◤Etienne Lefevre / エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・レゼルヴ カルト・ドール グラン・クリュ NV 




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 毎度アクセスありがとうございます。


 先週の土曜に飲んでますが、一応、記事にはしておきます──1分後の自分のために。

 輸入元 (インポーター) 狙いでワインを買ったことも集めたこともないんだけど、特にシャンパーニュのように──少なくとも日本国内に輸入されているモノにおいては──数と種類に限りのあるジャンルだと、適当に買っていても、それなりの量を消化する中で、特にRMモノであれば、自然と同じ輸入元に何度も出会うことになる。そう考えると、このFiradis (フィラディス) という会社が扱ってるシャンパーニュの中に我々の嗜好の中心を射抜くものが決して少なくないということが、つい最近わかってきた。デパート換算で言えば♡☺♡「アタシの好きなブランドが全部入ってる」的な (笑) 。




 ▲右はこのメゾンの人気キュヴェ「ブラン・ド・ノワール NV」で、今回オレが飲んだのはシャルドネ入りの混醸タイプ。左はご存知我が家の鉄板ブラン・ド・ブランであるブリュン・セルヴネイのNV。



 今回はFiradisが直接運営する販売サイトから同梱で買ったわけだが、一つ言っておくと、直販だからと言って別にここのワインはフィッチやウメムラより安いわけではない。ただし、コンディションという点では (物によって) メゾンから直接買い付けてるので、自宅とメゾンとの途中下車駅は一つだけになる。

 それでも少しの工夫とそれよりさらに少しの煩雑さえ惜しまなければ幾らか安く買う方法はあって、新規会員に登録すると1回だけ使える「1,000円クーポン」が進呈される。たとえばこれを使って、上の写真にある「シャンパーニュ探求セット VOL.1 送料/税込み10,000円」を9,000円で買えば1本あたり4,500円なので悪くはない。そして今だと、まさにこの「エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・レゼルヴ カルト・ドール グラン・クリュ NV」がアウトレット特価で買えるので、これを同梱すればさらに単価は下がる。はじめて買うと次に使える1年期限付きの1,000円OFFのクーポン・コードを貰えるので、オレはそれでブリュン・セルヴネイのマグナムを「週末限定特価」にブツけて買ったというわけだ。あとはメルマガに登録すると優先的にアウトレット商品や日替わりの特価品などへ誘導してくれるので、毎日長ぁ〜い熱量多めのメルマガが届くが、新聞の折り込みチラシだと思えば、ゴミにならないだけ、別に扱いには困らない。







 いちいちオレがこうして細かい作法をここに書くのは、日本酒の場合、ブログを始めた時点ですでに多少のキャリアがあったわけなので、言ってみれば、オレがどうやって〝その世界〟に対して詳しくなって行くかの軽いドキュメンタリーとしてのブログ表現もあるのではないか──そんな野心もあることを初めて告白しておこう。いつも言ってるし書いてることだが、イチローにだって初めてバットを握った日はある。少し違うのは、読者の一部は我々が初めてRMモノのシャンパーニュを飲んだ日を知っているということだ。

 エティエンヌ・ルフェーヴルはヴェルジー (グラン・クリュ) で1977年に創設されたRM (レコルタン・マニピュラン=自家栽培醸造家) だが、一族のブドウ栽培そのものの歴史は1621年まで遡るという、数多くの栽培家と醸造家が軒を連ねるモンターニュ・ド・ランス地区でも最古参組のうちの一つだ。現当主のエティエンヌの祖父が1921年に栽培に加えてシャンパーニュの元詰めを開始し、RMとしては三代目であるエティエンヌとその兄弟が父から畑を受け継いだとき、他の皆は栽培家に戻ることを選んだという。この家族が最も多く所有するヴェルズネイ (グラン・クリュ) のピノ・ノワールは、潤沢な資金力のある大手メゾンが高い値段を払ってでも獲得したい、長命のプレスティージュ・キュヴェを造るためには必須のブドウであるゆえ、わざわざ自分で手間の掛かるシャンパーニュを造らなくても、早い話、黙って良いブドウさえ作っていれば、稼業は常に安泰というわけだ。

 それでもRMとしての道を捨て切れなかったエティエンヌは、兄弟たちと袂を分かち、畑の一部を個別に相続し、自らの名を冠したメゾンをヴェルジーに設立したわけだが、実際に最も多く所有するのはヴェルズネイの畑である。あるときインタビュアがアンセルム・セロスに「メニルだのアンボネイだののグラン・クリュを買ってるお金があるならヴェルズネイを買うべきじゃないですかね?」と話を振ったら、彼は「ヴェルズネイが最高のクリュであることは常識。問題は誰も売ってくれないということだ!」と答えた。


 シャンパーニュ界のピノ・ノワール四天王と言えば、教科書的には今回の「ヴェルズネイ」と、同じランスの「アンボネイ」「ブジー」、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の「アイ」ということになるが、中でもヴェルズネイはこの中で最も北に位置していることに加えて畑も北向き斜面に広がっており、他の三つの村のピノ・ノワールがリッチで豊潤なワインに仕上がるのに対し、ワインに精緻な酸やミネラル感、透明感や伸びやかさ、そして丸く完璧なバランスと気高さをもたらすと言われている。思えば我々が飲んだジャン・ラルマン (写真左上) もヴェルズネイのRMであり、酸フェチ家族である我々が大手メゾンと同様、この地のピノ・ノワールに御執心になったとしても別におかしくはないし、今こうしてそのロジックの──それこそ透明性を知るのである。[参考地図

 ただし、あえてアンセルム・セロスの言葉を真似るなら「ヴェルズネイの酸とミネラルが最高であることは我が家の新常識。問題は手軽な値段で買えるRMの数が少ないということだ!」──ということにはなる。



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 随分と回り道をしたが、今回のキュヴェはPN75%、C25%の混醸タイプ。ヴェルズネイを主体にヴェルジーもブレンド。平均樹齢40年なので〝ヴィエイユ・ヴィーニュ〟を謳ってもおかしくはない。マロラクティックON、発酵はステレンスタンクを使用、ドサージュは6g/1Lと少なめ。瓶熟は36ヶ月とミレジメ並み。ウメムラなんかではブラン・ド・ノワールの方をプッシュしてるんだけど、逆に混醸タイプの方が出回ってる数が少なそうなので、まずはこちらからエントリー。

 しかしまあ、他の兄弟が醸造をやめて栽培一本に戻りたいと言う気持ちもわかるわ。ベースワイン造りから熟成、デゴルジュマンから出荷まで、約5年もかかる上、その間に予期せぬ災害や事故だって起きないとは言えないわけで、手っ取り早く育てたブドウを金持ちメゾンにバンバン卸した方が夜もよく眠れるだろうよ。まさに男のロマンすなあ。




◤Etienne Lefevre / エティエンヌ・ルフェーヴル ブリュット・レゼルヴ カルト・ドール グラン・クリュ NV




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 立ち香──ウホっ、シロップ。木イチゴのコンポート。イチゴジャム。紅茶のような渋酸の輪郭。これは最強フルーティー伝説きたかもしんね──「原料:果実」だから当たり前なんだけど。ま、香りと味は必ずしも100%合致するわけじゃないので、飲んでみないと味とどこまでリンクしてるかはわからないんだけど、それこそ香りフェチの飲み手なら飲まなくても満足するレベル (笑) ──しねえよ。

 ♡☺♡「あああ、大人ベリー。いい感じに苦みがある。ブドウっていうよりイチゴが強いね。味が濃い。香りほど華やかな味でもない

 線は細いが筆圧高めの酸ラインによるクッキリとした輪郭でキレイな球体を描く透明感のある軽やかな果実味。ピノ由来の膨らむ甘みを25%のシャルドネがシャープにいさめる見晴らしのいい骨格。それでも余韻は若干弛緩気味に長めで、個人的には、このバランスであれば、ドサージュはもっと少なくていい。今飲みながら調べたら (前説は飲んでから書くスタイル) 、これでたったの「6g/1L」とは驚き。一体どんだけ熟したブドウを使ってるんだよ (笑) 。これならノンドサージュでも面白いし、なんならマロラクティックOFFでちょうどいいくらい。それでも基本を変えないなら、2〜3gで十分だと思う。料理もそうだけど、実は一番難しいのは〝塩加減〟なわけで、シャンパーニュの場合はこれがドサージュに相当すると思う。先日のジャクソン739のように逆にドサージュが少なすぎて味気ないキュヴェもあるしね。



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 なんだかんだ言っても、高級白ワインとしては十分過ぎるほど旨いですよ。それこそ抜栓だけしてガス抜きして翌日に飲めば、同価格帯の白でこれに勝てるものがどれだけあるか。

 それでも酸はしっかり。レゼルヴ (36ヶ月の瓶熟成) らしいタンニン豊かなリッチな渋み。ただ、いかんせん、少し甘い。ややベタつくというか、せっかくの美しい果実の球体がペチャっと弾けて果汁が漏れ出る感じ。ドサージュはそのままで、シャルドネの比率を30%くらいに少し上げてもいいかな。

 ♡☺♡「別に美味しいけどリピはない

 仰る通り、ブラン・ド・ノワールを買うかどうかも少し迷う。チャーミングかつキュートなので初心者向けだけど──そういう意味ではまさに女子会向け!──、だったらオレは同じ店で売ってるベルナール・ブレモンを推すし、ヴェルズネイのRMの造る最高のNVキュヴェは、やはり今のところジャン・ラルマンだと思う。ウメムラで再入荷中。1,000円クーポンを使えばフィラディスの方が安いか。今週末にでも飲んでみるかな。

 ちなみにジャン・ラルマンの最新ミレジメである「2010」が先日リリースされたけど、あまり良いヴィンテージではないみたいね──少なくとも2008や2009に比べて。だったら売れ残りの「2009」を漁りたいところだが、ミレジメになると途端に値段が跳ね上がるんだよなあ。やっぱ大アタリのRMモノのNVはコスパ最強ですよ。


moukan1972♂moukan1973






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