もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録

「再会」とは「出会い」のレゼルヴァ (笑) 。
〜 平日は日本酒、週末はシャン、毎日「本日の1曲♪」、合間にお菓子 (主に安煎餅) &女優評、超時々メガネ警察〜

◤金寳自然酒 - 生酛 純米吟醸 直汲み別誂え 無濾過生原酒 28BY ──dಠಠb「自然酒と自然に仲直り」#東ハト『忍者スナック ふわ丸 旨塩味』/三幸製菓『ミニサラダ 九州醤油味』/フンドーキン醤油 




sizenshu_jungin_betsuatsurae28by3.jpg なぜか自然酒 (しぜんしゅ) です。オレと自然酒の関係ほど不自然なものはないが、これは低俗なレトリックではなく、少し入り組んだ滑稽な事実である。その不自然な出会いと不敵なレポートの詳細はコチラをご覧いただくとして、ここでは自然な関わりの中で穏やかな記事にしたいと考えている。

 日頃から何を飲んでも──ということもないが多くの場面で──「酸が足りてねえんだよバカヤロウ!」と恣意的な暴言を吐きまくっているオレは今や、そこに期待を寄せて日本酒を飲むことも少なくなってしまったようだ。というのも、今では最初からそういう酒を「山廃」や「生酛」という醸造上の属性から選んで買っているからだ。だから先日の味ノマチダヤ試飲会でも、酸に関しては少し横柄な権威者を気取ってスカした態度で臨んでいたのかもしれない。そうしてまんまと試飲会経由で買った3本の酒がどれも甘い酒になるという人生における皮肉スタイルのしっぺ返しを食らってしまったというわけだ──もちろんオレ自身はこうしたアプローチの皮肉や逆転が大好物ではあるし、そのためになら喜んで道化にだってなってやるさ。



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 ▲我が家では勝手に「 (戸山公園を走ってる) マラソンのおじさん」というニックネームで呼んでいる営業部長の内藤高行氏。どちらかと言えば「酒」ではなく「体育教師のオーラ」を醸している。写真クリックで試飲会の自然酒レポにJUMP。



 スペックは「トヨニシキ60、701号酵母」の直汲み生原酒で、数値は非公開、上槽や瓶詰の時期は不明ながら、蔵での氷温熟成を経てから10/3に出荷された限定300本の商品であることは確認済みである。試飲会の最後の最後にブースに辿り着いたので、その時点でガスは残っていなかったが、抜栓直後にはガスもあると説明してくれた。前回の純米70よりもクリアかつスリムな液性で、甘いは甘いが軽やかに飲める。オレもmoukan1973♀も最後の最後に口にした日本酒ではあったものの、なにげに今日飲んだ中で一番旨くないか?という話になり、ネタにもなるし、楽しめそうなので勇んで買ってきた次第。




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 ▲「ふわっと消える的な素早い口どけでござる」──いい表現だ。


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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆½

【456】金寶自然酒 -きんぽうしぜんしゅ- 生酛 純米吟醸 直汲み別誂え 無濾過生原酒 28BY <福島>

有限会社 仁井田本家:https://www.kinpou.co.jp


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 ▲東ハト『忍者スナック ふわ丸 旨塩味』はまるで美味しいボール紙のようなテクスチャー。味はカールの「うす塩あじ」と全く同じ方向性。〝ふわふわ〟と〝もそもそ〟の境界線を〝しっとり〟と彷徨うファニーな歯触り。そのあまりにチープな食感は冗談に満ちてはいるが、徐々にこの脱力感に懐柔されてしまう自分たちがいる。味そのものは☆3.5だが、存外に気分は楽しい。






 立ち香──自然酒らしいバター飴なミルキーさもあるけど、そこそこアルコール感 (辛口的な輪郭) にもコネクトできると思ったら、そうか、ここに701号酵母が効いてるのかと思ってみたり。相変わらず果実はないなあ (笑) 。

 ♡☺♡「いい乳酸だ。あんときより結構甘く感じるけど、なんか口の中がバター飴だらけというか (笑)


sizenshu_jungin_betsuatsurae28by5.jpg 思ってたよりシャープというか、スリム。そして直汲みらしい個体差なのか、試飲会で飲んだ瓶より苦みを感じる。「バター飴」というより「甘さ控えめの鼈甲飴」だね。なんか想定していた味じゃないけど、別に問題なく飲める。やっぱ酸による力強い凝縮感があるんだなあ。これを単に甘い酒としてしか感じれない (楽しめない) 人は残念としか言いようがない。大袈裟な話、この酒にとって甘みは纏いであって本質ではない。むしろ酸だけが魅力の酒。単にミルキーで甘いだけの酒なら誰にでも造れる。

 たとえば水飴とハチミツを頭に思ひ浮かべてごらん?──明確な酸があるのはハチミツの方だろ? みたらし団子を思ひ出してみてもいい。これ、醤油じゃなく水飴100%だとしたら全然美味しくないよ。醤油に含まれる「酸」があるから甘みが引き立つんだよ。

sizenshu_jungin_betsuatsurae28by6.jpg ♡☺♡「あたしはこの苦みはイヤじゃないのよ。そしてなんか落ち着く (笑) 。この甘みが今のアタシには程良いというか。そしてあの宣伝部長のマラソンおじさんの顔が浮かぶ (笑) 。案外クイクイ飲んじゃう

 結構な出力で甘酸の輪郭がカッチリしてるよ。ホロ苦スイートシャープでザザっとミネラリー。初日なのでガス由来のジャバジャバしたテクスチャーが苦みを引き立てるニュアンスはあるけど、なんかいいよ、これ。


純米」よりもクリアでシャープな分、より硬水仕込みという属性を明白に感じるし、液性の見晴らしも断然いい。まあ、この銘柄に対して「エンタテインメントな甘み」や「明朗快活な人懐こさ」や「口内を満たす怒涛の情報量」を求め、それらに打ちのめされたい飲み手とはそもそも自然酒に求めるモノが違うわけだが。

 ♡☺♡「甘いとか苦いとか自然酒らしい要素が次々に感じられて、なんかコミカルに感じる (笑) 。でも進む。やっぱイイ酒というのは進むんだよ。1973のクイクイ認定酒です!」←クワナリどうでもいい認定 (笑) 。

 なんか軽い味見のつもりが、ついつい飲んじゃったな。☆4.5





── 2日目。

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 ▲三幸製菓『ミニサラダ 九州醤油味』は「野趣にあふれた黒いハッピーターン」と言ったニュアンス。オレは知らなかったが、どうやら九州人なら知らぬ者はいない「フンドーキン醤油」を使用しているのがウリらしい。ちょっと台湾醤油のような焦げた甘さがある。「亀田がコカコーラなら、三幸はペプシ」というオレの比喩を端的に表す格好の比較素材。ハッピーターンと並べて味クラーヴェすれば三幸的B級イズムの本質に触れることができるだろう。そして絶対に大ヒットしないという逆説的な安心感がオレにはある。☆4






 昨日、寝酒に少し飲んだら更にドライに感じたんだけど、さてどうだろう。

 立ち香──やっぱ「純米」よりメントールな辛みの発散があるかな。あくまでも相対的なレベルで際立つ程度だけど。

 ♡☺♡「あああ。なんかいい (笑) 」──いいですね!「なんかの正体」を突き止めなくても済むって!


sizenshu_jungin_betsuatsurae28by8.jpg うん。少し渋いけど、昨日よりはまとまってきたかな。ガスはまだまだ元気。「純米」よりはシャープなので、この甘みのこぼれ方と酸による凝縮感が奏でるメロディーの上下幅は狭く、逆にオレにはそこがいい。見晴らしの良い堅牢な骨格に乗っかる味のメロディーは、なにもそこまでドラマティックでなくとも十分に楽しめる。そういう意味で、純米は派手に音階を暴れまくるアニソンやアイドル歌謡であり、純吟はボトムラインのGrooveで押し切る、非メロディー主義のDance Musicであると言える。もっと言えば、純米はVocalヴァージョンで、純吟はDubヴァージョンではあるが、このニュアンスを共有できる人は限られるだろう。

 ♡☺♡「それなりに甘いながらもドライなジューシー感もあってそこそこ気に入りました (笑)

 結構ホロ苦い余韻のロードが続くけど、個体差なのかなあ。別にこれはこれでいいけど、せっかく「自然酒」を買ったのだから、この骨格と酸があるのなら、そこに関してはもう少しチャーミングに甘さが弾けていても許容。いずれにせよ、なかなかいいですね。☆4.5

 初日も2日目も食前酒レベルの試飲なので、今夜、じっくり飲む。ガスが抜ければ〝らしい甘み〟にもコネクトしやすくなるのか。それと言うの忘れてたけど、別に「The 生熟!」という表情は特にない。むしろ今はまだ、酵母に糖分を食われてドライ化してる段階かもしれない──ここから本格的に旨みと甘みが伸びてくるには、更にもう一段階の熟成が必要なのかもしれない





── 3日目。

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sizenshu_jungin_betsuatsurae28by10.jpg ガス抜けた、旨い。味として酸っぱいだの甘酸っぱいだのとまでは言わないが、歴然と酸を感じて楽しむ酒。みたらし団子、甘いか塩っぱいかの差かね──オレの味覚は「みたらし団子」の中の「甘」より「塩気 (酸) 」を優先させるもんで (笑) 。

 ガスが抜けると、結構、余韻の中にミネラルを感じる。チョークとまでは言わないが、そこそこ腰のあるパウダー感。香りはバター飴だしミルキーなんだけど、含むとそうでもない。キューンとした酸による旨みに対してフォールするかのような心地良いプレス感がようやく出てきた今こそオレの舌にますます馴染む味のバランス。これが重いとかクドいとかはありえないな。

 明らかに速醸酒とは異なるストラクチャーであり──これぞ非速醸酒的な旨みの立体構造であり、うちのブログが今年ずっと掲げてきた〝ポスト速醸酒〟として決して譲れない属性。だからオレは今季の「九郎右衛門 山廃 雄町」を認めないし、あろうことか「黒澤 Type7」と「巖 authentic701」を味や香りという表面的な属性にフォーカスして比べることなど愚の骨頂だし──そこを離れて単純に飲み物としてどっちが旨いかを飲み手が決めるのは自由だが「黒澤」を引き合いに出してオレに薦める以上はあくまでもオレのマナーに従ってもらう──、これが大学の講義でオレが講師ならそんな学生に単位はやれない。


sizenshu_jungin_betsuatsurae28by11.jpg 味そのものは別として、ストラクチャーや液性に関しては試飲の際のニュアンスに近づいてきた。個人的にガスは要らない。少し温度が上がるとグイグイ甘くなるけど、非常に伸びやかで快活な甘さなので──おそらくこの快活さは、甘みの車輪が透明かつ平に地ならしされたコアに宿る酸ロードの上を滑からに走り抜けるからこそだろう──、そもそも重くもクドくもなりようがないが、この銘柄に求める内容次第では「もっと甘ければ」などという、単に糖分の量だけに味覚を支配された嘆きを呟く羽目になるかもしれない。

 ワイングラスは酸への収斂性がさらに増す。この環境だと「わた飴」でもなく「バター飴」でもなく「鼈甲飴」でもなく「ハチミツ」ですね。ただし、余韻の中のホロ苦さと甘みが結びついて、若干のショコラな熟味は感じやすくなる。

 いいんじゃないでしょうか。オレの味覚にとってはそこそこモダンかつデザインフルな甘口酒として認識され得る。純米は田舎の人懐こい子供だが、この純吟は無理なく洗練された、控えめだが快活な地方人士である。


moukan1972♂moukan1973






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