◤篠峯 - 純米吟醸 山田錦『蒼』 夏色生酒 28BY ── dಠಠb「木香は感じないし、今のところ最も素直な出来栄えの28BYではあるが」#Fruity 





 ▲彼はオレの顔を見るなりmoukan1972♂だと認識した・・・。




shinomine_sou_natsuiro28by4.jpg 今年の4月、堺杜氏が自身のfacebookの中で「つい先日、18日に搾った山田錦60%精米+6号酵母は (山廃雄町66より) もっと香り豊かで、葡萄感満載でしたし、酸味もフルーツ感満載。<中略>これは是非セットで呑んで頂きたいな〜 どちらか片方飲むより全然楽しくなると思います!」と書いていたので、それでもちろん買ったわけだけど、悠長に構えていたら、もう29BYのどぶろくがドロップされちゃったよ (笑) 。

 これ、夏酒使用の「夏色生酒」の他に、4月リリースの見た目が同じ「無印版」もあるんだけど、堺杜氏に訊いたら、無印版は中取り以降の部分、夏色生酒は荒走りから中取りまでで──彼は「中盤」という言葉を使っていた──、彼の言葉をそのまま使うと「終盤以降は火入にしております」とのこと。



 



 というわけDE、割りとフレッシュな部位の『』です。Not櫛羅産の山田錦&6号酵母の磨き60。ALC.が15.6%と、他の「篠峯」よりも少し低めに抑えられてるところがミソ。

shinomine_sou_natsuiro28by3.jpg リリースから間もない頃に外でこれを飲んだ読者さんが「もう少し寝かせた方がいい」みたいなことを言ってたので、しばらくはそのまま冷蔵庫 (2〜3℃) で放置して、9月からは──たった一度きりしか書かないぞ──ワインセラー (11℃前後) で2ヶ月ほど追熟させました。酒屋の11℃とセラーの11℃は意味が異なる──ドア無しのショーケースは論外にしても酒屋は一日中開けたり閉めたりの繰り返しだし、中には蛍光灯燦々の店もある──ので、セラーの11℃の方がたとえばイケセイの8℃よりは環境はいいとは思うけど、29BYはこの温度差を利用していろいろ遊んでみるつもり。実はレマコムなんかの氷温保存にはあまり興味はなくて──フレッシュさを維持することに興味はない──、むしろタイムマシン効果として高めの温度管理で早熟させたいという意図が元々あったんだよ。それにオレには「本当に低温長期管理が日本酒にとって好ましい保存環境なのか」という懐疑が、とりわけ一回火入れの酒について大いにある。

 某酒屋のスタッフがこの酒について「木香は探しに行かない限り見つからない」と力強く言っていたが、さて、真相は如何に。ちなみに「篠峯 山廃 純米 雄町 無濾過生原酒 28BY」では感じたなあ。そうそう、これか──「魚の干物みたい」とオレが書いたのは (笑) 。




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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【465】篠峯 -しのみね- 純米吟醸 山田錦『蒼』 夏色生酒 28BY <奈良>

千代酒造:http://www.chiyoshuzo.co.jp


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shinomine_sou_natsuiro28by5.jpg 立ち香──ああ、いいね。ブドウ。赤い小さな果実。目の覚めるような酸の輝き。特に木香は感じないな。そして細くて硬めのミネラル香。6号酵母由来の少し乳酸ライクな甘酸の輪郭もある。

 とりあえず飲んでみる──。

 ゴリゴリなミネラル感 (笑) 。9月から2ヶ月ほど日本酒としては若干高めの11℃前後で寝かせた割りには全然フレッシュ。もちろん熟香/熟味なんか微塵もない。ガスは弱い。うーん、相変わらずオシャレだけどねーっていう。「山廃 雄町66」よりは瑞々しい酒質ではあるものの、どことなく人見知りで心を閉ざしたような硬さもある。これは酒の若さ (未熟さ) うんぬんではなく、属性的な細さやソリッドネスに由来するものだとは思う。言っても仕方ないが、これが26BYなら豊満な果実味とのミラクルなコントラストが生じていたことだろう。キミのわかる言葉で言えば〝信じられないほどのジューシーさ〟を兼ね備えていたということだ。



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 ▲そして三幸製菓『かりんとう!? かりかりツイスト あのとき感じた初恋のこい味 濃厚チーズ味』は改めて食べても理解不能な出来栄え。☆2



shinomine_sou_natsuiro28by7.jpg 山廃では感じだけど、この酒で特に木香は感じないなあ。スリムジューシイでいいんじゃないでしょうか。奥から蜜っぽい甘みも湧き出てくるし、液性に芯の強さを感じるので、少なくとも最近の「風邪の森さん」よりは同じ奈良の地酒として明るく健康的。

 日輪田27BYも参戦──。

日輪田」は余韻の中にボワ〜ンと現出する苦みを除けば、Bodyそのものは山廃ライクにカロリーオフ。少なくともこの流れだと嚥下物語の導入部分は「水か!」並みに淡麗 (笑) 。ま、そのあとすぐピール (フルーツの皮) な苦みがゴシっと来るわけだけど。

 ────ここで三幸のクソ菓子を捨てる────


shinomine_sou_natsuiro28by8.jpg篠峯」は最初から旨みの塊がガッツリ飛び込んでくるニュアンスだよね。遅れて伸びて来る甘みをもう少しキレイに酸で手仕舞えないかとも思うが、今のところ28BYの中では一番いい──というより、素直にキチンとした酒。なんだか「クール&ビューティー」という雰囲気よ。「篠峯」としての極上とは程遠いが、それでも今年オレが散々付けてきた数々の☆3.5酒よりは一廉の存立性を兼ね備えていることだけは確か。

 とはイエイ、あろうことか、オレもつくづく不幸な方向に人生を舵取りしちゃったな、と思う。こんな酒、両方ともブログなんか書かずにテレビ観ながらワイワイ呑んでりゃ、何も文句はないくらいの完成度だよ。ただ、もっと旨い瓶を知ってるがゆえに、呑気に「旨い!」を連発できないというかさ。Ignorance is bliss. (無知こそ至福=知らぬが仏) 」とはよく言ったもんだよ。

 堺杜氏が同じ6号酵母の「山廃 雄町66」と味クラーヴェしてくれと言ってたので、そこに答えておくと、そうねえ、「山廃」はまさに「蒼」の干物だね。「蒼」が刺身や生状態からの焼き魚なら「山廃」は干物の網焼き。よく似た兄弟というよりは、生き別れた二卵性双子の、金持ちに育てられた方と庶民に育てられた方というか。酒としての出来栄えは「蒼」の方が上だが、必ずしも「豊かさ」と「貧しさ」の相対に収まる話ではなくて、単に「山廃」に伸びやかさ、明るさが足りなかったということ。堺杜氏ならもっとモダンで透明感のある山廃を造れるはず。正直、縦横無尽なエンドユーザーとして、オレはもっと出来のイイ「山廃」や「生酛」を知ってるんですよ。あ、でも、26BYの「篠峯 純米大吟醸 雄町 中取り生」や「篠峯 純米吟醸 八反 生」や「櫛羅 純米吟醸 生」より旨い酒は知りませんよ、念のため。というわけDE、29BYは期待してます。

 そしてこの酒には2日目がある





── 2日目。

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 ▲これが穴開きジーンズの最新形らしい。



shinomine_sou_natsuiro28by11.jpg いいっすねえ。チャキっとスリムにオサレ酸っぱいモダンフルーティー酒。「山廃雄町」よりノイズレスだし、この手の酒の極上品ではないけど、良品ではあると思う。具体的に言うと、同じ「果実学園 赤組」の中では「福祝 DON’T THINK.FEEL !」の方が出来はいいけど、それでも27BY以降の「篠峯ライン」はキチンと引かれてるとは思う。今日はしっかり酸っぱいのはいいけど、なんか甘みが潜っちゃったなあ。オレが呑んだ28BYの「篠峯」の中では一番優等生な印象だけど、の数で負けるものの、やっぱ「田圃ラベル Vert 亀ノ尾」の方が魅せられることは確か──寝かせてる一升瓶、今はどんな感じかな〜。


shinomine_sou_natsuiro28by12.jpg なんか今は温度が少し上がって、まるでボーっとしてる間に氷が溶けて薄まっちゃったカルピスみたいなニュアンスなんだけど (笑) 、今日も「日輪田」を挟み込むと、やっぱ「篠峯」の方が液性に速醸らしい階層的な厚みはある。例えるなら「バームクーヘン」と「クレープ」の違いというか。

 そして「日輪田」は残り2合を切って、ようやく明白な熟味が出てきた。これはこれでいいな。米の旨みに琥珀カラーが宿り始めて来たし、そこにコツっとアタックする感じは嫌いじゃない。オレの言う、硬めに炊いた米のような輪郭の旨みというか。

 なんか今日は「日輪田」の方が洗練美を感じるな (笑) 。「篠峯」は温度が上がると細かい粗が見えて来るのと、やはり26BYなどのグレート・ヴィンテージと比べると、全然スリムだし硬直した液性ね。ワイングラスだとバター様のヌメリと甘みが香りの中に現れるけど、味わいに直結する優雅な甘みの豊満はないので、まだまだ真の飲み頃は先かな。特に熟したタッチは皆無なので、セラー温度 (11℃前後) でも2ヶ月くらいの保管は余裕ということがわかっただけでも秋の収穫か。他の銘柄じゃ同じようにはいかないとは思うけど。

shinomine_sou_natsuiro28by13.jpg ま、28BYの「篠峯」の中にあっては初心者向けというか、試しに飲んでみるには程良い完成度だとは言える。酵母由来なのか、なんか乳酸ライクな表情もあって、清楚ながらも愛嬌のあるフレイヴァーを見せてくれる──ただし、ピンと張り詰めたテンション強めのシャープさはある。悪くない。そして「日輪田」は味 (毒っ気) の抜けた今日が一番いいな (笑) 。非常にイイ甘み。こりゃ意外な展開だ。

 ちなみに数値は「日本酒度:+5、酸度:2.4」なのな。いわゆる喉ティンコファイヤー (喉を焼くような辛み) もないし、酸度は体感そんなもんだけど──それでも力強さという点では少し不満はある──、甘みもそこそこ感じるし、デイリーユースのエレガントな食中酒というタッチで悪くないと思う。問題は、いつでも簡単には買えないということ。☆4でフィニッシュです。

 ♡☺♡ (メール原文のまま) 「ドライフルーツな香りと味、スーパードライ、渋い葡萄の味。残業疲れのおばさんにはもうちょい甘さがほしいがコレはこういう酒なんでしょう。少し温度が上がってきたら馴染んできた」──実は中身を伝えずに持たせたんだけど、そこまでドライかな。ドライっつうか、細っそいんだよな、28BYの「篠峯」は (笑) 。


moukan1972♂






日本酒 篠峯

Comment

Name - moukan1972♂  

Title - To まったり日本酒道さん



毎度です。

少しご無沙汰でしたかね。気づけば、すっかり寒くなりましたし、新酒がドカドカ出てきました。1年が早すぎて困ってます (笑) 。


──少し寝かせれば味が出て来るかなーと思っていたのですが、まだまだのようですね。

数値に照らすと、そこそこ粘性のある甘みは顔を覗かせてはいましたので、たぶん、出たての頃よりは味は出てるんだと思いますが、熟成を感じさせる要素は特になかったですね。これならリリース直後の26BYの方が遥かにグラマラスですね。


──この調子だと、ミネラリーな骨格に対峙できるくらいの味わいが出て来るのは、セラー温度だと、1年くらいになるんですかね。生酒だし、僕の好み的には氷温で2年がいいですが(笑)。

僕の経験上、篠峯だと、氷温2年も別に大したことはないですね。温度を上げるのは、単に2年も待てないので、タイムマシン効果を狙ってのことです──氷温2年の状態の近似値にセラー温度なら半年で到達するみたいな。

まあでも、保存温度が変われば仕上がりの質に違いは出ますけどね。どうも個人的に長期低温保存というメソッドに確たる合理性はないと思っていて、仮に熟成数値が計算できるとして、氷温2年と中温半年が同じモノなら──仕上がりのニュアンスは違います──、味を膨らませる、広げるという方向では、中温短期の方が実りはあるのでは、という仮説を立てて、来季は同じ酒を3本買って試してみますよ。サンプル候補は28BYの日輪田最終便でもいいんですが、あとは冩樂の通年「純米/純吟 (生詰) 」あたりがいいですかね。

熟成に関しては科学的な客観性だけでなく、個々の経験則すら、言うほどには決定的な何かを有してるとは思えないですね。氷温5年の商品を出してる蔵元はそこそこありますが──それこそ「出羽桜 雪漫々」とか──、複数の温度で5年寝かせたモノを比較したわけじゃないですし、プラス、そこにクロスさせて熟成期間の定数を変えて縦横無尽に検証したわけでもないですからね──例えば「氷温5年」「2℃4年」「5℃3年」「10℃1年」を飲み比べるとか。


──最近、メガネ警察ネタがないので、メガネ警察ネタよろしくです(笑)

どいつもこいつもオハナシニナラナイので、逆にマトモな人が少数で、もはや取り上げるモチベーションすらない感じなんですよ。普通の酒記事の中で細かくピンポイントで指摘はしてますけど (笑) 。最近だと、坂上忍は相当キテますが、相手にするのも疲れる感じです。

https://stat.ameba.jp/user_images/20140129/12/shinobu-sakagami/b0/b8/j/o0480048012828654351.jpg


2017.11.09 Thu 22:56
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Name - まったり日本酒道  

Title - まだまだでしたか

こんばんはー。お久しぶりです。

少し寝かせれば味が出て来るかなーと思っていたのですが、まだまだのようですね。この調子だと、ミネラリーな骨格に対峙できるくらいの味わいが出て来るのは、セラー温度だと、1年くらいになるんですかね。生酒だし、僕の好み的には氷温で2年がいいですが(笑)。

最近、メガネ警察ネタがないので、メガネ警察ネタよろしくです(笑)
2017.11.09 Thu 22:33
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