◤Quenardel & Fils / ケナルデル&フィス ブリュット・レゼルヴ NV 




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 毎度ありがとうございます。


 記事の更新が遅れてますが、こちらのシャンは月曜に空けてます。結論から言うと、フィラディスにはワリイけど、土曜に呑んだ同じヴェルズネイのエティエンヌ・ルフェーヴルより旨いです。

 こちらのメゾン、実は跡取りに恵まれず、すでに2012年に他者への売却が済んでいます。誰もが欲しがるヴェルズネイの畑が売りに出るわけなので、当然、複数の買い手が名乗りを上げたわけだけど、見事その権利を獲得したのは、ブルゴーニュの「ジャック・プリウール」などを擁するラブリュイエール家。

 ラブリュイエール家の3代目当主エドゥアルド・ラブリュイエール氏 (写真は新しい醸造チームのリーダーであるナディーヌ・ギュブラン女史) が来日時に語ったところによると「ピノ・ノワールとシャルドネのプロフェッショナルとして、かねてより、理想のシャンパンを造る夢を抱いてきました。RM (レコルタン・マニピュラン) を購入できる機会は多々あるのですが、絶対に譲れなかったのは、ヴェルズネイのRMであることです。非公開情報なので詳しくは言えないのですが、世界中のシャンパン・ラヴァーが知っているあのメゾンのあのプレスティージ・キュヴェにも、別のメゾンのあのプレスティージ・キュヴェにも、ヴェルズネイのピノ・ノワールが約20%使用されています。真にエレガントで偉大なシャンパンを造ろうとする時、ヴェルズネイのピノ・ノワールは〝鍵〟であり、ヴェルズネイは、シャンパーニュにおけるピノ・ノワールの王様なのです」ということで、やはり、誰もが欲しがる泣く子もオマるヴェルズネイなわけだけど──。







 ちょっと待て───尚、ラブリュイエール家による「ケナルデル」の購入完了は2014年で、この年の収穫分の醸造までは、前当主ジャン・クリストフ・フォーコンプレが手がけました。以降のデゴルジュマン~ドザージュのオペレーション、及び2015年収穫分からの醸造は、1990年より「ジャック・プリウール」の醸造長を務め、ブルゴーニュを代表する醸造家のひとりであるナディーヌ・ギュブラン女史の率いる新醸造チームによって行われています──って、このキュヴェは4年熟成なんだから、市場に出回るまでには約6年かかることを考えれば、おそらくベースワインは2011年のブドウってことだろ?

 なのに、あたかもすでに引き継いだ連中が醸したみたいな言い方、これ紛らわしくねえか? オレが酒屋なら、いくら新チームの代表が来日したからって、買収した側に立ったアナウンスなんかしない。むしろ「この味わいのケナルデルが飲めるのは残り4年ですよ!」と訴えるわ。あ゛あ゛あ゛──っ!ったくどいつもこいつもそいつもあいつも物事の本質が見えてなくてムカつくわ。要するに新生ケナルデルが初お披露目するのは、2015年収穫分からの醸造になるわけだから、2020〜2021年じゃねえか (笑) 。アホか。



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 というわけDE、こちらのレゼルヴは「ヴェルズネイ、ベリュ、セザンヌ産のピノ・ノワール60%、シャルドネ40%のブレンド、平均樹齢約30年、4年間の瓶熟成、ドザージュは9g/1L、マロラクティックON」というレシピ。ちなみにシャルドネもヴェルズネイ産みたいね──なぜなら、これの「ブラン・ド・ブラン 2004」もあるから。ヴェルズネイ100%のブラン・ド・ブランとか、アイやアンボネイやブジーより綾瀬はるかに気になるわ。





◤Quenardel & Fils / ケナルデル&フィス ブリュット・レゼルヴ NV


※フィッチとウメムラは最安値ではないが、同梱対象の幅広さを考えれば結果的には安くなる。



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 ▲実はサラセン並みに冷凍パスタにも詳しいオレではあるが、その話はいずれ。ただ一つ言っておくと、日清とオーマイはクソ。辛うじて「日清 青の洞窟」にはマシなものもあるが、ややリアル追求主義がアダになってる面も──巧妙で精巧な偽物という見方も可能。オレの味覚を信じるなら黙ってママーにしとけ。煎餅は三幸、冷凍パスタはママー、ドレッシングはマコーミックは我が家の常識。






 立ち香──アプリコットや熟したドライフルーツのニュアンス。バランス的にはピノ主導の赤い果実に満ちてはいるが、全体的に少し落ち着いたスモーキーなタッチ。フルーティネスの発散は内向的ながら、コアから弾力するように酸の押し出しがある。高密度でありながら軽やかな質量感。これはヨサーゲ (良さげ) 。

 旅の疲れをシャンで癒す足裏汚めのカサリア──。

 ♡☺♡「旨い。透明感がある。また飲みたい。バランスがいい。穏やかな甘み。これは単純にリピしたいと思う
 dಠಠb「液性そのものは、おそらくマロラクティックONならではの〝すりおろし果実的な〟絡み付きが舌に残るから、マロラクティックOFFメゾンのブリュン・セレヴネイやベレッシュやエグリ・ウーリエのそれとは意味は異なるけど、見晴らしの良さという点では透明感はある。透明な液体というよりは、口の中が晴れやかで明瞭ということだろうね

 ♡☺♡「〝すりおろし〟わかる
 dಠಠb「香りに少し乳酸タッチがあるでしょ。エグリ・ウーリエなんかはこれが好きじゃないみたいよ (笑)



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 これはアタリ。レゼルヴらしい渋み焦げみを奥から外に弾き飛ばす肉感的な果実味と力強いシャープな酸、個々のパーツを一切合切まとめて搾り切る堅牢なミネラル──ジュワっと泡まで旨いみたいな。

 シャルドネ40%というセパージュがもたらす見晴らしの良い骨格。リッチで豊満なピノの膨らみの輪郭を定め、美しい球形を象る。全体のニュアンスの中にはボランジェのNVを思わせるトーンもあるが、そこまで揺蕩う (たゆたう) 液性ではなく、もっとミニマルで小さなジオラマ感がある。やはり、食事と共に軽快に飲めつつ、味や香りのカラフルネスも堪能するなら明らかにこっちだ。同じヴェルズネイ主体のエティエンヌ・フェーブルより断然いい。



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 温度が上がってくるとドライフルーツの表情も。仄かに樽のニュアンスもあるが、リザーヴ・ワインなどで一部樽熟を施しているのだろうか。それでもスモーキーなタッチはそこはかとない清楚さを兼ね備えており、果実の瑞々しさにおける輝きを曇らせることはない。液の外皮に膜を張る程度の衣な纏いなので、少しリッチに煙る程度だ。

 ♡☺♡「とにかくバランスがいい。これは進む。旨い。また飲みたい。杏子あるねえ

 これは間違いなく他のキュヴェも手に入れるし、このレゼルヴもリピートしたいな。重過ぎず軽過ぎず濃過ぎず薄過ぎず、格段のケレン味を発揮することもなく、ピノの赤い果実味と同時に、その輝けるシャルドネ流儀のフィネスと酸も絶妙に同居している。ドサージュが9g/1Lだが、甘過ぎると感じる瞬間はない。熟味における焦げたタッチが絶妙に仲裁に入ってるのかな。

 派手さはないが、しっかりちゃんと旨いワイン。これに比べればエティエンヌ・フェーブルは女子会仕様のオコチャマ酒だな。ケナルデルにはシックな落ち着きがあるので、秋の夜長にはピッタリだ──って、もう冬か。

 オススメしておきます。


moukan1972♂moukan1973






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