もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

 日本酒を飲んで心底「面白い」と思ったのは久しぶりかも。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤Jacquesson / ジャクソン キュヴェ no739 NV 




2017_10_22Jacquesson4502.jpg



 毎度アクセスありがとうございます。


 実は週末に飲むシャンパーニュは金曜までに写真撮影する事情から先に決めてしまうんですが、なんとなーくエグリ・ウーリエと釣り合うのはジャクソンじゃないかと、ただの勘というか雰囲気で選んだら、これも旧クラスマン (現『Les Meilleurs Vins de France (レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス) 』) の三ツ星生産者だったという (笑) 。

 買うときにそれくらい調べろよと思う人もいるだろうけど、そういうことに興味がないんだから仕方ない。それに格付けというのは他人やガイド本ではなく飲んだ本人がするべきだと思うし、例のシャンパン本にだって、オレの好きなブリュン・セルヴネイベレッシュベルナール・ブレモンは掲載されてないわけだし──そもそも最新情報が執筆時の2008年なんだから仕方ないけれど。






 photo: シャンパーニュ専門店 マチュザレム


 約5200ほど存在するシャンパーニュの全生産者の中から、旧クラスマン (現『Les Meilleurs Vins de France (レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス) 』) という権威あるフランスのワインガイドブックが三ツ星を与えたのは僅か9社 (クリュッグ、ボランジェ、サロン、エグリ・ウーリエ、ジャック・セロス、ジャクソン、ルイ・ロデレール、ポル・ロジェ、アグラパール) で、エグリ・ウーリエはRMとしては初、全体の中でもRMの三ツ星生産者はエグリ・ウーリエとジャック・セロスとアグラパールだけ。







 ▲ローラン・シケとジャン・エルヴェ・シケは兄弟。



 この1798年創業の老舗メゾンには様々なトリビアがあって、中でも「ナポレオン愛飲」と「ミュズレの発明」は特に有名。「ミュズレ」というのは、コルクの頭に被ってる王冠で、これに金具を挟んでコルクを固定する方法を最初に編み出したのがジャクソン。この方法はシャンパーニュに限らず、すべての国のスパクーリングワインに採用されてるわけだから、特許を取っておけばなあ (笑) 。

 そして2003年 (2000年収穫分のブドウを使用) 、この老舗メゾンが新たに仕掛けたのが「700シリーズ」で、これはなかなかに斬新ながらも、極めてわかりやすい「新しいNVスタイル」の確立と言える。通常、モエ・エ・シャンドンにしてもヴーヴ・クリコにしても、NVキュヴェというのは〝メゾンの顔〟であり、伝統の味を守るために、むしろ毎年毎年安定した品質を維持することにすべての努力が向けられると言ってもいい。つまり、味を変えないことこそが信頼の証であり、蔵としての威厳と矜持。




 photo: シャンパーニュ専門店 マチュザレム



 ところが、ジャクソンはこうした伝統的なNVスタイルに敢えて異議を唱える。つまり、ベースとなるその年に収穫されたブドウの出来とキャラクターに合わせて、「毎年1つだけ最高のものを」というコンセプトの下、毎年毎年セパージュ (ブドウ品種のブレンド比) などのレシピを大胆に変え、価格さえもその年によってマチマチという具合なのだ。2003年に初リリースされた「no728」はメゾンがこれまでに手掛けた728番目のキュヴェという意味であり、最新作は「no740 (2012年ベース) 」である。そしてジャクソンは「728」以降、総生産量の96%をこの「700シリーズ」としてリリースしており、彼らはこれを「ノン・ヴィンテージ (NV) 」とは呼ばず、「毎年違った個性が表れる」ことから「ベーシック・キュヴェ」と胸を張る。



2017_10_22Jacquesson4505.jpg

2017_10_22Jacquesson4511.jpg
 ▲肝心な情報をシールで隠すなボケ、この素人が。



 というわけDE、この「no739」は2011年に収穫したブドウでベースワインを造り、そこに全体の31%ものリザーヴ・ワイン (蔵でストックしてる様々な収穫年の熟成ワイン=通称:秘伝のタレ) などをブレンドして行く。セパージュは57%C、21%PN、22%PM、ドサージュは3.5/1Lのエクキストラ・ドライ。シャルドネに関してはコード・デ・ブラン地区のアヴィーズ産 (グラン・クリュ) も使われてるみたいね。Dégorgement (澱引き=最終仕上げ) は2016年の7月と、これまた偶然にエグリ・ウーリエと被ってしまった (笑) 。





◤Jacquesson / ジャクソン キュヴェ no739 NV




2017_10_22Jacquesson4636.jpg



 とまあ、前説に手間をかけた割りには肝心のレポートが随分とアッサリしてますが (笑) 、なにより前説は1分後の自分自身のために書いてるので、アシカラーズ。ろくに飲みもしないくせに能書きだけガンガン頭に入るほどオレの脳味噌は高スペックじゃないのよ──学生の頃から歴史とか地理とかの暗記科目は超苦手だったし──、そもそも飲んでからじゃないと覚えられないのよ。だから買う前も買った後も、飲むまではあまり詳しくは調べない。



2017_10_22Jacquesson4642.jpg




 立ち香──最初は明るくフルーティーだけど、徐々に煮詰めた果実のような熟香が膨らんでくる。全体の香りはシャルドネが牽引するが、複雑味、熟れた果実味、樽香における燻んだニュアンスはピノ由来か。なんかクリアで軽そうだな。

 ♡☺♡「ああ、さすがにシャルドネが効いてる。あああ、酸全面、ウマっ



2017_10_22Jacquesson4643.jpg
 ▲これが噂の希少部位「手羽トロ」だ。売り場のスタッフによると、今回はたまたまメーカーからの特別オファーだったようで、16kg分は余裕で即日完売。今後の入荷予定は特にないらしい。そりゃ残念。

 ▼見よ、この皮とも異なる迫力ある脂の絡み具合を──まるで山脈に積もる雪のよう (笑) 。これで78円/100gは激安。肉質はともかく、脂のコクと甘みは高級地鶏クラスのエネルギー。唐揚げより水炊きがいいでしょう。

2017_10_22Jacquesson4654.jpg



 結構ドライ。ちょっと薄いかなあ。これならもっと安くて旨いヤツはいくらでもある感じ。とはイエイ、さすがに細部は手が込んでるというか、小さくて狭い部屋に、それに相応しいサイズと量の上質な調度品が無駄なくキレイにセンス良く並べられてる感じ。そういう意味では小さな世界に閉じこめられた精緻な味と香りのジオラマとは言える。

 透明感のあるレモンのような酸はシャルドネだと思うけど、少しドヨンとした重油感はアヴィーズ由来か。酸の出方はメニルを思わせるが、どうにも迫力不足。あまりピノ兄弟が目に見えた活躍をしてないような。これに比べたらエグリ・ウーリエのNV (75%PN、25%C) は極めてエレガントかつパワフルな仕上がりで、口の中に様々な景色がはっきりと広がる。



2017_10_22Jacquesson4661.jpg



 冷たすぎるのはダメですね。温度が上がった方がそれぞれの調度品に正しいスポットが当たる──ものの!──それでも少し割高ではあるかな。ドサージュ3.5g/1Lはいくらなんでも粋がり過ぎじゃね (笑) ? このバランスなら8g/1Lでも十分に酸っぱいと思うな。


 ♡☺♡「ちょっと薄いかな。これいくら?
 dಠಠb「フィッチで税込5,500円くらいだけど、再入荷分はもう少し高い
 ♡☺♡「それは高いな
 dಠಠb「これなら (軽やかなレモン白ワインとしてなら) R&L ルグラの方がマシだし、似た方向性でのエネルギッシュ版としては、なんだかんだでブルーノ・パイヤールは良い出来だったかも

 まあ、これはオススメはしません。ややスカしたレモン水。旨ければ「no740」を買おうと思っていたけれど、それもないかな。他に買いたいヤツ、いくらでもあるし。やっぱRMモノのアタリはコスパいいなあ。ブリュン・セルヴネイとかジャン・ラルマンとか、アタリのロットを引くと、エントリークラスのNVでも凄まじい完成度だよ。今週末はブリュン・セルヴネイのミレジメかジャン・ラルマンのレゼルヴでも開けちゃおうかなー。


moukan1972♂moukan1973






Comment

Add your comment