない特約店限定流通の模様。

 たとえばデパートなんかで蛍光灯が──それこそ燦々と輝く中で常温放置されてそうなので、買う店は選んだ方が良さそう。オレは「落ち着いた吟醸香と山廃造りとは思えない程の透明感ある酒質で、コストパフォーマンスに大変優れた『純米大吟醸』です」と説明したはせがわ酒店で購入。ちなみに「コスパ」なんか意識 (重視) したことはない。一升瓶が2,500円で☆4の酒と3,500円で☆4.5の酒、呑む前にわかってりゃ絶対に後者を買う。

田舎吟醸 vs 若手のオサレ瓶」の山廃対決の結末や如何に。




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 bottle size:720ml


 
 ▲CHEMISTRYは好きだったことも嫌いだったこともないが、これは知られざる上質なアクト。ギターは元チェッカーズのリーダー武内享。




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【470】米鶴 -よねつる- 山廃 純米大吟醸 鶴翔 (かくほう) 28BY <山形>

米鶴酒造 株式会社:http://yonetsuru.com


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yonetsuru_kakuhou28by4.jpg さあ、どうかなあ。とにかく変に熟してたりしてなきゃいいよ。なんか田舎ラベルの火入れには怖さがある。ま、ここの蔵は巨大冷蔵庫を完備してるみたいだし、購入店も地酒屋なので大丈夫でしょう。

 立ち香──あれ? 言ってるそばからイヤな熟味の芽が──やや琥珀カラーな米香。色もちょっと入ってるなあ。バター飴みたいなニュアンスもあるけど、輝けるフルーティネスには出会えない。これ、イヤな予感しかしないなあ。なんか甘そう。

 まあまあかな。差し障りのない田舎のキレイな酒。山廃らしさは十分にあるし、細いけど芯の強さはある。「ただの水」なルックもあるけど、キュっと背筋の伸びたミネラル感があるので、スリムながらも筋肉質な液性ではある。香りに比して熟味を感じないのは、酸がしっかり出てるからだろうね。チェルシー換算だと「ヨーグルトスカッチ」と「バタースカッチ」の中間を行く甘酸の川辺。少しムチっとするが、なにせクリアだし酸の伸びも直線的なので口どけは抜群。


yonetsuru_kakuhou28by5.jpg 最近飲んだ同じ山廃純大規格の酒だと「車坂」「テドリン」の中では最も嚥下におけるノイズやアタックは少なめだけど、そのぶん、薄いっつうか、ややオールドスクールな淡麗感ではあるので、ここを退屈と感じるか、クイクイネスの発露と捉えるかで評価は分かれるかな。なんかこういう野暮ったいながらも清楚な山廃は逆に新鮮だけどな (笑) 。

 しかしながら徐々に、この若干バターで甘露な熟味がイイ塩梅に米の旨みの球体を象ってるのではないかという気はしてきた。これがないとマジで「ただの水」になるしな (笑) 。ドッカン星人には薦めないけど、旅先の宿のメニューに載ってれば迷わずGO!でしょう。オレは「Tedorigawa neo.」より好きだな。気負いや見栄がまるでないもの。矢崎氏プロデュースの「山廃純米大吟醸」との通奏低音はないけど、ある意味これが「米鶴」ライクな淡麗美学なんだとは思う。若干のキャラメル感は「米の力 純米 亀の尾65 生原酒 28BY」にもあったし。



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 ▲同じ状況の場合、マフィアなら殺されてたし、893なら指の二本や三本は飛んでいた。殴った方は裁きを受けるだろうし、殴られた方は生きてるし指も残ってる。[参考資料



車坂」はビビッドな油絵タッチだがテクスチャーに滑らかさがないし、モダン山廃としては少し大仰だし厚化粧。「鍋島」は酸っぱいな (笑) 。「車坂」の「ムンっ」とする籠もった香りはオレには不要。やはり、この中では「米鶴」が一番いいな。「車坂」はクドい。「鍋島」は「車坂」よりイイ意味で薄いし (平面的で) 、逆に酸による収斂性を感じるなあ。粉っぽさは一番あるけどな。



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「車坂」はイラねえわ。「米鶴」は熟してるっちゃ熟してるんだけど、これがあるから水にならないことを思えば意図的なのか? まるでTVに夢中になってる間に薄まってしまったカルピスに旨みの球体を供給してるかのような、程良いサポート感がこの熟味にはある。もちろん贔屓目もあるけど、今のオレにとっては☆4ですね。この3本&テドリンの中では、事実一番盃が進む。とはイエイ、モダン地酒としての存立性はないけどな (笑) 。


yonetsuru_kakuhou28by8.jpg しかしそれでも、なかなかいいですね。ここ最近の酒の中ではオレに一番馴染むわ。ゆくゆくはこの酒も矢崎氏が仕込むことになると思えば、この蔵の未来は明るい。グラスから漂う、パツンとハチ切れそうな麹香もオレには好物の部類だな。徐々に香りから「秋鹿 山廃純米 7号酵母 山田錦 無濾過生原酒 28BY」でも感じたオイリーなヌメりも出てきたし、今はほとんど☆4.5だな。これを飲むと、つくづく「Tedorigawa neo.」は子供騙しの、上っ面だけオサレな軽薄モダン酒だと思うわ。

 もっと飲みたいけど、キッチリ一合ほど残ってるので、今日はこのへんでやめとく。「普通にちゃんと旨い」のお手本です。素人なら誰でも「旨い (飲みやすぅ〜い) 」と言うし、イマドキ地酒にまみれたマニア連中も意外な忘れ物に出会えると思う。☆4ですね。





── 2日目。

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 ▲「熟成サラダ」や「おかき餅」の直近ロットはイマイチだが「ぱりんこ」の直近ロットは史上最高クラスの完成度。先週末もmoukan1973♀が♡☺♡「ぱりんこがやたら旨く感じる!」と絶賛してたな (笑) 。元々「包装上の密閉性」に問題のあるメーカーだから、冬場は乾燥してパリパリネス (ぱりんこ指数) が割り増しになる。



 立ち香──ちょっと「お酢」+「キャラメル」っぽい輪郭なんだけどな (笑) 。乳酸フレイヴァーは口に入れるまで露骨には感じない。果実の香りも実はほとんどない。いかにも米の酒だよ。

 やや過熟な面は否めないが、それでもオレの中では「Tedorigawa neo.」より上。そこにちゃんとそれが在る。今日は液性に粘度が出てきて、しっかりめの〝ポチャっと感〟あるので、旨み&甘みの球体が口の中で踊る。やや粉っぽいミネラルの余韻があるものの、口どけは素早く心地良い流れ。垢抜けないニュアンスもあるが、気負いなく素直。胡散臭いオサレ感や盲目のイデアに振り回されてる印象が全くない。

yonetsuru_kakuhou28by10.jpg 昨日より寄り添いやすいかな。さすがにもうちょい味が出ててもいいけどな (笑) 。まさに旅先の部屋食で出てきたら、まるで端から期待してないオレが激しく感動できる酒。狙ったものではないだろうけど、この熟味があればこその球体感。これはこれかな。熟味ゼロだとマジで水になるわ (笑) 。ちょっと〝蝋 (ロウ) みたいなニュワみ〟だ。

 食中は全く以てNoノイズ。矢崎氏の「山廃」との繋がりは強くはないけど、おそらく彼だって、転職後に一通り「米鶴」の酒は舐めたはずで、それを思えば、これ経由のあれとは言えるのかな。まさに「鶴翔 - Yazaki's Modern Yamahai Remix」ですね。

 あ、なくなっちゃった。もう少し飲みたかったな──と思った酒は少し久しぶりのような気が。そして「車坂」は今日も若干クドい。


moukan1972♂






日本酒 生酛 山廃 米鶴

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