◤松の司 - 純米大吟醸 山田錦45「陶酔」生 28BY ── dಠಠb「酒そのものに〝陶酔〟はできないものの、五味の細部は〝透視〟しやすい」#High Grade 




matsunotukasa_tousui28by3.jpg というわけDE、同日中に連続して「あらばしり生」に引きつづき、頂き物の松の司 (まつのつかさ) 、山田錦45の「陶酔」の2日目を飲みます。ちゃちゃっと検索したら720mlで2,740円 (税込) なので、なかなかの酒を頂きましたが、なにぶんオレは伝統的にここの価格帯の酒とは相性が悪いので、そこは御容赦ください (笑) 。

 初日の感じだと、それなりに熟味はあるものの、オレ的にはほとんど気にならないレベルです。「味」というよりは「液の形」の変化というイメージ。ポヨンとトロンと。「あらばしり」が14号酵母で、こちらは「自社保存株」という説明も散見されるものの、どうやら14号系のようです。「酸が少ない」という特徴を持つようだけど、この銘柄に関して言えば、どちらも数値以上に「酸」を感じる。オレが上位に置くタイプの酸というよりは、キレ上がりというか、ドスンとした着地感に作用する、言っちゃえば「渋み」──ワインで言う「タンニン」のような酸ではあるかな。




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 ▲普通にイケメン (笑) 。


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 bottle size:720ml




SAKE GRADE:☆☆☆☆

【446】松の司 -まつのつかさ- 純米大吟醸 山田錦45「陶酔」生 28BY <滋賀>

松瀬酒造 株式会社:http://www.matsunotsukasa.com


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※初日は「米鶴 山廃純大」→「松の司 純大 陶酔 生」→「松の司 純吟 あらばしり生」の順番で呑んでますが、あえて2日目は逆にしてます──要するにオレの好みじゃない順番です。


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── 1日目。

 立ち香──まあ、穏やかなレベル。少しムチっとした旨みの輪郭に出会うので、そこは熟成由来だとは思うけど、露骨な熟香はない。どちらかと言えば液性の変化というか、やや水飴みたいなニュアンスの甘みの膨らみ。まあ、飲んでみましょう。

 ♡☺♡「あああ、飲める」とmoukan1973♀が完全に上からな褒め言葉を投げれば、オレもオレでdಠಠb「ほう、こんな感じの酒なのか。まあ飲める」と、さらにその上からボソリ。酸度:1.3の割りにしっかりした着地を感じるので、体感的には1.7前後はある感じだ。山田錦45だけあって、入りは滑らか。光沢感のある液性と水飴のような粘性のある甘みを感じつつ、中間ゾーンは景色の閉ざされたトンネルで、抜けると結構な雑木林が広がるミネラルと渋酸。ややチグハグな前半と後半という感じだが、客人は「世間一般ではこれがキレの良さ」なのだと言う。そういう意味ではオレは「キレの良さ」ではなく「口どけの美しさ (消える魔球) 」を求める飲み手ではあるだろう。

 2月出荷ながら、別に露骨な熟味もなく、強いて言えば甘みの粘性と旨みのムチっとした輪郭にふくよかな育ちがあるかなあ程度。後半にはまだまだ硬さももあり、今も引きつづき「美酒の階段」を上り途中という感じ。こういう純大を最後に飲んだのがいつか覚えてないけど、これはそこそこな和食屋で人にご馳走になってこそ輝く酒なのかな (笑) 。確かに今回も人の頂きものだが、うちの狭い台所じゃなあ。

 さっき少し香りを嗅いだら、うっすらラムネ (やや愛らしい甘酸) というか、旨口フルーティー酒な輪郭も出てきたので、今夜、改めてちゃんと飲んでみよう





── 2日目。

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 ▲この人は一流デパートの高級雑貨売り場 (なぜか取っ手に天使が付いてたりするウン十万の花瓶とか売ってるエリア) の販売主任だったら屈指の人材になっていたと思う。もしくは一流ホテルのフロントマン。あとは中学生の時に──そんなものがあるとして──「全国No.1学級委員長選手権」に出場していたら優勝してたと思う。そして自習の時間にオレは下らない冗談を飛ばして隣りのヤツを笑かして、いつも前原委員長に注意される。「モウカンくん、静かに!」──「はぁ〜〜〜〜い」。






 立ち香──比べると、歴然と「あらばしり」の方が焦げ感あるね。まあ、全体には「陶酔」の方が清楚にスリムにフルーティー。薄い膜の糖衣な甘みの球体感。

 滑らかな入り──からの少しムチっとした旨みの豊満。膨らみはすぐに解けるんだけど、余韻がなあ。そこはさっさと消えてくれ (笑) 。まあ、さすがに見晴らしはいいかな。五味の一つ一つに容易にアクセスできる──それらの一つ一つがオレの好みではないにせよ。そういう意味では、少し後ろ向きな誉め言葉にはなるとは思うが、ちゃんとした酒ではあると思います。



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 この流れで「あらばしり生」に戻ると、もう呑めない。雑に渋いし、苦いし重い。まあ、リリースからそこそこ経過してるからこれが本当の姿ではないにせよ、酒そのものの強さやポテンシャルは極めて低いとは言えるでしょう。ま、そもそもが「あらばしり生」という属性だし、フレッシュ・コンディションで楽しむ商品だとは思います。「陶酔」は「陶酔」できないものの、細部は「透視」しやすい。こちらはオマケで☆4は付けておこうかな。味も香りも異なるが、オレと酒とのよそよそしい距離感に関してだけ言えば「雨後の月 純米大吟醸 愛山 27BY」なんかを想ひ出す。ま、嗜好の問題ですね。

matsunotukasa_tousui28by6.jpg 最後にダメモトでブレンドしてみたけど、ギシっと詰まったようなタイトネスの中に日本酒的なミネラル感が背筋を伸ばしてシャンと佇むので存外に悪くない。バランスで言うと「陶酔」ではなく「あらばしり」が何とかなったという感じ。

 ワイングラスで「あらばしり生」を呑むと、酸のコアにはアクセスしやすくなるが、ただし、やはり辛み (アルコールの揮発性) のしっぺ返しも食らいやすくなる。まあ、これはオレには不要の酒。「陶酔」のワイングラス・ヴァージョンは旨みの球体、面で寄り添う酸にコネクトしやすく、割りと厳しい顔をした純大ではあるものの、時折見せるポチャっとした甘みの豊満、モノ言いたげな恥じらい気味の果実味、そこから一転、少しスパルタなメリハリある渋酸の発露は、好意的に捉えれば、この酒としてのフィネスや矜持を指し示す一廉の思慮深さではあるのだろう。


moukan1972♂moukan1973






日本酒 松の司

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