◤六十餘洲 - 純米吟醸 山田錦 ひやおろし 28BY ── dಠಠb「『ひやおろしが旨くないのは冷蔵庫のせいだ!』なーんて言ったらバカにされそうだけど (笑) 」 




 先日の「純米 山田錦65」に引きつづき、六十餘洲ひやおろし、今回は「山田錦50」です。同じ仕込みかどうかは知らないけど、これの生酒が結構旨かったので少し期待してます。生酒と同じラベルの火入れが通年商品として出回ってるので、これは別タンクか。




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 bottle size:1800ml




SAKE GRADE:☆☆☆½

【454】六十餘洲 -ろくじゅうよしゅう- 純米吟醸 山田錦 ひやおろし 28BY <長崎>

今里酒造 株式会社:http://www.64sake.com


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rokujuyoshu_jungin_hiyaoroshi28by4.jpg 立ち香──ちょっと興味薄なトラッド吟醸系だなあ。静岡風というか、くぐもり系のバナナというか。あんま純米と変わらんし、生との通奏低音が聴こえて来ない。

 とりあえず飲んでみる──。

 なんかウッディーな渋みがあるぞ。期待していたような柑橘系の酸と輝きに出会えないのは残念だが、一定以上のクオリティはあるかな。液性そのものは柔らか。少しサラサラとしたパウダリーなテクスチャーの中に清楚にミルキーな旨みの豊満。ただ、そこに面で寄り添う酸はなく、ややギザギザとウッディーな渋みが重なる流れ。木香まではいかないが、別になくてもいい香りの因子ではある。


rokujuyoshu_jungin_hiyaoroshi28by6.jpg 一杯だけレンジ燗──。

 ああ、こうくるか。輪郭がブっとくなって、劇画調の渋酸が現れる。うーん、別に呑めるけど──っていう。☆3.5ですね。やはり「ひやおろし」としての魅力にのめり込めない酒質と言わざるを得ない。
 
 冷酒も同時に呑んでるけど、ノイジーに渋いな。そして辛い。「ひやおろし」的な仕上がり感も特にないし、単なる生詰の出来損ないというか──まあ、残酷な言い方をすれば、ほとんどの「ひやおろし」がこういう酒ではあるんだけど。

 そして、結構甘い。「六十餘洲」としては「山田錦50生」というよりも「雄町50生」のエラー酒というニュアンスに近い。なんか不出来な時の「鍋島 純米吟醸 山田錦 火入れ」のような甘みと渋みのチグハグ・バランスを想起させるんだよな。これは期待ハズレと言っていいでしょう。残念。





── 2日目。

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 ▲一戦目の「となりのトトロ」対決では攻め気を見せずに子供に負けてしまった (笑) 。二戦目ではなんとか勝ったけど、相手のミス (作り込み&技術不足) に助けられた感じ。オレの指示通りにアレンジしてりゃガキ相手なんかに余裕で勝てるのに!



rokujuyoshu_jungin_hiyaoroshi28by8.jpg 立ち香──バナセメ (バナナ&セメダイン) に少しミルキーな甘みの膨らみ。酸はシッカリ出てるので、牛乳感は抑えられてるけど、やっぱトラッド吟醸系というか、すぐに想ひ出すのは「飛露喜 特別純米 生詰」や「一白水成 純米吟醸 美郷錦」とか、あのへん。「磯自慢」よりはキャッチーだけど、静岡吟醸系のバナナを感じてしまう。そしてオレはこれらの香りがあまり好きではない──厳密に言うと、この手の酒を呑んで心の底から「旨い!」と思ったことがない。

 実はさっきグイ呑みで軽く一杯呑んだんだけど、常温近くまで温度が上がったら酸っぱさがMAXになって何とかイケたので、オカワリをワイングラスに入れてLIVEで書いてますとにかく辛いんだよなあ


雄町50生」にあった蜜っぽい甘みもイイ感じに──美酒のマントを羽織って漂ってくるんだけど──含みますよ──やはり一連の嚥下の中では辛みと渋みばかりが目立ってしまう。やっぱ渋酸が強すぎる。いつもの感じの、甘みの球体に面で寄り添う上等の酸が足りない。味としての酸っぱさはあるけれど、それが強すぎて潰されてしまう

 これ、火入れミスなのだろうか。以前にも生詰の酒を引っ張りすぎた時に似たような渋みに遭遇したことが何度かあるな。たとえばワインなんかは冷やしすぎると逆に酸のバランスが乱れると言うけど、そもそも本当に日本酒にとっての理想的な保管温度は5℃以下の低温なのだろうか?

 変な話、長期冷蔵保存された生酒には生熟なりの香り (生老ね) はあるけど、少なくとも酸の劣化や暴走を感じたことはないんだよな。むしろ火入れをすることで、タイトになった酸が過度な冷蔵環境により、逆に窮屈になったり渋くなったりすることはないだろうか。ワインも日本酒も「熟成の仕組み」が科学的に完全に解明されたわけではないので、飲み頃 (開け時) さえ間違えなければ、低温管理こそが正義とも言えないような気がしてならない。

 そもそも江戸時代に冷蔵庫はないわけで、そういう意味でも「ひやおろし」における前提というか保存条件は昔と異なると思うな──生詰の酒をキンキンに半年以上冷やして本当に酸のバランスは崩れないのか問題があるような気がしてならないというか。

 一体誰が生詰 (一回火入れ) の酒を5℃以下で半年以上保管するのが正しいと決めたんだ? ひやおろしに旨い酒が少ないというのは、そういう根拠のない──思考停止気味の、単なる現代的な冷蔵技術に振り回された結果ではないと本当に言い切れるのか? 「ひやおろしが旨くないのは冷蔵庫のせいだ!」なーんて言ったらバカにされそうだけど (笑) 、だったらシーズンを通して蔵で一番旨い酒を「ひやおろしジャンル」でドロップしてみろよ。難しいと思うな。

 ☆3.5です。


moukan1972♂






日本酒 六十餘洲

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