もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 日曜に「黒澤 Type-9」の1800mlを開けました。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤Diebolt Vallois / ディエボル・ヴァロワ ブリュット・プレスティージュ ブラン・ド・ブラン NV 




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 ▲写真右奥の紳士は、ワイン評論家のマイケル・エドワーズが著書の中で「一見誰からも好かれる叔父さんのように見える」と書いた当主のジャック・ディエボル氏。実際に温厚な人物らしい。




 毎度アクセスありがとうございます。


 おそらく多くのフランス人にとって「峰竜太 (みねりゅうた) 」と「竜雷太 (りゅうらいた) 」や「浜辺美波 (はまべみなみ) と「美浜区磯辺 (みはまくいそべ) 」に関する記憶の混同が頻繁に起き得るのと同様、日本人であるオレには、本日の「ディエボル・ヴァロワ (Diebolt Vallois) 」と「デュヴァル・ルロワ (Duval Leroy) 」の2つをクイズの正解のように記憶することがどうにも困難である。そこの問題作成者よ、どうしてもオレに減点を与えたいのなら、この2つを記述させる設問を作るがいい。




 photo: Le Cru

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 コート・デ・ブラン地区の中で最も太陽の恩恵を受けると言われるクラマン村 (グラン・クリュ) に拠点を置く家族経営のドメーヌ。業態こそNM (ネゴシアン・マニピュラン) だが、親戚名義の畑からもブドウを買い付けることもあるからRMを名乗れないだけで、実質的にはRMとほとんど変わらない。シャルドネに関してはクラマンの他にシュイィ (グラン・クリュ) やキュイ (プリミエ・クリュ) などに畑を所有するが、今回のキュヴェにはメニルもブレンドされているようで、おそらくこちらは買い付けたブドウということなのだろう──他の販売店の商品説明には「クラマン100%」という表記があるが、たぶんマツガイ。


 一般的にクラマンやシュイィのシャルドネは主にブレンド用として脇役的に扱われることも多いが、そういう意味でディエボル・ヴァロワは、クラマンのテロワールを上質に表現する貴重な造り手である。ちなみに我が家で飲んだモノだとプチジャン・ピエンヌなんかはクラマン100%の──しかもノンドゼという珍品。またフィッチで入れてくれねえかあ。事前情報のない状態で開けたから、なんか酸っぱさのエンタテインメントに圧倒されてじっくり飲んでる余裕がなかったんだよな (笑) 。

プレスティージュ」という言葉に厳密な定義はないので──ただし大抵の場合は瓶が太くなるので家庭用冷蔵庫での扱いには少し困ることがある──、このキュヴェが通常のNVに比べて何が特別なのかはわからないけど、より安価でスタンダード・クラスのキュヴェもラインナップされているから、何某かの上位性はあるんでしょう。[参考

 と書いたら、どうやら通常のブラン・ド・ブランとは違い、このプレスティージュはALLグラン・クリュ (クラマン、シュイィ、メニル) のシャルドネから造られるみたい。ふむ、そういうことか

 実は飲む前にいちいち細かいことは調べないから、このデブ瓶の意味するところは「秘伝のタレおっぱいっ!」くらいにしか思ってなかったんだよ。ところが飲むと実にフレッシュでキビキビしてるスリムなタッチもあったから「デブ瓶のくせに!」とか思ってたんだけど、そういうことだったのね。これに比べればロベール・モンキュイなんかはエントリークラスのNVではあるものの、随分と熟した──それこそプレスティージュばりの〝黄昏リッチ〟な味わいだったな。





◤Diebolt Vallois / ディエボル・ヴァロワ ブリュット・プレスティージュ ブラン・ド・ブラン NV

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 前日に2本のジャン・ラルマンでトンデモナイ目に遭ったので、今日こそはアタリを引きたい。一応、本日も「保険」を用意しているが、高級ワイン4本が、それこそ泡と消えるのだけは勘弁 (笑) 。



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 立ち香──なんかキュートにフルーティー。ジャムっぽい甘酸っぱさ。ブラン・ド・ブランなのにエラくフローラルでベリーなニュアンス。ビスケットな香ばしいニュアンスにバターやハツミツなどのクリーミイな膨らみ。ブラン・ド・ブランにしては随分と華やかだが、特に気になる腐臭はない。やはり昨日の──特に「レゼルヴ」の方のジャン・ラルマンはこの時点でもヤバかったから、今日は大丈夫でしょう。

 はい、カナリアちゃん、この先に毒ガスがあるか、確かめて来て──。

 ♡☺♡「行ってきまーす。旨い。余韻がいいですね。お花みたい。ていうかポプリ (笑)



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 ▲ある意味、ラベルのイメージ通りの味わいと言える。



 フレッシュな輪郭の中にも清楚な複雑模様の纏いが華やぐフローラルなブラン・ド・ブラン。ハチミツもある。これは問題ない。香りというより、味が食用の花 (笑) 。酸とミネラルもしっかり。プレスティージュらしい表情は順を追って顔を出す流れ。徐々にフローラルな香りは空に解き放たれて、シャープな酸、筋張ったミネラルに食らいつくように熟味、焦げ味、複雑味が余韻の中で息吹く。それでも全体にはフレッシュでスリムな味幅。太っているのは瓶と当主だけだ。

 ♡☺♡「いいっすね。久々に平穏を取り戻した。お花っていうより、徐々に酸が立ってきた。旨い

 次第に勢力を増してこの場を制する直線的な酸は紛れもなくシャルドネ流儀の大鉈。ガシっとビシっと余すところなく酸っぱい。この、レモンというよりはオレの中では梅に近いニュアンスの酸こそがメニル由来なんだろうな。樽熟による酸化と結びつくとスモーキーな表情が宿って梅酒っぽくなるというか (笑) 。全体の流れの中では常にフレッシュなニュアンスが味わいを主導して、少し遅れて熟成パートが後追う流れ。

 ♡☺♡「酸っていいねえ〜。以上 (笑) 」──なんだそれ。



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 シャン経由で最後に一杯「鍋島」をオカワリ──。

 メロンソーダ (笑) 。なんだこれ。いつも思うんだけど、日本酒って、シャン経由だとエラく香るし、何を飲んでも甘く感じる。ま、そりゃそっか。そして悲しいかな、極めて人工的な香りで、含むと渋いし、どこにも果実はないという。もちろん、日本酒ライクな抽象的な果実表現というモノもあって、それは逆にリアル果実には表現できないタッチなので、何も香りや果実味で日本酒が常にワインに負けるなんてことはないわけだが、ダメなモノがよりダメなモノに貶められるという残酷はある。

 ディエボル・ヴァロワは清楚に華やかなブラン・ド・ブランという感じでなかなか良い。ただなあ、瓶が無駄に太いよ (笑) 。3日経った空き瓶の口から漂う香りは完全にメニル優勢のそれ。たぶん半分残して翌日に飲んでも旨いんだろうな。


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コート・デ・ブラン

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